新しく生まれた恒星の周囲を取り巻くガスやチリが回転している“原始惑星系円盤”。
今回、20個の若い星を取り巻く“原始惑星系円盤”が、アルマ望遠鏡により高解像度で観測されました。
理由は、円盤の構造や作られ方が一般的なものかどうかを判断するには、複数の“原始惑星系円盤”を観測して類似点や相違点を知る必要があったから。
そして分かってきたのは、若い段階にある原始惑星系円盤でも惑星は存在するということでした。
一度に多くの原始惑星系円盤を観測するプロジェクト
ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームがアルマ望遠鏡を使って、惑星系誕生現場の大規模な観測計画“DSHARP”を実施しました。
DSHARP(Disk Substructures at High Angulaar Resolution Project)は、
高解像度による原始惑星系円盤構造観測プロジェクト。
このプロジェクトの目的は、“原始惑星系円盤”の構造や、その中で惑星が誕生するのにかかる時間など、惑星系誕生にかかわる様々な情報を得ること。
今回、太陽系近傍の20個の若い星を取り巻くチリの円盤“原始惑星系円盤”が高解像度で観測されました。
これまでのアルマ望遠鏡での観測でも円盤が高精細にとらえられていたのですが、その構造や作られ方が一般的か例外的かは明らかにできていませんでした。
そう、明らかにするには多くの円盤の観測が必要なんですねー
原始惑星系円盤に見られる類似点と相違点
“DSHARP”が目指したのは、原始惑星系円盤に見られる構造上の類似点と相違点を探すこと。
観測では、20の円盤ほぼ全てに、同心円の隙間構造や細いリング構造が見られました。
隙間やリングの大きさは様々で、中心の星から数天文単位(1天文単位は約1.5億キロ)のところにあるものから、100天文単位(太陽から海王星の約3倍)以上遠い場所にあるものまで見つかっています。
一部の円盤には渦巻構造や三日月状の構造が見られている。
今回の観測により様々な質量の若い星で、その周りの円盤の詳細な構造をはっきりと描き出すことが出来ました。
非常にバラエティに富んだ細かい構造は、直接姿を見ることができない惑星と円盤内の物質との相互作用によるものだと考えられます。
2014年にアルマ望遠鏡が“おうし座HL星”の原始惑星系円盤を高解像度でとらえたとき、この円盤は知られている中でも非常に明るく重いものだったので、これが平均的な惑星誕生現場の姿であるかどうかを判断できませんでした。
今回、“DSHARP”の観測を通して、“おうし座HL星”が特別変わった星ではないこと、むしろ一般的な惑星の誕生現場であるかもしれないということが分かってきたんですねー
ずっと早い段階で惑星が作られ始めている証拠? を100万歳の若い星で発見

若い段階にある原始惑星系円盤でも惑星は存在する
標準的なシナリオでは、星を取り巻く原始惑星系円盤の中で、小さなチリやガスが次第に集まって惑星が形成されると考えられています。
マイクロメートルサイズのチリが合体して小石や岩… っと大きくなっていき、最終的に惑星になるというシナリオです。
こうした段階的な成長には数百万年かかると考えられています。
もし、惑星の誕生に長い時間がかかるとすれば、今回観測されたような構造は、より進化した原始惑星系円盤の中で見つかるはずです。
でも、今回観測された天体の年齢は、およそ20万歳から1300万歳の範囲にある若い段階のもの。
そう、今回の観測結果が示唆しているのは、若い段階にある原始惑星系円盤でも惑星が存在するということでした。
“DSHARP”が実施されたことにより映し出された円盤内の隙間やリング構造は、地球のような岩石質の惑星がどのようにして作られ、成長していくのかという謎に迫るヒントにもなります。
惑星形成の理論によれば、チリが合体して直径1センチ程度の大きさになると、周囲のガスとの摩擦で公転の勢いが失われて中心の星に落下してしまうので、火星や金星、地球のような惑星形成に必要な物質の獲得が起こらないという問題が指摘されてきました。
今回のアルマ望遠鏡による観測で見えてきた高密度のチリのリングは、チリが長期間安定して成長できる場所なのかもしれませんね。
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太陽系もこうして作られた? 原始惑星系円盤の問題が解決

