さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

映画『マリア』

2011-12-23 01:09:12 | Wednesday 芸術・スポーツ

『それゆえ、主(しゅ)みずから、あなたがたに一つのしるし(=奇跡)を与えられる。

 見よ。処女がみごもっている。

 そして、男の子を産み、

その名を、『インマヌエル
』と名づける。』

         (旧約聖書・イザヤ書 7章14節)





※「インマヌエル」=神はわたしたちとともにおられる、の意。



    



 世間はクリスマスらしい。
 そういうわけで、せっかくなので、クリスマスの元ネタの一つ、キリストの誕生を取り扱った映画の紹介でもしよう、と思う。

 女優さんが美しかったので、観てみようと思った映画『マリア』。

       

 年老いたエリザベツの懐妊、
 マリアへの天使(御使い)のお告げ、
 処女懐胎(受胎告知)、
 村の人々の反応、
 マリアのエリザベツ訪問、
 ベツレヘムでのイエスの誕生、
 羊飼いたちのイエス訪問、
 ヘロデ王と(3人の)占星術の博士たちの旅とイエスへの礼拝、
 ヘロデによる幼子虐殺、
 エジプトへの逃避・・・。

 新約聖書の4福音書(イエスの言動をまとめたもの)のうち、イエスの誕生を扱ったものは、マタイの福音書と、ルカの福音書のみ。

 それにしても、御使いガブリエルがマリアに「おめでとう!」という場面、と、その時のマリアのとまどいや葛藤(かっとう)をどう描くのか(難しいのでは?)、と思っていたが、なかなか斬新(だった気がする)


(レオナルド・ダヴィンチ『受胎告知』,1472-75年頃)

 村の人々の反応と、マリアのエリザベツ訪問のあたりが、なかなかしっかりした描写であったため、
ルカの福音書での、
「どうして、この時点で、マリアはエリザベツを訪問したのだろう」
という疑問が氷解。合点がいった。




 後半は、ある種お決まりのようなものだったので…私には、白々しく感じたが、
もしかすると、お好きな方もいるかもしれない。
 だが、少なくとも、前半部分は、そのときのマリアの状況を理解するのに、良い映画だったと思う。

       

 処女なのに、子を身ごもってしまった・・・。

 今でも、中東では、結婚外でみごもったら(=姦淫したら)、石うちの刑があるが、この当時もそうだった(ただし、ローマ帝国の支配下のため、勝手に死罪をすることは不可能)。
 今の日本では、それがどれだけ辛い状況か、どれほど白眼視されるか、理解できないかもしれない。

 今でこそ、イエスの母マリアは、たとえばカトリックでは「聖母マリア」と称(とな)えられ、とても高く上げられているが、このときのマリアが、

「わがたましいは主をあがめ、
 わが霊は、わが救い主なる神を喜びたたえます。

 主は この卑(いや)しいはしために
 目を留めてくださったからです。
 ほんとうに、これから後、どの時代の人々も、
 私をしあわせ者と思うでしょう。・・・」

        (ルカの福音書 1章46-48節)


と言えたとき、どれほどの状況下であったのか。どれほど、夫ヨセフが悩んだのか。




『マリア』
100分/アメリカ/2006年

監督:キャサリン・ハードウィック
キャスト:ケイシャ・キャッスル・ヒューズ,オスカー・アイザック,ヒアム・アッバス,ショーン・トーブ 
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12月の誕生日 | トップ | 土曜のイヴは6年来ない »
最新の画像もっと見る

Wednesday 芸術・スポーツ」カテゴリの最新記事