普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

米の作りすぎはもったいない?

2008-02-29 12:19:51 | 地方分権と再生

[「米の作りすぎはもったいない」と言うポスター]
 26日かの某テレビで「米の作りすぎはもったいない」と言うポスターが東北農政局から発行されこれを見た農家が激怒していると報道された。

 私はこれを見て一瞬、今まで農水省が減反政策を進めて来たのに、今頃何故このようなポスターを出したのか驚いた。
 この件で各新聞の報道を Web上で調べて見ると全国紙では毎日新聞
だけがこれを報道していたのを発見した。

 その内容は概略次の通りだ。
・東北農政局が作った「米の作りすぎは、もったいない!」「米の過剰作付けは、資源のムダづかい」というポスターに対し、地元の農家が「一生懸命米作りをしている農家の誇りを逆なでしている」と激しく反発。東北農業農民団体連絡協議会が25日、同局に文書で抗議するとともにポスターの回収を求めた。
・ポスターの主旨は
麦・大豆等へ転作し、自給率を向上」「限られた水田を有効利用することが、国民共通の利益」
と言うものだ。
・抗議文は「過剰なのは輸入米で、外米に血税をつぎ込むことこそムダづかい」と指摘。連絡協議会会長は「高齢化が進む農村では、米作りを続けることが心の支え。カラー印刷で3万枚作製する金があれば、もっと他の施策に使うべきだ」と話した。
・ 同局は「米価下落で生産調整が緊急の課題。決意の表れとしてインパクトのある言葉を選んだ。誇りを傷つける意図はない」とし、ポスター撤去の予定はない。

 これを見て始めて東北農政局の主旨が判った。
 まさに私が何度か、
     小麦値上げをビジネス・チャンスに 

     毒入りぎょうざと農業の活性化 
     あきらめるな農村問題 
などのブログに書いたのと同じ主旨だ。

 然しこのポスター問題の報道は農業政策の難しさを改めて教えてくれた。
「過剰なのは輸入米で、外米に血税をつぎ込むことこそムダづかい」とは米作り農家の保護のために取った対策で、明らかにに見当違いの発言だが、何故農家の人達がこう言った考え方を持つようになったのに農村問題の根深さが判るようだ。

 農水省が取っている具体的な農家の支援作は紙面がないので橋本尚幸さんの
眠る輸入米の行方……農水省がやっているこの税金の無駄使い
をご参照下さい。

[農家のプライド]
 Wikipedia の先進国の農業政策 
によると、
・農業は大きく土地や気候条件に制約されており、工業と比較すると技術革新・生産性向上の速度が遅い傾向にある。そのために、工業等に従事する労働者と農村部の労働者の間で次第に経済格差が発生して行き、農村部の相対的貧困が問題となりやすい。
・以上のような理由により、工業部門などからの抵抗も少なく、環境への配慮もあって、工業部門よりも農業部門・農家の保護が指向されることとなる。
・このような国家では、農産物の買い上げや輸入の制限、生産量の調整(減反政策など)を行うことで食糧価格を高く維持する政策や、農地の固定資産税などの税負担を低減したり非農業部門で得た税収を補助金などとして農業部門に投入する政策がとられることとなる。
・中でも関税や輸入数量の制限による国内農産物価格の高値維持は、国際価格よりも高価な食品を買わざるを得ないという形の保護であり消費者を犠牲にして農家の保護を図るものであると言えるが、財政支出による補助金の交付などよりもその負担が国民などから見え難いため取り入れられやすく、ほとんどの先進国ではこのような措置がとられている。

・政府から安くて味もそう変わらない外国米を制限して貰い、高い米を食べさせて消費者に犠牲を強いさせて貰っている農家。
・後継者から見放され高齢化が進む農家。
 今回の批判は東北地方という特別な環境にあったのかも知れないが、誇りを持つ日本の農家の人達は政府批判ばかりでなく、もう少し前向きに自らどうすれば良いか考えるべきだと思う。

