普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

公務員制度改革法案と渡辺喜美さん

2008-05-29 11:51:36 | 福田内閣

 25日のテレ朝の「サンデープロゼクト」で行政改革・公務員制度担当大臣の渡辺喜美さんを呼んでの、公務員制度改革法案についてのQアンドAがあった。

[政府官庁の情報操作]
 明かに渡辺さん支持の司会の田原総一朗さんは、渡辺さんが読売、朝日はじめ各マスコミの「法案成立不可能か」の報道でなんとなくそのような空気が永田町に流れていることに悩んでいることを引き出した。
 それに対して同席していた、朝日新聞編集委員の星 浩さんが、その報道は公務員制度改革に反対の立場の省庁からでたこと、そしてそれに対してその省庁にくっついている記者クラブのマスコミとしてはそれに抜け駆けしたり、反対するような報道がしにくい事情を説明をしていた。

 田原さんはその例として朝日新聞で改革賛成と取られる(多分若い記者が書いた)記事に対して、同日付けの(ベテランが書く)社説では反対していたことを上げた。

 それに対して渡辺さんはマスコミは情報を省庁ばかりに頼らずに政治家ににもインタビューして貰えれば、なんでも自由に話すからと力説していた。

 田原さんから党や政府内での彼に対する応援はあるのかとの問に対して渡辺さん口を濁していたが、インタビューの最後には渡辺さんは手を合わせながら、改革に対する国民の協力を求めていた。
 このことは政府、与党内で殆ど孤立無援状態のある彼の立場が想像された。

[私の意見:マスコミ報道の読み方]
 自由の報道の中で私たちは、その内容、周辺の事情、マスコミの性格や過去の報道姿勢などから正確な情報を読み取る必要があると思う
 理想的に言えば新聞週間のキャッチ・コピーのようなに報道全てが公平で真実であれば言うことは無いのだが。

[私の意見:政党、政治家の意見は自分で発信]
 官僚達が自分たちの立場を護るために、自分たちに有利な情報を流そうとするのはいたしかたないし、これについて余程の誤報で無い限りマスコミがどの様に報道しても取り締まる事は出来ない。
 何故なら日本は報道の自由の有り難い国だからだ。

 それに対する政府、与野党は公明党や共産党のような機関紙や準機関紙を持つか、ネットを利用して国民に報道するしかない。
 勿論、政府、全ての党と大多数の政治家はホームページやブログを持っている。
 然しそれらの殆どは悪く言えば、党や政治家を選ぶために読みたい人は読んでくれ、これを読まないで後文句を言っても、それは読まない人の責任だと言う、いわば情報公開をしているに過ぎないようなものばかりだ。
 如何にして多くの国民に読んで貰うかの視点が全く無い様な気がする。
 政党も政治家も国民が見たくなるような面白くてインパクトのある記事を書き、そしてそれを売り込む努力が必要ではないだろうか。

 その活動にはもう一つの効用がある。
 そのホームページやブログへの書き込みで国民がいま何を考え何を望んでいることを知る事だ。
 それは政局の泥沼にドップリはまり込んで、とかく成りがちな国民の民意からかけ離れた存在になるブレーキになるのだ。

[改革法案の成立へ]
 渡辺さんはさらに壁に突き当たる

 公務員改革法案 成立困難に の報道だ
 自民党の大島理森国会対策委員長は26日、民主党の山岡賢次国対委員長と会談し、修正案を提示したが、山岡氏は、不十分だとして難色を示した。
 同法案を巡っては、参院での審議時間を確保するため、27日中に修正協議で合意し、月内に参院で審議入りすることが、成立の条件とみられてきた。与党幹部は26日夜、「あすまとまらなかったら終わりだ。たぶん、無理だ」と述べた。

 然しこれに付いては福田さんの法案成立への(珍しく)強い意志と、民主党側の何でも反対では党が改革に否定的と見られては損だとの考え方で思わぬ展開になり与党と民主は修正合意し今国会で公務員改革成立への道が開けた。

 その後の渡辺さんの涙ながらの会見は如何に彼が難しい局面に立たされていたかを物語るものだ。

[私の意見:渡辺さんの志をつぐために]
 然し彼の公務員制度改革の道は決して平らではない。
 これは基本法案で今後5年間の改革メニュー示しただけだ。
 言い換えれば各省庁や族議員による今まで以上の骨抜き工作の可能性を残したままだ。

・公務員の採用は今までどおりの省毎によると決定したし、幹部職員の人事については、官房長官が候補者名簿を作成、各閣僚が首相と協議して任免とあるが、今の福田さん程度のリーダーシップと、閣僚のやり方を見れば各省庁の官僚の思いのままだ。
 それでは今までの悪弊とされてきた縦割り人事は形を変えて残る可能性高い。
・また首相・閣僚を補佐するスタッフは特別職の国家公務員とすると言うのは私が升添さんの様な広範囲で大きな問題を抱えている人の周辺を固めるべきという私のアイディアと似ているが、先の採用方式に寄っては、首相や閣僚の意に叶った人より各省庁の意に適った人にに成りやすい。

参照:福田内閣への提言 

 今後どのように政局が展開するか判らないが、渡辺喜美さんのような熱意のある人達が今後とも改革に取り組んで貰いたいし、政権党は優れたリーダーシップを持つ首相を選んで貰いたいし、首相は省より国家、国民の方に向いた人達を閣僚を選んで貰いたいものだ。
 然しこれは私の理想だから、相変わらず官僚主導型の政治が続いて行くのかも知れないとすれば残念なことだ。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ


正念場を迎えた福田さん

2008-05-10 12:38:35 | 福田内閣

[最近の政局の動き]
道路特定財源問題
 (以下いずれも読売新聞から) 
 
参院財政金融委員会は9日、道路特定財源を10年間維持する道路整備費財源特例法改正案を民主、共産両党の反対多数で否決した。
 12日の参院本会議でも、両党と社民党の反対多数で否決される見通しだ。
 与党は13日の衆院本会議で、3分の2以上の賛成多数で再可決して成立させる方針だ。

 一方政府はこれを見越して、
道路財源規定「09年度から適用せず」と13日に閣議決定
することにし次のように決めた。
 閣議決定は、特例法改正案について「道路特定財源制度の規定は2009年度から適用されないこととなる」と明記し、09年度からの一般財源化を明確に打ち出す。
 一般財源化に向けた検討を進めるため、新たに「道路特定財源等に関する関係閣僚会議」を設置することも閣議決定する。
 国からの補助金や委託費への依存度が高い国所管の公益法人について「6月末までに集中点検を実施」することも盛り込み、公益法人見直しの期限を明記した。
 道路特定財源を今年の税制抜本改革時に廃止する方針や、ガソリン税などの暫定税率が失効していた期間の地方の減収については「国の責任において適切な財源措置を講じる」との考えを記している。


道路族の反応
 これに対して道路族の反応は道路特定財源さえ通れば後は今まで予定していた通りに道路が作れると言わんばかりの発言をしている。
 肝心の国土交通省の冬柴さんも、昨日の国会の質疑で、規定の道路をそのまま継続するとしか取れないような発言をしている。
 それに対して河野太郎さんを始め自民党の若手議員は、一般財源化の担保の保証がせ無ければ、衆議院の再議決の際の造反もありうると発言している。

地方分権改革
 一方読売新聞の解説記事によれば、政府の地方分権改革推進委員会と各省局長との討議で、各省の反発が強く事実上のゼロ回答となっている。
 増田総務相は農地転用許可権限を県へ移譲する理解を得るために農水省の大臣室に乗り込んだが、若林農相は首を縦にふらなかった。
 そして首相のリーダーシップを示すか否かの試練に立たされていると書いている。
 これに対して民主党はの関係議員の玄場さんはもし自民党がこれを骨抜きのしようとするなら我々が分権委の応援団になることもあると言っている。

公務員制度改革
 似た様な例として4日に閣議決定した公務員制度改革も行政改革担当担当大臣の渡辺喜美さんの頑張りにも関わらず、同じような閣僚のゼロ回答で、結局はこれも見送りなる公算が大きいそうで、これも福田さんのリーダーシップを問われる材料になっている。
参照:公務員制度改革 今国会見送りの公算

[正念場の福田さんへ]
窮地の福田さん
 福田内閣は今20%前後の支持率に喘いでいる。
 そして自民党は今の所では解散、総選挙もできず、そうかと言って倒閣しか眼に入らない民主党を相手にして、国会運営もままにならない窮地に追い込まれている。
 福田さんとしても無能首相のレッテルを貼られてのたれ死に状態で終わるのか否かの瀬戸際だ。

