肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

医療講演などの動画のリンクが切れていたのを修正しました。おすすめ動画集

2018年03月04日 | 医療講演や歌の集いの動画
2017.2.15からこちらのブログに移行するときに、YouTubeの動画のリンクが切れていたのがわかりました。それ以前の動画で、100回以上の再生回数があったものを修正していますので、見れなくて残念と思っていた方は是非ごらんください。

おすすめ動画アクセスが多かった動画を集めてみました。

高橋朋己さんの思い出を語る会 2015.3.6 in 札幌
https://blog.goo.ne.jp/mizuironokomorebi/e/7b9b8865ebf557c8d3b22db54f45d1f8

元気の出る肝臓医療講演 in 札幌 2014年4月29日 アステイ45 ビデオアップしました 大垣市民病院の熊田卓先生
https://blog.goo.ne.jp/mizuironokomorebi/e/0fec841e6b304e31d08d3a4e4da58853

B型肝炎とC型肝炎のこれまでとこれから 武蔵野赤十字病院 泉先生 2014年11月24日札幌の講演にて
https://blog.goo.ne.jp/mizuironokomorebi/c/ef500797f6e2f1ce5511fcbc0f355de1/3

肝性脳症のある肝がん合併肝硬変症(C型)でもPegIFN後DAAを導入2015.2.11
https://blog.goo.ne.jp/mizuironokomorebi/e/f857f1df9a5f285f87aa7430b3e140af

元気の出る肝臓医療講演 in 札幌 2015.11.7の講演動画up 香川県立病院 高口浩一先生
https://blog.goo.ne.jp/mizuironokomorebi/e/ee25b4943e7b03ee99358bb9cbb32035

原始人食が病気を治す 肝臓を元気にする話 崎谷先生 2015年10月14日の動画アップしました
https://blog.goo.ne.jp/mizuironokomorebi/e/570d01fd044cd76d1300090b45469b4f

非代償期肝硬変から治療してハーボニーへつながった患者さん
https://blog.goo.ne.jp/mizuironokomorebi/e/ded6a15a02335f3db2b70819c75e13f2

 
ためしてガッテンに出てた先生です。記事はこちら
ためしてガッテン11月12日水 放送内容抜粋

日本の肝がん治療は世界一 国際共同研究でわかったこと

2018年03月04日 | 学会研究会報告新聞記事など
 
大垣市民病院の熊田卓先生の医療講演を聴いてきました。写真は2014年4月28日に札幌に来ていただいたときのもの私この頃よりやせたなあ、熊田先生ちょっと戻ってたなあ。
脂肪肝に絡む肝がんが実数でも増えていることが強調されていました。ウイルス性の肝がんが減って脂肪肝の肝がんの割合が増えいてるだけでは無いんだと。。。これは大変なことだと思います。

日本の肝がん治療は世界の中でもダントツの成績でした。検診が寿命を延ばす効果があると示せたのも日本だけ、こんなに心強い研究はないですー。アメリカもイギリスも健診で早く見つかった分、外来で見つけた人より寿命が延びるのではなくてどこで見つかっても寿命は同じって結果になっているのですが、日本は、それを加味しても健診で見つかってくれることで寿命が延びているという結果。
でも、こう言うのって論文として乗るのはかなり難しい。。。他の国の医療より日本の方が優れているっていう結果は他の国では受け入れにくいことみたいです。。。

それにしても、外来での定期検査が日本の肝がんの患者さんを救っていることは間違いない。定期検査での医療費が掛かっているとコストの話しが最終的に批判の材料にされるとのことですが、元気で長生きすることとコストは絶対に単純な費用以上の物があると思います。幸せな楽しい気持ちをもてる国民が増えること、患者さんだけでなくその家族地域がその効果を享受することは、世界レベルで貢献してることになると思いますから。

以下、熊田先生の講演のメモです、聞きながらのメモなので誤字脱字内容間違いあり得ますが、参考になれば幸いです。

熊田卓先生
大垣市民の状況
悪性、心疾患、肺炎、脳血管疾患などときて 肝疾患1.2% 

癌の罹患率将来予測では
男性前立腺がん、女性乳がん

死亡率では
男性 肺と大腸 膵がん
女性は 乳がんから大腸がん膵臓がん

リードタイムバイアス 見つかるのが早いので長生きできる

治療の成績が悪いのは
膵、胆嚢胆管がん、肝がん、肺がんの順 肺癌より悪い。。。
何年か生きると生存率が他のがんは長くなるのに肝がんは何年経っても生存率がわるい、再発が多い