今回、20個の若い星を取り巻く“原始惑星系円盤”が、アルマ望遠鏡により高解像度で観測されました。
理由は、円盤の構造や作られ方が一般的なものかどうかを判断するには、複数の“原始惑星系円盤”を観測して類似点や相違点を知る必要があったから。
そして分かってきたのは、若い段階にある原始惑星系円盤でも惑星は存在するということでした。
一度に多くの原始惑星系円盤を観測するプロジェクト
ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームがアルマ望遠鏡を使って、惑星系誕生現場の大規模な観測計画“DSHARP”を実施しました。
DSHARP(Disk Substructures at High Angulaar Resolution Project)は、
高解像度による原始惑星系円盤構造観測プロジェクト。
このプロジェクトの目的は、“原始惑星系円盤”の構造や、その中で惑星が誕生するのにかかる時間など、惑星系誕生にかかわる様々な情報を得ること。
今回、太陽系近傍の20個の若い星を取り巻くチリの円盤“原始惑星系円盤”が高解像度で観測されました。
これまでのアルマ望遠鏡での観測でも円盤が高精細にとらえられていたのですが、その構造や作られ方が一般的か例外的かは明らかにできていませんでした。
そう、明らかにするには多くの円盤の観測が必要なんですねー
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20の原始惑星系円盤。 多重構造を持つもの、環の一部が明るいもの、渦巻き模様のもの、 連星系それぞれに円盤が存在するもの(一番右上)など、非常に多様性がある。 |
原始惑星系円盤に見られる類似点と相違点
“DSHARP”が目指したのは、原始惑星系円盤に見られる構造上の類似点と相違点を探すこと。
観測では、20の円盤ほぼ全てに、同心円の隙間構造や細いリング構造が見られました。
隙間やリングの大きさは様々で、中心の星から数天文単位(1天文単位は約1.5億キロ)のところにあるものから、100天文単位(太陽から海王星の約3倍)以上遠い場所にあるものまで見つかっています。
一部の円盤には渦巻構造や三日月状の構造が見られている。
今回の観測により様々な質量の若い星で、その周りの円盤の詳細な構造をはっきりと描き出すことが出来ました。
非常にバラエティに富んだ細かい構造は、直接姿を見ることができない惑星と円盤内の物質との相互作用によるものだと考えられます。
2014年にアルマ望遠鏡が“おうし座HL星”の原始惑星系円盤を高解像度でとらえたとき、この円盤は知られている中でも非常に明るく重いものだったので、これが平均的な惑星誕生現場の姿であるかどうかを判断できませんでした。
今回、“DSHARP”の観測を通して、“おうし座HL星”が特別変わった星ではないこと、むしろ一般的な惑星の誕生現場であるかもしれないということが分かってきたんですねー
ずっと早い段階で惑星が作られ始めている証拠? を100万歳の若い星で発見

若い段階にある原始惑星系円盤でも惑星は存在する
標準的なシナリオでは、星を取り巻く原始惑星系円盤の中で、小さなチリやガスが次第に集まって惑星が形成されると考えられています。
マイクロメートルサイズのチリが合体して小石や岩… っと大きくなっていき、最終的に惑星になるというシナリオです。
こうした段階的な成長には数百万年かかると考えられています。
もし、惑星の誕生に長い時間がかかるとすれば、今回観測されたような構造は、より進化した原始惑星系円盤の中で見つかるはずです。
でも、今回観測された天体の年齢は、およそ20万歳から1300万歳の範囲にある若い段階のもの。
そう、今回の観測結果が示唆しているのは、若い段階にある原始惑星系円盤でも惑星が存在するということでした。
“DSHARP”が実施されたことにより映し出された円盤内の隙間やリング構造は、地球のような岩石質の惑星がどのようにして作られ、成長していくのかという謎に迫るヒントにもなります。
惑星形成の理論によれば、チリが合体して直径1センチ程度の大きさになると、周囲のガスとの摩擦で公転の勢いが失われて中心の星に落下してしまうので、火星や金星、地球のような惑星形成に必要な物質の獲得が起こらないという問題が指摘されてきました。
今回のアルマ望遠鏡による観測で見えてきた高密度のチリのリングは、チリが長期間安定して成長できる場所なのかもしれませんね。
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