(こちらは、他愛のない話です)
ストレス緩和、免疫力アップほか、知られざる“KISS”の科学
・・・キスすると、免疫力upするんですってよ、奥さん。
***************
<上記より転載>
人はなぜキスをしたくなるのか? 愛情表現?本能的なもの? 欲望を満たすため……?いずれの答えも正解なのだが、人のカラダにはキスを求める合理的な仕組みがある。人肌恋しいこの季節。豊かなキスの知識をあなたに。
◎愛情ホルモンには男女差あり
キスの起源には諸説ある。動物がかみ砕いた食物を子や仲間に口移しで与える行為から発展したとする説や、宗教的な儀式だとする説、匂いを嗅ぐあいさつが進化した行為とする説などだ。
いずれも目的こそ違うが、キスをすることによって大きな満足感が得られることは間違いない。その満足感の原因を科学的に見ていくと、脳への影響が強く関与している。脳科学者の中野信子さんが解説する。
「米国の大学の実験結果(※1)によれば、キスをすると、男性は脳内のコルチゾールというストレスホルモンの値が下がり、オキシトシンという愛情ホルモンの値が上がりました。つまり、キスによってストレスが和らぎ、恋愛感情が高まるということです」
ただし、同じ状況下のキスであっても、男女間で〝幸せの度合い〟に差が出ることもある。
「男性が文句なしにいい影響があるのとは違い、女性は両方の値が下がるという結果となりました。キスでストレスは和らぎますが、それだけでは恋愛感情は高まらない。ところが、場所をムーディーなところに移して同じ実験をしてみると、女性もオキシトシン値が上がりました。
この結果から言えることは、男性は実験室のような無機質な場所であろうと、どれだけ他人に見られていようと関係ないが、女性はムードや人の目に配慮してあげないと、キスによる多幸感は薄らいでしまうということです」
オキシトシンの語源は「促進する」という意味のラテン語で、陣痛を促進し、子供を産む際に分泌される。陣痛・出産は大変な行為だが、同時に大きな多幸感をもたらす。キスも出産同様、この物質の分泌が〝次〟への大きな鍵となる。
「オキシトシンの出る・出ないによって、恋愛感情は大きく左右されます。これが出る相手であるなら、自動的に胸が高鳴り、またキスしたいと思えてくる。ですから、男性が女性との関係をキスによって深めたいなら、ムード作りは欠かせません」
◎女はキスで将来を見抜く
男性は、キスのためのムード作りなどすっ飛ばし、その先に進みたいという本音があったとしても、決してそのそぶりを見せてはいけない。女性の脳は本質的にムード作りに敏感なものだからだ。
「女性の脳は社会性が強く、常に自分の位置を客観的に判断していると言われます。相手がちゃんとムード作りができるか否かは、自分を大切にしてくれる人なのか、子供を産んだ後も子育てを手伝ってくれるのかなど、将来にわたる社会性を判断しているのです」
男性はパートナーと一緒にキスを楽しみたいなら、ムード作りは必須。その思いやりこそが幸せを手に入れるための近道なのだ。
一方、感情的な側面とは別に、人はキスをすればするほど、免疫力がアップするとも言われている。人の体内には500種類以上もの菌が存在するが、キスの際に唾液を通じて多数の菌が交換されることになる。その菌に対する抗体が新たに作られるため、お互いに免疫力が上がるというわけだ。
◎男が濃厚なキスを求めるのも本能?
