爺は福祉用具専門相談員です。会社(綿桂)には他に4名の有資格者がいます。福祉住環境コーディネーター・ヘルパーもいます。
1~2週間の入院予定が、約2カ月半程度となった90歳を過ぎたご婦人のお話です。独居です。妹さん二人(70歳代)は、施設に入居したらと薦められましたが、ご本人は住み慣れた自宅(実質1K)で生活したいと言われます。寝たきりを心配しましたが、ご本人の頑張りで、要支援2 まで回復されました。
自宅に戻られるにあたって、問題はトイレとお風呂です。トイレは従来の和式トイレです。洋式にしないと用が足せません。段差のない和式トイレを腰掛式に変換することにしました。ところが約80㎝角と狭小の上対角線的に便器が設置されていました。そのまま設置すれば出入りが不自由になります。設置方向を180度変えると、用を足したモノが落ちません。水洗では有りませんから、洗い流すことはできません。毎回、設置した便器を外してお掃除するなど、不可能となります。水洗式に改築するとなれば、大規模な住宅改修となってしまいます。
妹さん達は90歳を超えて住宅改修をして●●万円も掛けるのは無駄だと言われます。隣接するお風呂も改修しようものなら、相当な出費となります。それ以上に年齢と独居とを妹さん達は心配されます。そこで、ポータブルトイレを使用して戴くようお薦めしました。ところが、ご本人はご自分の不浄をヘルパーさんと言えども他人様に始末させる事は嫌だと言われます。・・・・・困りました。
ご本人の思いを最優先することにし、爺が提案したのはバイオの力で排泄物を消滅させるバイオトイレ「あすなろ」です。
用を足せばバイオチップが自動攪拌されます。他人様に不浄物を見られる事はありません。毎回始末をすることも必要ありません。臭いの心配もありません。一石三鳥といったところです。
陶器で出来た和式便器を壊し、ガタつきの無いようにゴムクッション材をコンパネの下に敷きました。間口は約62㎝。手すり部分などを分解し、トイレの中に「あすなろ」を入れてから再度組み立て直しました。排気用ダクトも取りつけ完了です。
ただ、用を足している間、トイレの戸が閉まりません。ご本人は独居だから問題無いと言われます。右隅に見えるのは洗濯機です。チップの量を数ヶ月(5~6ヶ月)に1回補充点検に行く事だけは、爺の役目となりました。
次は、お風呂です。デイに通われますから、そちらで入浴して戴くので、お風呂の修理は見送ることにしました。ところがご本人様、シャワーを浴びたいから何とかしてと言われます。最後の我がままを聞いてと言われます。ケアマネさん・地域包括の主任さん・妹さんたちも思い止まらせようとしましたが、ご本人は言うことを聞きません。最後は全員が、綿桂さん(爺のこと)に任せるから、どこの風呂の業者でも良いからを連れてきて直して下さい、と・・・。
ここまで信頼して戴けるのは大変嬉しいことです。・・・・・ 爺は今は「お世話する立場」に居ますが、数年後には「お世話戴く立場」になると思います。 気持ちの判る福祉用具専門相談員として、期待を裏切らないよう頑張ります。
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