普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

足が地に着いているのか自民党

2009-11-29 13:23:43 | 自民党

 昨日は久しぶり暇ができたので、私の尊敬するブロガーの一人の「中韓を知り過ぎた男」さんのコメント欄を覗いて見ました。
 そのその中で特に気になったコメントの一部です。
・創価公明党と分かれろなんて俺は100回も自民党にメール入れたよ、もう自民党は諦めろ、幻想見るのはもうやめろ、自民と民主、同じだよ。
・私も自民党、地元代議士に何度もメールをいれましたが、反応なしでた。
 正直これほど政治の大切さを痛感できたのは、何も考えず、マスコミの雰囲気にのせられ民主党に投票された方々の御陰です。
・民主党の悪政は、日本経済を破壊する方向にしか働かないでしょう、我々国民に出来る事は、一刻も早く此の民主党政権をたたき潰すことですが、旧自民党の代りに成る政権党は未だ現れていません。
 日本の真の危機とは、実はそこに有ると私は思います。

 一方、自民党の動きは、26日の西日本新聞によると
 自民党の政権構想会議が党再生に向け策定中の新たな「基本理念」の原案が25日、判明した。国民の間で党名に拒否感があるとして、名称変更検討に言及しているのが特徴だ。新綱領策定の必要性にも触れている。
 原案は民主党との違いを鮮明にする狙いから市場経済重視を強調。「政府は過剰な介入をせず非政府部門が自由に競争できる環境を整える」などと「小さな政府」路線を堅持する目標を掲げた。同時に小泉構造改革で格差社会を生み、行きすぎた競争原理への批判を招いたとの反省から「セーフティーネットなど社会の安定確保」なども挙げた。
 同会議は原案をたたき台に議論し、年内に最終報告をまとめる予定。12月3日には所属国会議員と前議員らを集め、広く意見を募る場を設ける。

と伝えています。

[私の意見]
・国民の間で党名に拒否感?

 国民が感じている拒否感は党名ではなくて自民党の体質にあると思います。
 挙げればきりがありませんが、族議員や党の有力者により政権の方針が曲げられる自民党、政官業の癒着と言われた大企業、農林団体など集票組織のための偏った政策、票にならぬことは官僚任せなどなどの自民党の体質です。
 自民党としてはこの基本的な問題、場合によれば党の分裂まで行かずとも、離反者が出るかも知れない自民党の体質の問題点に取り組まねば党の再生はないと思います。
 ネット上で馬鹿にされたり無視されたりしている「和魂党」案を考えるなど自民党幹部は危機感を持っているのでしょうか?  
 党名に拒否感を持つと感じる人は国民と全く遊離している存在のような気がするのですが。

・「小さな政府」とセーフティーネット
 セーフティーネットの強化には政府の関与が無ければ出来ません。
 然も少子高齢化が進めばさらに、自民・民主の何れが政権を取っても、国による社会保障の強化の必要性はさらに増す、詰まり政府の大型化は避けられないと思います。
 経済活動に関しての「小さな政府」社会保障に関しての「小さな政府」を区別しなければ、国民の納得を得られないと思うのですが?

・民主党との違いは
 民主党政権と違いを出したいのなら、民主党政権の弱いところで、しかも日本が絶対に必要としていること、例えば安全保障、経済政策、国民からの要望の高い教育改革などなどの数えれば限りないほどあります。
 詰まり連立を組む社民党のため迷走を続ける民主党の安全保障政策、経済の専門家から殆ど評価されない貧弱な民主党の経済政策、そして支持母体の日教組の影響を受けている教育政策など、民主党との違いを出す政策しかも国民の支持を受ける政策はいくらもあると思います。

・足が地に着いた自民党
 自民党の再起で一番必要なのは、文字通り一からの出直しのために、もう一度一般国民の立場に戻ることだと思います。
 12月3日には所属国会議員と前議員らを集め、広く意見を募る場を設ける。
そうですが、より身近に国民に接している地方支部の幹部の意見を聞くべきです。
 今までの議員で無ければ自民党員ではないの本部の姿勢が、地方支部からの抗議にも関わらず衆院選直前まで党本部での醜い党内抗争を産み、それが自民党大敗の一因となったことをもう忘れているのでしょうか。

・一般国民の声を聞くこと
 それと党幹部が国民から離反しないためには、最初に引用したコメントのように(隠れ支持者も含む)自民党支持者の声を直接聞く事です。
 幾ら自民党へメールを投稿してもそ決まり文句のお礼の言葉だけで、後は全く無反応ではコメントにある通り支持者は逃げて仕舞います。
 忙しい国会議員が直接書かなくても、代理で秘書やパートの人達でも良いから、議員の名で返事を出せば、それを貰った投稿者がどう思うかは書かなくても判ることです。
 今の自民党の体質の象徴的なものは、何回か指摘しましたが、ホームページの意見欄の500字制限です。
 これを悪く取れば、お前の意見を聞いてやるから読みやすいように、簡潔に書けと言わんばかりの態度と取られても仕方がありません。 (なお民主党の意見欄の字数制限は2000字です。)
 意見欄の500字制限に示す自民党の体質を変えない限り、自民党の再生の道は厳しいような気がします。

・日本の真の危機?
 最初に挙げた最後のコメントの言い方を私なりに真似て書きます。
 民主党の失政は日本経済を破壊する方向にしか働かないでしょう。
 それを防ぐことを出来るのは、今の所、余り頼りにならないような気がしますが、自民党しかありません。
 然し今の自民党では日本の行く道を誤らせないようにするエネルギーがないようです。 自民党の再生が遅れていること。
 日本の真の危機とは、実はそこに有ると私は思います。

 自民党の幹部の方たちが原点に帰って一刻も早く自民党の再生への道を踏み出すよう期待しているのですが、果たしてどうなるのでしょう?

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円急騰、どうなる日本、どうする鳩山政権

2009-11-28 07:45:08 | 鳩山内閣

 円が96円の報道を見て27日に以下のような投稿をする積りでしたが、急用で投稿が遅れました。然しその間に更に円が94円の報道が流れました。
 円が急騰しまた輸出産業界からの悲鳴がテレビに流れています。
 勿論、依然として外貨獲得に頼る日本も大変です。
 何故なら、輸出企業の多くは1ドル90円程度の相場を考えいるそうですが、急激な円高・ドル安が続き、日本経済の牽引役の企業の業績が落ちれば景気も腰折れするかも知れないからです。
 今回の円急騰の要因として産経新聞
は次のように分析しています。
・米景気の先行き不透明感から投資マネーがドルから逃げ出す深刻な“ドル不安”がある。
・「円高というより、ドルが独り負けの状況だ」。大和総研の亀岡裕次シニアエコノミストが分析するように、市場ではドルの先安感を指摘する声が多い。
・FRBや政府が弱気に転じ、市場に共通するのは、米国の金融緩和が長期化するという観測だ。 
      
 他のマスコミの報道でもほぼ同じ見方のようです。 (昨日の報道ではその他にユーロ圏と中東の金融不安も要因の一つに挙げられていました。)
 詰まり円高傾向がこのまま続きそうで、亀岡さんは「年内に85円前後まで円高が進む場面もありそう」と予測しているそうです。 (亀岡さんの予測は見事に外れて報道されて2日も経たない内に84円になりました。)
 一方の日本はただでさえ悪い景気に水を注すような、菅さんのデフレ宣言、藤井さんの円高容認とも取られる発言。 (27日には一転して政府介入の可能性の発言)
 26日のテレビ朝日の「スーパーモーニング」では朝日新聞の経済部門の責任者が来てこの問題を解説していました。
・米国発のバブルが崩壊後から他国の株価は順調に伸びているのに先の見えない鳩山政権の経済政策のために日本の株価だけ低迷していること。
・一つは円高の対策として、政府による景気対策と、日銀の金融政策だが、政府が動かないので後は日銀に頼るしかないと言う意見でした。
 いかにも民主党寄りと見られている朝日の責任者だけあって、今回の円高解決の責任はひとえに日銀にあると言わんばかりの解説でしたし、鳥越さん以下のコメンテーターも頷くばかりでした。
 然し日銀の金融操作だけには大きな問題があると思います。
 それは日銀には日本のバブル以降の景気回復政策としてとった低金利政策が、安い円を使って高金利の原油取引やサブプライムローンに投資する所謂「円キャリー取引」を産み、結果的に、米国発のバブル崩壊の一因となってと言う批判があるからです。
 まして安い円をだぶつかせても、不十分な日本の景気対策のために、投資する企業が無ければ、幾ら過去の反省からの金融機関の規制があっても、貸し出し先がなければまた「円キャリー」の再現になるかも知れないからです。 (27日の報道では日銀が同じ趣旨の発言をしていましてた。)
 やはり日銀を動かすには政権の思い切った景気回復策と政府・日銀の協力しかないような気がします。

[貧弱な鳩山政権の経済政策]
・ピントが外れた中小企業支援策
 一方、肝心の鳩山政権の経済対策はどうでしょう。
 「民主党政策集INDEX2009」の経済産業の項目には経済活性化に直接繋がる16項目の内に、中小企業支援の項目が10もあります。
 そして亀井さの提案でモラトリアム法案成立しました。
 しかし中小企業企業経営者から幾ら貸し金返済を猶予して貰っても返す当てが無ければどうにもならないので景気回復を優先して呉れと言うもっともな意見が出ています。
 しかし景気回復の先頭に立つべき、そして中小企業再生に繋がる、元請け企業に対する民主党の支援策は「事業規制の原則撤廃と次世代競争力の確保」以外全くありません。

・貧弱な経済政策と景気に水を注す手法

民主党は自民党、公明党やマスコミの経済成長政策がないと言う批判に対して、目玉政策の子ども手当て、高速道路無料化、農家の個別所得保障制度、暫定税率の廃止、高校の無料化など挙げて、これで経済成長出来ると説明しましたが、そのような鳩山政権の経済政策に国内外の経済界の冷たい反応を受け株価の低迷となって現れているそうです。
 そしてその鳩山さんの言う経済成長を目指す筈の目玉政策さえ財政収入の激減で予算カットの憂き目に逢いそうと言われています。
 中小企業の借金返済を猶予を主張した亀井さんは更に11兆円の大型補正予算を組めといっているそうですが、それに対しては菅さんが3兆円以下で良いと言うなど、他の閣僚からの反応は鈍いそうです。
 そして景気回復が緊急の課題となっている今、やっている事は多くの公共工事凍結に続く、事業仕分けによる予算削減。
 国民には受けが良くても、経済界の人達、特に内外の投資家達はどう見ているのでしょう。
 常識的に考えても、独立行政法人の運営や人の無駄の削減はやっても、今の厳しい経済情勢の中では、少しは無駄に見えても少しでも景気回復に役立つ項目は見送りにするのが当然だと思うのですが。

