これまで、爆発前の天体が特定されたことが無かったIc型超新星。
ところが、渦巻銀河“NGC 3938”にIc型超新星“2017ein(SN 2017ein)”が出現したんですねー
出現した位置をもとに、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した過去の画像をくまなく調べてみると、2007年の画像中に“SN 2017ein”がIc型超新星爆発を起こす前の天体が見つかります。
質量が太陽の30倍以上もある大質量星のうち2割が起こすIc型超新星爆発。
爆発前の天体の発見は、大質量星の進化などの研究に役立つそうですよ。
太陽の30倍以上もある大質量星が起こすIc型超新星爆発
太陽よりもはるかに質量の大きな恒星は、一生の最後に重力崩壊型超新星爆発を起こします。
こうした超新星爆発を起こす前の天体、前駆星を見つけることができれば、どのくらいの質量の星がどのくらい誕生するのかという割合や、大質量星の進化の様子などを調べることができます。
重力崩壊型超新星のうち約2割を占めるIc型超新星は、質量が太陽の30倍以上もある大質量星が、水素やヘリウムでできた外装を失った後に起こす爆発現象と考えられています。
外層が無くなっても爆発前の星は明るく質量も多きいはずですが、これまでIc型超新星の前駆星が見つかったことはありません。
ところが2017年5月、おおくま座の方向約6500万光年の距離に位置する渦巻銀河“NGC 3938”に、Ic型超新星“2017ein(SN 2017ein)”が出現したんですねー
カリフォルニア工科大学の研究チームは、翌月にこの超新星をハッブル宇宙望遠鏡で撮影し正確な位置を測定。
さらに、ハッブル宇宙望遠鏡が過去に撮影した“SN 2017ein”の画像アーカイブをくまなく調べてみると、2007年に撮影された画像の中に“SN 2017ein”の前駆星と推定される天体を発見。
はじめて、前駆星の候補天体を見つけることができたんですねー
見つけ出せたのは近くて明るかったから
同じころ、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究チームも、ケック天文台の赤外線撮像分光器と補償光学システムで“SN 2017ein”の位置を高精度観測しています。
そして、カリフォルニア工科大学の研究チームと同じく、ハッブル宇宙望遠鏡のアーカイブと突き合わせることで、同じ候補天体を見つけ出しています。
これまでに多くのIc型超新星が観測されてきました。
でも、あまりに遠方にあったので、ハッブル宇宙望遠鏡ではそれらを解像することができませんでした。
“SN 2017ein”は地球から近かったこと、他のIc型超新星の5~10倍も明るかったという幸運にも恵まれので、簡単に見つけ出せたそうです。
今、Ic型超新星の研究に必要なのは、最も近くの銀河内で起こる、明るく質量の大きな恒星の爆発なんですね。
前駆星の候補天体を詳しく調べてみると、この星は青く非常に高温だと分かります。
その結果から考えられる前駆星の質量は、太陽質量の45~55倍もある単独の大質量星か、太陽の60~80倍と48倍の質量を持つ大質量星の連星系のうち重い方だということ。
単独星シナリオも連星系シナリオも理論的にはあり得るのですが、連星系の場合は従来モデルではもっと軽い星と考えられていたので、今回の結果は謎なんですねー
発見された候補天体が本当に“SN 2017ein”の前駆星かどうかは、約2年後に超新星が暗くなった時、そこから姿を消していることで確認できます。
その確認のため、また、天体の明るさや質量を詳しく調べるため、“SN 2017ein”の観測は今後も継続して進めるそうですよ。
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ところが、渦巻銀河“NGC 3938”にIc型超新星“2017ein(SN 2017ein)”が出現したんですねー
出現した位置をもとに、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した過去の画像をくまなく調べてみると、2007年の画像中に“SN 2017ein”がIc型超新星爆発を起こす前の天体が見つかります。
質量が太陽の30倍以上もある大質量星のうち2割が起こすIc型超新星爆発。
爆発前の天体の発見は、大質量星の進化などの研究に役立つそうですよ。
太陽の30倍以上もある大質量星が起こすIc型超新星爆発
太陽よりもはるかに質量の大きな恒星は、一生の最後に重力崩壊型超新星爆発を起こします。
こうした超新星爆発を起こす前の天体、前駆星を見つけることができれば、どのくらいの質量の星がどのくらい誕生するのかという割合や、大質量星の進化の様子などを調べることができます。
重力崩壊型超新星のうち約2割を占めるIc型超新星は、質量が太陽の30倍以上もある大質量星が、水素やヘリウムでできた外装を失った後に起こす爆発現象と考えられています。
外層が無くなっても爆発前の星は明るく質量も多きいはずですが、これまでIc型超新星の前駆星が見つかったことはありません。
ところが2017年5月、おおくま座の方向約6500万光年の距離に位置する渦巻銀河“NGC 3938”に、Ic型超新星“2017ein(SN 2017ein)”が出現したんですねー
渦巻銀河“NGC 3938”の画像に現れたIc型超新星“SN 2017ein”。 右下は“SN 2017ein”を中心にした周辺領域の拡大画像。 |
さらに、ハッブル宇宙望遠鏡が過去に撮影した“SN 2017ein”の画像アーカイブをくまなく調べてみると、2007年に撮影された画像の中に“SN 2017ein”の前駆星と推定される天体を発見。
はじめて、前駆星の候補天体を見つけることができたんですねー
見つけ出せたのは近くて明るかったから
同じころ、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究チームも、ケック天文台の赤外線撮像分光器と補償光学システムで“SN 2017ein”の位置を高精度観測しています。
そして、カリフォルニア工科大学の研究チームと同じく、ハッブル宇宙望遠鏡のアーカイブと突き合わせることで、同じ候補天体を見つけ出しています。
これまでに多くのIc型超新星が観測されてきました。
でも、あまりに遠方にあったので、ハッブル宇宙望遠鏡ではそれらを解像することができませんでした。
“SN 2017ein”は地球から近かったこと、他のIc型超新星の5~10倍も明るかったという幸運にも恵まれので、簡単に見つけ出せたそうです。
今、Ic型超新星の研究に必要なのは、最も近くの銀河内で起こる、明るく質量の大きな恒星の爆発なんですね。
前駆星の候補天体を詳しく調べてみると、この星は青く非常に高温だと分かります。
その結果から考えられる前駆星の質量は、太陽質量の45~55倍もある単独の大質量星か、太陽の60~80倍と48倍の質量を持つ大質量星の連星系のうち重い方だということ。
単独星シナリオも連星系シナリオも理論的にはあり得るのですが、連星系の場合は従来モデルではもっと軽い星と考えられていたので、今回の結果は謎なんですねー
Ic型超新星爆発を起こした青色超巨星(イメージ図)。 単独星シナリオの場合が描かれている。 |
その確認のため、また、天体の明るさや質量を詳しく調べるため、“SN 2017ein”の観測は今後も継続して進めるそうですよ。
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