[農村のこれから]
 この問題に対して、次に書く様に日本農業にも少しづつではあるが動きだしたようだ。
 一昨日のテレビ東京の「ワールド・ビジネス・サテライト」では小麦耕作の問題を取り上げていた。
・小麦の自給率が過去のほんの数%から現在13%になり更に上昇傾向にあること。
・その小麦の主な使用先はビールの原料であること。
・その使用量の増加の原因は、ビールに適した小麦の開発ビール会社と農村の緊密な連携と日本人の安全指向によるものであること。
・気候の変動に強い小麦の品種が開発されオーストラリアに技術を輸出され安定供給して貰えるようになった。
・現在消費者の国産物指向に応えてパンに適した小麦の新品種が開発されていること。
などが報道された。

 更に昨日のNHKの「クローズアップ現代」では、
 日本に押し寄せる新興国の富裕層。地域や企業ではビジネスモデルを見直し、彼らを取り込む動きが加速している。新興国の富裕層は日本をどう変えるのか、現場からルポする。として、
・アジアの新興国で増加している富裕層の人達の間で、日本の高くても安全で、信頼性の高い製品の評判が上がっていこと。
 その例として佐賀牛の値段が上がっている事、築地でのマグロなどの高級魚などの買いつけなどについての様子を示していた。
・これについて、日本政策投資銀行地域振興部参事役の藻谷浩介さんは、日本人の安全志向、繊細な味覚が日本の食料品のブランド化を裏打ちしており、そのブランド化にり高い食品でも買っているのだと言っていた。
 詰まり、日本人の安全志向、繊細な味覚など外国の人にとって真似の出来ない武器だというのだ。

 これらの事から考えられるのは何度も書く事だが、
農業関係者へ
・農家は政府ばかり見ずに消費者の方を見る事、
・ニーズに併せて生産すること、
 日本人の食生活が変わっているのに米ばかりのは明らかに経済の原則に反している。
・逆に米を食べて貰うために、政府に頼らず農家、農協が直接に消費者に訴える事、
 先に書いた佐賀牛の産地では買いつけにきたバイヤーに色々の牛料理を食べさせて、彼らの購買意欲を高めさせていた。
・農業関係者は外国へもっと輸出攻勢をかけること、
・農業の生産性を上げる事、
  そのためには農村に異業種と強力や導入、その人達のアイディアを導入すること。、・その一方で従来からの成功モデルの「一村一品」運動や棚田利用の村おこし、道の駅などでの農産物の直売など平行して進める事、
など既に先進的な農家では既にやっている、あらゆる前向きな可能な手段を取るとことだ。
政府へ
・小麦や大豆への転換に付いて何らかの形で補助金を出すこと。
・ポスターなどよりこれが何故大切かなど農業従事者の良く説明すること。
・このような新しい動きについて行けない高齢者や僻地への配慮を十分に行う事。

参照:カテゴリー → 地方分権と再生

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あたご艦長と犠牲者の家族と政治家

2008-02-28 18:21:26 | 政策、社会情勢

 昨日のテレビでイージス艦「あたご」の舩渡(ふなと)艦長が、犠牲者の家族と、漁業組合々訪れ謝罪したシーンが放映された。
 読売新聞はその件について、そのタイトルの核心語らぬ9日目の謝罪…不明親子宅に艦長訪問
にあるように艦長に批判的な報道をしている。
 私はその中で艦長、家族の対応の所だけ拾ってみた。

[艦長と犠牲者の家族と漁業関係者]

・艦長は事故から9日目の27日午後、事故で行方不明になっている吉清(きちせい)治夫さん親子の自宅を訪れ、涙ながらに謝罪した
 彼は玄関前で脱帽し、一礼して中に入ると、家族に何度も頭を下げた。
・家族が「漁師が安全に働けるような海をつくって下さい」と求めると、「約束します」と目に涙を浮かべて答えたという。
・兄の高志さんは「(謝罪が)遅いとは思わない。十分な謝罪に家族の気持ちも整理がついた」と静かに語った。
・艦長はそれ以後の記者会見でこの事件については全て艦長として自分に責任がある戸応えた。