私の提案
・福田さんが08年度からの道路建設予定のゼロからの見直し、地方分権、公務員改革の重点目標を党内外に明言し、それを推進する。
・福田さんの方針に従わない閣僚の一人か二人を更迭する。
 勿論誰をターゲットにするかの選定は福田さんの政策の重要度と、更迭後の影響についての政治判断により決定されるだろう。
 私の考えでは、首を捻るところも多い公務員改革より、同意者の多い地方分権に重点を置かれるべきだと思う。

自民党内の反響
 勿論この福田さんの決断に就いての党内や閣僚の動揺は非常に大きいと思うが、もし福田さんの決心が堅いと見れば必ず支持者が出てくるはずだ。
 例えば、渡辺喜美さん、河野太郎さんなどの若手議員、過去にそれらの制度を推進して半ばに終わった小泉さんといわゆる小泉チルドレンの人達、安倍さんや山本一太さんなどだ。
 それと世の中の批判を浴びながら、総裁選で福田さんを担いだ領袖達だ。
 それを考えると党内での福田さん支持者の数は党内議員の過半数を占めるかもしれない。
 道路族と言われる古賀さん、二階さん、青木さんも福田さんを担いだ手前、裏では動いても表だった批判は出来ない筈だ。
そして閣僚たちの動きや発言も福田さんの決心の強さを見て変わって来るはずだ。

福田さんの支持者
 そして何よりの福田さんを支持するのは、福田さんの決断の強さを見ての内閣の支持率の回復だ。
 勿論、今までの福田さんのやり方を見ている人達の彼への見方が急変する訳はないと思うので、40~50%も回復するとは限らないが30%近くまで変われば情勢は大きく変わった来る。
 そしてこの前の福田さんの特定財源の一般化の発言の例からみれば、マスコミは福田さんの支持に廻るのはほぼ間違いないだろう。

様変わりの国会審議
 これで国会の審議の風景も明らかに変わって来る。
 民主党の対案のない暫定税率の即時撤廃より、地方などに影響を及ぼさない08年度に限ることの方が明らかに実際的なこと、道路政策の見直しや地方分権は民主党の政策の同じだからだ。
 民主党のまともな政府の政策できず、搦手からの攻撃に頼らざるを得なくなる。
 逆に自民党の道路族など各省の族議員が政府を攻撃する(かもしれない)珍風景が出てくるかも知れない。

もし解散になったら
 勿論、最悪の事態も考えておく必要があるかも知れない。
 それは老練で解散一本槍小沢さんに率いられて野党の衆議院での首相問責決議案に、自民党の一部が同調するかもしれないことだが、それが実際にどの様に展開するかは、政治の素人の想像の範囲外だ。
 然しもし万一そのようなことになって、総選挙になれば分裂状態の自民党の大敗に終わるかも知れない。

 然し、それは日本に取っては良い事かも知れない。
 何故なら消費税問題の論議は選挙後だと公言するような国民無視した脇の甘い自民党が野党の転落に反省して国民に直結した党に生れ変わるかも知れないからだ。
 私の提案の唯一の問題点は、福田さんがその間の内外の重圧に耐えられるかだが、脆かった安倍さんに比べて少なくとも難局に耐える粘りがあるような気がする。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ


麻生太郎さんの研究

2008-05-09 11:37:28 | 福田内閣

 麻生太郎さんの人柄を考えるには先ず彼が生れた地域の人柄を書く必要がある。
 麻生さんの生地の遠賀川流域では筑豊炭田の炭鉱景気で栄えた所だ。
 筑豊炭田、その石炭を運ぶ水路である遠賀川、その積み出し港である若松の住む人達には共通した気質がありそれを川筋気質(かたぎ)と言われた。 

[川筋気質]
川筋気質のキーワード
 ぐずぐす屁理屈を言うのを嫌う、竹を割ったような性格を好む、諦めるのが早い、荒っぽい、大雑把、見栄っ張り、義理と人情を重んじるなどなどだ。
 飯塚市で生れた松本廣さんのさんのホームページを借りると、川筋気質の生れた土壌として炭鉱には、
 共同生活を営む長屋文化があったことだ。長屋があるところ共同炊事場ありで、女性たちの井戸端会議が催され、世の男たちの品評が始まるのは自然の成り行きだった。女性たちの目は厳しく、男たちは丸裸にされ、鋭い舌鋒で解剖され、けなされ、男の品定めが行われ、彼女たちの間で男はますます磨かれていった。
 その結果、女性たちは家の「宿六」に向かって、「あんた、男やろうが何をしよるとね。キンタマ付けとるとやろうが、シャンシャンせんね」とハッパをかけることになり、ハッパをかけられた男たちは、恐い母ちゃんの顔色をうかがいながらせいぜい気張ることになった。
 宿六の友人が訪ねてきたとき、貧乏所帯で切り盛りしている女房は、自分の着物を質に入れ無理してでもご馳走した。
 炭鉱の女性は本当に強かった。彼女たちが強いのは、真っ暗な坑内で男たちと同じように働いたということもあるが、自分の裁量でお金を自由に動かせたからだと思われる。家内業の農家や商家の女性たちと違って、炭鉱の女性たちは会社から直接給金をもらっていた。当時の筑豊の女性がいかに強かったかは、女性が外で働くようになった現代、どんどん強くなっている女性の姿に容易に見て取れるはずだ

 とユニークな理論を展開している。

私の経験
 私も炭鉱全盛時代に一度だけ、炭鉱の長屋に泊まったことがある。
 丁度夕餉どきで、長屋の前で各戸が、石油缶で石炭を赤々と燃やして七輪のおき作っている風景は珍しかったが、共同浴場にいって身体を拭こうと思って壁に向くと、丁度局所の前の壁に女湯を覗ける大きな穴が開いていたのに驚きまた、一種の開けっ広げのおおらかさに感心した記憶がある。
 
[川筋で育った人達]
 なお川筋気質と麻生太郎さんの人柄を知って貰うために川筋で育った、下記のような有名人達のことを考えるのが手っとり早い。
・田中六助 (田川郡)
  佐藤栄作・大平正芳時代に活躍した侠客めいた気性で知られる自民党の領袖
・火野葦平(若松市)
 「糞尿譚」・「麦と兵隊」・「土と兵隊」の作品で知られる親分肌の剛毅な気性の作家
・仰木彬(中間市)
・高倉健(中間市)
・魁皇(直方市)
 なおNGO ペシャワール会の支援を受けてパキスタンやアフガニスタンへの人道的な国際協力に活躍している、有名な中村 哲医師はさんは福岡市生まれであるが祖父母ゆずり(火野葦平は伯父にあたる)の川筋気質がその活動の源となっていると言われている。

 上記の人達の中で若い人達にも良く知られている人達の人柄を主として Wikipedia の資料に従って紹介する。(以下敬称は省略させて頂く)

仰木彬
・現役時代は二塁手として活躍したが、名選手の稲尾和久・中西太・豊田泰光の影に隠れていた。
・近鉄、オリックス監督としては、何度もリーグ優勝に導いたが、日本一になったのは僅か1度だけだった。
 尚、余談だが、オリックス監督就任のさい、かっての名選手で仰木さんより上位の成績を残した中西太さんが、コーチとして彼を支えたのは仰木さんの人柄に惹かれたのかも知れないが中西さんも偉いと思う。
・監督として何度もリーグ優勝をしたが、日本一になったのは一度だけだった。
・野茂英雄や、これまで2軍暮らしを続けていたイチロー、田口壮を育て開花させた。
 しかもその全員が仰木のことを「師匠」「尊敬する人」と公言している。
・様々な奇策による好采配は「仰木マジック」と呼ばれた。
・大雑把な性格で良く遊ぶ、酒豪、温厚そうな外見とは裏腹にかなり気性が激しかった。
・試合においても勝負に徹する冷徹さ
・オリックス監督としての最後の試合では、試合後オリックスの選手による胴上げに次いで、対戦相手である近鉄の選手たちからも胴上げをされ、仰木監督が選手に与えた影響力、求心力をあらわす光景が見られた。

高倉健
・礼儀正しい人物、非常に落ち着いた物腰、礼儀正しい、役作りに熱心、謙虚
・多くの俳優から非常に慕われ、こよなく尊敬されている。
・中国の映画監督・張芸謀(チャン・イーモウ)は、『単騎、千里を走る。』の撮影の際、高倉が休憩の時に椅子に一切座らず、他のスタッフに遠慮して立ち続けていたのを見て「こんな素晴らしい俳優は中国にはいない」と言った。
・元夫人であった江利チエミの命日である2月13日には、毎年早朝にひっそり一人で墓前を訪れ、花を手向けている。

魁皇
・気が優しくて力持ち、豪快だが荒っぽい取り口、勝つときは滅法強いが負けるときころころっと負ける。
・地もとの九州場所は勿論だが、他の場所、そして力が衰えた今でも絶大に人気がある。