・今となっても公約に拘る鳩山政権

 私事ですが、衆院選の戦前予想で民主党の有利が明らかになったとき、政権を取ったあと困らないように、党利党略・選挙勝利優先の政策を見直すべき だと書き民主党にも投書したのですが。
 最近になって気がついたのですが、民主党の経済政策は、 (その中小企業に焦点を当てた経済政策で見るように)先ず自民党の政策(本エントリーに関して言えば景気回復政策)があることを前提にした(一般企業で言う部分的に限られた範囲についての)改善提案だったような気がします。
 そして自民党政権が消えてなくなり、民主党政権は前政権の政策を殆ど全て否定した後、自民党政権が持っていた(全てが良いとも悪いとも言えない)日本の基本的な経済政策の殆どが消えて、 (部分的な問題点だけ取り上げた)改善提案だけが残って宙に浮いた状態になっているような気がします。

・鳩山さんの決断と自民党の奮起を
 何時も書く事ですが、
・鳩山さんは同政権が好評な内に、公約や政策で問題ある部分は、日本のために思い切った政策の方針転換をしなければ、
・そして元政権与党の自民党がその経験を活かして、本気になって鳩山さんが道を誤らせないようにしなければ、
 日本は大変なことになるような気がしならないのですが。
 
この記事をを書いた27日に円はさらに上がり94円になりました、本当に日本経済の行方はどうなるのでしょう。 (28日8.00現在)

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鳩山内閣は民意に応えているか?

2009-11-26 16:10:10 | 鳩山内閣


 毎日、産経、読売が世論調査の結果を発表しています。
 今日は鳩山政権の目玉政策の生活保障問題に焦点を当てた読売の社説を中心に考えて見たいと思います。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091124-OYT1T01048.htm
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6100/koumoku/20091125.htm

・消費税値上げ
 社会保障の水準を維持するためには消費税値上げ賛成62%で同じ質問を始めた04年7月以降で最高となった
  一方鳩山内閣の方針は「今後4年間は消費税率を引き上げない」変わらないそうです。
 今政府は大幅な財政収入減少に喘いでいます。
 これで少子高齢化が加速する後4年間消費税をあげないで済むでしょうか。
・国の年金制度を、全体として、信頼していない66%
・国の年金制度について、あなたが不満に思っていること
(複数回答、トップスリー)
 将来どれくらいの年金をもらえるのかがわからない     52
  社会保険庁による記録漏れや改ざんなどの問題がある 51
  積立金の使い道や運用方法が不透明だ          48
  社会保障の財源に不安があるとに、将来どれくらいの年金をもらえるのかがわからないと国民が不安に思うのは当然です。   
・少子化対策・子育て支援で重視すべき方法、「保育所の増設や育児休業制度の拡充など子育て環境を整備する方法」68%、「それぞれの家庭に直接、給付金を支給する方法」28%
  子ども手当ては鳩山内閣の最大の売り物でかつ最大の予算配分をしています。
 それでも国民の評価はこれです。
 私は5月の少子化対策こそ前向きな投資 
のエントリーで、「政府の思い切った景気回復策」の対策の一つとして、少子化の解消に向けた思い切った投資として、産科医の増員、託児所や小学生のための学童クラブや児童館などの増設、育児休業制度の整備、出産や育児のための負担軽減、低所得者の減少、非正規社員の正規社員化による安心できる環境の整備などなど、やれること、やらねばならぬことはいくらもあるようです。
と書きました。
 上記の様な待機者の多い、子どもたちのための施設や老人たちの施設の増設は景気回復への即効性もあり、しかも民主党が経済政策の中心としている地方の中小企業の支援策に繋がるなど、誰でも考えつくことですが、それが出来ぬのは民主党の最大の売り物の子ども手当てのこだわりから抜けられぬこと、「コンリクートから人へ」のスローガンに基づく、数々の公共工事の凍結・廃止の政府方針に反するからでしょう。
・後期高齢者医療制度に関しては、現行制度の根幹は維持すべきだと思う人が63%となった。「今の制度を廃止し、新しい制度を作る」は32%だった。
  この問題を読売が何故取り上げたか判りませんが、この問題が起こったのは差別的だと言われた後期高齢者の名前と、その保険料の徴収方法として、当時大問題となっていた年金からの天引きでした。
 これを自民党政権苛めに走っていたマスコミが取り上げ、それに当時の野党が乗ったのが真相で、正確に言えば該当者の約70%の負担が減る制度で、当時のブログでも書きましたが、私の場合も保険料減少、個人負担も2割から1割に減りました。
 徴収方法も家内などはどうせ引かれるのだから銀行口座より年金から天引きの方が楽だと言っていました。
 しかし負担が減る7割の人達の声はマスコミに出ることはありませんでした。
 それでこの様に当時と意見が変わったのは、時間を置いて考えて見れば、現行の後期高齢者医療制度も悪くないなと判ったとと、内閣の中でも人気の高い長妻さんが同制度の改正を見送ったことかも知れません。 
 今から考えると当時の同制度反対の熱狂的な報道は何だったのでしょう。
・鳩山内閣支持率 毎日 64% 産経  62.5%
・マニフェストにこだわるべきではない:毎日69%、産経 91.5%

 これで判るように国民は政治主導の行政改革の鳩山政権に対して高い支持を与え、問題あるマニフェストに寛容な評価をしています。
 他国に与えるばかりとしか思えない友愛精神、上記のような問題だらけでも依然として拘るマニフェスト至上主義、貧弱と言うよりないに等しい経済成長政策、デフレーションと言う一方で予算削減ばかりが目立つ事業仕分け、外に眼を向ければ基本的かつ具体的な戦略の見えない対等まな日米関係や東アジア共同体構想などなど、鳩山さんは耳触りの良い事ばかり言って、下手をすれば国の方向を誤らせないようにして貰いたいと思うのですが。
 鳩山さんは国民の支持があるうちに、不評の高速道路無料化、暫定税率の廃止、農家の個別所得保証制度、子ども手当て、高校の無料化などの目玉政策の見直しとともに、上記のような国民の不安を払拭するような、政策の見直しと国民への判りやすい説明をして貰いたいものです。
 国民は不安を承知で民主党に政権を託したのですが、いつまでも「不安の民主党」では困ります。

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高校無料化でどのような生徒の育成を目指すの?

2009-11-24 16:38:25 | 教育問題

 昨日の読売新聞の「地球を読む」で劇作家の山崎正和さんの高校無料化について概要以下のような意見が載せられていました。

[山崎さんが見た教育界の問題点]
・入学後に到達度試験を実施、習熟度別のクラス編成をする大学が国公私立の全体で80%を越えた。
 一部の私立大学では、工学部の入学者なのに分数の足し算ができない学生がいると言う。
・第2次大戦後の、平均的な学歴を高めようという趨勢に乗って進学が、意欲によるものでなく、「ただ何となく」進学になってしまった。
・民主党新政権による公立高校の授業料無料化は、この趨勢に拍車をかける。
・問題は高学歴化が学力向上に結びついていないことだ。
 今高校入学者の割合が98%に達しているが、勉強したいからでなくみんな行くから高校に進む若者が増えてきた。。
・戦後の義務教育には学力を確認する関所がなくなった。
・高学歴化の結果、人生のモラトリアムの長期化が起り、特に「出来ることもなく」「何をしたいか判らない」生徒がめだつ。
・高校全入の趨勢は必ずしも若者の願いでなく社会の側の要求でもなかった。優秀だが学校の嫌いな子も少なかったし、中小企業では後継者不足に悩み続けた。

[山崎さんの提案]
・学問が好きで能力もあるが貧しくして高校に進めない若者には授業料免除だけでなく、生活を助ける奨学金も与えるべきだ。
・しかし勉強が嫌いだが勤勉であり各種の手仕事に優れている若者も国が援助すべきだ。・「読み書き算術」の基礎学力の充実を図るべき。
・義務教育段階で「ナショナルミニマム」を習得することを文字通りに生徒に義務づけることだ。
・そのための習熟度クラス編成、到達度試験を中学でも行うべき、今の世の中で落第など乱暴と言うのなら、仮進級や仮卒業後に生徒が落とした教科を取り戻す制度をつくるべきだ゜。
・これに要する費用は高校無料化にかかる予算を転用すべき
・何事も抜本的に改革を標榜する新政権へのささやかな提案だ。

[私の意見]
・私は山崎さんの提案に就いては「中学でも落第提案」以外は全て賛成です。
・最後の新政権の期待発言は(読者も同じ感想をお持ちと思いますが)山崎さんの鳩山政権の政策の批判だと思います。
・高校全入の趨勢については、山崎さんの意見の「若者の願いでなく社会の側の要求でもなかった」と言うより、私は身分が安定している官僚、収入の多い医師、弁護士、一昔は身分が安定し一定の収入があった、学歴志向の大手企業の管理者、技術者になるために大学への志望者が増えたのが高学歴化に繋がっていた最大原因だと思います。
 それに若い人達の3K嫌い、カッコ良さを求める傾向がその拍車をかけたのだと言うのが一昔前の一般の見方であり(見方がすこし変わっているようですが)今なお存在する厳しい現実のようです。
・山崎さんの中学での到達度試験不良者の落第説は、「みんな仲良く」をモットーとする日教組を持つ民主党政権は受け入れる筈はありません
 山崎さんの文章を見ている内に、日教組全盛時代の教研集会の報道のことを思い出しました。
 当時から学力低下の話しが出ていましたが、中学校教師の小学校卒業生の学力低下を嘆く発表は会っても、同じ集会に出席している筈の小学校教師への批判やそれに対する反発の記事が全くありませんでした。
 そして結論は決まって教師の荷を減らすためのクラスの少人数化と「ゆとり教育」の導入です。
 彼らにとって山崎さんの言う所定の到達度まで教育する教育の義務化は、日教組にとっては「国が国民に果たすべき義務」であって、教師は関係がないと思うでしょう。
 実際に私の娘が新任の教師になったとき、勉強について行けない子どもに補習をしたいと校長に申し出た時に、「他の教師の振り合い」(正確に言えば日教組職員の反対)があるからと拒否され、とうとう落ちこぼれの生徒を中学校に送る羽目になりました。
・中学校から落第せよとは、幾ら無責任な立場の私でもあまり賛成できませんが、少なくとも高校では是非実施して貰いたいものです。(かなりの数の高校では既にやっていると思いますが。)
 「生徒を甘やかしてその道を誤らせるか」、「厳しくして正しい道を踏ませるか」のどちらが生徒の為になるかは誰でも判る ことです。
・私がシンガポールに居た当時の首相が、日本の高校が全入と威張っているが、高校生の生徒の成績のファクターを入れると自国の方が遥かに優れているとテレビて自慢していました。
 なにしろ一党独裁の同国では、教育のへの効率一点張りで、小学校四年生の全国共通の試験で、進学コースと労働者向けのコースに振り分けて仕舞うのですから。
 そして高校入試も全国共通の試験で一定の成績を取らねばならぬのですから。
 なお社会に出ても求人広告にも在学中の成績(例えばAとOが幾つ)の採用条件が付くのですから、生徒たちも大変です。
参照:シンガポールの教育制度