一般的に、女性に比べて男性は濃厚なキスを好む傾向がある。実は、これも本能的なものであり、相手の健康状態や免疫情報について、キスで積極的に情報収集しているというのだ。免疫学的な観点から言えば、自分と遠い免疫を持つ相手との子ほど、健康に育つ可能性が高い。
「男性が濃厚なキスを好む傾向があるのは、自分のテストステロン(男性ホルモン)を相手に渡そうとするためでもあると言われています。仮に事実だとしても、女性がそれを好むかどうかは全く別の話です(笑)。行動分析の実験結果にもありますが、女性をキスで虜にしたいなら、7分目を繰り返すほうがいい。唇に軽く触れる程度とか、頬にチュッとか、キスしながら髪を撫でてあげるほうが効果的だと思います」
※1/2009年、アメリカのラファイエット大学 Wendy Hill教授(心理学)のチームの実験による。
脳科学者
中野信子さん
1975年、東京生まれ。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。脳科学者、医学博士。『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)などテレビ番組等でも活躍中。近著『成功する人の妄想の技術』ほか著書多数
ストレス緩和、免疫力アップほか、知られざる“KISS”の科学
・・・キスすると、免疫力upするんですってよ、奥さん。
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<上記より転載>
人はなぜキスをしたくなるのか? 愛情表現?本能的なもの? 欲望を満たすため……?いずれの答えも正解なのだが、人のカラダにはキスを求める合理的な仕組みがある。人肌恋しいこの季節。豊かなキスの知識をあなたに。
◎愛情ホルモンには男女差あり
キスの起源には諸説ある。動物がかみ砕いた食物を子や仲間に口移しで与える行為から発展したとする説や、宗教的な儀式だとする説、匂いを嗅ぐあいさつが進化した行為とする説などだ。
いずれも目的こそ違うが、キスをすることによって大きな満足感が得られることは間違いない。その満足感の原因を科学的に見ていくと、脳への影響が強く関与している。脳科学者の中野信子さんが解説する。
「米国の大学の実験結果(※1)によれば、キスをすると、男性は脳内のコルチゾールというストレスホルモンの値が下がり、オキシトシンという愛情ホルモンの値が上がりました。つまり、キスによってストレスが和らぎ、恋愛感情が高まるということです」
ただし、同じ状況下のキスであっても、男女間で〝幸せの度合い〟に差が出ることもある。
「男性が文句なしにいい影響があるのとは違い、女性は両方の値が下がるという結果となりました。キスでストレスは和らぎますが、それだけでは恋愛感情は高まらない。ところが、場所をムーディーなところに移して同じ実験をしてみると、女性もオキシトシン値が上がりました。
この結果から言えることは、男性は実験室のような無機質な場所であろうと、どれだけ他人に見られていようと関係ないが、女性はムードや人の目に配慮してあげないと、キスによる多幸感は薄らいでしまうということです」
オキシトシンの語源は「促進する」という意味のラテン語で、陣痛を促進し、子供を産む際に分泌される。陣痛・出産は大変な行為だが、同時に大きな多幸感をもたらす。キスも出産同様、この物質の分泌が〝次〟への大きな鍵となる。
「オキシトシンの出る・出ないによって、恋愛感情は大きく左右されます。これが出る相手であるなら、自動的に胸が高鳴り、またキスしたいと思えてくる。ですから、男性が女性との関係をキスによって深めたいなら、ムード作りは欠かせません」
◎女はキスで将来を見抜く
男性は、キスのためのムード作りなどすっ飛ばし、その先に進みたいという本音があったとしても、決してそのそぶりを見せてはいけない。女性の脳は本質的にムード作りに敏感なものだからだ。
「女性の脳は社会性が強く、常に自分の位置を客観的に判断していると言われます。相手がちゃんとムード作りができるか否かは、自分を大切にしてくれる人なのか、子供を産んだ後も子育てを手伝ってくれるのかなど、将来にわたる社会性を判断しているのです」
男性はパートナーと一緒にキスを楽しみたいなら、ムード作りは必須。その思いやりこそが幸せを手に入れるための近道なのだ。
一方、感情的な側面とは別に、人はキスをすればするほど、免疫力がアップするとも言われている。人の体内には500種類以上もの菌が存在するが、キスの際に唾液を通じて多数の菌が交換されることになる。その菌に対する抗体が新たに作られるため、お互いに免疫力が上がるというわけだ。
◎男が濃厚なキスを求めるのも本能?
一般的に、女性に比べて男性は濃厚なキスを好む傾向がある。実は、これも本能的なものであり、相手の健康状態や免疫情報について、キスで積極的に情報収集しているというのだ。免疫学的な観点から言えば、自分と遠い免疫を持つ相手との子ほど、健康に育つ可能性が高い。
「男性が濃厚なキスを好む傾向があるのは、自分のテストステロン(男性ホルモン)を相手に渡そうとするためでもあると言われています。仮に事実だとしても、女性がそれを好むかどうかは全く別の話です(笑)。行動分析の実験結果にもありますが、女性をキスで虜にしたいなら、7分目を繰り返すほうがいい。唇に軽く触れる程度とか、頬にチュッとか、キスしながら髪を撫でてあげるほうが効果的だと思います」
※1/2009年、アメリカのラファイエット大学 Wendy Hill教授(心理学)のチームの実験による。
脳科学者
中野信子さん
1975年、東京生まれ。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。脳科学者、医学博士。『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)などテレビ番組等でも活躍中。近著『成功する人の妄想の技術』ほか著書多数