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非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の薬登場につながるか ケアネットさんの記事から

2018年03月20日 | 学会研究会報告新聞記事など
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の薬登場につながるか ケアネットさんの記事から

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に有効な薬になりえそうな、発表がありました。脂肪肝炎を肝生検で診断して薬の効果を判定したというもの。安全性も問題なさそうで、上手く行けばいい薬かも知れません。
といっても、副作用はゼロでは無いですから、先ずは食事と運動でしっかりと効果を引き出せる人は、それが第一であることは間違いありません。それでもなかなか良くならない方にはいい薬になってくれるかも知れません。


スライドは、食事療法を頑張って脂肪性肝炎がよくなった人の記事にリンクしています。是非目指しましょうー。

NGM282、NASH治療薬として有望/Lancet
提供元:ケアネット* 公開日:2018/03/19
 NGM282は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)において、容認できる安全性プロファイルで肝脂質を迅速かつ有意に減少したことが報告された。英国・オックスフォード大学のStephen A Harrison氏らによる第II相試験の結果で、Lancet誌オンライン版2018年3月5日号で発表された。NGM282は、胆汁酸合成とブドウ糖恒常性を調節する内分泌消化管ホルモンFGF19の、非腫瘍形成性異型として開発された組換えタンパク質である。NASHは現状、米国FDAが承認する治療が存在しないが、今回の結果を踏まえて著者は、「NGM282のNASH治療の安全性と有効性についてさらなる探索を支持するものであった」としている。

第II相試験で肝脂肪分の絶対変化について検討 試験は2015年7月14日~2016年8月30日に多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照にて、オーストラリアと米国の、病院および消化器/肝クリニック18ヵ所で、生検でNASHと確認された18~75歳の患者を集めて行われた。NASHの定義は、臨床研究ネットワークの組織学的評価法に準拠。主な適格基準は、疾患活動度がスコア4以上、線維化ステージ1~3、肝脂肪分8%以上であった。
 被験者は、ウェブベースシステムを介して1対1の割合で無作為に、3mgまたは6mgのNGM282皮下投与を受ける群に割り付けられた。糖尿病の状態による層別化も行われた。
 主要エンドポイントは、ベースラインから12週時点までの、肝脂肪分の絶対変化。奏効者の定義は、MRI-PDFF(proton density fat fraction)測定で、肝脂肪分の5%以上の減少を達成したことが認められた患者とし、intention to
treat法にて有効性を解析した。
3、6mg両投与群ともプラセボと比較して、12週で5%以上の減少を有意に達成 180例がスクリーニングを受け、82例が無作為化を受けた(3mg群27例、6mg群28例、プラセボ群27例)。
 12週時点で、3mg群20例(74%)、6mg群22例(76%)が、奏効者の定義を満たした。プラセボ群は2例(7%)で、相対リスク(RR)は、3mg群 vs.プラセボ群が10.0(95%信頼区間[CI]:2.6~38.7)、6mg群 vs.プラセボ群は11.4(同:3.0~43.8)であった(両比較ともp<0.0001)。

 全体で、76/82例(93%)が、少なくとも1つの有害事象を経験したが、グレード1の有害事象が最も多く(55例[67%])、グレード3以上はわずか5例(6%)であった。最も多かった有害事象は、注射部位反応(28例[34%])、下痢(27例[33%])、腹痛(15例[18%])、悪心(14例[17%])。また発生頻度は、プラセボ群よりもNGM282投与群で高かった。(ケアネット)
原著論文はこちら
Harrison SA, et al. Lancet. 2018 Mar 5. [Epub ahead of print]