2015から2017 3年間 172の43.2% 一年あたり24.8人
2010から2014 5年間 382の29.6% 一年あたり22.6人となり実数も増えていることがわかる 

2cm以下が見つかる率は上がっていない、ウイルスが減っているからでもある。NBNCは大きくなってから来るからと。

半数弱は外科手術をしてもらってる。

Child-Pugh分類は30以上のバージョンがある

ALBI分類 アルブミンとビリルビンで分類

日本の肝がん取り扱い規約に第七版から入れてくれるようになる。参考所見のところだけどと

3.肝がん治療の世界との比較
世界規模でのソラフェニブ調査 それによって、世界の治療の状況がわかった
生存期間の中央値は日本がダントツ
ソラフェニブにチェンジするまでの期間も日本は24ヶ月、他は2ヶ月前後とダントツ

発見のステージは他の国も早期が多いのにかかわらずそうなっていると。
BCLCステージのAでの比較でも日本は91ヶ月 アジア他の地区54ヶ月、アメリカは24.9ヶ月とダントツ

各国の生存率の比較ではいちゃもんがでていてまだ論文になっていないけどと
ガンビアが1960年代から80までの日本と同じになってると

バーミンガムとのデータをつかって大垣市民のデータと比べたら 成因をmatchさせてないが他はマッチして

日本はイギリスの三倍生きている
進行例になると差がなくなってくる

イギリスは医療費は無料だけど、かかりつけ医で病院にまで書かれる状況が厳しい。
手術待ちが1年とかになっている。いろんな治療ができない状況が生じている。
アメリカは医療の平等性はない

日本は皆保険制度 恵まれている

検診有りと無しでの違い リードタイムバイアス
検診してる分、先取りして長生きにつながるというバイアス、最後の亡くなる時期は同じになるという考え方が有る
日本はこれだろうと海外はいうが

乳がんで検討した 検診発見と外来発見と補正しても 検診発見群の方が予後はいい。
日本での大垣市民病院のデータでみた場合をやってみた
検診群の方がいいというデータになってる、かなり、非検診群に近づくが有意さはでる。
イギリスのデータだと補正するとまったく変わらなくなる。
アメリカも変わらない
スペインは逆転する
こういうのは論文ではなかなか認めてもらえない。。。と。

各国のフォローアップもちがう。
アメリカもヨーロッパも超音波のみ 日本は手厚い

臨床上発見できるのを5mmとして検討して見た
肝がん大きい人が5mmころまでさかのぼってやってみた。

3834例でダブリングタイムを測定できた
3つの病院ではほとんど変わらなかった、114.5日 だいたい3ヶ月だった
腫瘍径で検討しても同じだったと
補正して検診が良かった結果になった
ただ単に早く見つけてるから長生きしてるわけではないと証明できてる感じ。

コストベネフィットを言われると金かけすぎと言われる

2014.4.29の熊田卓先生の札幌での患者さん向けの医療講演の動画はこちら。

○B型・C型肝炎は治る時代へ   ウイルス性肝炎治療の未来は明るい   講師 大垣市民病院 消化器内科 熊田卓医師

サルコペニア 脂肪肝と肝がんの意外な関係 糖尿病のフォローに肝臓専門医の活用をって

2018年03月04日 | 脂肪肝・脂肪肝炎
 

サルコペニアと脂肪肝と肝がんの関係についての勉強会に参加してきました。
脂肪肝と肝がんのつながりが予想以上にわかってきていて、糖尿病の薬のSU剤やインスリンなども肝がんの発癌をあげる可能性が有る話しなどもなかなか、論文にはならないだろうけど、血管の合併症を減らす効果がある一方で肝がんの発生を気にしていく必要があると言う部分も興味深かったです。