 民主主義の国の日本ではこんなことは考えられませんが、全国学力テストなどの科学的にデータ採取やそれに基づく指導や学校独自の取り組みは絶対に必要だし、教育政策の費用対効果を考えると高校無料化など考え直す必要があると思うのですが。
・高校全入の問題は教育レベルの引上げ、国民の要望など考える避けられないと思いますが、山崎さんの言う高校教育の多様化は是非実施する必要があると思います。
・ただ大学の数、特に普通学科に類する大学の数に就いては時代の要求に応じて考え直す必要があると思います。
 この為には大学の評価制度を作って、その評価に達しない国公立私立を問わず学校への補助金への増減をすることです。
 そしてその為に大学校の数が減ってもそのような大学は世の中のニーズに合わないものとして割り切るしかないと思います。
 大学の評価制度は山崎さんの言う世の中のニーズや、国の方針に沿ったものとすべきだと思います。
 例えば(それぞれに問題含みなのを承知での提案ですが)一般の理科系、文科系の学部を持つ大学に対しては、大学入試共通第1次学力試験で一定の学力を持った学生の全学生に対する比率、体育、芸術系の評価の難しい大学では過去・在学中・卒業後の学生の関係する学科の成績などの何らかの評価基準を作れば良いと思います。
 然し私の提案も山崎さんの提案と同様、日教組を支持母体に置く、今の民主党政権で通りそうにもありません。
  そして勉強したいからでなく最近増えてきた「みんな行くから高校に進む若者」の為にも高校無料化をするのでしょうか。
 やはり定期的な政権交代により、再生した自民党による政権の出現をを待つしかないのでしょうか。

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ネットの議論の輪に入っては?自民党

2009-11-22 16:01:06 | 自民党

 先日ネット上で「未来を創る」さんの「自民党を変えなければ意味がない!!」 で、
今回の民主系連立政権は、言うまでもなく自公敗北の結果であり、大本の自民党が変わらなければならない事を意味しています。
ところが現実の自民党は、過去の栄光に引きずられ、昔と同じようにやるだけではないでしょうか?
それでは、たとえ敵失で政権を奪回しても、逆戻りするだけで、全く意味がなくなってしまいます。

と言う主張を見ました。

[国民の不安が的中した民主党政権]
 確かに民主党圧勝の際の世論調査の結果の、
・民主党の勝因として最も大きかったのは?
 鳩山代表への期待 6.3 党の政権公約への期待29.2 個々の候補の政治姿勢への期待 5.6 与党の政策や政治姿勢への批判52.8 わからないなど 6.1
の数字が示すように、国民は不満の自民党よりも不安の民主党を選んだのです。
 当時のマスコミは本来は自民党政権を望むのだがこの際、自民党にお灸をすえねばと言う国民の意志の現れだと解説していました。

 そして民主党政権は政治主導の行政改革、事業仕分け、自民党政権に比べれば良く勉強している政務三役などで、国民の圧倒的な支持を受けています。
 然しその一方、その他の公約では、普天間基地問題など安全保障、目玉政策の子ども手当て、高速道路無料化、農家の戸別保障制度を基本とする誰も評価しない経済政策など、日本の根幹に大きな影響を与えるものばかり、一方では国民に不人気の外国人参政権付与法案を出したり引っ込めたり、鳩山さんと閣僚の発言の不一致など、正に多くの人が感じていた「不安の民主党」そのままです。
  今日の「たかじんのそこまで言って委員会」でも言って居ましたが、バブル以降他国の株価が上がっているのに、日本の株価だけが低迷または下降しています。
  こんな調子で日本の将来はどうなるのでしょう。

[打つ手を無くした自民党?]
 一方の自民党は衆参両院での多数を利用しての小沢戦略に翻弄されて国会では手も足も出ずに、昔からやってきた審議拒否など、国民の批判を受けかねない戦術を取っています。
 この儘では国民が期待していた再生自民党が衰退の一途をたどることになりそうです。
 それで自民党が出来るのは国民に問題だらけの民主党公約、小沢さん主導の強引な国会運営、鳩山・小沢両氏の政治資金問題などを直接国民に訴えるしかないと思います。
 その点から考えてると、従来の手法の党員を総動員しての街頭演説など少なくとも私の住む地域では全く見たことがありません。
 集会などで講演する人もいるかも知れませんが、自民党内での発言と同様に殆どマスコミに取り上げて貰えません。

[自民党反撃のためのインターネットの活用]
・見たい人は勝手に見ろと言う自民党ホームページ

 残るのはインターネットを活用したキャンペーンです。
 然し、自民党のホームページを見ますと、
・党や党員の活動状況
・「民主党を斬る」で同党の批判
・あきれた教育現場の実態、自民党は中小零細企業とそこの人を護る、公務員の違法な組合活動を許さない、国際政治・外交論文の募集など特集記事
だけです。
  この様なホームページは(特に野党に廻った今)余程の関心のある人しか覗かないでしょう。
 何よりも引っ掛かるのは、意見募集の500字の字数制限があることです。
 誰でも提案や批判をするときに、その提案の詳細、その理由を纏めるとどうしても幾ら簡潔に書いてもA4の用紙一枚(約1000~1600字)要ります。
 それをわざわざ縮める努力をして意見を書き込む人は、余程政治に関心を持つ人を除けば殆ど居ないと思います。 (なお民主党の意見欄の字数制限は2000字です。)
 これを悪く考えるとお前たち国民の意見を聞いてやるから、読みやすいように簡潔に書けと言うようです。
 詰まりホームページも見たい人に見せてやる、政治の素人の人も何か意見があるなら聞いてやると言う、最近良く使われる「上から目線」の姿勢です。
 同じように私のひねくれた眼で見ると、ブロクを開いている自民党員の山本一太さん、世耕弘成さん、 (一時炎上の話しも出ましたが)河野太郎さん などの記事からは政治家の日常生活の一端は判っても、彼らに関心のある人はとにかく、彼らが政治についてどのような主張をしているか判りません。
 それと逆なのは中川秀直さんのブログで彼の政治的な主張が良く判り、その記事が時々新聞などで紹介されることもあります。
 その中間が石破 茂さんの日常生活の報告に(これも新聞でとりあげれた)政治の主張が時々入っているようです。

・私の提案
それで私の提案です。
1.ホームページの意見募集欄の字数制限を外し投稿しやすくすること
2.自民党または、党内の派閥、または個人でブログを開き、自分(達)の主張を書くこと
・グループで開く時は交代で毎日更新すること
(ブログの存在が世に知られるまで)人気ブログに積極的にトラックバックすること
・コメント欄は余程悪意の或る書き込み以外は厳しい批判など原則的に全て受け入れること
・有力ブログランキングに登録すること(ご本人には大変失礼ですが、落選された前議員のブログは今でもランキング30位台キープ、毎日のアクセス数の推計で約4000人、コメント投稿者70~100人に達しています。これが仮に自民党や石破 茂さん、安部晋三さんのブログだったらランキングの上位独占、毎日の訪問者10万人は間違いないでしょう。)
・ブログのメンテナンスは秘書や事務員を活用すること
3.これらから得た情報を体系的に纏め、解析をし党内に反映すること
詰まり一口に言えば
・永田町の自民党本部から地上に降りて一般の人達と同じ議論の輪にはいること
・積極的に自分(達)の主張(関心があれば勝手に見ろでなくて)を積極的に売り込むこと
・自民党や党員と読者やコメント欄投稿者の間で一体感を醸成すること
・自民党が世の中から浮いた存在にならぬようにすること
などを通じて毎日ネット上で選挙運動をすることです。
 ブログ開設の提案に就いては特記する迄もないですが(大敗、政権陥落で収入が激減した自民党にとって)広報代がゼロに近いこと、一般の人達を巻き込んでのネット上の議論の活発化、それを無視できないマスコミがそれを取り上げる、など多くの利点がありますし、逆に言えばアクセスの殺到、政治的な介入など私の思いつかない多くの問題も考えられます。
 然し、マスコミの鳩山政権への同情的な甘い報道姿勢を考えても、自民党や党員の人達は一度トライしてみる価値は充分にあると思うのですが。

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鳩山さんに任せられるのか日本?

2009-11-21 11:26:56 | 鳩山内閣

 今朝の web上で鳩山さんに関する記事や社説を拾って見ました。
行政刷新会議の指針で歳出削減、全閣僚に指示(読売新聞)
 鳩山首相は20日午前の閣僚懇談会で、2010年度予算の概算要求を、行政刷新会議が19日に決めた9項目の指針に沿って改めて見直すよう全閣僚に指示した。
 目標とする3兆円の圧縮は事業仕分けだけでは達成できない可能性が高いため、仕分け対象外の類似事業にも仕分けと同様の考え方を適用し、削減の積み増しを図るのが狙いだ。

  昨日、菅さんが日本では久しぶりのデフレーション宣言をしました。
 今こそ鳩山政権は日本の景気回復のために、あらゆる手段を使い、そのための思い切った投資をすべきだと思うのですが、鳩山さんは民主党の公約実施のための3兆円を産み出すために更に削減をしろと言っているようです。
 そして肝心の目玉の公約の高速道路無料化、子ども手当て、農家の戸別所得保障制度などの経済効果については、最近では問題点は指摘しても、評価する識者は殆どいないようです。
 今朝の読売テレビ「ウェークアップ !プラス」ではバブル以後の他国の株価が一様に上昇しているのに日本の株価だけが沈滞したままのフリップを出していました。
 これは鳩山政権がしっかりとした経済対策を出さないため、外国の投資家が手控えているのだそうです。
 鳩山さんが折角の閣僚会議で指示をするのなら、デフレーション対策の検討とその実施の促進だと思うのですが。

