以下、朝日新聞のホームページより転載です。
「肝がん検診団」 今年も各地を巡回
2012年01月19日
■肝がん兆候 見逃さない
■肝炎未発症でも「要注意」
■21日に札幌で講演会、最新治療を紹介
「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓の病気の中でも、B型、C型のウイルス性肝炎は本人が気づかぬまま肝がんに進行する恐れがある。肝臓専門医の定期的な検診は不可欠だが、地方では専門医は限られる。札幌市内の医師らでつくる「肝がん検診団」は5年前から、道内各地で肝がん検診をしている。21日には、最新の治療法などを紹介する講演会を札幌市内で開く。
■「検診団」 今年も各地を巡回
肝がん検診団は、札幌緑愛病院肝臓センター所長の川西輝明医師(45)や道内の検査技師、看護師らでつくる。2007年から札幌や函館、帯広、遠軽、えりもなど計12カ所で検診を実施してきた。毎年約380人が受診している。今年も、2月19日に札幌から始め、各地を回ることにしている。
主な対象は、B型、C型のウイルスに感染しているが慢性肝炎を発症していない持続感染者たちだ。発症すれば、肝がんや肝硬変に進行する恐れがある。慢性肝炎を発症する割合は、B型が1~2割、C型が8~9割と言われる。
持続感染者は症状がないため、油断しがちだ。検診団の検診でも、本人の自覚症状がないまま肝がんが見つかる人がいるという。肝臓専門医になって15年以上になる川西医師は「専門医による検診で、発症の兆しを見逃さないことが大切」と呼びかけている。
検診内容は問診、採血、腹部超音波検査など。2月19日の検診は札幌市中央区南4西10の道難病センターである。検査費は6千円で先着100人。2月1日までに予約が必要で、検診団事務局の留守番電話(011・350・1008)に名前と連絡先を吹き込む。
1月21日午前10時からは、同市中央区北4西5のアスティ45で無料の医療講演会を開き、治療をめぐる最近の情勢を報告する。
昨年は、B型慢性肝炎の新治療薬ペグインターフェロンやC型のウイルス増殖を抑えるテラプレビルが保険適用され、治療の選択肢が増えた。川西医師は「これからの治療を心待ちにしたくなる講演にしたい」と話している。
札幌以外の検診会場や日時は決まり次第、検診団のブログ(http://plaza.rakuten.co.jp/kangankenshindan/)に掲載していく。