ちょっと分かりにくいかもしれませんが、布団の四隅にガムテープがベタベタと貼られてます。生地が破れて羽毛が吹き出しているのです。
「羽毛ふとん君、どうしたの?」 と聞けば、「皮膚(生地)が弱って裂き破れてしまったんです」
一昨日お持ちになった羽毛布団も含め最近4枚ほど(幸か不幸かすべて他社が販売)、生地が破れたと言ってリフォーム依頼が立て続けにありました。親御さんに婚礼で支度して貰った方が殆どです。症状も原因も実は総て同じです。生地が弱って裂けるように破れ、羽毛が吹き出しているのです。
このふとんの生地はすべて「絹交織」です。大抵、経糸は綿糸、緯糸は絹糸となっています。経糸と緯糸とが異なり強度に開きがあるため、この場合絹糸が負けて破れてしまった訳です。羽毛布団の中で、たぶん最も弱い生地が「絹交織」だと思われます。織り方は今に始まったものではなく、昔からある織り方です。今から10年から20年前に絹交織の羽毛ふとんが多く販売されました。しかも高価でした。弊店では早くから超長綿に販売のシフトを移していましたが、全く販売しなかった訳ではありません。いずれにせよ、結果的には(業界全体で)反省すべき商品だったように思います。
絹交織の羽毛ふとんに限らず、寝具はその良し悪しが五年十年、場合によっては二十年後に分かる場合があります。今回は生地の問題ですから、お客様でもすぐに良し悪しが判かります。だが、「ふとん」はリフォームする時に、中わた(羽毛ふとんならば、羽毛)の良し悪しが判ることがほとんどです。その時評価を受けるのは、次代次々代(子や孫)ともなり兼ねません。少し意味合いが違いますが、和田哲の創業者の事を書いた「扇子商法」にも、そんな意の事が書かれていたのを思い出しました。
元のメーカーがどこであれ、リフォーム後はある意味「綿桂」の責任となります。お客様に五年十年後に「良かった」と言って戴けるように、丁寧に仕事したいと思います。羽毛の洗い方にも品質があります。羽毛を優しく丁寧に洗います。
今年もあと一か月余です。年内(お正月まで)に羽毛ふとんのリフォームをとお考えの方は、お急ぎ下さい。年内納品は12月9日が最終です(受注状況によっては、早まることもあります)。
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