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低脂肪vs.低炭水化物ダイエット、体重減効果は?差がないという研究

2018年03月01日 | 学会研究会報告新聞記事など
低脂肪vs.低炭水化物ダイエット、体重減効果は?/JAMA
と言う記事が、ケアネットさんでアップされていました。低脂肪は29%の脂肪率、低炭水化物は30%の炭水化物率だそうで、低炭水化物の炭水化物率は原始人食の割合に似ていました。
1年間経ってみての体重減少効果は同じで、糖尿病の原因と言われる遺伝子の型やインするリン分泌能力などでは、区別はつかなかったそうです。やせるという点についてはどちらも差がないって感じですが、むこうでは、日本のお米ではなくて、小麦粉が主たる炭水化物厳と思われるので、そのままあてはまらないかも知れませんが、どちらも継続することでやせることは可能ということではありますねえ。

以下ケアネットさんの記事を添付いたします。提供元:ケアネット 公開日:2018/03/01
 健康的低脂肪(HLF)ダイエットと健康的低炭水化物(HLC)ダイエットについて、12ヵ月後の体重減効果は同等であることが、米国・スタンフォード大学のChristopher D.Gardner氏らが、609例を対象に行った無作為化比較試験で示された。また遺伝子型やダイエット開始前のインスリン分泌能は、いずれの食事療法の体重減効果とも関連がみられなかったという。結果を踏まえて著者は、「疾病の素因と仮定される遺伝子型およびインスリン分泌能は、HLFとHLCのどちらが至適な食事療法かを識別するのには役立たないようだ」とまとめている。JAMA誌2018年2月20日号掲載の報告。
非糖尿病18~50歳を対象に無作為化試験、1年後の体重減を比較
 研究グループは、2013年1月29日~2015年4月14日にかけて、BMI値28~40、非糖尿病の18~50歳、609例を対象に、無作為化試験「DIETFITS」(The Diet Intervention Examining The Factors Interacting with Treatment Success)を開始し、2016年5月16日まで追跡した。
 被験者を無作為に2群に分け、一方にはHLFダイエットを、もう一方にはHLCダイエットをそれぞれ12ヵ月間行った。具体的には健康教育者が、ダイエットに特異的な少人数セッション(12ヵ月間で22回)を通じて、行動変容を促す介入を行った。
 試験では、3つの代表的な一塩基多型(SNP)反応パターンまたはインスリン分泌能(糖負荷後30分の血中インスリン濃度:INS-30)と、体重減との関連についても検証した。
体重減は同程度、遺伝子型やインスリン分泌能との関連は認められず
 被験者609例の平均年齢は40歳(SD 7)、女性は57%、平均BMI値は33(SD 3)、低脂肪遺伝子型は244例(40%)、低炭水化物遺伝子型は180例(30%)、INS-30平均値は93μIU/mLだった。試験完遂者は481例(79%)だった。
 12ヵ月間の多量栄養素の平均分布値は、炭水化物はHLF群48%、HLC群30%、脂肪はそれぞれ29%、45%、蛋白質は21%、23%だった。
 12ヵ月時点の体重変化の平均値は、HLF群-5.3kg、HLC群-6.0kgだった(群間差平均:0.7kg、95%信頼区間[CI]:-0.2~1.6kg)。
 12ヵ月の体重減について、ダイエットの種類と遺伝子型に相互関連はみられず(p=0.20)、ダイエットの種類とインスリン分泌能(INS-30)にも相互関連は認められなかった(p=0.47)。
 なお、18件の有害事象が認められたが、発生の割合は両群で同程度だった。
(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)
原著論文はこちらGardner CD, et al. JAMA. 2018;319:667-679.
 
 この本の中での改訂部分アップデートが上のスライドの青字の部分です。