鳩山首相「強行採決というより審議拒否」モラトリアム法案の衆院採決で野党批判(産経新聞より)
 鳩山由紀夫首相は20日朝、衆院本会議で与党がモラトリアム法案の採決を強行したことについて「強行採決というより審議拒否だ。と述べ、採決を欠席した自民、公明両党などの対応を批判した。
 それに対して、自民の川崎国対委員長は首相の“審議拒否”発言「見識疑う」
「ひどいコメントだ。一日でも(審議を)止めたことはない。首相としての見識を疑う」と非難した。そうです。
 事実は1日約8時間の審議(昨日のブログのコメント欄でUnknownさんからこの審議の詳細の経緯を教えて頂きましたのでご覧下さい)で、民主党は政府提出法案の会期内成立を目指す小沢一郎幹事長の方針を踏まえ、政権交代後初の強行採決に踏み切った。30日の会期末をにらんで、今後も強気の国会運営を続ける意向だ。ただ、数の力を背にした国会対策は世論の反発を招きかねない。強行採決に臨んだ衆院財務金融委員会では、「非常に残念で、苦渋の選択」(玄葉光一郎委員長)との複雑な思いも交錯した。毎日新聞
より)と報道されているように、明らかに鳩山さんの意見は違っているようです。
 一国の首相が何故このような軽い発言をするのでしょう。
  産経の社説「国会混乱 審議尽くすには延長必要
によれば、鳩山由紀夫首相は19日夜、小沢一郎民主党幹事長に「あんまりこんなことをやっていると、国民はどういう反応をするかなあ」と語ったという。と鳩山さんは本当は民主党主導の国会運営のやり方を心配していることを紹介しています。

普天間移設―鳩山首相の牽引力を問う (朝日社説)
 首相は首脳会談で、普天間問題を「早期に解決する」といいながら、翌日には必ずしも年内決着を急がない考えを示した。さらに、現行計画を検証する閣僚級の作業部会の位置づけをめぐっても、オバマ氏との認識の食い違いが露呈した
 戸惑っているのは米国だけではない。北沢俊美防衛相が現行案を前提にした打開案を検討し、外相は嘉手納飛行場への統合を探る。首相は県外移設を否定せず、「(最後は)私が案をつくる」と言う。沖縄県民も国民も、これでは政権の意思がどこを向いているのか、分かりようがない。
そのうえで、もし辺野古以外の移設先を探るのであれば、米国側にはっきりと提起しなければならない。全体の方向性をあいまいにしたまま作業部会の検討を長引かせるのは、米国に対して不誠実であるばかりか、国民の期待をもてあそぶことになりかねない。

 この問題については私も 「首を捻る鳩山さんの普天間先送り発言
で取り上げていますので省略しますが、オバマさんとの約束を反古にするような発言、その一方では、沖縄県民へ向けて民意を尊重すると言い続けて、県民をすっかりその気にさせて基地問題解決を一層難しくさせて仕舞いました。

 友愛精神に基づく外交や安全保障、問題ありと判っていても、デフレーションになっても国民との約束だからとして公約を固持する「マニフェスト至上主義」の宰相を頂く日本、政権の行く道を正すべきなのに存在感の薄い自民党を持つ日本、そして自民党政権時代と同じ国会運営のやり方しか出来ない日本の行方は一体どうなるのでしょうか。

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マスコミの良心を問う

2009-11-20 12:22:43 | 鳩山内閣

天下り問題 二重基準を押し通すのか (産経新聞社説)
 
人事院総裁に江利川毅前厚生労働事務次官が就任した。日本郵政社長に就いた斎藤次郎元大蔵事務次官に続く官僚OBの起用だ。「脱官僚」「天下り根絶」を掲げてきた民主党のこれまでの主張は何だったのか。
  その他、元大蔵省主計局次の坂篤郎さん、元郵政事業庁長官の足立盛二郎が日本郵政の役員に就任して世間をあっと言わせました。
 人材の起用はその出身にかかわらず、あくまでも人物本位で判断するのは当然だが、そうしてこなかったのが民主党だ。
 野党時代の民主党は昨年春、武藤敏郎元財務事務次官、田波耕治元大蔵事務次官の日銀総裁への就任について「天下り」として反対した。そのため日銀総裁が一時空席となり、日本に対する海外の信頼を大きく傷つける結果を招いた。衆院選の選挙公約でも「国家公務員の天下りの斡旋は全面禁止する」と打ち出していた。
   自民党政権の提示した日銀人事は(少なくとも表向きでは) 「府省庁による斡旋を受けず、適材適所の再就職を認めることは天下りには該当しない」ので鳩山理論では天下りでないような気がしますが。
 その民主党主導の鳩山由紀夫内閣が一転して、一連の人事を「天下りではない」と強弁している。野党時代に、国会同意人事を政争の具にしてきた姿勢を反省し、官僚OBの起用に至った理由を国民にきちんと説明すべきだ。
  鳩山内閣は、江利川氏を人事官に充てることで国会から同意を得たうえ、閣議で総裁に任命した。
 これを「絵に描いたような天下り」と批判する自民党に対して鳩山内閣は「府省庁による斡旋を受けず、適材適所の再就職を認めることは天下りには該当しない」との見解を示している。しかし、これは野党時代の主張と矛盾する二重基準ではないか。
 もともと役所側は、自民党政権時代から「OBに対する天下りの斡旋はしていない」と、斡旋の事実を否定していた。そうだとすると、鳩山内閣の今回の見解は意味を失い、あらゆる天下り人事が通用してしまう恐れすらある。
 鳩山内閣は潔く、この見解を撤回し、人材起用にあたっては、官僚OBを含めてその人物の力量を見極めたうえで、適材を配置する必要性を訴えなければならない。民主党の覚悟が問われている。

 正に産経の指摘した通り、鳩山さんは過去の日銀人事に反対したことは誤りだったことを謝らねば、今後の天下り根絶など出来ないと思います。
 普通の感覚ではもし天下りが悪とすれば、自民党政権時代に天下りを認めたことより、自ら天下りさせた民主党政権の方が明らかに質が悪いと思うのですが。

 最近の報道を見ても鳩山政権の混乱ぶり、その一方では彼等に大勝させた弊害が目立ちます。、
自公は退席のもとでの返済猶予法案、未明に衆院可決
のように強引な国会運営、山岡さんの国会会期厳守発言、国会運営に就いて小沢さんの所へ指示を受けに行く民主党員の列、国会運営は国会で決めることだと逃げる鳩山さん、通年国会を唱えてきた小沢さんが強引な国会運営を推進するのは彼と鳩山さんの資金問題の追及を避けるためだと言うテレビの解説者。

・野党時代には自民党政権に不透明だと攻撃してきた官房機密費を官房長官が使途も非公開
とする発言。

・普天間基地問題での閣内の意見の不一致と鳩山さんの発言のブレまくりの一方で悪化を伝えられる日米関係、鳩山さんの「民意尊重」発言で沖縄で巻き起こる県内移設反対で一層難しくなった基地問題。

・鳩山不況が伝えられているのに、幾らかでも景気回復に資するかもしれない事業の予算まで削減に努める事業仕分け、それに対する閣僚批判。
 強引に通過させた返済猶予法案よりも何れ返済するためには景気を回復させてくれと言う町工場の人。 (亀井さんは持論の思い切った大型補正予算を主張していますが、今まで公共工事の廃止など予算削減に努めてきた政権が、180度の舵の切り替えができるでしょうか?)
 鳩山さんがこれこそ経済政策の中心だと胸を張った(そして経済の専門家が誰も評価しない)目玉政策の子ども手当て、高速道路無料化、農家の戸別所得保証制度さえ予算減額するしかない税収の落ち込み、そして暫定税率も廃止時期に悩む政権。
 これではただでさえ貧弱と言われていた鳩山さんの経済政策がいよいよ先細りになりそうで、日本経済が一体どうなることやら。

 この様に問題だらけの鳩山政権に対して、小沢さんが指揮する国会運営、そして衆参両院で多数を占める民主党連立政権に対して、自民党も公明党も完全なお手上げのようです。
 天下り問題や、官房機密費、鳩山さん小沢さんの政治資金も見過ごしてはいけないと思いますが、何よりも国民生活や生命に直結する日本経済の動向、安全保障の基本とされる日米関係はどうなるかが大きな問題と思います。
 圧倒的多数を擁する民主党連立内閣が日本の行く道を誤らせないようにするのは野党の自民党と公明党に頑張って貰うしかありませんが、今のままでは小沢戦略に立ち向かえそうにもありません。
 それで残るのは民主党政権がとても気にする民意、具体的にはその現れである世論調査の結果です。
 そしてその民意を形成する大きな力となっているマスコミ、特にテレビです。
 今日のテレビでは橋下さんが、折角民主党政権のもとでやっと動き始めた日本の政治のためには、少しの不満は我慢しても同政権を支援すべきだと言っていました。
 そして鳩山さんを支援するテレビの常連も多いようです。
 然し経済がこれ以上悪化してただでさえ経済基盤が弱く成りかかっている日本経済がポシャッたら、立ち上がるまでまた長い年月がかかると思います。
 また日本独自のの防衛方針が確立しないまま、一時の韓国のように米国が臍を曲げて軍隊を引上げようとしたら、どの国が一番喜ぶかははっきりしています。
 今野党がお手上げ状態のとき日本の政治が国の方向を誤られせない役割はマスコミが負うべきです。
 何故なら、小泉さんの大勝、安部さんと麻生さんの大敗を招いた大きな要因の一つはマスコミ、特にテレビの報道姿勢にあるからです。
 マスコミ、特にテレビはその影響力の大きさのため事実上は彼等が日本では(彼らが何時も攻撃してきた)大きな権力者になっているからです。
 私は半分はあきらめながらも彼らの鳩山政権、与野党を問わず、公平で是々非々を貫く報道者としての良心に期待しているのですが、果たしてどうなることでしょう。

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弱者にしわ寄せの高速道路無料化

2009-11-19 10:11:53 | 鳩山内閣

  昨日の読売新聞(web版)の、西鉄、バス事業をリストラへ…高速割引が打撃 では概略次のように報じています。
 
国内最大のバス会社、西日本鉄道(福岡市)が、2010年度に過去最大のバス事業のリストラに踏み切る方針を固めたことが17日、明らかになった。
 計画によると、運行を維持できないほどの赤字が出ている40~50路線の減便か一部区間を廃止が中心となる。高速バスについても全33路線を30程度に減らす。
 これに伴い、毎年延べ約300人採用していた運転手の募集を近く停止する。09年度の採用人数は150人程度に半減し、10年度は募集しない方向だ。
 西鉄のバス事業は、高速バスで収益を上げ、路線バスの赤字を穴埋めする構造。大規模な合理化に踏み切るのは、高速道路の自動料金収受システム(ETC)割引で高速バスの収支が急速に悪化し、路線バスの赤字を補えなくなったためだ。

