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肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

無視ほど残酷なことはない 希望は子どもを救う 10代の子どもが育つ魔法の言葉より

2014年06月11日 | 健康になるために 生き方について
 
 
最近読んでいる本に「10代の子どもが育つ魔法の言葉」ドロシー・ロー・ノルト/レイチャル・ハリス著の本があります。この本は10代の子どもを持つ親がどのようにこどもたちの気持ちを理解して対応するかがかかれているのですが、大人同士でも同じような心理状況があるなあととても勉強になる気がします。こう言うときはこういう風に思っているものですよって書いていて、読めばそうだよなあって思えることばかりの気がして、本として読むことですんなり心にはいってくる。そんな本です。
10代の子供さんがいる方にはもちろんお勧めですが、人とのつき合い方で参考になる部分が多いと思いいろんな方にお勧めかなと思います。その中の一節を抜粋してみました。
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無視ほど残酷なことはない 112ページ
 子どもが反抗期に入る時期は、年々早くなっているような気がします。世の中の風潮や文化や家庭環境の変化のせいでしょうか。ホルモンのせいでしょうか。すべての要素が組み合わされた結果かも知れません。
 いずれにしても、親子の絆は、子どもが10代になる前に固めておいた方がよいのです。子どもが難しい時期にさしかかる前に「お母さんもお父さんも私が一番大事なんだ」と安心させてあげてください。だれを頼っていいのかわらからない子どもは、危険な誘惑に負けやすいのです。
 9歳から反抗期がはじまる、と聞けば、「まさか」と思うかも知れません。でも、私の見るところ、そういう子もたくさんいます。小学校四年生のモリーはことあるごとに、お母さんとぶつかりました。学校へ着ていく服からピアノの練習まであらゆることに文句を言い、時には理由もなくお母さんに反抗しました。母親の気持ちを見透かし、何を頼まれても「うるさい」と突っぱねました。お母さんはどうしていいかわからず、怒りを募らせました。このままモリーが大きくなったら、いったいどうなるでしょう。
 ある晩、モリーとのいがみ合いにくたびれたお母さんはとうとう限界に達しました。テレビの前の椅子にぐったりもたれ、この先、モリーが独り立ちして家から出て行くであろう八年後まで、こんな生活を続けるなんてとうてい無理だと頭を抱えました。そしてそのあいだ、モリーが話しかけても、返事をしませんでした。
 モリーはうろたえ、子供部屋に逃げ込みました。数分後、自室のコンピュータで仕事をしていたお父さんがやってきて、お母さんに言いました。
「いまモリーからメールが届いたんだ。見るかい?」
 モリーは子供部屋のパソコンから、お父さんにメールで助けを求めたのです。
「お願いだから、お母さんに私と話をするように頼んで」
 どんな不快なまねをしようと、子どもは親とのふれあいを求めています。とりわけモリーのように、まだ幼くて心がやわらかい子どもは、親が少しでも変なそぶりを見せれば、素直に不安を訴えます。ここでお母さんがすぐに手をさしのべれば、親子の関係は元に戻るでしょう。
 10代が間近になったら、子どもとの絆を深めるようにいっそう努められるとよいと思います。ホルモンの変化や、染まりやすい同世代の流行に子どもをふりまわされたくないなら、絆を育む努力をおこたってはなりません。もちろん、私たち親も普通の人間ですから、子どもの反抗に手を焼き、疲れ果ててしまうこともあります。腹が立つこともあります。時には仕事で疲れて、子どもに気が回らないことだってあります。でも、無視することだけは避けて下さい。
 無視ほど残酷なことはないのです。子どもが少し大きくなれば親を頼らなくなると考えるのは、間違いです。10代をくぐり抜け大人になるまで、子どもには親が必要なのです。
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うちでも同様のことがありました。言い合うのに疲れてもう話すのやめたと無視したことがありました。その時子どもに無視はいけないよ無視はって言われて、あっと気づかされたことがあります。どんなにかわいくないことを言っていても親との関わりを求めていたんだなと。このようなそうだったなあこうしたらいいんだなあと言う内容がたくさんあるなあと気づかされました。(Kawanishi感想)
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失敗を繰り返すと子どもは自信を失う 75ページの章から
期待しすぎると、重荷になる 83ページ
 10代の子どもは親の意見にとても敏感です。知らんぷりを決め込んでいるように見えて、実は親の気持ちを敏感に察知しています。親が子どもへの失望感をどんなに隠そうとしても、子どもは必ず見抜いてしまうのです。
 ですから、子どもに「一番になりなさい」とか「この学校に合格しなさい」とプレッシャーをかけすぎるのは良くありません。子どもがどんなにがんばっても、そうできるかどうかは、誰にもわからないのです。勉強や課外活動で子どもにがんばってもらおうと思うなら、「ベストをつくす」ことをすすめましょう。過大に期待しすぎてはいけません。ー中略ー「ばんばん点を入れてこい」ではなく、「練習で学んだことを覚えていれば大丈夫だよ。そうすればうまくいく」と言ってあげるのが良いでしょう。こんなふうに言えば、得点をいれてもそうでなくても、子どもは「精一杯がんばった」と爽快な気分になれるのです。
 そして声をかけるなら、「がんばっておいで」と言うべきです。そうしたら子どもはそうだ、がんばろうと思えるのです。親の言葉は、やわらかい子どもの心にしみこみます。できるだけ支えになる言葉を選んで下さい。

希望は子どもを救う
 希望は、人間を救います。どんな暗闇にあっても、希望があれば、私たち人間は生きてゆくことができるのです。子どもでも同じです。
 なんの希望もなく失敗したり、いやな思いばかりしていたら、絶望してしまいます。先が見えない努力は、誰にとってもつらすぎるのです。それはやがて、投げやりな態度にさせてしまいます。
 心の中では恐れを抱いていたり、意気消沈していても、そんな気持ちを10代の子どもたちはなかなかあらわしません。あらわしたら最後、精一杯の強がりがはがされてしまうからです。だから、投げやりな仮面の後ろに本当の気持ちを隠してしまうのです。
 どんな子どもにも苦手なことはあります。受験に落ちることもあれば、サッカーの試合でミスをすることもあります。授業中、先生にあてられて答えられないこともあるでしょう。けれども失敗に打ちのめされ、前に歩いてゆけなくなってはいけません。
 子どもは誰でも希望を持てなくてはいけません。子供はまだ、生まれてから時間がたっていないのです。夢を抱いて、自分に自信をもち、未来に向かって歩いてゆく権利があるのです。そして子どもは、自分の夢を理解し、どんなときでも温かく見守ってくれる大人を必要としているのです。
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子どもに声をかけるときに気を付けないとなあとおもわされました。ついつい目標を目指せ的な話をしちゃうのですが、ベストをつくしているかと問いかけることの方が大切な場面があるなあと気を付けようと思いました。(Kawanishi感想)