 以上書いてみると気づくのはは田中六助さん、自殺した火野葦平さんを含めて、皆人が良くて面倒見がよいこと、高倉健さんを除いては、その優れた能力にも関わらず、荒っぽさ、大雑把さのためか知らないが、全て業界での二番手で終わっていることだ。

[麻生太郎さんの評価]
 彼の事を今更紹介する必要はないと思うので私の見方だけを書く。
人柄
・彼の特徴は今までいろいろ書いて来た、川筋育ちの人達と同じように、親分肌、人の良さ、荒っぽさ大雑把さからくる数々の失言などだ。
 そして(私が炭鉱の風呂で見たように)開けっ広げなことから感じさせる脆さだ。
 また今の政局で一番懸念されるのは、多くの川筋育ちの人達のように、人気はあるがまた二番手で終わる可能性ががあるかも知れない事だ。

政治家としての評価
 麻生さんの著書の
「とてつもない日本」の内容は90%はほぼ納得出来る内容だ。
  然し、その表題に見る様に、「日本は必ずよくなる」、「ニートも捨てたもんじゃない」、「高齢化を讃える」、「格差感にだまされてないか」、「地方は生き返る」など余りにも楽観的過ぎる。
 それは彼の性格によるものか、次期首相を狙っての発言かしらないが、「中国の台頭を喜ぶ」は、私の中国の台頭→日本の競争力の低下→非正規従業員の採用→所得の低下→格差社会の発生→日本の貧困化の持論と真反対の意見だ。
 そして私は昨日のブログで実利主義の中国とは車間距離を持って付き合う必要があると書いたが、麻生さんはそのいずれの現実にも触れようとしていない。

 今日の読売によれば、文藝春秋での与謝野さんとの対談で、「次期の予算は民主党と一緒に組んだら」と提案したそうだが、そんな提案に乗って来る民主党なら、今までの海上給油、日銀総裁指名などのごたごたはとうの昔に解決している筈だ。

 いずれにしても、麻生さんはその人柄から多くの国民の支持を受けている割合に、肝心の自民党内での人気が高くないようだ。
 そしてまた多くの川筋出身の有名人のように、永久に二番手を走り続けることになるかも知れない。
 同県人の私としては、一度首相としての彼の手腕を見てみたい気もするのだが。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ


小泉さんがやってきたこと、またはし残したこと事

2008-04-22 10:10:28 | 福田内閣

 最近の政治の低迷が続く中でまた小泉さんの存在がクローズアップされてきた。
 それで改めて彼のやってきたことを振り返って見たい。

[主な内政](黒字は私の意見)
 参照:Wikipedia 小泉純一郎 

○郵政民営化→成果は関係者の努力次第だ。
○数々の経費削減→膨大な借金返済のため止むを得ないことだが、これが現在の社会環境に大きな影を落としているのも間違いない事だ。
・国債30兆円枠キープ
 国債発行額を30兆円以下に抑制することを公約として掲げたが、達成できたのは2001年度と2006年度予算の2回のみだった。
  800兆もの借金を作った自民党、それを抑えきれなかった野党、どちらも責任を負う姿勢は全くない。
 国債費の約25兆がもし20兆だったら今日本が抱えている問題は直ぐ解決できるのに。
・年金改革
 国民の負担額を増やした。老齢者控除廃止や公的年金等控除の縮小で高齢者の負担分を増やした。
・医療制度改革
  医療制度改革関連法案を国会で可決させ、サラリーマンの医療費負担を2割から3割へ引上げた。70歳以上の高所得者について医療費の窓口負担が2割から現役世代と同じ3割へ上げた。2008年度からは70-74歳で今は1割負担の人も2割負担になる。
 その改革の一つが後期高齢者医療制度で福田さんが攻撃の的になっている。
・介護保険の経費削減
  特別養護老人ホームなど施設入所者の居住費、食費を保険から外した。
・生活保護費や児童扶養手当の削減。
・三位一体の改革として地方交付税の削減、地方への税源移譲。
 (地方への権限移譲の目的であるが事実は地方への交付金の削減→地方の疲弊、地方格差の発生にに繋がっている。)
○銀行の支援
 (バブル崩壊に伴い)公的資金を銀行に貸し付けることで、150兆円にも及ぶ銀行の不良債権処理を行った。
○道路公団民営化
 道路関係四公団の民営化法案成立。
 同法案を通すために道路建設の責任を道路公団から外したのが、現在の道路財源の一般財源化、暫定税率の処理の問題に繋がった。
○構造改革特区により規制緩和を促進。→一部成功したが十分ではない。
○最低資本金制度の特例措置(後に会社法の制定)により1円から企業を立ち上げることを可能にした。

 
[数々の規制緩和](黒字は私の意見)
 参照:Wikipedia 規制緩和 
・金融自由化
  これは小泉さんの責任ではないが、現在の石油、食糧不足に乗じた金融資本の傍若無人な跋扈を許してのだろうか。
 日本企業の良い所を活かし、日本の国益を護るためにも、自由化にも限度があると思う。

・タクシー台数の制限撤廃
  タクシー会社同士の競争が激化した結果、各社の利益率が劇的に低下して運転手の過重労働を招いているとの指摘がある。
・バス運送事業への新規参入の緩和
 労働環境悪化や事故多発の原因となっているとの指摘がある。
・電力自由化→成功
・電気通信事業の開放→成功
・農業への株式会社参入→賛成、成果はこれから
・郵便事業の民間開放→ 成功
労働者派遣事業
  労働者派遣法の緩和により、製造業や医療などにも派遣社員の使用が認められるようになり、以後企業では非正規雇用が急増。偽装請負・ニート・ワーキングプア・ネットカフェ難民など非正規雇用労働者の労働環境悪化を招いているとの指摘がある。
・建築基準検査機関の民間開放
  耐震偽装問題発生で、問題点が指摘された。
・官庁の仕事の一部の競争入札による民営化
  清掃などの一部の業種では企業間の競争激化のため、従業員の給与を法定の最低賃金まで下げる業者が現れ、官庁の仕事をするのに生活補助を受ける人より少ない収入で生活する従業員まで出てきた、NHKの「クローズアップ現代」で指摘している。

[自民党の次の党首は]
 上記の業績を並べて見ると、小泉さんが膨大な借金処理と言う難しい情勢の中でいかに大きな仕事をしたかが判る。
 それで小泉さん待望論が出てくるのは判るような気がする。

 然しその内容はやむを得ない事情もあったと思うが、如何にもその政治手法と同様に荒っぽ過ぎる。
 それが今のように自民党に取って厳しい状況に直面させているのだ。

 今、自民党でも小泉待望論があると言われているそうだが、今、自民党が追い詰められているのは、小泉改革の影の部分の処理だ。
 これは小泉さん本人でなくて、やはり他の人が処理するのが良い様な気がする。
 そうかと言って某テレビでは麻生さんの他に、小池百合子さんの名がでていたが、誰か良い人はいないのかなあ !!??!!。

参照:カテゴリー → 阿部内閣
               福田内閣

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ


どうする福田さん

2008-04-04 16:40:03 | 福田内閣

 3日の読売新聞は気になる世論調査の結果を発表した。
 ガソリン税など道路特定財源にかかわる暫定税率の期限が切れたことを受けた
緊急全国世論調査
だ。
1.道路特定財源の一般財源化
  賛成 58% 反対 28%
2.09年度から道路特定財源を廃止し、一般財源化することを柱とした福田首相の提案
  大いにまたは多少評価する 53% あまりまたは全く評価しない 36%
3.首相の提案についての民主党の対応
  評価する 30% 評価しない 59%
4.ガソリン価格の低下
  良かった 56% そうは思わない 31%
5.ガソリンの暫定税率を復活
  賛成 27% 反対 57%
(福田さんの提案は暫定税率の復活を含んでいるので2.3.調査結果と4.5の調査結果は一見矛盾している。)
6.福田内閣の支持率
  支持 28・0%(前回33.9%)  不支持 57・7%
(前回54%)
(福田さんの提案が評価されているのに支持率は低下している。提案が遅過ぎたことと、自民党内意見を纏め切れないことか。)
7.政党の支持率
  自民党 27・3%(前回34%) 民主党  22・9%
(前回17.6%) 
(自民党の支持率が大幅に低下しただけ民主党の支持率が上昇している。)
8.次の衆院選の比例選での投票政党は、
  自民党 26%  民主党 29%
(現在の所民主党有利の情勢だ。)
 なお読売は「面接方式に比べて今回のような電話方式の調査では、民主支持の数値が高く出る傾向が反映したと見られる」と解説している。
 先に書いた暫定税率に関する調査結果の矛盾も電話方式のためか。
 然し、大勢はガソリン価格でポイントを稼いだ民主党有利の傾向に間違いない様だ。