以下は朝日、毎日、産経新聞による。
・その後艦長は新勝浦市漁協川津支所を訪問して同様に謝罪した。
・外記栄太郎組合長は「日本の指折りの船と千分の1しかない小型の船がなぜ衝突したのか原因を明らかにすること、遺体が発見されるまで自衛隊の捜索を継続して欲しいと要求に対し艦長が約束した。
・そのご組合長は報道陣に「十分な誠意をみせてもらった。気持ちの整理もついた」と話した。

 これだけの報道を見ると艦長の当然とは言え、全ての責任を認めた潔さ、真心から家族や関係者に謝罪した艦長の態度は理解できる。
 またいいたい事も一杯あったろうに、艦長の謝罪を受け入れた犠牲者の家族や組合長の発言は立派だったとしかいいようがない。

[政治家の動き}
 一方国会では 与党のガソリンの暫定税率を維持する租税特別措置法改正案などの税制関連法案と合わせて、月内の衆院通過を目指し、野党側はイージス艦衝突事故に関する集中審議などまだ尽くされてないと、与党側にに反発している。

 政治の素人の私から見れば、予算案の審議とイージス艦衝突事故の審議は全く関連がない筈だが、予算委員会の審議状況だけテレビ放映されるからだろう。
 詰まり野党はテレビの前で政府側の問題点を炙り出し、次の選挙のために政府、与党の失点を強調したいのに違いない。
 彼らは二人の尊い命を犠牲にしたイージス艦衝突事故問題を完全に政局を野党側に有利に働くように利用されているのだ。

 もしこの問題をテレビを通じてどうしても国民にアピールしたいのなら、与党が衆参両院で多数を占めている昔と違って、野党が多数を占めている参院の予算委員会で、それこそ野党の思う存分に審議すれば済むのに何故衆院のイージス艦衝突事故審議に拘るのか。
 勿論野党は与党の予算関連法案の強行採決を阻止したにだけだ。

 なお民主党の鳩山さんは、「もし与党が強行突破するなら、われわれは日銀総裁人事を素直に聞く気になれない。総裁人事だけは別問題といわれても別の判断をする気になれない」と述べ、国会同意人事の手続きには応じられないとの考えを強調した。
 つまり野党は日銀の総裁人事もイージス艦衝突事故問題を人質にして、国会運営を有利に動かしたいのだ。

参照:民主・鳩山幹事長「予算採決強行すれば日銀総裁人事に影響」
産経新聞

 前述のあたご艦長の謝罪、犠牲者の家族、漁業関係者の立派な対応に比して、国会のイージス艦衝突事故問題への対応は余りにも違い過ぎている。

 私が首を捻るイージス艦事故の報道姿勢
に書いた
・今回の事故はイージス艦に主たる責任があるとの批判
・乗組員の行動、上部への報告の遅れ、防衛省体制の不備などについての批判
などを野党が攻撃するのは当然だと思うし、これが政治だと言えばそれまでだが、イージス艦事故が政治のおもちゃにされている報道を見た犠牲者の家族や漁業関係者は一体どう思っているのだろうか。

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韓国との付き合い方

2008-02-27 12:25:34 | 国際社会

 韓国では第17代大統領として李明博(イミョンバク)さんが就任した。
 そして彼の就任式後の李さんと日本の福田さん、民主党の菅さん、元首相の中曽根さんとの会談の報道がされた。

[日韓会談]
福田さんとの会談の内容
・首脳同士が相互訪問を重ねる「シャトル外交」の再開、4月中旬に大統領の来日
・未来志向の「日韓新時代」を構築
・北朝鮮の核開発問題については、日本、米国、韓国の3か国が連携の強化
・7月の北海道洞爺湖サミットの拡大対話に大統領を正式に招待
・EPA交渉の再開、エネルギー問題・中小企業政策などの協力など経済関係の強化

