さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

【シンセツ】兎と亀

2011-07-23 21:11:45 | Sunday 集会・生活
 本からのメモ(抜粋)です。


        **********

 『・・・に、日本人なら誰でも知っている「兎と亀」に関する面白い話が紹介されています。

 ひろさんがインドを旅行したとき、インド人に

日本にはこういう教訓的なお伽話があると言って聞かせ、

亀にまけた兎は、なにがいけなかったのか、

どうすべきだったのか、

答えは分かっているつもりでしたが、尋ねてみました。

 すると、インド人の答えは意外。驚きました。


        **********


 インド人は三人いたのですが、いちばん年寄りのインド人がこう答えました。

「兎? 兎はノー・プロブレムである(問題ない)。悪いのは亀だ!


         

 「どうして……?」と、わたしは尋ねました。

一生懸命に走った亀がなぜいけないのか、わたしにはわかりません。

「だって、亀は兎を追い越して行ったのだろう。そのとき、亀は“もしもし兎さん、

 昼寝をしていてはだめですよ。起きなさい”とひと声、声をかけてやるべきだ。

 それが友情というものだろう。その亀には友情がないじゃないか?!」


         

 わたしはびっくりしました。さすがインドはお釈迦さまの国だ! と思いました。(略)

 けれども、いちおうわたしは反論しました。(略)「あなたの言うことはよくわかる。

けれども、兎と亀はゲームをしているのだろう。ゲームであれば、相手が油断しているのだから、

なにも起こしてやる必要はないではないか?!」

 「そうか、ゲームであれば、まあ起こさなくてもいいか……」年寄りのインド人は

引っ込んでしまいました。


         

 ところが、(略)こんどはいちばん若いインド人が助太刀を出してきたのです。

いいや、おまえの考えはよくない。あの年寄りのほうが正しい!

「なぜ?」

だって、亀にはわかるはずがない

「なにがわからないのだ?」

「おまえは、兎は昼寝をしていると言う。けれども、ひょっとしたら、兎は心筋梗塞で

苦しんでいるのかもしれない。起こしてやってはじめて、病気で苦しんでいるのか、

それとも怠けて昼寝をしているのかがわかるのだ。だから、やはり起こしてやるべきだろう」(略)


         


 そして、若いインド人はこう付け加えました。「それとも、なにかい。おまえは、

“こいつは怠けて昼寝をしているのだ”と勝手に決め込んで、自分が勝つことばかり

考えているような亀を好きだと言うのか?! そんな日本人は大嫌いだ!



                  (鈴木康之「文章がうまくなるコピーライターの読書術」から)



 世の中、いろんな世界観がありますからなぁ・・・。
 何か伝えたい場合、たとえがたとえにならんことも…いやはや、難しいものですなぁ…。
(相手にとって、合点が行くたとえでなければ、たとえにならない)

 だけんども、・・・伝える、というのは、そういう中において、相手に届くように伝えるわけで・・・骨の折れることですなぁ…。
 (ここでは、インド人だけれど、実のところ、同じ言葉を用いる隣人が、お互いに「異なる世界観」「異文化」ですから…。その中で、・・・、なんですわ。・・・いやはや・・・


 そんなこんなを、読みつつ、思い出したものでした。


【ついでに】
『十人十色』
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