[減点方式で決まる政局]
 安倍さんの大敗ころから益々顕著になったのは、今の政党の勝敗は減点方式で決まるようだ。
 安倍さんは彼が自賛していたように、多くの重要な法律を制定した。
 然し、そのことは全く評価されずに、年金問題、政治と金の問題、衆参両院の多数を利用した数々の強行採決などが批判された。
 一方の民主党は、批判を浴びた、審議拒否、ガセネタ問題の前原さん辞任など幾つかのマイナス点を稼いだだけだった。
 そのマスコミは安倍さんのマイナス点、特に赤城さんの絆創膏問題に象徴される政治と 金の問題を選挙中にも関わらず、執拗に報道して安倍さん大敗の一因となった。

 次の衆院戦で言えば、自民党は年金問題、道路財源のの無駄遣い、老人福祉や医療問題、道路族を中心とする党内への福田さんのリーダーシップの不足などなど多くのマイナスポイントがある。

 一方の民主党は、大連立問題のごたごた、海上給油でも対案を出さずに一方的な反対、服銀総裁後継問題、今回の財源を示さないままのガソリン税反対、今まで賛成してきた思いやり予算反対など政権打倒一本槍の姿勢などのマイナスポイントがある。

 然し、明らかに政権与党としては致し方ない点もあるが、自民党のマイナスポンインが遥か大きいのに比して、民主党の減点の質量とも小さい。
 しかも、選挙になれば民主党の海上給油や日銀総裁問題などへの首を捻る対応などとうに忘れられてしまい、残るのは年金や国交省の無駄遣いや、老人福祉の問題だけ残ってしまう。
 それが今回の世論調査の数字が示している。

 そして前回の選挙でマスコミが安倍さんを狙い撃ちにしたように、今回はまたテレ朝の「報道ステーション」の古館さんなどは政府、自民党攻撃ばかりで民主党の対応など一言も喋らず、あたかも民主党の広報部さながらだ。
 この傾向は今までの例からみれば衆院戦中まで続くに違いない。

[どうする福田さんと自民党]
 これについては、頑張れ福田さん 
http://blog.goo.ne.jp/mutouha80s/d/20080401
でも書いたが、その後の動きと世論調査の結果から次のように追記する。
・9日に小沢さんとの会談が予定されているようだが、今までの小沢さんの言動や、大連立失敗の例から見て、単なる儀式に終わるのは間違いない。
・福田さんの話し合い路線と民主党の対決姿勢は民主の代表が変わらない限り噛み合わないのも確かだ。
・一部で言われているように小泉さんに再出馬して貰う(私は何お今更と思うが。)

・次期の衆院選では、自民党が負けるか、また勝っても今までのような衆院3分の2以上占める事は絶対に不可能なのは間違いないことを認めて次の選択が考えられる。
1.衆院選の敗戦覚悟で暫定予算を衆院で再可決をする。
負けたとき
 民主党が実際に政権担当能力があるか否かを国民に見て貰い、それ以後の政権奪回を狙う。

勝ったとき
 以後の今回審議を円滑に進めるために、
・自民、民主両党の国会運営方針の変更するよう話しあいをする(今のところは難しい)
・民主党員を自党に引き抜き、平沼さんなどと協力して、新党を立ち上げ民主党員を吸収するなど、政界の再編を図る。
・大連立を図る。(これも難しい?)

2.国民の意志に添って暫定予算を衆院で再可決を見送る。
  これから先は少し暴論だが、今政府で考えている、ガソリン税価格の低下や、暫定税率廃止に伴う、混乱を防ぐための諸施策は特別のこと以外は財源不足を理由に見送る。
 もし、政府が無理に無理をして、財源を捻り出し、トラブルを回避できれば、民主党の主張が正しいことを証明するようなものだ。
 その結果国民生活が混乱しても、地方の行政府が困っても暫く辛抱する。
 そして民主党がごり押しした結果を国民に見て貰う。
 そしてそのやり方が自民党に取ってプラスになるかマイナスになるかは民意に任せる。
 このまま選挙に入り、勝ったとき、負けたときの対策は1.参照

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ


頑張れ福田さん

2008-04-01 18:02:32 | 福田内閣

 ガソリン税など道路特定財源にかかわる暫定税率の期限が切れた。

 これに関する各社の社説を拾ってみた。
・読売は「暫定」期限切れ 「再可決」をためらうな
で、
 主たる責任は民主党の国会運営のでありざ暫定税率維持を含む税制関連法案の再可決をしろと言う単純明快な主張だ。

・朝日は立ちすくむ政治―この機能不全をどうするで、
 首相提案にたいする党内の冷やかな態度、民主党の政局至上主義批判し、世論調査のガソリン税をめぐる混乱の責任は59%の人々が「両方同じぐらい」と答えた。
 与野党が大胆に妥協する知恵を出せない限り、どちらの主張がより有権者に説得力を持つか、とことん競い合うしかない。
としている。

・毎日はねじれ国会 有権者が動かすほかないで、 
 問題の根源を大連立の失敗を上げ、次の衆院選は本格的な政権選択選挙となる
 首相は解散から逃げないことだ。
と言っている。

・日経は再可決して一般財源化の公約を果たせで、
 参院の主導権を握る民主党の態度はあまりに無責任である
 ガソリン消費を奨励するような暫定税率の撤廃は国際社会の理解も得られない。
 消費者の反発は避けられないが、政府・与党は再可決をためらってはならない。
と主張している。

・産経は4月混乱 まともな政治取り戻せで、
 
責任の多くは民主党ににあり、党員は小沢さんの政局至上主義にたいして傍観者になっている。 
 政策協議や修正合意を経た政策の実現が望ましいが、それが無理な場合、憲法に明記された衆院再議決を躊躇しないことが、政権を担う自民、公明両党の責任ある対応である。

と言っている。

 以上纏めると再議決→選挙を避けるなと言うのが、話合えと言う朝日を除いて4社、主な責任または原因があると言うのは読売、日経、産経、両方に責任が朝日、大連立の失敗と宇のが毎日だ。

[私の意見]
 今日はエイプリル・フールの日と言う訳ではないが、少し思い切った提案をしてみたい。

福田さんへ
・今は一見、孤立無援の状態のようだが、東国原さんや橋下さんのようにテレビの露出度を増し、自分の意見を差し支えない範囲ではっきり言い大衆を味方に付ける。
・いよいよになれば(当然考えていると思うが)衆議院の再可決をする。
・その時点から今までの話し合い路線から一転して対決路線、攻撃に転じる。
  その材料を今から準備しておく。
・民主党の問責決議案は無視し、道路族などの福田下ろしの動きに抵抗し、少なくとも洞爺湖サミットまで頑張れるだけ頑張る。
・解散、総選挙を恐れない。
  仮に負けても次のような日本や自民党にとってもよい点がある。
  自民党員に今までのような頼り無い社会党会いでなくて、少なくとも社会党よりましな民主党(これも頼り無いが)が相手だという緊張感を持たせる。
 民主党が政権をとって政府が如何に頼り無いかを国民に見せる。
 国民がばら蒔き政策(ガソリン税廃止も含む)やマスコミに煽られた選挙の結果が、今後の政局にいかに大きな問題があるかを学習する。

自民党へ
 本当の危機感をもつこと。
 小異を捨てて大同につき、福田さんのもと上記のような動きに協力すること。
 今までのように目立ちたがりは控えること。

民主党へ
 政府を追い詰めて報道によればみな高揚感を持っていると思うが、逆に考えれば政権が目の前にきている。
  それで政権奪取後に当然予想される自民党の猛攻撃に耐え得る、今までと違って当然に実行出来る、マニフェストを今から準備しておく。
 9月の代表改選で誰を選ぶか難しい問題だが、今から考えて置く。(私の意見では小沢さんの首相は不適任だと思う。)

福田さんを総裁に推薦した人達へ
・もし失敗だと認めるならその原因を人に着せないで自分が責任をとり、次期総裁選びから手を引くこと。
・最後まで福田さんを護り、彼に協力すること。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ


空白の日銀総裁の席と政治の責任

2008-03-21 06:40:24 | 福田内閣

 とうとう日銀総裁の席が空白の事態になった。
 経済の素人の私でさえ、世界経済の危機、難しい舵取りを必要としている日本経済に直面して、日銀総裁の不在が大きな意味を持っているような気がする。
 一番大きな問題は日本に対する世界からの信用の低下だ。
 それを招いた政治、特に自民党と民主党の責任は大きい。

 民主党の責任については、マスコミで散々に叩かれ、私のブログでも何度も触れてきたが、今日はマスコミで余り触れられていない自民党の問題点について考えてみた。

[政治の黒幕の責任]
 福田さんは参院選大敗の後を受けて、民主党との話し合い路線を模索した。
 その一つが何人かのフィクサーのレールに乗った大連立構想だが、民主党の大反対→小沢さんの影響力の低下→党の求心力を高めるための倒閣一本槍路線の堅持に変わってしまった。
 総裁の後継問題では当然考えられる民主党との根回しも、民主党の硬化でそれもうまく行かなかったのが今回の総裁の空白を産んだ原因となったと言われている。、