 西鉄バスの運行地域に住んでいる私も同会社への批判もたびたび聞いていますし、車を持たない私にも同社のやり方に不満な所ももあります。
 しかしその西鉄は恐らく他のバス会社と同様に、記事の中にあるように「運行を維持できないほどの赤字が出ている路線」でも運行を続けているのは、企業の儲け中心の批判を避けることもありますが、公共事業を行う会社として地域への配慮もある様です。
 然し読売が指摘するように休日に限った、高速道路の千円乗り放題がバス会社に大きな損害を与えていること、そしてその結果、車を持たない高齢者が高いタクシー利用を余儀なくされるなど大きな影響を与えているのです。
 鳩山さんの友愛精神から言えば高速道路無料化で地域の高齢者をイジメルなど考えられないことです。
 しかも、それに伴う300人の運転手募集の停止は、鳩山政権の緊急対策の雇用増加の方針とも反することになります。
 前政権での休日1000円乗り放題でもこれだけの打撃ですから、政権の言う正月前後を除く一年中の高速道路無料化がなればバス会社の打撃は図りしれないと思います。
 バス以外の大量輸送機関の被害も大きいようです。
  JR各社は「無料化されれば年間約750億円の減収になり、廃止される路線も出てくる」と言い、フェリー業界でも、ETC割引の導入後、瀬戸内海の5航路が休止や廃止に追い込まれているそうです。
 私の地域で言えば、北九州市と阪神地区を結ぶ長距離フェリーを運航している阪九フェリーが、保有する大型フェリー2隻の売却を検討しているそうです。
 それに鳩山さんの言う温室効果ガス25%削減のためには、列車やバスやフェリーなどの大量輸送機関の有効活用が遥かに有効なとことは誰にでも判ります。
 このようなことが分かりきっているのに、財政が苦しい中で6000億円も投じるなど少しピントが外れているような気がします。
 私は財政が苦しいのなら、高速道路無料化は(少なくとも取り敢えず)バスとトラックに限れば良いと度々書いてきました。
 然し今日の朝日新聞
を見ると、国土交通省の政務三役は、来年度実施する高速道路無料化の試行区間から、東名高速と名神高速、本州四国連絡橋を外す方針を固めた。(最も)国交省が要求している来年度の社会実験予算6千億円は削減される見通しで、ほかの多くの区間も無料化の対象外となる可能性がある。と書いていますが。

[ボロが出始めたか鳩山政権] 
 昨日のテレビをぼんやり見て居ましたが。
・暫定予算廃止と環境税設置の期間設定に関して、こんなことしていたら民主党のマニフェストの目玉政策が皆無くなってしまうとの民主党の政務三役の一人の発言
・藤井財務大臣がの子ども手当ての所得制限容認とも取れる発言に対して鳩山さんが公約遵守として否定
 ・蓮舫さんが出演しているところで、事業仕分けでのスーパーコンピューター開発やGXロケット中止などの批判、彼女は上部機関で政治決断をする筈と苦しい答弁。
・民主党寄りと見られているテレ朝の「報道ステーション」で日本の株価だけが何故あがらないかに就いて、外国の投資家が鳩山政権が明らかな経済政策を示さないからだの解説。
 高速道路に関して書いたような様な常識的なことが出来ないことや、無料化に基づく公共交通機関への手当に就いて何も報道されていないことなどを考えると、選挙目当てのばら蒔き政策のぼろが出始めているのかも知れません。
 それにしても最近の鳩山さんの発言は首を捻ることばかりですね。
 普天間基地の問題でも、鳩山さんの発言と違った方向に進んでいるようです、子ども手当ての問題もどうも藤井さんの言う方向に進みそうだし、鳩山さんの言う事より政務三役の話の方が正しく信用できるような気がするのですが。
 こんなことで鳩山さんはリーダーシップを発揮出来るのですかね。

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農家戸別保証制度について

2009-11-16 10:20:22 | 農村問題

 タイトルの農家戸別保証制度について既に何度か取り上げて来ましたが、今日の朝日新聞の社説の農家戸別補償―拙速を避け、本格案に で取り上げていますので、この問題に集中して考えて見ました。
(いつもの書き方ですが青字は引用文、黒字は私の意見、緑字は補記です。)

 民主党が総選挙で掲げた政権公約の目玉の一つ、農家への「戸別所得補償制度」の導入に向けて、農林水産省が動き出したがこのままだと日本農業の再生はおぼつかない。
 最大の問題は、日本の農業衰退の原因となった「減反政策」を温存していること。さらに、大半の農家を補償対象としてしまい、農地の集約が進まなくなりそうなこと、である。
  大半の農家を保障の対象にしたのは選挙に勝つためのばら蒔き政策だと言われています。
 制度の導入に伴い農水省が来年度に要求している予算は約5600億円。事業仕分け作業などを通じて予算削減に力を注いでいる一方で、これほどの巨額が結果的に農家へのバラマキと化さないようにしなくてはならない。 
  事業仕分けで折角産み出した財源を下記のように朝日の指摘する農家の弱体化に繋がる戸別保障につぎ込むなど考えられません。
  私が前にも書いたようにこの制度こそ事業仕分けの対象にすべきだと思うのですが、鳩山政権は自党のマニフェストはその対象にしないそうです。
 減反政策は、需要が減っても米価が下がらないようにして、農家経営を支える狙いがある。この政策は40年間にわたって続けられてきた。つぎ込まれた財政資金は累計約7兆円。国民は消費者として高いコメを買わされ、納税者としても巨額の負担を担わされてきた。 
  この政策は自民党政府の農村票の取り込み策だったのは明らかですが、強い輸出企業に支えられた一億総中流意識を持てた良い時代だったから成り立ってきた政策です。
 そして今日本の輸出企業は中国などの台頭のために苦戦を強いられて、国民の収入も大きく落ちて来ています。
  1世帯当たり平均所得金額の年次推移 
によりますと、平成10年655.2万円、19年は556.2万円で約百万円の平均所得が減っています。
 これからは農業、林業、漁業なども頑張って貰わねば日本の貧困化はますます進むことになると思います。
 農業で言えば、貴重な生産資材である休耕田の活用は勿論、年間を通じての田畑の有効利用、農機具の有効活用などによる、生産性の向上、米から他の農産物への転換など、工業製品と同様に競争力の強化を図るしか農村だけでなく日本の生き残る道はないと思います。

 安い輸入米が入らないようにと、コメに778%という高関税をかけていることの弊害も大きい。世界貿易機関での農業交渉や主要国との自由貿易交渉の足かせになっている。
  民主党公約は米国とFTA交渉を進めると言っていましたが、農家の抗議で農産物は除くと訂正しました。
 米国に取って日本とのFTA交渉のメリットは農産物さの自由化であり、この項目を除くFTA交渉など事実上成り立たないようです。

 これほどの代償を払ったにもかかわらず(正確にはこの代償を払って) 、減反は日本の農業の足腰を弱めてきた。農家の増産意欲が奪われた結果、後継者不足や耕作放棄地の拡大に拍車がかかっている。
 戸別所得補償制度は、農家の販売価格が生産コストを下回った場合、その差額に補助金を払って農家所得を補償する仕組みだ。欧米ではこの政策が生産拡大に効果をあげている。うまく生かせば、日本のゆがんだコメ政策の転換と農業再生につながる。
  フランスの例で言えば殆どが大規模農家であり、大規模化のために強制的に集約化する制度もあるそうです。 (日本の場合棚田など集約化に不便な制約がありますが。)
 民意尊重の鳩山政権で強制的な集約化などできそうにありません。

 だが、農水省案のように減反を続けつつ戸別所得補償を導入するのでは、農家の生産意欲は高まらない。
 農水省は補償対象を約180万戸と想定し、(ばら蒔き政策で)ほぼすべてのコメ販売農家に適用しようとしている。しかし、副業でコメを作っている農家が所得補償を期待して農地を手放さなくなれば、少しずつ進んできた主業農家への農地集約の流れが止まってしまう。

  事実、兼業農家による貸し出し田畑の買い戻しの動きが報じられています。
 自民党政権は過去の農政失敗の反省に立って農地の集約化に向けた農地集積加速化政策進めて来ましたが、鳩山政権はこれを無駄として廃止して仕舞いました。
 ここは補償対象を農業を主業としている数十万戸に絞るべきではないか。
  鳩山政権の今までのやり方から考えると、農村票の減少に繋がることはほぼ絶対にしないでしょう。
 
メの生産と輸入を自由化する。米価が下がって、主業農家の経営は打撃を受けるが、所得補償で支える。その先に、高品質の日本米を輸出する道も開けてくるだろう。政府はそういう農業の未来をめざしてほしい。
  私は米の生産自由化は考えられても、米の輸入も自由化しろという朝日の社説は乱暴過ぎると思います。
 勿論、鳩山政権がそんなことをするはずはありませんが、
 高品質の米だけでなく果物などの様に製品の転換で輸出の増加図るべきです。
 農政の抜本的転換となるべき改革を、あまりに短期間に進めようという手法にも無理があるのではないか。拙速でない案を練り直すべきだ。 
   朝日では取り上げられていませんが、農村を地盤とする巨大企業?であるJAなどの農業団体の改革、今まで巨大スーパーなどで独占的に価格を決められるなど、農産品の流通システムの見直しなどやるべきことが一杯あるとおもうのですが。

[全体的な感想]

  全体的に言えば、農家の戸別所得保障制度は、農村の再生への効果は限られていることを考えると、農村票獲得のためのばら蒔き政策、そして農村の疲弊の固定化の政策としか考えられない様な気がします。

 何時も思うのですが、政治主導の行政改革、良く勉強している大臣以下の政務三役の活躍や官僚の国会答弁の禁止など国民の評価の高い政策や進め方と、今、問題になってている普天間基地の国外または県外移設、国民から評価の低い高速道路無料化、暫定税率廃止(して後から環境税導入)、これも効果が限定的と言われる子ども手当てのような耳触りが良いが問題だらけの公約、貧弱と言うより殆どないと言われる経済政策(農家の所得戸別保障に加えて、上記の目玉政策がそうだと鳩山さんが言っていますが)など落差が余りにも大きいのが目立ちますが困ったものです。
 これも選挙のためなら何でもありの一方で、政治に関して理想主義者?の小沢さんの考え方が民主党の政策に大きく影響しているような気がするのですが、果たしてどうでしょうか。