菅さんとの会談の内容 
 菅さんが永住外国人への地方選挙権付与について、党内調整を急ぐ考えを表明

中曽根さんとの会談の内容: 
・中曽根さんが日中韓3か国の友好・協力関係拡大のため3か国首脳会談開催を勧めたのに対し、李大統領は積極的な姿勢を示す
・中曽根さんが日韓両国の次世代政治リーダー間で交流を活発化のため相互訪問の機会を増やすよう協力を要請

 以上並べて見ると、福田さんの会談内容は首脳会談としてはまあまあ、中曽根さんの言う事もよく分かるが、菅さんの会談内容はお粗末に尽きると思う。
 小沢さんに続いて何故菅さんまでが韓国大統領に問題含みの外国人への地方選挙権付与について約束まがいのことをしたのか首を捻るばかりだ。
 まるで余所の親に自分の家のことを言いつけにいった子供のようだ。

[日韓関係のこれから]
 自らの理念とそのアヤフヤな立場から国民の眼を逸らすために、対日関係を悪化させた盧武鉉さんの後、実利外交を唱える李大統領の誕生は、日韓が両国関係の停滞を脱し、関係強化を再構築をするには絶好の機会だ。
 李大統領はまた焦点の対北朝鮮政策について北朝鮮の核廃棄、韓国の拉致家族問題でも北朝鮮の対応次第では強い姿勢をとると言っている。
 これも日本の対北朝鮮政策と良く似ている。

 然し良い事ばかりではない。
 厄介な竹島問題が横たわっている。
 今までの反日政策は当面は引っ込めるだろうが、反日教育はどうするのか判らない。
 過去の反日政策や反日教育が残した残差が直ぐに消えるとは思えない。

 それと李大統領の「実利主義」だ。
 前大統領の盧武鉉さんの政策は日本にとっては困ったものだったが、その政策は彼の理念に基づいたものだけに、判りやすく予測しやすかった。
 李さんはその信じる実利主義で、経済問題に限らずあらゆる方面で、状況に応じて韓国の為にベストの利益を図るためには、どのような政策変更も厭わないだろう。
 彼はその変化する政策が日本にとってどうあろうと先ず韓国の利益を優先するだろう。
 これは一国の大統領としては当然のことだ。

 日本は他国の信義に反したことを非難しても始まらない、日本もこれに対応して実利主義で対応して行くしかない。
 もう一つ日本が抱えている問題は、戦後以来一貫して、「相手国がどのように出てこうと、どこまでも仲良くして行こう、そうしないのは皆日本政府が悪い」と言う、盧武鉉さん顔負けの凝り固まった平和主義者やそれを信じる政党がいることだ。

 幸い報道によれば、韓国の反日教育にもかかわらず、日本で発行された本やマンガ雑誌が店頭に賑わしているそうだし、フィギュアスケートの四大陸選手権での浅田真央さんや安藤美姫さんたちの日本選手の演技に対して韓国選手に劣らない拍手をしてくれた観衆をテレビもみたよう、に若者達の意識も少しづつ変わってきているようだ。
参照:韓国観衆にも金メダル
 

 然しその若者達もその激しやすい性格から例えば竹島問題のデモには日の丸を焼く若者に変わる可能性もある。
 李明博大統領の方針が変わらないのか、変わるとすればどのように変わるか誰も判らない。

 私たちは平和主義者の言う様に、何がなんでも仲良くではなく、韓国に対して菅さんのようにおもねることなく?、協調しながらも、時に応じて、是々非々の立場で言うべき事は言いながら、日本に一番近い大切な隣邦として付き合って行くべきだと思う。

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首を捻るイージス艦事故の報道姿勢

2008-02-26 16:01:30 | 情報、マスコミ

 今までのイージス艦「あたご」の事故について報道が新聞やテレビを賑わせている。
 然しその報道姿勢、特にテレビの報道の仕方には首を捻ることが多い。
 それで彼等の報道姿勢について、おおよそ理解出来ることと、首を捻ることについて纏めてみた。