 然し、この大連立を演出した黒幕と言われる人達、それを支持した読売新聞はその失敗について口を噤んだままだ。
 そしてその前に支持率34%の福田さんを担ぎだした大連立とダブルと言われている黒幕や自民党内の大多数の幹部達の反省の言葉も何もないままだ。
 彼らの反省や総括が無ければ、また同じような道を辿る可能性が大きいと思う。

[福田さんのまあまあ主義]
 一方、福田さんは依然として話し合い路線を続け、昨日も書いたが民主党の追求に従って政策の変更はしたが福田さん自身の発案の政策は殆どゼロでそれが世論調査の内閣支持率34%まで低下に繋がった。

 そして今は同じ流れで、暫定税率政策の変更を考えている。
 福田さんはそれで、民主党が話し合い路線に乗ることを考えているのだろうが、民主党の総裁問題の強行路線から考えると福田さんの話しに乗って来るかどうか判らない。
 ただはっきりしているのは暫定税率の問題は完全に民主党が主導権を握っていることだ。
 それも民主党の対案の審議もまったくなし?と民主党の意のままだ。
 このようになることは予算案の強行採決の時点でとうに判っていることなのに、福田さんは依然として話し合い路線を変えようとしない。

 一般庶民の私としてはただ民主党が話し合いに乗って貰い、国民生活に影響が出ないようにして貰うことを願うだけだ。

[自民党の危機意識の欠如または不足]
 報道によれば福田さんの暫定税率の変更について、なお党内の反対が多いそうだ。
 道路族の一部では暫定税率を固守すべきだと言う議論もあるそうだ。
 そしてそれを制御しきれないことが福田内閣の支持率の低下に繋がったいるのだ。
 これらの動きから見ると、自民党の危機意識の欠如ないしは不足しているのではないかと疑われても仕方がない。

 自民党は戦後一時期の野党の経験を除いて約半世紀に亙り、政権の座についてきた。
 その時期の政敵は党と政治理念のまったく違う社会党だった。
 そして国民の大半は自民党の考え方を支持した。
 だから自民党側に少々の問題があっても、自民党は政権の座を奪われることは無かった。

 時代は変わった。
 現在の政敵は自民党と考え方の余り変わらない民主党だ。
 これについて、一部の批判があるが、一般国民から言えば、自民党に問題があれば、民主党に乗り換えることが出来る。
 国民にとっての唯一の懸念材料は、最近の世論調査で今のような自民不利の情勢でなお、自民34%に対して民主17.6%の差となって現れているように、民主党も余り頼りにならないことだ。

 然し小泉さん大勝、安倍さん大敗で示されるように、今のようにマスコミ特にテレビの影響で大きく振れる世論の動向から見れば、このこの世論調査の支持率の差は自民党に取って必ずしも安全圏ではない
 この事実を前にして、自民党内にはまだ半世紀に亙る党にとって良き時代、弱かった社会党を相手にしていた時代の夢を見ている人達がいるのではないかと思われて仕方がない。

 どうか自民、民主両党とももう少し、緊張感を持ち、そして相手ばかりでなく、国民のほうを向いて政局に当たって貰いたいものだ。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ

政治ブログへ

お願い
 私は今まで私のブログへのコメントについて、訪問者に不快の念を与え、また小さいながらも私のブログの品位を落とすいわゆるアダルト系のコメントを除いては、私の意見に反対や厳しいご批判もすべてそのまま公開してきました。
 然し最近、極く一部ですがコメント欄の中にはいたずらに議論を楽しむ?だけと思われものがあり、それに対して不快に思われ方から投稿者への抗議のコメントを頂いたこともありました。
 私は自分のブログのキャッチコピーに「批判ばかりでなく前向きの議論を聞いて下さい」と書いてあるように、私は訪問者のコメントを含む私のブログ全体として、是非「前向き」のものでありたいと思っています。
 何故ならケチを付けるだけの「後ろ向き」の意見は何も産まないと思うからです。
 つまり、私の文章の一部の不備や私の意見についてご批判があるのは当然と思っていますが、その代わりに具体的にどのように考え直すべきとか、私の意見などよりもっと優れた案があるとか、私の提出した問題点の他にこのような問題があるなど「前向き」のご提案を頂きたいのです。
 然しそうは言っても一端公開されたものを削除するのは、書かれた方のお考えもあり、私が気にいらないだけの理由で削除するのには大きな抵抗があります。
 それで訪問者に不快の念を与えるようなコメントでかつ「前向き」を目指す私のブログの傾向に反するもの(と私が感じたもの)を合法的?に削除する方法としてブログのルールに従って「当面の間」、事前承認制にすることにしました。
 然し、ブロクを読まれた後の全体的なご感想や主旨に賛成のご意見は勿論ですが、厳しいご批判や反対のご意見なども出来れば「前向き」のもの、またはそうでなくても他の訪問者に不快感を与えるものでなければ、今までと同じよう、いやそれ以上に歓迎しますので、ご遠慮なくコメント頂きますようお願い致します。
 そして私の小ブログにわざわざコメント頂ける方や私にとっても、不便な事前承認制など早く撤廃し自由にコメント頂ける時期が早く来る事を祈っております。


慰安婦問題と日本の情報戦略

2007-12-15 09:10:33 | 福田内閣

 EUの慰安婦決議に関して15日の読売社説は慰安婦決議 欧州での連鎖反応が心配だで、
日本の信用を貶(おとし)めるような決議がこれ以上広がらないよう、政府は各国政府に強く働きかけるべきである。
・いわゆる従軍慰安婦問題をめぐる対日批判決議が、欧州議会で採択された。旧日本軍が、アジアの女性たちを強制的に「性的奴隷」にしたとして、日本政府に謝罪を求めている。
・今年7月の米下院の慰安婦決議が、ヨーロッパに“飛び火”した形だ。既に同様の決議が、オランダやカナダの議会でも採択されている。
(中略)
・しかし、国際人権擁護団体の「アムネスティ・インターナショナル」が、各地でオランダ人などの元慰安婦の証言を聞く公聴会を開催し、慰安婦決議の採択を各国の議会に働きかけている。中国・韓国系の反日団体も背後で動いている。
・第2次大戦中、日本がオランダ軍を追い払い軍政を敷いたインドネシアでは、収監されていたオランダ人女性が、日本軍兵士によって連行され、強制的に「慰安婦」にされた事件もおきている。
・事態を知ったジャカルタの軍司令部は問題の慰安所を直ちに閉鎖し、女性たちを解放した。
・事件に関与した将校らは、戦後、オランダの軍事法廷で「BC級戦犯」として裁かれている。
(中略)
・・日本が繰り返し批判される背景には、1993年の河野官房長官談話がある。日本の官憲が組織的、強制的に女性を慰安婦にしたかのような記述があった。
・そうした事実を裏づける資料はなく、「強制連行」を認めるよう迫る韓国側の圧力をかわすためだったことを、石原信雄元官房副長官らが証言している。
と書き
・国際社会の誤解の根元である河野談話を見直していくことも必要だろう。
と主張している。

 正に正論だ。
 また、慰安婦問題に関して、櫻井よしこさんや屋山太郎さんが米国議会の動きに対して、米国紙に掲載した意見広告も言うべきことは言い、謝ることこ謝った立派な文章だ。

 然し、これらの日本の主張する正論が何故世界に拡がらないのかは、日本として反省すべき余地がある。

 私は、主張する外交と慰安婦問題
に書いたように、
・日本としては大きな外交戦略や情報戦で大きなミスを冒したと言うより、それが全く無かった。(正確に言えば政府裏で何かやっていたのかも知れないが 一般国民にはそのように見えた)
 詰まり、
・そうした事実を裏づける資料はなく、韓国側の圧力を前に「強制連行」さえ認めれば問題を決着できるとみた甘さから、河野談話で謝ってしまった。
 これは私のいつも言う「済みません」と言えば丸く収まると考える日本の美徳は外国でも通用しないこと、そしてその公式発言は相手国にそのまま利用され、独り歩きをし始めるととうことを忘れていたと言う基本的な外交戦術の誤りを冒してしまった。
 
参照:慰安婦問題について「済みません」の国日本
・マイク・ホンダや韓国のグループの動きが怪しくなったとき、日本は全く動かなかった。
・その活動が本格化して慰安婦問題が、米国議会に上程される時期になって、安倍さんの「(米下院に提出された慰安婦問題をめぐる対日非難)決議案は客観的事実に基づいていない」、「決議があっても謝罪することはない」と発言が出た。
 (こう言うことは触れずにおけば良いのに、安倍さんのこう言う発言をさせた野党議員も平和ボケしているとしか言えない。)
 ここでもいったん謝ったことは謝り通すと言う戦術の間違いをしたために、マイク・ホンドの活動に火をつけることになった。