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首を捻る鳩山さんの普天間先送り発言

2009-11-15 11:52:06 | 外交・安全保障

普天間先送り発言、米の鳩山首相不信に拍車も 
 鳩山首相は14日、訪問先のシンガポールでの同行記者団との懇談で、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題について、「迅速な結論」で合意した13日の日米首脳会談から、一転して結論先送りの可能性に触れた。
 米側は「首脳レベルでの公約は極めて重い」とみなしており、鳩山政権に対する不信感に拍車がかかるのは必至の情勢だ。
 首相は、現行移設先の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を抱える沖縄県名護市長選(来年1月)の結果を見極めることも、改めて選択肢の一つだと述べた。選挙の結果、移設反対派が当選すれば、現行計画が暗礁に乗り上げる恐れが出てくることを「織り込み済み」と受け取られかねないものだ。
 さらに、この問題に関する日米の外務・防衛担当閣僚級の作業部会での協議について、オバマ大統領は首脳会談後の共同記者会見と14日の演説で「日米合意の履行」が前提だと繰り返したが、首相は14日、「答えが決まっているなら、作業部会を作る意味がない」と述べ、作業部会の位置づけについても共通見解がないことが明らかになった。
 米側は「首相が『できるだけ早く結論を出す』ことで同意した以上、日米合意に基づいて移設を履行する」と受け止めていただけに、今週中にも開かれる予定の作業部会での協議は冒頭から難航が予想される。
(読売新聞より)

「私の意見]
・3党連立合意の普天間基地の県外または国外移設は何時達成出来るか
 北沢防衛相は「県外移設は困難」の理由として、沖縄県外に新たな基地を受け入れる自治体を探すのは容易でないうえ、普天間のヘリ輸送部隊は在沖縄海兵隊と近い場所にいる軍事的な必要性があると指摘しています。
移転基地選定の条件
 国外、県外移設の場合日本政府は北沢さんの言った、ヘリ輸送部隊と在沖縄海兵隊基地が離れた場所でも良いと言う理由を米国政府に説明し、納得させなければいけませんが、それだけの識見や能力を持った人がいるでしょうか?
国外の場合
 国外に移すとすれば当然に米国領土内と言うことになりますが、当然ホワイトハウスや上下両院を認めさせねばなりませんが、素人が考えても数年はかかりそうです。
県外の場合
 鳩山さんの民意尊重の精神からすれば、先ず移転先の県と土地の選定に時間がかかり、選定後も県民や市町村民の意見も聞いて同意を得るとすれば、やはり数年はかかりそうです。
 今朝のNHKの「オバマ大統領初来日 日米同盟の今後は」の番組では、外務副大臣の福山さん、防衛政務官の長島さんは、早ければ今回の予算編成まで、遅くても来年秋の日米安保改定50周年までに結論を出したいと言っていましたが、普天間基地の県内移設の場合は間に合うでしょうが、国外、県内移転の場合は移転先の確定まではとても間にあわないと思います。
 そして鳩山さん自身が言うように、長引けば長引くほどこじれるようなに気がするのですが。

・鳩山さんの発言とオバマさんの立場
 今回の日米首脳会談で、オバマさんは沖縄の米軍普天間飛行場移設問題について、「迅速な結論」で合意、日米の外務・防衛担当閣僚級の作業部会での協議について、「日米合意の履行」が前提だと繰り返してその会談の成果を発表しました。
 しかし鳩山さんは、現行移設先の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を抱える沖縄県名護市長選(来年1月)の結果を見極めることも、改めて選択肢の一つだと先送りを示唆し、「答えが決まっているなら、作業部会を作る意味がない」とと言ったそうです。
 これでアフガンや健康保険問題で支持率が落ちているオバマさんの米国内での立場はどうなるでしょう。
 このような鳩山さんのオバマさんの立場を悪くするような発言で、鳩山さんの言うオバマさんとの個人的な信頼関係を築くことが出来るでしょうか?
 まして日米両国の信頼関係は?

・鳩山政権の若手政治家と鳩山さん
 上記のNHKの番組で出演した拓殖大学大学院教授の森本 敏さんは、「外交・防衛担当の人達は良いのだがどうも官邸がね」と何度も言っていましたし、外交評論家の岡本 行夫さんは「鳩山さんに有能な外交ブレーンがいないのではないか」と言っていました。
 そう言えば、同じ番組の外務副大臣の福山さん、防衛政務官の長島さんは、ベテランの森本さんや岡本さんの追及に苦しい答弁をしていましたが、それからちらちら覗く二人の本音は私のような素人でも納得できることも多くありました。
 これを見ながら、野党時代の若手の民主党政治家が 、テレビの番組ではまとものことを言うので自民党政権とも何となく折り合いがつくと思ったのに、党としては党利党略丸出しの方針に変わって相変わらず国会が停滞して、何度もがっかりしたことを思い出しました。
 今回の普天間基地問題の鳩山さんの発言を見ると、日本の事情より民主党の事情が問題をややこしくしているようです。
   一つは選挙に勝つための考え方が全く違う社民党との連立、もう一つは同じ選挙目当ての民意尊重発言です。
  社民党との連立は論外ですが、今回の場合で言えば地域の民意の尊重と日本の利益のバランスを考えれば、当然に地域の民意を尊重はしても完全には添えないこともあるのは当然です。
  それを鳩山さんが沖縄県民の民意、民意とばかり言ったのが問題をややこしくしているのは先の岡本さんも指摘していました。
 普天間基地移転先の島袋市長は「基地の負担は国民が等しく受け入れるべきだが、国内分散移転の可能性もないなかで、市は知事からの受け入れ要請に対し、苦渋の選択をしたと言っているそうです。
 島袋さんの発言に比べると鳩山さんの振れた発言は如何にも軽く無責任のように見えて仕方がないのですが。

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事業仕分け・国民目線・ポピュリズム

2009-11-14 06:49:30 | 鳩山内閣

毛利さん「仕分け人」と激論、日本科学未来館巡り
 政府の行政刷新会議が13日に行った「事業仕分け」で、日本科学未来館を巡り、館長を務める宇宙飛行士の毛利衛氏が同館の存在意義を強調し、「仕分け人」らと激しい議論を交わした。
 財務省側が赤字と説明すると「高校、大学の経営で赤字と言いますか? この認識自体が官僚的発想だ」と逆襲。また、用意してきたパネルを持ち出し「低成長の中、来館者は伸びて90万人になった。ちゃんと見て」と仕分け人に反論した。激論の末の判定結果は「予算の削減」だった。
 文部科学省は、次世代スーパーコンピューター開発費についても、ノーベル賞を受賞した理化学研究所の野依良治理事長の出席を検討した。都合で実現せず、こちらは「限りなく予算計上見送りに近い削減」と判断され、応援団の有無が明暗を分けたとの見方もある。
(読売新聞より)

・国民目線で見たスーパーコンピューターの開発と仕分け人の責任
 私はこの報道の前から、事業仕分けチームの理化学研究所の次世代スーパーコンピューター開発費の予算計上見送りの報道に就いて違和感を持っていました。
 国民目線により事業仕分けと言っても、国民がふだん接する機会の多い日本科学未来館のようなテーマなにとにかく、 (私のような)科学の素人が次世代スーパーコンピューターの開発費の見送りの是非の判断が出来るのか?
 その開発の目的以外の多くの付随効果があるのではないか?
 技術立国を目指す日本がそんなことで世界との競争に戦って行けるのか?などなどの疑問が湧いたからです。
仕分け人:(理化学研究所が技術開発を進めている次世代スーパーコンピューターは、稼働時に「世界最高レベルの演算性能を発揮することを目標に計画」したことについて) 「国民の目線で言うと世界一にこだわる必要があるのか」などと指摘。
 文科省の説明も拙かったと思いますが、
世界最高レベルを目指すというのは単なる目標であって、その目的は大気や海流など地球レベルの気候変動の予測や、地震による災害シミュレーションなどの研究のほか、ナノテクノロジー分野での産業利用などだそうで、現状の高速コンピューターで将来の環境の変化や、技術の変化に対処できるのか、出来ないとすれば他国から輸入した方が安上がりなのか、技術立国の日本がそう言った先端テクノロジーをを外国頼りにして、将来の開発競争に立って行けるのかなどの大局的、かつ先見的な議論が必要だと思うのですが。
仕分け人:米国との競争より協調すべきだ。
文科省:米国にその雰囲気はない。
 仕分け人はかって米国がWindowsを護るため、日本国産のOSを潰したことを忘れています。
仕分け人:開発できなければ2流国になることはあり得ない。
 インド、中国などがソフト・ハード面に追い上げていることを忘れています。
 技術立国の日本は下手をすると中国の台頭で喘いでいる、一般製造業のように、これからの産業の基軸となるこコンピューターでも新興国か追い上げられることは明らかです。
 これらの事実は
トヨタ始め日本の自動車業界の例を取っても、企業の競争力を向上するために、技術開発にどれだけの金をつぎ込んできたかを想像するだけでも判ることです。
 研究所側は科学研究に対して、「費用対効果がなじまない」と反論したそうですが、私も同じ意見です。
 これもすでに12年度の完成を目指して、神戸市のポートアイランドで建屋の建設が始まっており今年度分を含めて計545億円の国費が投じられてきたそうです。
 もし事業仕分けのままで見送りが決定すると、545億円をドブに投げ込むことになるのです。
 仕分人はその責任の一端を国民に負うことになりますがその覚悟はあるのでしょうか?
 いや実際の決定は政治家が行うので、私たちは参考意見を述べただけで澄ましておれるのでしょうか?
 そんな軽い気持ちで技術立国日本の将来に大きな影響を与えるかも知れないことを議論して来たのでしょうか?

