火星探査車“キュリオシティ”によって、これまでで最も高い濃度のメタンが火星大気から検出されました。
でも、なぜかメタンの濃度は、数日後には平常時のレベルにまで下がったそうです。
この“キュリオシティ”が、これまでに検出した中でも最大の濃度になるメタンを大気中で検出したことが発表されました。
検出されたのは体積比で21ppb(10億分の21)という濃いメタン。
このデータは“キュリオシティ”の試料分析ユニット“SAM”の波長可変レーザー分光計で得られたもの。
地球では微生物がメタンの重要な発生源になっています。
このことから、今回の発見は生命の存在を示している っと期待しますよね。
ただ、メタンは岩石と水の相互作用でも発生します。
“キュリオシティ”には、メタンの源を特定できるような観測装置は搭載されていません。
なので、今回のメタンがゲールクレーターの限られた場所から出てきたものか、火星の別の場所で発生したものかはよく分かっていません。
残念ながら現状の観測結果では、このメタンが生物由来なのか、地質由来なのかを知る手段はありません。
さらに、古い時代に生成されたメタンなのか、それとも最近作られたものなのかということも分からないんですねー
そのデータによると、メタンの検出量は急激に下がり、1ppb以下にまで減ってしまったそうです。
この値は“キュリオシティ”が日常的に検出しているメタンのバックグラウンド濃度と変わらない値でした。
この結果が示唆しているのは、今回検出された過去最大量のメタンは、以前にも観測された突発的なメタンの雲であるということ。
これまでに“キュリオシティ”は、移動経路上のあちこちでメタンを検出していて、メタンのバックグラウンド濃度が季節によって変動することも分かっていました。
でも、今回のような突発的なメタンの雲がどのくらいの間持続するのか、なぜ季節変動とは違う変化をするのか、といった点についてはまだほとんど分かっていません。
これから研究を進めていく上で必要になるのは、これらの手掛かりを分析して、もっと多くのメタンを測定すること。
また、2016年から観測を行っているエクソマーズミッションとの連携も必要になってきます。
エクソマーズは、ヨーロッパ宇宙機関とロシア・ロスコスモスの共同ミッション。
このミッションの軌道周回機“トレース・ガス・オービター”のチームとの連携も必要。
ただ、1年以上にわたって火星軌道で観測を行っている“トレース・ガス・オービター”は、まだメタンを検出していないんですねー
今後、“トレース・ガス・オービター”がメタンを検出できれば…
火星表面と軌道上での観測データを組み合わすことで、火星のメタン源を特定し、火星大気中でメタンガス雲がどのくらい持続するのかを理解するのに役立ちそうです。
そうすれば、“トレース・ガス・オービター”と“キュリオシティ”のメタンのデータが食い違っている原因も説明できるのかもしれません。
火星大気中でメタンはどのよう振る舞いをしているのでしょうね。
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ゲールクレーターを覆っていた1~2キロ厚の堆積物がシャープ山を作った? 火星探査車“キュリオシティ”の観測で分かってきたこと
でも、なぜかメタンの濃度は、数日後には平常時のレベルにまで下がったそうです。
メタンは生物由来なのか、それとも地質由来なのか
火星のゲールクレーター周辺で2012年から探査を続けているNASAの探査車“キュリオシティ”。この“キュリオシティ”が、これまでに検出した中でも最大の濃度になるメタンを大気中で検出したことが発表されました。
検出されたのは体積比で21ppb(10億分の21)という濃いメタン。
“キュリオシティ”が現在探査している尾根“ディールリッジ”。 “粘土ユニット”と呼ばれている地域の一部(6月18日に撮影)。 |
地球では微生物がメタンの重要な発生源になっています。
このことから、今回の発見は生命の存在を示している っと期待しますよね。
ただ、メタンは岩石と水の相互作用でも発生します。
“キュリオシティ”には、メタンの源を特定できるような観測装置は搭載されていません。
なので、今回のメタンがゲールクレーターの限られた場所から出てきたものか、火星の別の場所で発生したものかはよく分かっていません。
残念ながら現状の観測結果では、このメタンが生物由来なのか、地質由来なのかを知る手段はありません。
さらに、古い時代に生成されたメタンなのか、それとも最近作られたものなのかということも分からないんですねー
“キュリオシティ”が検出したのはメタンの雲
“キュリオシティ”の科学チームは6月22~23日にかけて引き続きメタンの観測を行い、24日朝に観測データを受信しています。そのデータによると、メタンの検出量は急激に下がり、1ppb以下にまで減ってしまったそうです。
この値は“キュリオシティ”が日常的に検出しているメタンのバックグラウンド濃度と変わらない値でした。
この結果が示唆しているのは、今回検出された過去最大量のメタンは、以前にも観測された突発的なメタンの雲であるということ。
これまでに“キュリオシティ”は、移動経路上のあちこちでメタンを検出していて、メタンのバックグラウンド濃度が季節によって変動することも分かっていました。
でも、今回のような突発的なメタンの雲がどのくらいの間持続するのか、なぜ季節変動とは違う変化をするのか、といった点についてはまだほとんど分かっていません。
これから研究を進めていく上で必要になるのは、これらの手掛かりを分析して、もっと多くのメタンを測定すること。
また、2016年から観測を行っているエクソマーズミッションとの連携も必要になってきます。
エクソマーズは、ヨーロッパ宇宙機関とロシア・ロスコスモスの共同ミッション。
このミッションの軌道周回機“トレース・ガス・オービター”のチームとの連携も必要。
ただ、1年以上にわたって火星軌道で観測を行っている“トレース・ガス・オービター”は、まだメタンを検出していないんですねー
今後、“トレース・ガス・オービター”がメタンを検出できれば…
火星表面と軌道上での観測データを組み合わすことで、火星のメタン源を特定し、火星大気中でメタンガス雲がどのくらい持続するのかを理解するのに役立ちそうです。
そうすれば、“トレース・ガス・オービター”と“キュリオシティ”のメタンのデータが食い違っている原因も説明できるのかもしれません。
火星大気中でメタンはどのよう振る舞いをしているのでしょうね。
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ゲールクレーターを覆っていた1~2キロ厚の堆積物がシャープ山を作った? 火星探査車“キュリオシティ”の観測で分かってきたこと
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