・政府の動きに業を煮やした、桜井さんたちの意見広告がさらにその火の手を燃え上がらせた。
 詰まり河野発言が独り歩きを始め手の付けられない状況になった。
 日本はあれだけの悪事をしたのに何の反省もないのだと言う印象を与えてしまった。
・安倍さん訪米の際、ブッシュさんに改めて謝る醜態をする羽目になった。
・日本政府は(多分今までの失敗にこれに懲りてか)静観政策を取っているように見えるが、その間にその火の手はカナダから、オランダ、EUまで拡がってしまった。
そして、読売の社説が心配するようにこの動きが欧州各国まで拡がるかも知れない。
[日本の外交戦略と戦術]
 この動きに対して日本の打つべきてはないのか。
 今となっては動けば動くほど事態が悪化するのかは微妙な状況でとても素人が正確に判断することは出来ない。

 然し、はっきり言える事がある。
 
慰安婦問題が間違った形で、世界の定説に成っているか、成りかかっていることだ。
  それだけでなく今ブログを賑わせている、南京大虐殺の誤報を今のまま日本が静観していたら中国の動きからみて、いつの間にか定説になり、世界からまた新たな批判を招きかねないことだ

  それにも今回のことを教訓にして、今後に活かすことだ。
 そのためには
・外交戦略と外交戦術をもつこと。
 今までは小泉さんではないが、米国一本槍のときは、事実上何もなくても良かったが、米国自身の動きの変化やその米国の世界的地位の下落傾向などから、日本も名実ともの独立国としての外交戦略と外交戦術をもつことが絶対に必要になると思う。

・情報機関の設置
 安倍さんの言っていた、主張する外交のための情報機関の整備を推進すること。
 もし、慰安婦問題が起こる前に、彼の言う通りのことが出来ていれば、つまり情報機関を通じて、小火の時期から日本の考えることを流し、秘密裏に韓国グループの動きに対応していれば、今回のように間違った慰安婦問題が世界に拡散しなかったと思うと残念だ。
 余談だが、ねこプラどんぶり
http://ameblo.jp/nekopla/
さんによれば安倍さんを応援しているグループがあるそうだ。
 彼がその幼い政治手法と一部マスコミの攻撃で失脚した安倍さんだが、私は彼の正しい主張と意欲を買っている一人で、私は彼が在任中に、一度首相を経験したあと、一度(円満に)下野して再度より大物の首相として、再起すべきだとブログに何回か書いた。
 私としては彼のように政治家として人柄が善くてビジョンを持つ人が、雌伏何年の後に再起することを願っている。

[民間の識者、マスコミの対外活動の強化]
 私は慰安婦決議の意味するもの 
その他でも書いたが、日本としてはその国柄から、米国のCIAような派手な政府機関の動きには限度がある。

 その穴を埋めるのは、民間の動きだ。
 日本の識者やマスコミ(朝日新聞は除く)は、政府機関の言えない日本の考え方や主張を世界に発信すべきだ。
 日本のマスコミは内弁慶で井の中の蛙だ。
 グローバル時代ではもうそれでは通らない。
 情報戦で日本が不利にならないように、頑張って貰いたいものだ。

読売新聞へ
 特に読売新聞は社説で、「慰安婦決議 欧州での連鎖反応が心配だ」と言わずに頑張って欲しい。
 その理由は
・日本一の発行部数を持っている有力紙なので、その主張は外国が日本の意見を判断する有力な材料となる。(朝日も大きな発行部数を持っているが皆さん承知の事情で海外活動は遠慮して貰いたい。)
・然しその英文紙の Daily Yomiuriは世界で言えば弱小の一地方紙に過ぎない。
 然し、少なくても海外でも注目されるだけの新聞になるように海外にも発展出来る力は持っている筈だ。
・その社主の渡辺恒雄さんは、(日本の為に)自民・民主の大連立もあわや成立させる程の力を持っているそうだ。
・彼がその力と意欲を持って日本国内の政治に口を出すだけでなく、社の業績を伸ばすだけでなく、日本の為に本業の新聞で世界に打って出て、日本独特の文化、考え方、主張を世界に拡げて貰いたいものだ。

参照:
  カテゴリー → 慰安婦
         → 安倍内閣

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ

 


 


福田内閣の今後

2007-09-28 09:35:08 | 福田内閣

 私は25日のブログ で、党4役の人事を見て、
 福田さんは改革の継続を訴えていたが、このメンバーを見る限り、表面上の改革、その場限りの改革の影の部分の彌縫策に終わりそうな気配だ。
 福田さんまたが拉致問題を自分で解決すると言っているが、それも表面上で済まされそうな、つまりこの点に関する北朝鮮の主張もある程度受け入れそうな気配が匂ってくる。
 勿論これは今の所の私の感に過ぎず、組閣のメンバーを見なければならないと思うが。
と批判半分期待半分の気持ちで書いた。

 閣僚の顔ぶれは揃った。
 主要閣僚は残るだろうと言う一般の予想に反して、防衛大臣の石破さん、文部科学大臣の渡海さんを除いて全て留任となった。

 そして新聞報道による福田さんの政策の傾向は
・小泉、安倍内閣路線の軌道修正
・テロ特措法延長の堅持
・野党との対話
・高齢者医療費の負担の引き下げ
・母子家庭への児童手当ての一部削減の凍結
・靖国神社の参拝はしない
・北朝鮮とは対話に比重を置く
・政治資金は1円まで領収書を付ける
・有識者会議などの諮問機関の縮小
など福田さんがある程度明らかにしたほかに
・ばら蒔き行政の復活の危険性
・集団的自衛権の論議は棚上げか
・教育再生会議の影が薄くなりそう
などが囁かれている。

 これで直ぐ気がつくことは総裁選から今まで憲法改正について全く触れられてないことだ。

<私の意見>
[賛成]
 改革路線の修正、テロ特措法延長、高齢者負担の引き下げ、児童手当削減の凍結、政治資金の透明化、諮問機関の縮小

[反対]
・ばら蒔き行政の復活
 自民党も身に沁みていると思うが、農村に代表される様に、ばら蒔き行政が如何に農村をスポイルし、生産性向上を妨げ結果的には農村の疲弊になったか考えて、ばら蒔きは最小限かつ一時的なものとすべきだ。

[条件付き賛成]
・野党との対話
 特筆するまでもなく自民党でも考えていると思うが、対話で解決できることは対話、それが出来なときは、徹底的に議論すべきだ。
 詰まり硬軟両用戦術だ。
 何故なら全ては次の解散、総選挙に繋がっているからだ。

・靖国神社参拝しないこと
 宗教の自由は首相でも保証されるべきだから、彼が外交上問題あるとして避けることに批判は出来ない。
 然し、終戦記念日などの特別の日には、何らかの形で国の為に殉じた人達へ感謝の念を特別に述べて貰いたい

・北朝鮮とは対話に比重を置く
 今まで、対話と圧力路線で6ケ国協議以外に実際上なにも対話の機会も無かったこと、米国、韓国の柔軟路線が定着仕掛かっている情勢で、圧力の効果が殆ど無くなりかかっていることから、首相の個性や信念かのらやり方の変更は仕方がない。
 然し、したたかな北朝鮮に乗せられて、同国主導の外交になったり日本が損をしない様、日本国民をプライドを傷つけないよう、日本もしたたかな外交政策をとって貰いたい。

・集団的自衛権の論議は棚上げ
 福田さんは触れてはいないが、安倍さんが推進した憲法改正とともに、この問題は今の自民党が危機的な状況にあるとき、それ所ではないと思うが、政局が落ち着いた時点で、改めて考えねばならぬことだと思う
 もし緊急の事態が起こったときは小泉さんのように、その場で適当に憲法解釈を変更し対処するしかないと思う。

[一考を要するもの]
・教育再生会議の影が薄くなりそう
 これは同じ文科省に中央教育審議会、官房内に教育再生会議と同じような機関があると批判されてきた。
 福田路線で言えば当然教育再生会議が整理の対象となるのだろうが、安倍さんがこれを考えたのは、中央教育審議会のあり方に不信感を持った為だと言われている。
 同審議会のゆとり教育→学力低下→英語教育の導入→学力の強化といった、基本理念に乏しい答申に首を捻った人達も多いと思う。

 諮問機関の整理も良いがこと教育に関しては、企業の不祥事、いじめ→自殺、家族間の殺傷事件の続発など戦後しばらくまでは考えられなかった事件の続発だ。

 そしてこれらの全てが教育にも原因があると思われることばかりだ。
 教育は戦後直後からの権利重視、それに伴う義務責任軽視の教育が如何に、今の日本に大きな悪影響を及ぼしているか考えると、後々まで響いてくる問題であり、その面からも緊急を要する問題だ。