線維化があるかないか、糖尿病の患者さんの10人に1人は線維化がはじまっている可能性が有るということで、是非年に一回は肝臓専門医を受診させてフォローさせてもらえたらいいのかなと思いました。糖尿病のクリニックでも年一回エコーして、専門医の所でも1回フォローするとより完璧なフォローになるかなと。まだまだ脂肪肝で見つかる肝がんは定期フォローにのっていない状態で見つかるので手遅れになる場合がありとのこと。定期エコーの重要性を沢山の医師が認識していくといいのかなと思いました。
それにしても、ウイルス性肝炎の発癌までは行かなくても脂肪肝炎にこんなに肝がんができる状態が起こっているとは、対策は急がなくてはいけないと思いました。

○愛媛県立中央病院
平岡淳(ひらおかあつし)先生

筋肉のインパクト
ほんとは怖い筋肉の話し
愛媛県立中央病院 827床
気づいたことを世に出そうと頑張っている。

サルコペニアがらみを紹介する。
定義 年齢と関連する筋肉量の低下
フレイル
ロコモティヴは骨関節などの運動器を中心
サルコペニアは代謝なども含むので違うと

2014年アジアの基準 2010年ヨーロッパ
筋肉量が低下して
2016年日本肝臓学会から
PIをつかってる 男性4.24 女性2.50
慢性肝炎1割から肝硬変2割くらいいる 一般は1%くらい

術後のせん妄が筋力が落ちているとおこりやすかった。

筋肉筋力の対策
BCAA 内服してる人としてない人

筋肉の種類 1型遅筋 2型速筋
ウオーキングの習慣化 2000歩追加 LESを追加ロイシンの補充
回復にない人は、BCAAが改善しない 主婦だった
夏休み食事も落ちてたのかも知れない、逆に消耗してたかも
肝硬変の人の平均歩数3791歩だった 1.3%の筋量のアップが3ヶ月であった。

ランセット 毎日15分 2000歩くらいになる 3年寿命が延びた

肝硬変でウイルスが消えてもalbが下がっていく人がいる。

サルコペニア診療の問題点
簡易な測定は、手でふくらはぎを囲む

ロイシン1000mg 卵2個食べるとクリアしてるなあ。

○糖尿病治療と脂肪肝・肝がんの意外な関係
チーム医療での取り組み 川口巧先生
久留米大学医学部内科学講座 消化器内科部門

炭水化物が肥満の原因ではないかと研究史はじめた 2000年ころ
栄養のことをやり始めたのがきっかけ

糖尿病で多い癌 膵がん、肝がん、大腸がん

脂肪肝の1000人に1人くらいが肝がん ウイルス性肝炎ほどではない
線維化の進展と合わせて見ていく
線維化と炎症はまったく別として考える
海外では2.67
日本では1.66日本だと2くらいがいいところではないか 2超えたら危ないと言っていいか半年1回以上エコー

インスリンは同化作用の他に異化作用 細胞分裂や、細胞増殖作用がある
最も高濃度のインスリンが暴露されるのが肝臓なので肝がんができやすいのでは

Cがの肝がんより、NASHの方が予後が悪い がん細胞の増殖のスピードや悪性度が関係してるようと

ちょこちょこいっぱい食べるのが重要 サルコペニア対策

朝6時の補食 胃カメラも大丈夫。

脂肪肝の人には炭水化物、卵類が多い やせてる人の卵も良くないか持って(これは違うかも知れないと思った)
お酒は少しならいいと言われている。

お魚で肝がんの予防される さけますなど 70g 片手に乗る切り身くらい
コーヒー脂肪肝にお勧め

運動
データマイニング解析
糖尿病の2割くらいが肝臓が硬いと言われている。
定期的な運動してると固くない人が多い
時間とか種類は関係無かった

ちょっと運動でも長生きする
やり過ぎて筋量が落ちる人もいる

40分週3回3ヶ月すると良くなるのはわかる
筋トレもあり 体重減少しなくても改善する

IL6 マイオカインがでて良くなる

10分くらい スクワット10回やって、歩く10分
フロントブリッジプランク 10秒2回 コマーシャルを使ってなど

がんの予防にもと
毎日6000歩 週一回活発な運動

SGLT2阻害薬
SU剤が発癌7倍 インスリンが3倍 クレームが来た

血管性の合併症にはあてはまる基準だが、癌にはあてはまらないと

癌組織にもSGLT2が発現してる。
グルコースが入れなくなって死んでいく

肝臓がんではどうか 動物実験では小さくしてる
大腸がんや肺がんなどでも出てきてる