・事業仕分けと政治
 最近になって閣僚からも地方への交付金、思いやり予算など大局的な見地から判断しなければならないものは事業仕分けに馴染まないとか、僅か一時間で論議できるのかなどの意見が出ているようです。
 マスコミが指摘するように学術的、芸術的な事業も仕分けには相応しくないと思います。
 私ども外野から見れば、テーマを思い切って絞り、大きな問題は数時間から一日かけて、討議すべきだと思うのですが。
 そしてスーパーコンピューターの例で言えば、当事者であり理化学研究所の野依良治理事長の卓見を聞けるように日にちを調整すべきだったと思うのですが。
 刷新会議の仙石さんは事業仕分けは必ずしも、予算をひねり出すためだけではないと言っていますが、事実は民主党公約の実施予算の3兆円を調達のようで、新聞も毎日何億円を削減したと報道しています。
 明らかにそのために鳩山政権は447と言う膨大な項目を取り上げ、そのために1項目1時間の討議に絞られているようです。
 しかも前にも書いたように、事業仕分けの対象は「基本的に従来の事業が対象」としていることは、自民党政権の政策のボロを明らかにしたいと言う、政治的な目的丸出しのやり方です。 (ついでですが、自民党政策のムダを削って、問題だらけの高速道路無料化や農家の戸別所得保障制度の財源に当てるなど少しおかしいような気がするのですが。)

・頑張って!!仕分け人
 前にも書いたように、事業仕分けは新しい試みとして評価すべきと思いますが、日本の将来のことを決めるのに、国民目線という名のホピュリズムに落ちいらないように、そして日本の国の方向を誤らないように、事業仕分けチームの人達は、もう少し誠実にことに当たって貰いたいものですが。
(もし仕分け人が誠実であろうとするのなら、日本科学未来館ならともかく、「スーパーコンピューター開発のテーマに就いては自分の手に負えないし、自信がないので発言は遠慮する」と言って発言を控えると思うのですが。)

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もし民主党公約を事業仕分けしたら?

2009-11-12 12:01:34 | 鳩山内閣

 いよいよ民主党政権の売り物の一つの事業仕分けが始まりました。
 外野の印象としては産経の社説が指摘するようにパーフォーマンスの印象もありますし、亀井さん言うように仕分人に外国人が入っている(日本の政治に外国人が介入するのは確かにおかしいですね)し、地方自治体ならいざ知らず、国政の問題を僅か一時間で論議できるか、やはり最後は政治家の決断によるしかないなどの批判もありますが、今まで省庁の官僚と族議員という密室の中で決まっていたものを、公開の場で行うのは一つの試みとして評価すべきかも知れません。

 私はこのことに関して10月に民主党の公約も事業仕分けしては?と提案したことがありました。
 昨日の産経の社説の行政刷新会議 聖域なく歳出に切り込め
でも鳩山さんが「聖域なき見直し」を表明しているのなら政権の公約も考えろと言う趣旨のことを言っています。

[もし民主党公約を事業仕分けしたら?]
 それで鳩山政権の目玉政策の幾つかを、もし事業仕分けにかけた場合どう言う結論になるか、昨日聞いた仕分人の発言を参考にして考えてみました。
 下記のような報道による「見直し基準」に各公約を当てはめて見ますと次のような問題点がでて来ると思います。 (但し問題が余りに多すぎるのでここでは典型的なものだけに絞りました。)
〈1〉公益性が乏しいなど、事業目的が妥当でない
 高速道路無料化、農家戸別保障制度、暫定税率の廃止、子ども手当て:皆、選挙目当てのばら蒔きだ。
〈2〉目標達成の見込みがないなど、手段が有効ではない
 農家戸別保障制度:これで農村の生産性が上がり、農村の過疎化からの脱却できるなど考えられない。 (むしろ過疎化傾向の定着化と言うマスコミもいます。)
〈3〉他に低コストの手段があり、効率が悪い
 子ども手当て:手当てのかなりの部分が将来の不安や計画に備えて貯金に廻る可能性が多い。
 このような予算があるのなら一部を割いて待機児童の多い託児所、幼稚園、児童保育所の増設に直接投資するほうがより費用が少なくて、より効率的だ。 (厚労省は設置基準の緩和を考えているようですが、当事者の設備の運営者や母親たちからの批判もあり、設置基準に合った設備の増設の方が経済効果から考えても望ましいと思います。)
 高速道路無料化:トラック、バスなど大量輸送機関に限って無料化すれば、予算は少なくても済むし、温室効果ガスの削減の役にも立つ。
〈4〉直ちに実行すべき緊要性がない
 暫定税率の廃止:廃止の後に環境税を考えているのなら、それが出来るとき廃止すれば良い。 (政権が予算不足に悩んでいるのならなおのこと慌てて廃止する必要はないと思います。)
 高速道路無料化:専門家が指摘するように無料化のもたらす経済効果の少ないことを考えると緊急性は全くない。
(但し前にも書いたように大型交通機関のへの無料化は早くやるほど効果があると思います。)
 このように考えてみると、そして鳩山政権の4つの目玉政策は全て廃止か見直しの対象になると思います。

[民主党の公約は聖域か?]
 しかし、毎日新聞
によりますと、藤井裕久財務相が「金額が大きすぎる」として削減方針を示した「高速道路無料化の社会実験経費」(6000億円)など、政権公約関連の事業については「仕分けは基本的に従来の事業が対象」(統括役の枝野幸男・元民主党政調会長)として、対象外とする方針だそうで、私が取り上げた公約は全て仕分けの対象外だそうです。
 鳩山さんは政治の透明化、政策の聖域なき見直しを進めると言っているそうです。
 私もブログで前原さんは、あっさりと今年度の無料化の費用6000億円を引っ込めるべきだと書いたこともありますが、民主党のマニフェストは鳩山さんの言う聖域内のようです。
 そしてそのマニフェストはそれこそ、多くの党員の知らないところで、一部の担当者による民主党内の密室で作られているそうで政治の透明化のまる反対のやり方です。
 もちろんこのような公約作りはどの党でもやっていることですが、政治の透明化を目指すなら、そして鳩山さんが自党の公約に自信があるなら、折角の公の場での事業仕分けの対象としてその公約も俎上にあげてはどうでしょうか
 そして仮にその公約が仕分け人達から批判されても、鳩山内閣の信頼性を増す事になり、その支持率が下がるどころか、逆に上がると思うのですが。
 鳩山さんが公約は国民との契約とばかり言って聖域扱いにする一方で、公共事業の凍結、補正予算の見直し、そして今回の事業仕分けで自民党政権のやって来たことばかりつつくばかりだから、政権は「予算のひねり出し」と言う大義名分で、実は自民党政権の悪政?を暴き出すと言う政治目的にしていると、一般の人達の思わせる結果に終わっていると思うのですが。

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小切手外交復活か?鳩山政権

2009-11-11 15:12:13 | 鳩山内閣

 鳩山政権の新たな支援策としての、アフガンには今後5年間で50億ドル、パキスタンには2年間で10億ドルを拠出案についてまた問題になっている様です。
 読売の社説はアフガン支援策 「小切手外交」に戻るのか
と書き、産経もアフガン支援 湾岸の教訓を忘れたのか と批判しています。
 そして朝日新聞でさえ総額優先、具体策固まらず アフガン支援に50億ドル
と批判的な解説記事を出しています。

 私はこれらの報道を見て私の中東の紛争や戦争から学んだもののエントリーの自衛隊派遣問題を書いたことを思い出しました。
 当時は自衛隊を派遣するより民間からの人員を派遣すべきだと言う議論が国会内外で起こっていました。
 民主党もそのような公約をしていましたが、政権獲得後はアフガンの厳しい情勢もあるでしょうがそんな公約について、党内や政権からも活発な議論は殆ど聞こえて来ません。
 現実は上記の報道や社説によれば、アフガンの民生支援にはJICAを中心に百数十人の専門家を含む文民が派遣されていたが、今年8月以降はテロの頻発で最悪の治安状態となり、現在は8~9割がアフガン国外に退避している。
そうです。
 
読売は(鳩山政権は)人的支援策も民生分野に限り、JICAによる現地での農業指導の拡充を検討しているという。だが、現地の治安情勢を考えれば、(自衛隊の援護なしでは)大幅な人員増は困難だ。と指摘しています。
 一方では、韓国は、米韓同盟強化の観点から、中止していた地方支援チーム(PRT)への警護要員の再派兵を決めたそうです。

・日本の安全保障とアフガン支援
 私は上記のブログで自衛隊派遣問題について次のように書きました。
  日本は日米同盟のもとで、日本が外国の攻撃に逢った時、米国が助けてくれることになっています。
 その時、米国の軍隊は自国の兵士に被害を出来るだけ出さないような作戦を用いるでしょうが、イラクや、アフガニスタンでも見るように、一人も血を流さないで戦争が出来る訳はありません。
 つまり日本のために米国民が血を流してくれるのです
 自衛隊の派遣はいくらかの危険を伴います。
 然し、政府が一次湾岸戦争の際の批判を避けるために、眼に見える形で、米国に協力すると決断した以上、自衛隊員から被害者が出る可能性は、当然考えられことです。
 そして、米国民にいざと言う時日本のために血を流して貰う以上、日本もそれだけの覚悟の上の決断だと、誰でも判ることです。
 然し、皆知っているように、このような当然の理由を政府、与党とも、公の場では決して言いません。
 反対者も当然そのことが判っていても、自説を主張するのに不利な発言はしません。
 だからどの場での議論は皆堂々巡りに終わり、結局は
(自衛隊派遣は)小泉さんの決断だけで、決まったようなものです。と書きました。
 イラクの場合の自衛隊派遣に就いては、米国の言う戦争の大義に胡散臭いことも反対の理由にありましたが、今回の米国主導のアフガン紛争はそれもなく多くの国が参戦しています。
 然し鳩山政権は日米同盟の強化より、自衛隊派遣を反対する社民党との連立体制維持を優先して安全な海上給油さえ止めて仕舞うようです。
 そして民間人の保護のために情勢悪化のアフガンへの現地派遣は最小限に留める(ことによると最大限は現状維持?)ことになるでしょう。
 日本には憲法問題もありますが、兵士の命の危険を冒して軍隊を派遣した韓国と、海上給油さえ止める日本とどちらが安全保障の面からどちらか真剣に考えているか明らかと思います。
 このようなやり方で鳩山さんの言う米国と対等の立場にたった日米同盟などなど維持できると思っているのでしょうか。

・世界から無視された小切手外交からの脱却
 読売、産経が鳩山政権を、小切手外交の再現と非難する最大の理由は、イラクがクウェートに侵攻した湾岸戦争のとき、兵士の命を賭けて(少なくとも表向きは)イラクの為に例え少数でも、軍隊を派遣する国への貢献度と、130億ドルと言う多額の金を出しても、金だけで済ませた日本の貢献度の評価はケタ違いに前者の方が大きことは分かりきっていました。
 然し事実は世界から日本の貢献度は殆ど無視されたのに官民とも愕然としました。
 
読売・産経の主張はこの反省に基づいているのだと思います。
 私はやはり何らかの形で現地に自衛隊と民間人がタグを組んだ(現地の実情に即した)出来るだけ大きな民政支援のプロゼクトを立ち上げ成功させて、現地の評価を高めることが、日本の国際的な地位をたかめるのは勿論、アフガン問題で苦境に立っているオバマ政権を支えてやる(端的に言えば貸しをつくる)ことになり、ひいては日本安全保障体制の強化に繋がることになると思うのですが。
 そしてそれも出来なければもう一度もとに戻って海上給油くらいは続けるべきと思うのですが。

