一昨日の読売新聞の「迫る参院選」シリーズで表記のような内容が出ていました。 (何時ものように括弧内は私の意見と注記です。)
・福島第一の事故に就いて菅首相が「一義的には東電の責任」の発言に電力総連からの反発。 (私は菅さんには批判的ですが何時も書いているように第一の事故の責任は東電にあると言う意見には賛成です。但し私はその責任は東電の経営者にあり現場にはないと書きましたが、そこまで言えば、電力総連の反発もないどころか、支持を得ると思うのですが。)
・電力総連が擁立した小林議員:危機に或る電力会社の場合、企業を守ることが雇用を守る、組合員には企業を守る自民党の方が理解があると言うことになる。
・関西電力、四国電力労組出身の市議と県議:民主党のエネルギー政策反対で党離党
・(元同盟の)鉄鋼、造船の基幹労連の組合員調査で民主党支持は09年の37.5%から24.4%に減った。
・連合は社会党を支持する官公労中心の総評と、民社党を支持する民間労組の同盟が合流(現実は下記のように同盟が総評の加入を許した形で)で発足。後者の労組は保守色比較的強く、海江田執行部の保守色の薄くなることに違和感を持つ。
・連合は参院選で厳しい選挙が予想され、民間労組から組織内候補が落選すれば民主党支持の意味がなくなるとの声。
・自民党は連合との距離を縮めようとしている。 (別欄の記事で「年4回自民・連合の定期協議に合意」の報道)
・自民党幹部:連合の民主党への一党支持が崩れれば、労組は比例選で組織内候補に投票しても、選挙区では民主党候補に入れないだろうとの発言。
私は今まで民主党は労働組合を支持母体にするのは良いが、労使対決型の組合でなくて労使は協調型の組合を中心にし、日教組、自治労、官公労などは切らねば民主党の将来はないと書いてきました。
今回の読売の分析は私の予測の方向通りに進んでいることを示しているようです。
ここで改めて連合の成立までの歴史をWikipediaから拾って見たいと思います。
・総評
1953年(昭和28年)には一部組合の脱退を機に階級闘争を基本的理念とし、資本主義体制の変革を目標とする路線を明確にした。日本社会党支持を運動方針に明記し、反戦平和の運動を進めた。
1983年(昭和58年)には49単産、451万人、全組織労働者の36%が総評傘下にあり、その約7割は官公労働者だった。毎年、中立労連とともに春闘共闘会議を組織し、春闘を賃金決定機構として定着させた。 (Wikipediaの記述にはありませんが、対決型の組合を持つ企業の衰退から民間労組が相次ぎ脱退、JRや郵政などの民営化により同参加の組合の親方日の丸からの意識の変遷で、総評の考え方を引き継ぐのは自治労、日教組、官公労になりました。)
(連合に参加後も)社民党とも協力関係を保ち、社民党への支持・協力を続ける加盟団体、全日本自治団体労働組合、日本教職員組合といった主に旧総評系の一部地方組織もある。
・同盟
政策:労使協調、全国民の中産階級化、左右の全体主義に反対
従来の労使の対立路線ではなく、労働者と使用者が協調して企業を繁栄させれば、パイが増え、労働者の取り分も増えるものと考えてのことだった。使用者も、労働運動に譲歩しなければ自分の首を絞めることに気付いており、利潤の公平分配に努めた。結果として厚みのある新中間層が成立し、一億総中流と呼ばれる現象が出現した。自衛隊や原発を容認する姿勢を取り、これらとの関係が深い、金属・自動車・電力・繊維などの産業の労働組合が中心となっていた。
右翼全体主義よりも、左翼全体主義との対決姿勢を強め、国内にあっては共産党打倒のために自由民主党と共闘し、総評がソ連主導の世界労連への加盟に躊躇する中、同盟は迷わず資本主義国家群の組合で構成される国際自由労連に加盟した。 (同盟の路線は旧民社党の路線と殆ど同じです。)
連合への合流は同盟の路線に沿ったもので、同盟系が連合の主流派となった。
[私の意見]
・「階級闘争を基本的理念とし、資本主義体制の変革を目指す」旧総評系の日教組、自治労、官公労と「労使協調、全国民の中産階級化、左右の全体主義に反対」の旧同盟系の民間労組が少なくとも政権与党の支持母体としてどちらが相応しいか誰が見ても分かりきったことです。
・公務員制度改革を唱える維新の会、みんなの党は自治労、官公労、日教組を支持母体とする民主党は同改革はできる訳はないと言っています。
実際に政治主導の行政改革の大きな国民の期待を担って発足した民主党は外野から見てほぼ全敗。
官公労については形ばかりの2年限定の給与カットで止まり、自治労は手つかずです。 ました。
私は前記のように民主党は労働組合を支持母体にするのは良いが、労使対決型の組合でなくて労使は協調型の組合を中心にし、日教組、自治労、官公労などは切らねば民主党の将来はないと書いてきました。
日教組、自治労、官公労などは社会党も支持しているそうです。
社会党と言えば土井さんが200議席を獲得して「山は動いた」と言ったのは1989年から20年と少しの今、その後継の社民党は絶滅危惧種の道を歩いています。
民主党は日教組、自治労、官公労などを切らねば社民党と同じ道を辿ることになるかも知れません。
今の連合は約675万人、先の3労組は約121万人、読売が上げた主要民間労組だけでも392万人。
民主党は考え方の全く違う民間労組と政府・自治体系の3労組すべての気に入るような政策を取るのか、後者を切って民間労組に頼るのか、良く考える時期に来ていると思います。
民主党は政府・自治体系の3労組に親方日の丸的な考え方を捨てるなど民間労組の考え方を持つように説得するか、大きな犠牲を払っても政府・自治体系の3労組と出身議員を切るしか生き残る道はないと思うのですが。
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