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B型肝炎キャリアの方の検査のすすめと感染ルートについて 北海道新聞 生活面 2014.6.4掲載

2014年06月04日 | 肝炎救済に関連して
 
B型肝炎キャリアの方の検査のすすめの感染ルートについて 北海道新聞 生活面 2014.6.4掲載
道新にB型肝炎ウイルスキャリアの方の質問に答える記事を掲載していただくことができました。感染ルートでの偏見が少しでも減るように工夫して返答をしてみました。もっといい説明の仕方もあるかなと思いつつ今思いつこことで書いてみましたが、1人でも多くの方が過去の予防接種での感染を理解してくれたらと思います。。

以下、コピペ
学んで治そう「B型肝炎ウイルスの検査」
 Q 64歳男性。5年前に肝炎ウイルス検査を受けて、B型肝炎ウイルスが体にあることがわかりました。集団予防接種で多数の人に同じ注射器を使ったことが原因と思われます。その後3年間は半年に1回、肝炎の発症がないか検査を受けました。しかし症状がないので、その後は検査を受けていません。検査を受けないと、どのような問題があるでしょうか。

〈回答〉 札幌緑愛病院副院長 肝臓センター所長(札幌市清田区)
 川西 輝明さん
 B型肝炎ウイルスが体にある人をキャリアーと言います。幼児期までに感染していることがほとんどで、キャリアーの母親から出産時に血液に触れた母子感染や、7歳までの集団予防接種が主な感染ルートです。母子感染は1985年、集団予防接種は88年に対策がとられたため、今はほぼなくなっています。
 近年は、キャリアーの唾液や血液に触れたりしたことが原因として指摘されています。成人では性感染もありますが、ほとんど慢性化しません。しかしまれに命にかかわる肝炎を発症することがあります。
 キャリアーが慢性肝炎になる確率は10~15%、肝がんになる確率は1%未満とされています。そのため、キャリアーの人は定期的に採血やエコー検査を受ける必要があります。日本肝臓学会はウイルスが多い人については、年4回の血液検査を勧めています。
 相談者は、最後に検査を受けてから時間がたっていますので、まず肝臓の専門医に診てもらってください。そのあとは、かかりつけの医師に定期的に診てもらえばいいと思います。
 B型肝炎は、2000年くらいまでは発症すると死に至る病気と言われていましたが、薬の開発が進み、治るようになってきました。早期の治療が肝がんの予防にもつながりますので、定期的な受診が大切です。
 キャリアーかどうか分からない人も、肝炎ウイルス検査を病院で受けることをお勧めします。
 
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緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究 これはすごい

2014年06月04日 | 学会研究会報告新聞記事など
ケアネットで配信されてるニュースから、コピペです。緑茶がとてもいいって話の一つに認知症になりにくくするって効果が確認されたというものです。
ペットボトルの緑茶での検討ではないので、そこは注意が必要かも。

緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究
提供元:ケアネット

緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究のイメージ

 高齢者における認知症や軽度認知障害(MCI)の発症に、緑茶・コーヒー・紅茶の摂取が影響を与えるのか――。金沢大学神経内科の山田正仁氏、篠原もえ子氏らの研究グループは、石川県七尾市中島町での「なかじまプロジェクト」において、60歳超の地域住民の集団ベースによる前向き研究を実施した。その結果、緑茶をまったく飲まない群と比べて、緑茶を週に1~6回飲む群では約5年後の認知機能低下リスクが約1/2に、緑茶を毎日1杯以上飲む群では約1/3に減少した。一方、コーヒーや紅茶ではこのような認知機能低下との関連はみられなかった。PLoS One誌2014年5月14日号の掲載報告。
 研究グループは、研究開始時に緑茶・コーヒー・紅茶の摂取頻度に関する質問、認知機能検査、採血検査を実施した。研究開始時(2007~2008年)の調査で認知機能が正常だった参加者723人のうち、490人が追跡調査(2011~2013年)を完遂した。性別、年齢、高血圧・糖尿病・脂質異常症の既往、教育年数、ApoE E4有無、喫煙、飲酒、緑茶・コーヒー・紅茶摂取頻度、運動・趣味の有無で調整して解析を行った(多変量ロジスティック解析)。
 主な結果は以下のとおり。
・追跡期間(平均±標準偏差:4.9±0.9年)における認知症の発症率は5.3%、MCIの発症率は13.1%であった。
・緑茶をまったく飲まない群を基準とした場合、認知機能低下(認知症またはMCIの発症)の多変量調整オッズ比は、毎日1杯以上緑茶を飲む群では0.32(95%CI:0.16~0.64)、週に1~6日緑茶を飲む群では0.47(95%CI:0.25~0.86)であった。
・認知症の発症については、緑茶をまったく飲まない群を基準とした場合、毎日緑茶を飲む群の多変量調整オッズ比は0.26(95%CI:0.06~1.06)であった。
・コーヒーや紅茶の摂取頻度と認知症・MCIの発症の間には関連は認められなかった。
原著論文はこちら
Noguchi-Shinohara M, et al. PLoS One. 2014 May 14; 9(5): e96013.