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在日米国人が見た鳩山政権

2009-11-10 15:17:33 | 鳩山内閣

 私が属する英字新聞輪読会で在日米国人の "Obama visits Japan"と言うエッセイを見ました。
 この種の日本の政治に関する欧米人の文章は(中途半端な日本の知識を基にして)「上から目線」で何も知らない日本人に教えてやると言った論調のものが多いようですが、これだけは珍しく割合と公平な文章なので紹介します。
 作者はロスアンゼルス出身のライター兼編集者 Steve Ford さんです。
  (概要は青字、私の意見は黒字、緑字は補記です。)

[概要]
・バラク オバマ大統領が11月12日に来ることになった。私の予測だがノーベル賞受賞予定の米国大統領は熱狂的な歓迎で迎えられ、大統領専用機でシンガポールに向かうまでの間に、日本国民から愛されるだろう。
 オバマと橋山首相は9月の国連で始めて会った時、気が合ったようだ。そこでは米国と日本の結びつきの変化に対する実質的な話しは注意深く避けられた。今回は前回より難しい会談になるだろう。民主党新政権が首尾一貫した外国政策に向けて手探り状態であることを考えると、もし日米の戦略的パートナーシップがぎくしゃくするのが明らかになれば、オバマさんは母国での悲惨な広報活動を強いられることになるだろう。
  私は両者とも双方の国内情勢を考えて、下記のような懸案問題に就いては、お座なりの奇麗事で済まし、著者が心配するようなことにはならないと思いますが、果たしてどうでしょうか。 (それなら何の為のオバマさんの来日か、何のための会談かということになるのでしょうが)

民主党連立内閣は左から右までの政治的信条を持つ非常に大きな集団だ。民主党は野党時代に、不平等な日米関係のような問題を取り上げることができた。そしてそれをこん棒代りに使って前の政権党の自民党を殴ることが出来た。
  然し民主党はスローガン作りから実際の統治する立場に変わったので、彼らの政策は国際政治の現実に対してより良く反映させる必要がある。
  
著者が指摘するように、鳩山さんは日米間の不平等の問題に就いては自分で処理するほかないようですが、政治信条の全く違う社民党と連立を組んでことが巧く収まるでしょうか?

・日本の左翼の多くは嬉々として、日米同盟の破棄を提案し、強力な隣国の中国を受け入れることで、米国とのバランスを保つことを提案している。この安易な解決法の問題点は、米国は強い日本、アジアのリーダーシップの役割を演じる日本を必要としている一方で、中国はそんな日本を必要としていないことだ。
 ネット上で調べてみると共産党は日米同盟の破棄を謳っているようですが、連立を組む社民党も同盟支持の様ですので、著者の言うように特筆することはないと思っています。
 私は鳩山さんの友愛精神では少なくとも、日本にとって(持ち出しばかりでなく)プラスの形でアジアのリーダーシップを取れるか否か疑問に思っています

・多国間外交は悪いことではないし、自民党による何年にも亙る中国との対立の後、それと良い関係を求めることは非常に良い事だ。然し中国との友好関係を求めるために古い同盟を破棄することは、中国が自身の力を強めるために日本の力を弱めようとするだろうし、北朝鮮問題の処理のための日本の選択肢を少なくすることを意味する。
 
私は著者が言うように日本が同盟を破棄することはないし、中国が日本の力をあからさまに弱める政策を取ることはないと思いますが、友愛精神の基づく、東アジア共同体など言っていては、中国の自国の利益優先政策で、結果的には日本の国力が衰える可能性はあると思います。

・二国間でのもう一つの問題点は普天間基地から海兵隊の空軍を沖縄でのより基地の少ない地域に移すことについて、10年間に亙って移転に関する複雑な協定が結ばれた。そして民主党連立政権は基地を沖縄から完全に移すことを目指している。然し米国はこの問題を論ずることには熱心ではない。
 米国の態度から見れば、国外移転はまずないようです。
 沖縄以外の県への移転は鳩山さんの考え方に従えば、移転先の県や地域の選定、そして県民や地域の人達の民意を聞いていてはまた何年かかるか判りません。
 私は一国の首相としては民意を聞くのは良いけれど、それが全ての前提条件とすれば、何事も一歩も進まないと思います。


・他の懸案となっている問題は民主党はインド洋の給油を止めると言っているいま、アフガンに対する日本の貢献の問題と、日米同盟に関して言う時、「対等」とは何を意味するのかについて答えを出すことだ。
 このアフガン問題の解決や米国との対等の外交を進めるには、ネット上に色々の意見に加えて、米国のガセネタで憲法解釈までしてイラクへの自衛隊派遣を決めた反省の上に立ち、日本独自の情報の蒐集解析システムの構築が必要だと思います。

・両国が過去50年に亙ってやってきたように、これからの50年も強く有意義なパートナーシップを築き上げられるようなやり方で、これら2人の行動力のある新しいリーダー達が両国の間のパートナーシップの再構築に焦点を当てて議論して貰うのが私の希望だ。
 
私には鳩山さんに行動力があるとは思えませんが、いずれにしても著者の言葉を借りれば、過去の50年の日米同盟の反省に立って、次の50年への失敗をしないような慎重な対応が必要だと思っています。

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たばこ代値上げ

2009-11-09 10:58:45 | 日々雑感

 今朝の朝日新聞(web版)にはたばこ増税―結果は減収でも大歓迎の社説が出ていました。
[社説の概要]
厚生労働省の要請を受けて、政府税制調査会での議論が始まった。財源ではなく、健康問題としてたばこの増税が議論されるのは初めてのことだ。
・たばこは肺がんだけでなく、心筋梗塞などさまざまな病気の原因になる。しかも、吸う本人だけでなく、周囲の人の健康を害し、とりわけ子どもへの被害は深刻だ。
国民の健康のためには、価格を上げて消費を減らすなどの対策が重要だ。
・鳩山首相は「環境や人間の体の面から、増税がありうべしかなと思う」と後押しする考えを明らかにしている。
・日本人男性の喫煙率は徐々に下がってきてはいるものの、なお約4割で国際的にも非常に高い。女性は約1割と低いが、若い女性では増えて、全体では横ばいを続けている
・その背景には、たばこ価格の安さがある。20本入りたばこ1箱は、英国で約850円、フランスで約550円と、日本の300円に比べてはるかに高い。
・世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約でも、喫煙率を下げるには、価格を上げることが不可欠とされている。
・財政当局には、増税で価格が上がり消費が減れば、現在約2兆円の税収が減るとの心配が当然あるだろう。
・厚労省によれば、たばこによる病気の治療費は毎年1兆3千億円、労働力の損失や火災による損害などを含めると、損失は5兆~7兆円に上る。人々が健康になることも考えれば、たばこ消費が減っても得られるものの方がはるかに大きい
・喫煙者の8割は禁煙を望んでおり、また1箱500円なら5割強、1千円なら約8割の人がたばこをやめるという調査結果もある。
・600円から段階的に上げる案も出ているが、本当に効果を考えるなら、1箱1千円も十分に検討に値する
・政府が日本たばこ産業(JT)の大株主であるのは、今の時代にふさわしいことだろうか。株を売却すれば、貴重な財源になるはずだ。

[私の意見]
・たばこの害
 私は長年の設備の保全に関わってきた経験から、人体の健康管理に就いて強い関心があり、テレビでの健康や病気の話はなるべく欠かさずに見ています。
  そこで良く言われるのがウォーキングの効果です。
 循環器系の病気、糖尿病、脳疾患から神経系統、はてはアルツファイマーの予防など考えられない範囲の病気の予防に役立つそうです。
 そしてそま対極にあるのが、たばこの害です。
 たばこの害について
の資料によりますと、
・がん(肺、食道、膵臓、口腔、中咽頭、下咽頭、喉頭、膀胱)
・循環器関係疾患(脳を含む)では狭心症、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化
・呼吸器系では肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、自然気胸、呼吸器感染症
・消化器系では  胃、十二指腸潰瘍
などが並んでいますが、テレビの健康番組など見ていますと、その他にも(ウォーキングの効果と同様に)妊婦への影響、神経系統など思いもよらない病気にも悪い影響を及ぼしているそうです。
 労働省はたばこによる病気の治療費は毎年1兆3千億円、と算出していますが、上記のように直接喫煙と関係ないような疾患にも喫煙が大きな悪影響を与えていることを考えると、喫煙のためにそれに数倍する治療費の増加に貢献していると思います。
 現在、医療崩壊と言われていますが、少なくも喫煙者数減少で病院関係者の労力や治療費の減少に役立つでしょう。
 たばこ代値上げに伴う葉たばこ農家への保障やたばこからの税収減など考えると、財政面では朝日新聞の言うように大きな期待しか持てないかも知れませんが、国民の健康改善の効果を考えれば、たばこ代値上げは国にとっても大きな効果をもたらすと思います。
 然し鳩山さんの友愛、民意尊重の考えからどれだけのことができるのでしょうか?

・私たちの自身のための禁煙
  これからは私たち自身のことになるのですが、喫煙の害などはとうに判っているがたばこを止められないと言われる方もおられると思います。
 然し、私の周辺でも、70歳になるかならぬうちに、家族や友人達などの説得にも関わらず喫煙を続け肺ガンで亡くなった人、家族の眼を隠れて外で喫煙をしていた心臓疾患の人が散歩中に急死、死ぬまで吸い続けると言っていましたが、肺炎に罹った時吐いた痰が真っ黒になっていたのを見て喫煙を止めた人などおります。
  喫煙をされている人達も私が書いたのと似たような現実を直視すべき だと思うのですが。
  実は私の母もヘビースモーカーでしたが、喫煙の害を言われ始めたのは、母の晩年のころでした。
  然し私を含む子どもたちは、母がお寺参りと、煙管(きせる)でたばこを吸うのを唯一の楽しみにしていることを思って、とうとう母にたばこを止めよと言えないまま肺ガンで亡くしてしまいました。
  然し時代は変わり日本全体は健康志向になり、喫煙の害が盛んに言われています。
  真面目そうな長妻さん率いる厚労省が、たばこ代値上げを言っても、事実上小沢さん率いる選挙最優先の民主党が、たばこ代値上げを撤回か微増に留めるかも知れません。
 そうかと言ってまだたばこが吸えると思わずに、自分の健康のこと家族へ心配をかけないためにも、今の値上げの話しが出ている機会に、もう一度自分のこととして考え直す良い機会だと思うのですが。

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