みずがめ座の赤色矮星“トラピスト1”の周囲に、
地球サイズの惑星が7つも発見されました。
1つの星の周りに地球サイズの惑星が、これほど多く見つかったのは初めてのこと。
しかも、7つ惑星のうち3つは、
液体の水が存在できるハビタブルゾーン内に位置しているんですねー
いずれも地球に似ていて、生命を育む海が存在する可能性もあるようです。
トランジット法で惑星を見つける
みずがめ座の方向約40光年の彼方に位置する恒星“トラピスト1”には、
昨年の5月に3つの系外惑星が見つかっています。
太陽系外の岩石惑星に大気を初めて確認
その後、研究チームではヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡“VLT”や、
NASAの赤外線天文衛星“スピッツァー”などを用いて観測を継続。
“トラピスト1”の手前を通過する惑星をトランジット法で詳しく観測してみると、
この星には惑星が7つもあることが明らかになったんですねー
トランジット法とは、惑星が恒星の手前を通過(トランジット)する時に見られる、
わずかな減光から、惑星の存在を検出する方法。
1つの星の周りに7つもの系外惑星が見つかったのは、
これが初めてのこと、最多記録になるそうです。
液体の水が存在できる領域
“スピッツァー”による観測データの解析から、
惑星の大きさを測定してみると、
7つの惑星すべてが地球サイズであることが分かりました。
さらに、内側の6つについて質量や密度を推定してみると、
全て岩石惑星らしいことも示されます。
7つの惑星すべてに液体の水が存在する可能性があり、
特にそのうち3つは、ハビタブルゾーンに位置しているので、
可能性はさらに高いようです。
ハビタブルゾーンとは、恒星からの距離が程良く、
惑星表面に液体の水が存在できる領域。生命が存在できる範囲。
NASAによると、7惑星同士の距離はかなり短く、
“トラピスト1”と7惑星との距離は、いずれも太陽と水星の距離よりも短いそうです。
ただ、“トラピスト1”は、質量が太陽の8%ほどで、
表面温度は摂氏2300度程度という超低温の赤色矮星とみられています。
そのため、中心星から離れなくても水が蒸発するこはなく、
水が液体の状態で存在できるハビタブルゾーンは、
中心星に非常に近いところになるんですねー
惑星の環境と大気の調査
惑星が、中心星に非常に近いところに存在していると、
中心星の引力によって、惑星の自転と公転が同期している可能性があります。
その場合、惑星は常に同じ面を中心星に向けていることになり、
昼夜の入れ替わりがなくなってしまいます。
ちょうど地球に対する月のような関係。
月も同じ面を地球に向けている。
つまり、片方の半球は常に温められていて、
他方の半球は永遠に極寒の夜空の下にあるようなもので、
昼側から夜側に向かって強い風が吹くなど、
地球とは全く異なる気象になっているのかもしれません。
ただ、主星に対して常に同じ面を向けていても、
惑星に大気があれば生命が進化できないわけではないのですが、
いくらか不利になるのかもしれません。
今後の観測では、とくに惑星の大気の存在や、その成分を調べることで、
液体の水や生命の存在する可能性について、さらに詳しく迫ることになります。
“トラピスト1”系の位置が太陽系から近いので、
惑星の大気を調べることで、生物が呼吸した痕跡を検出できるかもしれません。
これまでの研究では、
生命が住むのに適した地球型惑星を発見すること自体が目標になっていました。
でも今回のような発見は、
小さくて暗い恒星の周りにも、地球に似た惑星があることを示すことになりました。
銀河系では、こうした惑星が比較的よく見られるので、
「大気を詳しく調べられる程度に近くの惑星を探すこと」が、
今の目標になっています。
太陽よりも小さく低温な恒星を回る惑星にも生命は存在する?
