ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

看板作り

2013年03月27日 | 木工
また寒くなってしまい、冬の下着を引っ張り出してまた着る。
梅が咲いたところで、春の進行はのろのろ。
でもやっと鶯の鳴き声が聞かれるようになりました。






工房の庭に生えている木に花が咲きました。地味だけど、花は花。
当たり前だが、どんな木でも花は咲く。
クマシデかなー?自信がない。




4種、7台の椅子の木取りをしました。
樹種や寸法など、いろいろ細かく違う仕様の注文だけれど、
基本の形が同じなので一緒のロットで作る。






作るものの型をそろえる。







この材木はブラックウォールナット、北米産。
厚さは66mm、長さは2.5mくらい、幅は20cmくらい。







ウォールナットは名のごとくご覧のように黒い木なので、鉛筆で墨をすると見えない。
そこで白鉛筆で描く。




ウォールナットは普段私が使っている国産材の倍くらいの値段です。
しかも、規格が決まっていて、使いづらい。
今回の椅子も45mm厚の板を普通使うので、66mmでは無駄に厚すぎます。
そこで、板を鋸で挽いて必要な厚さに割いて、残りも有効に使えるように考えました。
66mmの厚みから欲しいのは40mmと20mm。
40mm厚は椅子の足、20mm厚は座面になります。
なーんだ余裕じゃん、と思われますが、板が反っていたりして、そううまくはいきません。






丸鋸(昇降盤)で切りました。鋸が入りきらず、少し切り残しがあります。






それを手鋸で挽き切ります。
帯鋸などの機械でなく、手鋸にしたのは切りそこないを恐れてでしたが、
あとからやってみたら機械の方がよかった、残念。






これは国産のミズナラ。厚さは45mm。
鉛筆を置いたところに節があります。
ここを見ると、木が若い頃に枝があり、その枝が落ちて、
その枝の跡を塞ぐように樹が成長していったのがよくわかります。







椅子の木取りを終えて、それは置いておき、看板を作ります。






材はケヤキ。山の木ではなく、里育ちのケヤキですがなかなかの上玉です。
機械に入らない幅なので、手で削って仕上げました。






これが原稿。
お客さんが分かってしますが許してください。
字はワープロのフォントです。字に自信がないから。






字の大きさを考え、位置を決めたら板の表面に字を写します。
紙の下にカーボン紙を置いて、木のペンでなぞります。
そのままでは薄いので、鉛筆でもう一度書きます。






トリマーという機械を使い、写した字を見ながらフリーハンドで字を彫ります。
トリマーはご覧のような先端刃物が高速で回転して木を削る機械です。
刃は10、6、4、2mmとだんだん細いものに替えて太いところから細いところへと掘ってゆきます。






機械を使っての加工でこのくらいまでにはなります。
このあとノミやサンドペーパーで仕上げ、
字に黒を入れて塗装すれば仕上がりです。




家具作りが本業ですが、木を加工してできるものであれがいろいろ作ります。