さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

バレンタインデー

2007-02-13 23:59:59 | Tuesday 病院
お元気ですか?
 こちら、今はのどかな内科急性期病棟にいるキャベツでありんす。

 入ってくる人もいれば、去っていく人もいる。
 同じく「退院」であっても「軽快」と「死亡」とがあるし、
 そわそわする人も、叫ぶ人も、静かなのだが転倒される方もいたり、
 日々毎日同じように見えて、色々変化がある。
 そんな毎日を過ごさせていただいています。


 そうそう、受け持たせて頂いている方々の中で、JCS Ⅲ-100 1)あたりなのかどうなのかよくわからない方(一応今までの方々はⅡ―30とかⅢ―100あたりと表現していました)が、急にMT 2)自抜したり、キャベツの腕や手を握ったりしたため、本日の温度板に意識レベルをどう書くべきか迷ったりしましたっけ。日中開眼しているが、声や体の揺さぶりなどで開眼しているわけでもなく(元々難聴の方ですし…)、痛み刺激にしかめっつらするするわけでもなく、四肢では唯一動く左上肢で払いのけるような動作があるわけでもなく。
 ちなみに、その方は…話せない方なので、こちらの言っていることが理解されているかどうかわからないのですが、…どうやら、窓の外の景色だけは目を話せない模様。体交 3)しても、必ず、窓のほうに目を向けようとするのです。
 まるで、太陽を求める向日葵(ひまわり)のように。

 キャベツは、その昔、交通事故でふっとばされた直後、ふっと気が付くと
 「大丈夫ですか~、大丈夫ですか~」
と呼びかける人の声がすることはわかっても、
 「聞こえていますよ~。大丈夫ですよ~」
 とも言えず、手足の感覚もなく、動かすことも出来ず…ということがあったので、返答がない=感じていない、わかっていない、とはどうしても思えないのです。
 その方は今、何を見、何を感じ、どう考えていることでしょう・・・




 さて、その一方で、のどかなことですが、約1週間前あたりから「14日」「14日」と言う社会福祉士のヘルパーさんあり。

 (キャベツがその意味に気付いたのはしばらく経ってから。最初、「3月から他の部署へ移動する方がいるから、その方の送別会のことかな?」としか思っていなかったのです。)

 それを受けて、何人かは先輩Ns達に「チョコ、上げるしきたりなんですか?」と尋ね、「いや、そんなことはない」とのお返事を貰っていましたっけ。

 他の病院から来た他のNsによると、「男性のNsやDrに、義理チョコを渡している」所もあるようです。義理の100円チョコが、外国製の木箱に入った美味しいチョコレート(お返し)になったという話も。


 バレンタインデー(=すなわち、日本のチョコ売り上げ貢献日。聖書自体とは無関係)。皆さん、どんなエピソードがあるのやら。


                                                 



今日の通読箇所から



   またイエスは道の途中で、生まれつきの盲人(もうじん)を見られた。

   弟子たちは彼についてイエスに質問して言った。
   「先生。彼が盲目に生まれついたのは、だれが罪(つみ)を犯(おか)したからですか。この人ですか。その両親ですか。」

   イエスは答えられた。
   「この人が罪を犯したのでもなく、両親でもありません。
    神のわざがこの人に現れるためです。」

                              (新約聖書・ヨハネの福音書9:1-3) 




   日本でも、どこか身体などに不都合な子供が生まれると、「その両親の行いが悪かったのではないか」「ばちがあたったのではないか」「前世の行いが悪かったのではないか」と言う非難が聞かれるそうな。

   もちろん、「できない」よりは「できる」ほうがいい。人に迷惑かけて乞食(この話に出てくる人は、乞食をしていた)をして惨めな人生を一生過ごすよりは、自分の手でお金を稼いで、楽しめたほうがいい。何より、どうして、自分は、目が見えないんだろう!? 見えるってどんな感じなんだろう

   先程の聖書の場面のあと、イエス・キリストが、つばきで泥を作り、盲人の目に塗り、シロアムの池で洗うようにとおっしゃった。
    彼は、その通り、実行した。
   すると、目が見えるようになった。

   人々は、驚いた。「おい、こいつは物乞いしていたやつじゃないか!!?」
   そのことが、安息日であったので、
   裁判沙汰(さいばんざた)にまで発展した。 
   そのとき、その目が見えるようになった人は、こう言っていた。


   神は、罪人の言うことはお聞きになりません。
   しかし、だれでも神を敬(うやま)い、そのみこころを行うなら、
   神はその人の言うことを聞いてくださると、私たちは知っています。
                        (ヨハネ9:31) 



  というわけで、
  奇跡が行われる
  → 神様のお許しなしにそんなことが行われるはずがない
  → その人の言動は、神様のみこころに沿ったものである
  → イエス・キリストは自分を「神の子」とも宣言している
  → 実際に奇跡が行われている = イエス様の言っていることは本当かも・・・!


  加えて、人が―多分、自分自身その立場になったら受け入るのに時間がかかるかもしれない―どんな状態であったにせよ、それについて神様が、何らかのご計画を考えておられる。

  たとえ、自分自身「自分には存在する意味がない!」とさえ思ったとしても、私たちをお造りになった神さまが「そうではないよ」とおっしゃっている。

 
                        .。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*  



【注】
1)JCS:Japan Coma Scaleの略。意識障害の分類・評価。Ⅲ―3方式とも言う。国際的には、GCS(Glasgow Coma Scale)が利用されている。
  Ⅲ 刺激しても覚醒しない
     300.痛み刺激に全く反応せず
     200.手足を少し動かしたり顔をしかめる
     100.払いのける動作をする

   Ⅱ 刺激すると覚醒する
     30.痛み刺激を加えつつ、呼びかけを繰りかえすとかろうじて開眼する
     20.大きな声または身体を揺さぶることにより開眼する
     10.普通の呼びかけで容易に開眼する

   Ⅰ 覚醒している
     3.名前、生年月日が言えない
     2.見当識障害あり
     1.だいたい意識清明だがいまひとつはっきりしない

2)MT:マーゲンチューブのこと(ドイツ語+英語って微妙だよな~と思いつつ、使ってしまう用語の一つ)。胃管。

3)体交:体位交換。褥瘡(じょくそう:床ずれのこと)予防のため、自分で寝返りを打てない方には、2~3時間に1回以上行う。
コメント (2)
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