[ほぼ理解出来る報道と批判]
・今回の事故はイージス艦に主たる責任があるとの批判
・乗組員の行動、上部への報告の遅れ、防衛省体制の不備などについての批判
・漁船団はそれぞれ退避行動を取った中で清徳丸だけは被害にあった。
 この種の交通事故は加害者、被害者それぞに問題があって発生するのだが清徳丸の詳細の行動についての詳細な報道も批判もない
 これに日本人の「死者に鞭打つ」のを避ける日本人的な心情からこれがないのは致し方ないのかと思う。

[首を捻る報道と批判]
・破断した船体の残骸を横須賀の自衛隊基地に運んだことに対して、船体を偽装するのではないかと言う批判
 これは今までのところ直ぐ沙汰止みになったところを見ると単なるマスコミの猜疑心の現れだったのか。
・自衛隊側からの初期情報の混乱について情報操作の批判
 あのような大事故の後で、断片的に入ってくる初期情報に食い違いがあるのは当然だ。
 それより緊急の場合に、もし首尾一貫した情報が提供されれば、それこそ情報操作があったのではないかと疑うべきだ。
・事故から数日後からの情報の遅れや関係者口止めの噂について、自衛隊が情報隠しをしてると言う批判
 海上保安庁が艦内に立ち入り艦外との接触を禁止した状況で、いくら自衛隊の幹部でも、情報に入手のしようがない。
 これが逆に幹部が色々な情報を流しているとすれば、自衛隊と海上保安庁の癒着→情報操作を疑ってかかるべきだ。
・乏しい情報をベースにしてのテレビのパネラーの推理ごっこを含む余りにも一方的で繰り返し、繰り返しの政府、自衛隊の追求、批判

 これは新聞と違って、テレビは一瞬の情報伝達手段しかないので、「繰り返し繰り返し放送」するしかない事情もあるが、余りにも一方的な政府、自衛隊批判は反動として被害者側にも責任や問題行動がなかったかの批判になる。

 それが各種の掲示板上やブログ上、24日の「たかじんのそこまで言って委員会」のパネラー達の犠牲になった清徳丸への批判だ。

 つまり(私も理解出来る)マスコミが犠牲者の家族の心情を思いやって避けてきた批判を、余りにも盛んな加害者への一方的な批判が思いもよらない、被害者の批判を産んできたのだ。

 私は、このような衝撃的かつ重大な事故の報道に付いての放送は、被害者の家族の気持ちも考えて報道の仕方は慎重にすべきだと思う。
 批判も良いがはっきりした正確な事実に基づいて批判すべきだ。
 今回のケースで言えば、自衛隊幹部への報告の遅れ、その原因となる防衛省の体制の不備はいくら批判しても良いが、イージス艦内の隊員の言動についての批判は、海上保安庁の調査結果で出てからでも遅くないし、その報告に基づいた批判は大いにすべきだと思う。

[イラクでの三人の拉致事件]
 テレピの「繰り返し繰り返し放送」と書いた所で、私のこれと似たような事例を書いた、中東の紛争や戦争から学んだもの(5)[自己責任-メディアの対応
を思い出した。
 例のイラクで拉致され高遠さんら三名の家族の会見から「自己責任」問題に発展したことだ。
 多くの国民は拉致された家族の人達が記者会見で、三人がイラク入国禁止の勧告を無視して入国をした「責任」を棚に上げて、"繰り返し繰り返し"、彼らの生命を救うために自衛隊の引き上げをしてくれなど、好き勝手な事を言っているのに皆腹をたてていた。
 いやもっと正確に言えば、NHKを初めとするテレビが、同じ記者会見の場面を"繰り返し繰り返し"放送し、その結果国民は彼らの言い分を"繰り返し繰り返し"聞かされるうちに腹が立って来たのだ。
 多分、政府や与党の人達が「自己責任」問題を取り上げて、一番批判したかったのは、私たち一般国民と同様に高遠さんでなくて
・戦争が終わっても充分且つ安全に出来る筈の劣化ウラン弾の調査に行った少年
・救出は国の責任だと言って、その費用を出すのを拒否し続けたフリーの記者
・それと好き勝手を言う彼らの家族
のことだったと思う。

