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肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

B型肝炎の勉強会から in 東京

2012年07月17日 | 学会研究会報告新聞記事など

GSK HBV Infection Forum 2012が東京でありました。B型肝炎の勉強会です。
以下いつものごとくメモなので、誤字脱字内容間違いあり得ます。雰囲気がつかめればと思ってのせます。

虎の門の 保坂先生から

ラミブジン 791例 エンテカは?例を解析
ラミブジンの場合
e抗原が開始後半年以内で陰性化するというのもs抗原の陰性化に寄与する因子となっていた。
インターフェロン治療歴、genotype、開始時のs抗原量などが寄与している
そうデータでは、10年で7.3%にs抗原の陰性化が得られている。
インターフェロンの治療歴があると言うことがどの時期であっても寄与因子として出てくる。
それは、男性が多く血小板が低め、genotypeAの割合が多く、薬剤耐性が出るのも多いとなっていた。
インターフェロン治療歴があってALTが高い症例ではs抗原の陰性化が多い

1年間で0.5LogIU/ml以上下がるのをrapid decineと定義 信州大は0.4としてる

具体例 リバウンドしてラミブジン開始
s抗原が低いのは線維化の背景の時もある
自然経過とIFN歴のないラミブジン患者さんとは同じ消失率、IFN治療歴があると陰性化が高くなる
(この点はIFNをするということがそもそもシューブなどの治るときに起こる反応が起きていたことを逆に示している可能性があります。)

ラミブジンとエンテカの比較では、ほぼ同等いまのところ

エンテカで陰性化になる例は
開始時のALTが高い低いで
e抗原陽性でALTが高いと高い、陰性では変わらず

s抗原量ではe抗原陰性でs抗原が低い方がs抗原の陰性化率が高かった

まとめ
開始時の免疫応答、ゲノタイプが関与
s抗原の低下速度は予測に有用

茶山先生から質問
e抗原は陽性から陰性になってs抗原が陰性化するのが典型
シューブがあったからインターフェロン使ってる人もいるから、それとそうでないのも混ざってるから
どうなのかなあ。
シューブを起こさなくてもIFNを使ったらs抗原陰性化が出やすいといていいのか、ちょっと?

ゲノタイプAは陰性化しやすいが家族歴がない74%の人達がすべて、家族歴があると消えていない。

肝硬変に対してもs抗原量を判断して予後の改善を狙うべきか岡上先生から質問
まだ検討が必要だろうと

国立病院機構 大阪医療センター 三田英治先生
散発性急性肝炎のデータ
衛生状態の改善もあってA型肝炎が減っている
比率としてはB型肝炎が主流になってきているが件数が変わっていないしかしゲノタイプAが増えているのでBCは減っていると言える

B型のうちのゲノタイプAの比率は40%前後になってきてる2007年以降2000年から上がりはじめている
122例のうち半年後慢性化したのは4例1年後は2例 AもCも1例ずつのキャリア化があった。

慢性肝炎(B型)のエンテカ登録 815例
のうち背景分析542例
3LogIU/ml未満になる率でまとめている 時期で違う施設があるので
テノフォビルはエンテカと同等ではないかと
エンテカはラミブジンの耐性例で5年で半数が耐性になる

2年以上たつとアルブミンの回復が出てきてる
腎機能は 低下群と不変群と分けると低下群に高齢者が多い50才を超えてくると36%
eGFRが50を切ったら中止としてきてた
1年から3年かけて下がると回復が悪い、悪化する場合もある
長期投与ならeGFRが60を切ったら減量としたらいい、半分量でも十分効いている。

テノホの近位尿細管の障害の機序がわかっている
他に低リン血症、ファンコニ症候群などがある 
具体例 骨の痛みやALPの上昇があった1035になってた骨折線が見えてた、エンテカに変更して骨の症状は改善した。
アデフォビルの7分の1の腎障害数といわれている

テノフォビルはプレグナンシーAに分類(胎児への影響がほとんどないとされている)

アデフォビルからエンテカに切り替えた場合 DNAが4LogIU/ml未満の減少の場合

既往感染の再活性化が増えてきている劇症肝炎の分析において これは全例亜急性型で全例死亡してる。

急性肝不全の定義 2011年からこれで集計
INRが1.5以上(PT56%くらい)
リツキシマブだけではない、ステロイドでもあり得る

非昏睡型は、ウイルス型が多いが、成因不明が増えてきてるB型が多い

Hbs抗原が陰性でHBs抗体ないしHBc抗体が陽性の人 再活性化

HBc抗体陽性なら 肝移植では100%
末梢血幹細胞移植 30%
リツキシマブ、副腎皮質ステロイド 8%
免疫抑制、化学療法が終了後に発症する場合が多い
終了8から13ヶ月後の発症例あり 治療後は1年くらいは十分注意する必要がある
一年後までは一ヶ月ごとにHBVDNAをモニタリングしてほしいと、
B型キャリアは150万人、既感染は1000万人くらいいると推測される。

集計で322例 1カ月ごとにモニタリング
HBs抗体、HBc抗体両方が陽性が74%
ステロイドは大体30mg以上が登録されている。
DNA2.1未満プラスでもそれ以上上がらないなら、核酸アナログは投与していない。
2.2を超えてから投与でも十分間に合っている
3ヶ月以内で一気に増えている人もいた
s抗体値が高くても活性化してる人がいる(エスケープ症例もいる)
HBc抗体が低くても再活性化してる人がいる

キャリアでは,治療の開始と同時にエンテカ使うと発症していない。
既感染では2.1%にDNAが検出された
DNAが2.1以上で開始したら予防できる。

高感度のHBsAg抗原が出てくればDNAでなくても予測できるようになるのではと

リウマチ学会の提言では
肝臓学会との連携、面積抑制両方は中止しないで相談することと

中止しなさいといっている学会もあるので啓発が必要と1年以上の経過を診て、医療経済的に安い検査方法も必要