 新任の文部科学大臣の渡海さんは勿論だが、福田さんも国会対策ばかりに追われないで、将来に大きな影響を及ぼす教育にもっと力を入れて貰いたいものだ。

 以上はマスコミ報道に見た動きを考えて見た。
 国会の福田さんが所信表演説を何を話すか期待して待っている。


参照:
 カテゴリー → 福田内閣

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ 


福田内閣への提言

2007-09-26 07:38:26 | 福田内閣
[福田内閣の全容]
 福田内閣の全容が明らかになった。
 その特徴は、
・殆どが再任だ
・防衛相は石破茂・元防衛長官を起用
 これで高村外相とともにテロ特措置法延長問題へはこれ以上ない布陣となった。
・官邸の周囲を気心の知れた議員や官僚で周囲を固めた。
 官房長官に町村さん、官房副長官の大野さん、岩城さんは共に町村派、官僚トップの二橋さんは福田さんが官房長官長官時代の官房副長官だ。
さらに政務秘書官には長男の福田達夫さん、4人の事務秘書官の内二人はには首相が官房長官時代の秘書官だった財務省の林さん、外務省の石兼さんだ。
・それと自民党の4役は既に派閥の領袖で固めた。
全体的にみると、いかにも調整を得意としていると言われる福田さんらしい布陣だ。

[組閣後の記者会見]
 組閣終了後の記者会見を行ったが、その中で印象に残ったのは、
・当面の第一目標として国民の信頼回復につとめること、その為には年金問題と政治と金の問題の解決を図る
・テロ特措置法延長問題では安全保障か、世界への平和協力の両面で考える必要性がある
・国の安全と国民の生活に関することは野党と丁寧に話し合う
・リーダー・シップの考え方の質問にたいして、既に官邸のリーダー・シップを取る体制は既に確立している。
 そのために首相が出席する諮問委員会などの会議が50近くあり、官房長官にいたっては60近くに達するが、その範囲は重点的に絞ってもいいのではないかと示唆した。
 福田さんは全体として突然の首相任命と彼らしい性格?から曖昧な表現が多かったが、その組閣のやり方と昨夜の会見で、彼の施政方針がおぼろげながら判るような気がする。

*****************************************
  福田さんへの提言
*****************************************
 それで私の福田さんへの提言も全般的にならざるを得ないが、次の様なことを考えて貰いたい。

1.改革の姿勢について
私は昨日のブログ
で、
 福田さんは改革の継続を訴えていたが、このメンバーを見る限り、表面上の改革、その場限りの改革の影の部分の彌縫策に終わりそうな気配だ。
と書いたが、これは批判半分期待半分の気持ちで書いたものだ。

 マスコミもそのうち改革姿勢の希薄なことを批判し始めると思うが、福田さんにはそれにもめげずに改革の結果から生じた、多くの問題の処理に当たって貰いたいものだ。

 ここで一番問題になり処理が難しいのは、自民党最大の支持団体であり圧力団体の経団連の改革続行の提案だ。
 そしてその具体的な申し入れは欠如した企業経営者の倫理観
で書いた労働者派遣法による同法の義務付け廃止、偽装請負の合法化の提案だ。
その内容は、
・偽装請け負い禁止の廃止
・最大三年の派遣期間後の派遣先企業の直接雇用の義務化の廃止
・「残業代ゼロ法案」の早期導入
・時間外労働の上限規制の緩和
・“サービス残業根絶”通達(労働時間規制)の緩和
・労働時間規制の適用除外者の範囲の拡大
・労働時間規制の適用除外者への割増賃金支払い義務の見直し
・派遣禁止業務の解禁
などなど、大企業の都合の良いことばかりで、自民党大敗の原因の一つになった現在の賃金格差、社会格差・ワーキング・プアなどの社会現象に対する配慮が全くない提案だ。

 この提案は賃金の極端に安い中国企業との競争力強化→日本経済の発展と言う企業としては当然の提案だ。

 この社会福利と日本経済の発展、小さくは自民党の政権脱落にも結びつく問題について、福田さんの調整力に待つしかないと思う。
 そして経団連とも協議して、社会に悪影響を及ぼさずに企業が生き残り、発展する道を考えて貰いたいものだ。

 私としては先ず国民の期待に応える改革に伴う歪みの修正の方向に進んで貰いしまたそうしないと次の選挙で敗北が確実になると思うのだが。

2.野党、特に民主党との話し合い
 これも昨日のブログ
でも書いたように、福田さんならそうすると思うしまた是非そうして欲しいのだが、民主党の提案の良い所はあっさり呑む、然しテロ特措法案など、民主党が徹底的な反対をするときは、高村ー石破さんラインで徹底的に討論すること。

 そして近く予想される次の選挙に備えるためにも、自民党の言い分が正しく、民主党が政権与党に相応しくないことを国民に印象づける必要があると思う。

  福田さんは話し合いと言っているが、本心は硬軟両用の戦術を考えていると思うのだが。

3.升添さんの周辺の体制を固めること
・消えた年金問題、年金制度の見直し
・年金の横領
・社保庁の解体
・厚生労働省の体質
・高齢者負担増加の凍結
・少子・高齢化に関する福利・福祉
・医師不足
・健康・介護保険負担の増加
・前述の派遣労働者法の改正
などなど多くの問題が山積している。

 それに対して現状は升添さんが孤軍奮闘しているように見える。
 それに対する厚生労働省や社保庁の協力姿勢が全く見えない。
 然も彼の言動に対して党の内外から反感を買うことも多いようだ。
 彼は何でも自分でしたがり、目立ちたがる傾向があるようだ。

 然し、彼が独力でやり遂げるには、前述の懸案は余りにも多すぎ、難しいものばかりだ。
 そして全てが直接国民の生活に影響するだけに、そのまま自民党の評価に結びつけられるものばかりだ。

 これらの事を考えると、升添さんが二年生議員で難しいかも知れないが、彼がもっと働き安いように、強力な副大臣をそれも複数付けるとか、適当の部下を付けて貰ったらどうだろうか。

 それで彼が上司としてのリーダー・シップを取れるか、或いは単なる批評家で終わるかの次第によっては、福田さんの直接の指導や協力が必要になるのかも知れない。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ

福田内閣の課題(2)

2007-09-25 07:16:10 | 福田内閣
<昨日のテレビから>
[自民党内の陰謀説]
・安倍さんが記者会見で麻生さんのクーデター説を完全に否定した。
これで、麻生さんの潔白が益々明らかになった。
・それに反して各テレビの報道を見る限り、福田支持派の陰謀説がなお一層の真実さを増すばかりだ。

[総裁選当日の若者の行動]
・社説で真っ正直に福田さん支持を書いていた朝日新聞系列のテレビ朝日も、読売・日テレの陰謀説が噂されたその日テレも、総裁選当日、大勢の若者達が自民党本部の前で麻生さん応援しているのを放送していた。

 これは福田さん麻生さんの立ち会い演説会のときの聴衆の反応を福田、麻生両陣営に公平に(勿論皮肉)放送、詰まり麻生さん支持の声が圧倒的に多かったのをカットしたのと、明らかな報道姿勢の違いだ。

・国会議員の選挙ならともかく、自民党内の選挙まで公平に報道したのはどのような意味があったのだろう。

・それと、今回多数の若者が集まったのは、多分ネット上での呼びかけがあったものだろう。
 この傾向は益々盛んになって来て、中国の反日暴動は極端な例だが、ネット上の有権者の動向は政治家達も、マスコミも無視出来ない流れになってきそうな気配だ。

[自民党幹部決定]
 幹事長に伊吹派会長の伊吹さん、政調会長に谷垣派会長の谷垣さん、総務会長には二階派会長の二階さん、選対総局長を変更した選挙対策委員長に古賀派会長の古賀さんが決まった。

 福田さんは改革の継続を訴えていたが、このメンバーを見る限り、表面上の改革、その場限りの改革の影の部分の彌縫策に終わりそうな気配だ。

 これを見ると福田さんが拉致問題を自分で解決すると言っているが、それも表面上で済まされそうな、つまりこの点に関する北朝鮮の主張もある程度受け入れそうな気配が匂ってくる。

 勿論これは今の所の私の感に過ぎず、組閣のメンバーを見なければならないと思うが。

*****************************************
  福田政権の課題
*****************************************
 昨日は地方格差の問題について書いたが、今日は主にテロ特措法案の延長問題に焦点を上げて書くことにする。

 福田さんは民主党との話し合いを言っている。

 これに関して昨日のテレ朝の「たけしのTVタックル」で三宅さんも言っていたが、民主党の提出予定の、年金流用禁止法案をあっさり自民党も飲めば良いと言っていたが、これも一理ある提案だ。