 「自己責任」発言について、政府や与党攻撃の使命感に燃えているマスコミが飛びついて以後、「自己責任」の言葉が独り歩きし始めた。

 彼らは純粋なボランティア精神で現地に行った高遠さん、そしてその業績の評価を受けても良い高遠さんの例を取り上げて(他の二人のことやその家族のことは言わずに)、彼女の純粋な気持ちや実績も考慮すべきだと政府や与党の人達の「自己責任」発言を攻撃した。

 私は、高遠さんを除く二人とその家族達が、マスコミの注目を浴びている中で、(多分国に対する、また二人を誘った自分の責任を感じて)長い間家に閉じこもっていた高遠さん、やっと立ち直ってイラクの隣国に入り、イラクに入ろうとしている日本人を、入らない様に説得するボランティア活動を始めた高遠さんが一番可哀相だと思った。
 つまりテレピが"繰り返し繰り返し"政府を攻撃するすることで高遠さんたち三人を擁護しているように見えて、それで舞い上がった脇役の二人はともかく、一番の主役の高藤さんの気持ちを傷つけていたのだと思う。

 イラクの拉致事件やイージス艦事故など事が衝撃的そして、重大な問題を含んでいる問題ほど、関係者に思わぬ方向に向わせる結果(このケースでは死者に鞭打つ)とならぬよう、マスコミ、特にテレビは意識してバランスの取れた、そして慎重な報道をして貰いたいものだ。

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頼りない自民党と民主党

2008-02-25 10:13:12 | 民主党

 最近の報道では民主党の攻撃で厚生省、国土交通省、防衛省の問題点が続出する一方自民党内のきしみが明らかにされてきた。
 然し次期政権を狙う民主党自身も必ずしも一枚岩ではないし、首を捻るような言動も良く耳にする。
 それで最近の報道と私のエントリーの中から政府、自民党と民主党の抱えている問題点を並べて見た。

[政府、自民党の問題点]
・問題続出の各省

  厚生省:社保庁の怠業、年金問題などなど
  国土交通省:道路特定財源の無駄遣い、建設道路の選定の不透明さなどなど
  防衛省:守屋さんの汚職、イージス艦問題から発生した、省内の管理体制の不備などなど
・自民党
  道路族の復活と増してきた勢い
 
 
公務員制度改革で自民党内対立  
   党の国及び自党に対する危機意識の低下
・福田さん
 内閣支持率の低下→支持しない 50.8 (前月より9.2増)
 勢いを増してきた党内道路族や問題続出の国交省に引きずられている冬柴大臣などのコントロール出来ない
参照:もし民主党が政権を取ったら
中の [世論調査が示すもの]
 公務員制度改革に消極的と見られている姿勢

[民主党の問題点]
・暫定予算反対の対案を出さない
 海上給油反対の対案を出さないのと同じ手法
 昨日のテレビで前原さんは民主党が対案をださないなら党幹部は失格だと言ったが、海上給油と同じに出さないままとなるのだろう。
石破防衛大臣の問責決議をちらつかせる
 海上給油問題で福田さん問責決議のときと同じ手法で世論の動きを横目で見ながらどうするか決めるのだろう。
・小沢さんの韓国次期大統領に問題の多い外国人参政権を約束すると思える発言
 昔の社会党が外国で日本政府を非難したのと似た手法
参照:民主党と外国人参政権 

 このように並べて見ると政府、自民党も困ったものだが、次期政権を狙う民主党も政府攻撃のときは勢いが良いが、東国原さんが菅さんに面と向かって「民主党は信頼出来ない」と言ったように、自党のことになると及び腰で何だか頼り無いような気がする。

 読売新聞の16~17日の世論調査は、
・今の日本の政党や政治家をあまりまたは全く信頼していない人が68%
・国民が選挙で投じた一票が現実の政治に反映していないと考えてる人が67%
・時々、与党から野党へ政権が交代する方がよいと思う人は63%
・近い将来、与党から野党への政権交代が起きると思う人は41%で、そうは思わないと思う人はの50%
 政権交代をする方がよいと答えた人でも、近い将来の与野党政権交代を予想する人は54%にとどまり、40%は実現に悲観的だった。
と報じている。

