「晩秋の仕事が春先にずれる」
この畑での紫草の栽培を断念した。
用土を準備して別の場所で栽培となる。
コストを抑えるために薫炭を用土に加える事を思いつく。
モミ殻は無料で手に入った。後は手間のみである。
昨年の秋頃は、この場所を耕作して紫草の栽培を予定していた。
薫炭を使わずとも良いとも考えていた。道具は畑に転がったままであった。
隣の畑の竹薮が大忙しで手入れをして、3分の1程に縮小する。
パネル話に、いち早く手を打った様だ。
モミ殻薫炭作りの道具は1昨年のお手製である。
また使うとは思わなかった。
好天気で暖かな春の日で、つい土手に寝転がってしまった。
ベロニカベロシカが一面を敷き詰めている。
和名「オオイヌノフグリ」である。
呑気に思っていた薫炭作りがその後、大慌ての場面になってしまう。
以前の薫炭作りは、6:00頃に火を入れて朝食で自宅に戻っていた。
久し振りの今回は、朝食を済ませてから畑に来た。
途中でモミ殻を追加した事もあって、昼時だが、まだ目を離せない。
駆け足で戻ってパンを持ち帰る。パンを口にするが、風が出て来た。
周囲に水を撒くが、効果無し。
空は一転して、雲が湧いて流れている。モミ殻が渦を巻いて舞う。
風上に立つがどうにもならない。風は弱くなると見えて、再び木立が唸る。
風が出たのでは、お手上げである。
モミ殻の一部が赤くなるので、下からそれを覆う。
30分程の奮闘であったろうか。
風は少しばかり弱まり、出来た薫炭を広げる。
すかさず水を掛けて熱を落とす。取り合えず、何とか事無きを得る。
老いで痛む腰を忘れての奮闘であった。
「のどかなり もみやくひとの おおあわて」