 これで思い出すのは自民党が「国民投票法案」の審議で民主党法案を丸呑みすることを決定するや否や当の民主党がいきなり反対に廻り国民から顰蹙をかったことだ。

 このような戦術は福田さん、今の自民党幹部ならやりかねない戦略だ。

 同番組で民主党の原口さんなどが年金法案について腹案があると言うのに、他の人からそれを今出したらどうかと言われ、そんなことをすれば自民党が自党の案に繰り入れられて仕舞うと慌てて言い訳していた。

 詰まり、対決姿勢を貫きたい民主党は自党の案を自民党に賛成されても困るのだ。

[テロ特措法案の延長問題]
 それと逆にテロ特措法案の延長問題は、いくら福田さんが話し合いを言っても小沢さんは絶対反対を貫くだろう。

 評論家の屋山さんも言っていたが、民主党には色々の考えの人がいるので、党内を纏めるためには、何が何でも反対と言うしかないのだ。

 福田さんはまず、兼ねてから民主党の反対の理由にしていた、情報の開示と派遣の事前承認を受け入れるだろう。

 その上で、自民党としては、残る両党の相違点について、民主党に徹底的に論戦を挑むべきだし、言わずともそうするだろう。

 そしてその論戦を通じて、自民党の主張の正当性とテロ特措法案の延長問題の必要性を国民に訴えるべきだ。

 幸か不幸か、自民党は政権与党からの脱落の危機に瀕しているので、マスコミは集中してこの議論を放送してくれるだろう。

 そしてもし自民党の意見が正しければ、一時50%近くの延長反対の世論が現在は賛成が多数に変わっているが、その賛成者の割合が益々大きくなるに違いない。

 そうすれば、参議院でも国民新党や無党派の人達も賛成に廻るかも知れないし、民主党内でもかねてから条件付きで派遣賛成をしていた人達の動揺を招き小沢さんは党員の締めつけ強化をせざるを得なくなるかもしれない。

 小沢さんのやり方が余りにも強引過ぎれば、その人達の離党もあるかもしれない。

 この法案は勿論日本として重要な事だが、自民党としては遠からず予想される、解散ー総選挙に勝つ為にも、国会論議を通じて自党の主張の正当性と、民主党の政権担当能力の欠如を訴えるだろう。

 つまり今回の受け入れられるところは受け入れ、主張するところは主張する国会論議は、そのまま次の選挙へ向けてのキャンペーンとなるのだ。

[民主党へ]
 私は今まで自民党の立場に立って書いて来たが、政権交代を願っている私としては、民主党もよくよく自民党の硬軟両用の戦略を考えて対策を建て、国民から信頼できる政党として、反対一本槍でなく、しっかりとした前向きの議論を進めて貰いたいものだ。


このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ

福田内閣の課題

2007-09-24 12:33:07 | 福田内閣

 予想された通り福田さんが自民党総裁になった。

 これを受けて昨夜のNHKで、経済評論家の内橋さん、北海道大学の山口さん、名古屋外国語大学の高瀬さん、ノンフィクション作家の吉永さんの出席で、[NHKスペシャル「自民党総裁選を問う」]で、新しいリーダーは、政治の信頼回復や年金・格差など、山積みの課題にどう取り組むのかが問われている。これからの政治に何を望むのか? 視聴者からの意見を紹介しながら、スタジオで徹底討論(番組紹介による)された。

*****************************************
  討論会の中の主な意見
*****************************************
 その内容は、日常報道され、ブログなどで議論されているもので特に改めて紹介するほどの物ではなかった。

 ただ気がついたのは発言の中で、中国の急激な台頭で企業競争力の減少→企業経費の切り詰め→人件費削減→国全体の貧困化と言う、ある意味では避けられない流れについての言及の無いままの政府批判だ。

 これを抜きにしては、本質的な問題の解決に繋がらないのは当然だ。

 その中で印象に残ったのは、小泉改革の初期に植草さんとともにその路線に反対していたが、竹中さんの大活躍と改革路線賛成の世論の声でなりを潜めていた経済評論家の内橋さんの発言だった。
・改革と言う政策の元で生じたワーキングプアの発生の一方、富裕層への所得税と住民税の最高税率の引き下げ、株配当への減税、株式を売った場合の譲渡所得への減税という不公平な取り扱いへの批判
米国型の市場原理主義への批判
・今後「改革」のスローガンを無批判で使うべきでないと言う主張
・法人税減税、労働者派遣法制定等の政治と財界の癒着への批判

 放送の中で、わが意を得たのは、一般からの投書の中で、贅沢品への消費税アップの提案だ。
 
これに反対する国民は余程の特別の立場の人達を除いてはいない。

 ブログでは福田総裁に対する批判の記事が多いが、ここでは福田内閣の無益な批判は避けて、その抱えている問題について考えてみる。

 自民党は参院選惨敗の原因として、「年金記録漏れ」、「政治とカネ」、「閣僚の失言」と、構造改革路線が、結果として都市と地方の格差を生んだのに気がつかなかった「民意とのずれ」と総括しているそうだ。

 年金、カネ、失言の三つの問題は原因も対策ははっきりしている。
 後は次期内閣のやる気の問題だけだし、この解決無しでは自民党の将来はないので必ず実行するだろう。
 残るのは都市と地方の格差の問題だ。

*****************************************
 小泉さんの仕残したもの
*****************************************
 問題は私が小泉改革とは何だったか
で書いたように小泉改革のやり残したこと、その負の遺産の処理の問題だ。

 米国からの年次改革要望書の指示とは言わないがその要望を日本の国情に合わせる努力もせずに忠実に実行したことのつけが溜まってきているのだ。

 小泉さんと竹中さんは米国の要望と市場経済原理一本槍で政策を進めてきた。
 内橋さん指摘の富裕層の優遇も法人税の減税も、派遣労働者法も、これで海外か投資を呼び込み、企業が競争力を取り戻せば、日本も豊かになると考えで進めてきた。

 それでバブルの崩壊も何とか乗り切ったまでは良いが、日本とって(それに自民党にとっても)不幸なことに中国の急激まな台頭→日本企業の競争力の低下に直面した。

 その為に小泉さんの日本の実情に合わない市場経済原理主義に基づく
改革が富裕層と貧困層の格差の拡大を生み、かって世界第1位を誇っていたGDPが14位に落ちたように日本全体の貧困化の一因となってしまった。

 それでもなお小泉さんは原理主義に拘った。
 詰まり地方分権原理主義だ。
 三位一体政策を政府が実施した。
 後は
地方のことは地方で始末しろと言う訳だ。

 当然に首都圏など大都市など経済力のある所は栄え、経済力のない地方は疲弊した
 唯一の例外はトヨタを抱える愛知県と自動車産業の集積が進む福岡県だけだ。

 
一口に言えば今の日本の状態は小泉さんとその指示を受けた竹中さんが、日本の国情に合わない政策を進めるあまりに、細かな配慮に欠けていた政策を遮二無二進めてきたことだ。

 その成果が前記の、小泉改革とは何だったか 
に書いたように、僅かな成功例非常に多くの失敗例または手つかずの例に現れている。

 僅かな成功例の一つは自民党の解体だ。
 今回の総裁選で、党内9派閥のうち8派が「福田支持」を表明していたのに、麻生さんが国会議員の3分の1以上、地方票の半数近くの票を獲得したことが示す派閥の力の減退だだ。

*****************************************
  地方の活性化にみる福田内閣の課題
*****************************************
 今後の課題として処理すべき多くの改革の負の遺産のなかで、地方の活性化について言えば、昨日の農村の再生のために
で書いたように、改革案で農業の大規模化の為に企業の参入を許しても、
・従来型の農業に慣れた人達の意識
・小型農業と最新型の大規模農業の混在
・小型農家と企業従業員の所得格差
・企業の参入がコミュニティーの崩壊に繋がらないか
・企業の地域への貢献の意識
・大型農業に適さない棚田などの僻地をどうするか
・改革について行けない老人農家への対応

などなど多くの問題を含んでいる。

 今までの農村ばら蒔き政策から、農業規模拡大に重点を移すだけの大まかな政策の転換だけでは、問題解決や改革が進まないこと、逆に地方格差が進むことが、問題点を並べてみるだけでも明らかだ。

 小泉さんが恐らく考えているように、政府が基本方針を出しているのに、農村や地方都市の改革が進まないのは地域と人の熱意不足と片づけてしまってよいのか。
 後はこのような困難な問題を地方分権としてそのまま放置してよいのか。
 この問題で地方から支援要請があったとき政府が無視して良いのか。

 いずれにしても小泉さん時代の荒っぽいやり方から、細かな配慮が必要になってくると思われる。

 幸い福田さんは報道によると調整が得意な人のようだ。

 小泉さんの仕残しや負の遺産の処理など、抵抗感もあると思うが、日本のために是非何とか解決して貰いたいものだ。

参照:
   カテゴリー → 地方分権と再生

 
このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