 私も今の政党や一部の人を除いた政治家も余り信頼していないし、国民の投票が政治に反映していないと思うし、政権交代はあった方が良いと思うが、今後政権交代がおこるかどうかはよく分からないと世論調査の傾向と同じ考え方だ。
 私事ですが、その点から考えても、私が今まで書いてきた意見が平凡で当たり前なことは、勿論ですが、少なくとも足に地が着いた意見だと判り安心しています。何故なら普通のおっさんの言う事を皆さんに聞いて貰いたいというのが私がブログを始めた動機だからです。
 話が横道に逸れて御免なさい。

 私は、このアンケートにあるように、民主党の人達がは幹部の人達の言う言う前回の参院選大勝が必ずしも、「党が国民の代表であること」、そして「全面的に信頼されていること」を意味しないことを知るべきだ。
 そして、次期政権を担当するに足りる党として国民の信頼を如何にして勝ち取るが考えるべきだ。

 民主党の立場に立って言えば、今や政府も、自民党内もがたがたの状態だ。
 だから民主党が少しでも信頼できると判れば支持率は一気にアップする筈だ。
 そのために私が並べたような如何にも党利党略が丸見えと思われるような手法はすっぱり縁を切って正々堂々の論陣を張って、国会の審議や運営に当たって貰いたいものだ。
 何故ならそれが政権奪回への回り道のように見えるが、確実な道のような気がするからだ。

 党利党略で政権を取っても、党利党略で奪回されるのが落ちだ。
 真面目に論議し、真面目で実効性のある政策の立案、提案が出来て始めて、一日天下の民主党政権に終わるのを防ぎ、私の期待する持続的な政権交代が始めて出来ると思う。
 いくら小沢さんや鳩山さんが今のようなやり方をしていて、「民主党が政権を取ったら真面目にやります」と言っても誰も信用しないだろう。
 民主党は今回の世論調査の意味を良く考えて貰いたいものだ。

参照:カテゴリー → 民主党

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民主党と外国人参政権

2008-02-24 16:48:22 | 民主党

 今朝例の様に、原稿を書いたのは良いのですが、朝食後立ち上げて見るとそれが消えてしまっていました。実は書いたあと時間が余ったので今まで溜まった原稿を削除したつもりが今朝の原稿まで消してしまったていたのです。おまけご丁寧にごみ箱まで空にしていました。お蔭で泣きの涙で全てゼロから書き直し。年寄りの仕事はいつもこんな調子で能率がた落ちです。

 外国人に対する地方参政権についてブログ上で議論が交わされている。
 これが今問題になっているのは、95年の最高裁判決が、傍論部分で、永住外国人への地方参政権付与は憲法上、禁止されておらず、国の立法政策にかかわる問題としているからで、これが解釈の次第で賛否両論に別れている原因となっている。

[地方参政権付与のメリット]
 私は条文の最高裁の傍論の「国の立法政策にかかわる問題」とあるので日本や政党にとっての参政権付与についてそのメリットとデメリットの点から考えて見た。
 その前提として、民主党は北朝鮮の人達は考えて居ない様なのと、北朝鮮の人達が反対しているらしいので、在日の韓国の人達だけを対象で考えることとした。

参政権付与のメリット
日本
・韓国との関係が良くなる。
・日本が人道を重んじる国としての評判が上がる。
公明党:
・支持母体の創価学会の朝鮮半島での布教活動が有利になる
・在日韓国人の支持を受ける。
民主党:
・法案提出により自民党と公明党の中がぎくしゃくしてくる。
・在日韓国人の支持を受ける。