2018年にはジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が打ち上げられる予定です。
この望遠鏡で水やメタン、酸素、オゾンなど、惑星の大気を構成する様々な成分を調べ、
さらに惑星の温度や表面の圧力など、
生命が存在できる環境かどうかに関する鍵となる要素も分析する予定だそうです。
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太陽系に最も近い恒星に地球サイズの惑星を発見
地球サイズの惑星が7つも発見されました。
1つの星の周りに地球サイズの惑星が、これほど多く見つかったのは初めてのこと。
しかも、7つ惑星のうち3つは、
液体の水が存在できるハビタブルゾーン内に位置しているんですねー
いずれも地球に似ていて、生命を育む海が存在する可能性もあるようです。
今回見つかった惑星上空からの眺め(イメージ図) “トラピスト1”惑星系は7つの地球型惑星を持つことが明らかになった。 |
トランジット法で惑星を見つける
みずがめ座の方向約40光年の彼方に位置する恒星“トラピスト1”には、
昨年の5月に3つの系外惑星が見つかっています。
太陽系外の岩石惑星に大気を初めて確認
その後、研究チームではヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡“VLT”や、
NASAの赤外線天文衛星“スピッツァー”などを用いて観測を継続。
“トラピスト1”の手前を通過する惑星をトランジット法で詳しく観測してみると、
この星には惑星が7つもあることが明らかになったんですねー
トランジット法とは、惑星が恒星の手前を通過(トランジット)する時に見られる、
わずかな減光から、惑星の存在を検出する方法。
1つの星の周りに7つもの系外惑星が見つかったのは、
これが初めてのこと、最多記録になるそうです。
液体の水が存在できる領域
“スピッツァー”による観測データの解析から、
惑星の大きさを測定してみると、
7つの惑星すべてが地球サイズであることが分かりました。
さらに、内側の6つについて質量や密度を推定してみると、
全て岩石惑星らしいことも示されます。
“トラピスト1”系の惑星のデータと太陽系の地球型惑星の比較。 (“トラピスト1”系の惑星の色や模様はすべて想像) それぞれの天体について、公転周期、中心星からの距離、半径(地球=1)、質量(地球=1)。 |
7つの惑星すべてに液体の水が存在する可能性があり、
特にそのうち3つは、ハビタブルゾーンに位置しているので、
可能性はさらに高いようです。
ハビタブルゾーンとは、恒星からの距離が程良く、
惑星表面に液体の水が存在できる領域。生命が存在できる範囲。
NASAによると、7惑星同士の距離はかなり短く、
“トラピスト1”と7惑星との距離は、いずれも太陽と水星の距離よりも短いそうです。
ただ、“トラピスト1”は、質量が太陽の8%ほどで、
表面温度は摂氏2300度程度という超低温の赤色矮星とみられています。
そのため、中心星から離れなくても水が蒸発するこはなく、
水が液体の状態で存在できるハビタブルゾーンは、
中心星に非常に近いところになるんですねー
“トラピスト1”系と太陽系それぞれの惑星の軌道の比較。 “トラピスト1”系ではe~gが、太陽系では金星・地球・火星が、 ハビタブルゾーンに位置している。 |
惑星の環境と大気の調査
惑星が、中心星に非常に近いところに存在していると、
中心星の引力によって、惑星の自転と公転が同期している可能性があります。
その場合、惑星は常に同じ面を中心星に向けていることになり、
昼夜の入れ替わりがなくなってしまいます。
ちょうど地球に対する月のような関係。
月も同じ面を地球に向けている。
つまり、片方の半球は常に温められていて、
他方の半球は永遠に極寒の夜空の下にあるようなもので、
昼側から夜側に向かって強い風が吹くなど、
地球とは全く異なる気象になっているのかもしれません。
ただ、主星に対して常に同じ面を向けていても、
惑星に大気があれば生命が進化できないわけではないのですが、
いくらか不利になるのかもしれません。
発見された惑星の1つ“トラピスト1 f”(内側から5つ目)。 惑星の様子と共に、中心星や他の惑星も描かれている。 |
今後の観測では、とくに惑星の大気の存在や、その成分を調べることで、
液体の水や生命の存在する可能性について、さらに詳しく迫ることになります。
“トラピスト1”系の位置が太陽系から近いので、
惑星の大気を調べることで、生物が呼吸した痕跡を検出できるかもしれません。
これまでの研究では、
生命が住むのに適した地球型惑星を発見すること自体が目標になっていました。
でも今回のような発見は、
小さくて暗い恒星の周りにも、地球に似た惑星があることを示すことになりました。
銀河系では、こうした惑星が比較的よく見られるので、
「大気を詳しく調べられる程度に近くの惑星を探すこと」が、
今の目標になっています。
太陽よりも小さく低温な恒星を回る惑星にも生命は存在する?
2018年にはジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が打ち上げられる予定です。
この望遠鏡で水やメタン、酸素、オゾンなど、惑星の大気を構成する様々な成分を調べ、
さらに惑星の温度や表面の圧力など、
生命が存在できる環境かどうかに関する鍵となる要素も分析する予定だそうです。
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