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モバライダー mobarider

冥王星に氷の火山を発見! 最近まで活動していたそうですよ

2015年11月17日 | 冥王星の探査
早いもので、探査機“ニューホライズンズ”の冥王星フライバイから4か月が過ぎました。

当時観測されたデータは、
現在、“ニューホライズンズ”から次々に送られてきています。

そのデータからは、巨大な氷の火山と思われる地形が見つかったり、
小さい衛星の奇妙な振る舞いが明らかになっているんですねー


氷の火山は最近まで活動していた

“ニューホライズンズ”による冥王星の観測データから、
冥王星の2か所で、火山のように盛り上がった地形が見つかりました。

この氷の火山が見つかったのは、
“スプートニク平原(非公式名)”と名づけられた地域の南側で、
直径は数十キロ、高さは5キロ前後。

火山と言っても、火を噴いているわけではなく、
火口からは水の氷や窒素、アンモニア、メタンなどの混合物が噴出した「氷の火山」なんですねー

どちらも、おそらく地質学的な意味で、最近まで活動していたと考えられています。
氷の火山と思われる山の1つ“ライト山(非公式名)”

氷の火山というのは、まだ仮説に過ぎないのですが、
もし本当にそうなら、頂上にあるくぼみは地下から噴出した物質が崩れてできたもののはずです。

一風変わった山の側面にある輪状地形は、ある種の火山流によるものかもしれません。
でも、なぜ輪状なのか、一体どんな物質で構成されているのかは不明なんですね。
氷の火山と思われる山の立体画像(名称は非公式名)


40億年以上も地質学的に活発だった

驚くべき発見は他にもありました。

それは、冥王星の地質学的な年代が、
古いものから中期、比較的若いものと広範囲に及んでいること。

天体の表面の年代決定に用いられるクレーター計数から、
冥王星には約40億年前という、太陽系の惑星形成直後にまでさかのぼる、
古い表面の存在が示されています。

その一方で、全くクレーターの見られない広大な領域“スプートニク平原”は、
過去1000万年以内に形成されたと考えられています。
1000個以上のクレーター(黄色)の位置を示した図。
両サイドの赤紫色っぽい領域は地図未作成領域

さらに、最新のクレーター計数データによって、
冥王星上に中期に当たる年代の地形も発見されることに…

このことは、冥王星は40億年以上の長い歴史を通じて、
地質学的に活発だったということを意味しているんですねー


疑問はカイパーベルト天体の形成

クレーター計数は、
カイパーベルト天体の成り立ちにも影響を与えることになります。

太陽系の外縁部で無数の天体が密集するカイパーベルトにあるのが冥王星です。

そして、この冥王星と衛星カロンには小さなクレーターが少なすぎるので、
カイパーベルトには、予測よりも小さな天体が少ないということになります。

でも、そうすると
「幅1キロ程度の小天体が集まってカイパーベルト天体が形成された」
とする、長年のモデルに疑問が生じることになるんですねー

そして、幅数十キロのカイパーベルト天体は直接形成された、
というモデルが支持されることになります。

多くのカイパーベルト天体が、現在の大きさで誕生したのかもしれないというのは、
研究者にとって実にエキサイティングことになります。

“ニューホライズンズ”の次のターゲットになる、
幅40~50キロのカイパーベルト天体“2014 MU69”の探査によって、
ひょっとすると太陽系を形成する元になった原初の天体の姿が、
初めて見えるくるのかもしれませんね。


冥王星の4衛星

“ニューホライズンズ”のミッションは、
魅力的な冥王星の衛星と、その変わった特徴にも光を当てています。

たとえば、月を含め太陽系のほぼすべての衛星は、
自転と公転が同期しています。

でも、カロンを除いた冥王星の4つの小衛星は、
自転の方がはるかに速いことが分かったんですねー

最も外側の衛星ヒドラは、冥王星の周りを1回公転する間に89回も自転していました。
ひょっとすると、カロンの影響で小衛星の自転速度が変化したのかもしれません。

さらに、4衛星のうちいくつかが、2つ以上の天体の合体から生まれたことも、
データから示されました。

このことにより冥王星は、過去にもっと多くの衛星を従えていたことが考えられ、
大きな衝突の結果、カロンが作られたのかもしれません。


冥王星の大気

“ニューホライズンズ”による新しいデータからは、
冥王星の上層大気が著しく冷たくコンパクトで、
大気が宇宙空間へ逃げ出す割合は、これまでの説より3桁以上も低いことも分かりました

冥王星からの大気散逸プロセスは、彗星に似ていると考えられてきましたが、
どうやら、地球や火星で起こっているメカニズムと同じようです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 巨大な割れ目と氷火山活動… 衛星カロンには激動の歴史があった。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
モバライダー様 (芙蓉)
2015-11-17 13:16:02
初めまして。
火山ならぬ水山ですね。
宇宙には私たちの知らない理解を超えるようなことがたくさんあるのでしょう。
ロマンがありますね♪
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初めまして (芙蓉様)
2015-11-18 20:17:07
本当に知らないことが、たくさんあるのでしょうね。それも太陽系の中に… フロンティアですね (^_^)
返信する

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