先日、ロシヤ国境警備隊により日本船員が銃撃され死亡した。船は国後に連行され、外の乗組員3名は抑留された。最初に抑留、収容された施設が、「宗男ハウス」というのも、なんとも皮肉な話。今日のニュースで船長を除く二人は釈放になるみたい。それは嬉しいことではある。
四島の帰属問題が解決しないばかりか、既に返還されていなければならない歯舞の海で、銃撃をうけ、拿捕された。
ヤルタ協定を受託した日本にとって、ロシヤとの平和条約締結は、多くのリスクを覚悟しなければならなかった。それが、歯舞・色丹返還での平和条約締結だったのだ。日本人の心情、歴史的真実は、国後、択捉を含む四島返還だったことは確かです。しかし、一旦、国と国が約束したことは、そんな簡単に変更できるわけが無い。
今のロシヤの態度は、歯舞色丹も日本は要らないのだろう。四島返還と何時までも言っていればいい。何時になっても返す理由は出てこない。日本が歯舞・色丹返還での平和条約を呑まないのなら、権利放棄に等しい、だから、自分たちの領土として、権利を主張していく。といっているように思う。
鈴木宗男のやつた人道支援は何だったのだ。帰るあてがあっての国後、択捉への支援だったのか。それでなくても、ロシヤ国民は、四島返還に反対している。だから返還できない。そんな論理も、ロシヤにはある。支援することで、豊かになっていった四島のロシヤ国民は、なお更返還に反対することになっている。
極論すれば、鈴木議員のやったことは、単に支援物資を納入する国内各メーカーへの便宜を図っただけのことといえないだろうか。現実に、是だけやって、ビザ無し渡航までやって、それでロシヤ島民の感情が、返還に進んだかといえば、全く反対なのです。
国内的には、かつての島民がまだいて、四島一括返還の旗を振っている以上、政府も今更、引くに引けないのだと思います。これは、ロシヤの国益を守ってやるだけで、日本に何の利益も無いのです。更に漁業資源が減少すれば、歯舞色丹の海での取り締まりは、更にきつくなるでしょう。
日本が降伏した後で、戦い、その上で捕虜として何十万もの兵士をシベリヤに送り過酷な扱いをしたロシヤ、なぜロシヤは捕虜虐待で裁かれないのだ。この問題も平和条約締結の話し合い事項には当然入るはずです。
決断しなければならない。確かに、振り上げたこぶしを下ろしようも無い現実、でも、日本の領土であるはずの海で、銃撃される現実をこのままの状況で、政治的に解決できるとは思わない。一度決めた、そのときの痛みに立ち戻り、決断すべきだと思う。