デメリット
日本
・多年の懸案の教育改革米国や自衛隊基地問題原子力発電所の設置など、地方の行政機関の協力を必要とする、日本の根幹に関わりまた非常な微妙な問題に、一部の韓国人の例えば反日感情など価値観の違う人達の影響力が大きくなる。
 然も日本は地方分権の方に大きく梶を切っているところだ。
・日本の有事の際に、国と地方の協力が必要になるとき、韓国の人達が日本人と同じ考えで動いてくれるかどうが判らない。
自民党:民主党の法案提出により自民党と公明党の中がぎくしゃくしてくる。

[外国人参政権付与の問題点]
・前述のようにこの議論の基礎となる憲法解釈があやふやだ。
 2月23日の読売新聞の社説
では、
 1995年の最高裁判決は、憲法15条の公務員を選定・罷免する権利は、日本国籍を持つ「日本国民」にある、と明示した。地方自治体の首長や議員を選ぶ「住民」も「日本国民」としている。
 憲法は、地方も含め、外国人の参政権を明確に否定している。地方自治も憲法に基づく秩序の一環だ。憲法に反することは許されない。
 地方参政権付与論が蒸し返されるのは、95年の最高裁判決が、傍論部分で、永住外国人への地方参政権付与は憲法上、禁止されておらず、国の立法政策にかかわる問題としているからだ。
 だが、傍論は明らかに本論と矛盾し、法的拘束力もない。傍論を根拠にした地方参政権付与の主張は、無理がある。

と憲法違反の立場を取っている。

・前に書いたように、民主党は国交のない北朝鮮の人達は対象にしていないようだし、朝鮮総連が反対していても、北朝鮮の人達の一部が参政権を得たいと言ってきたときに、同じ在日の人達に公平に同扱うか問題になる。

・日本、韓国の相互主義の立場から言えば韓国在住の日本人で参政権を持つのは約百人に対して在日韓国人の対象者は約40万にも達することを考えると、韓国の場合は日本人の意見は全く無視できるのに対して日本では韓国人の意見は無視できない。
 これで実質的に相互主義で両国がフェアな利益を得られるとは思えない。

・在日の韓国や北朝鮮の人達に対しては植民地時代からの歴史を考慮して参政権の問題を考えるべきだと言う意見がある一方、それに対して勝谷誠彦さんなど下記のような在日の人達への特権で既にら報いているのに、さらに参政権を与えるなら、彼らへの特権を無くすべきだと唱えている人もいる。

在日の人達への特権
 職業の選択や財産の形成に関しての制約や日本国籍取得へのきわめてゆるやかな制約、 入国時の指紋押捺、顔写真提出の免除、両国間の自由通行権、教育面での優遇、施設への減免税特権 (Wikipediaより) 

 
このような事の全てまたは一部は散々論議されて来た事だろう。
[首を捻る小沢さんの行動]
 私がここで改めて取り上げたいのは、民主党の小沢さんが外国人参政権付与について
・これだけの多くの問題点があること、
・日本にとっての小さいメリットに対して大きなデメリットが予想されること、
・然も党内にも多数の慎重派がいながら、
何故わざわざ韓国迄行って、李明博次期大統領と会談し、法案の早期の国会提出、成立の約束と取られる発言をしたかだ。
 これは彼が海上給油反対を米国大使に宣言したのと同じ路線だ。
 私はこの根底には小沢さんの頭の中には、日本のためより民主党の政権奪還しかないように見えて仕方がない。
 次期政権を狙う党の党首としてもって慎重な配慮が必要だと思う。

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教育改革はまず大学入試から

2008-02-23 07:25:35 | 教育

 先週のNHKの視点・論点 「何が教育を誤らせているのか」で文化女子大学教授の野原 明さんが、今行われている小中高校の学習指導要領の改定に関連して、日本の教育を誤られているのは大学の入試方法の問題だと指摘していた。

 その要旨は、
・今回の改訂では「ゆとり教育」の基になった「生きる力」をはぐくむ教育の基本理念は変えず、基礎的・基本的な知識・技能の定着を図るため、授業時間数を増やす、という方針だ。
・小・中・高等学校の教育現場でもそのことに関心が高まって来ているが、これからの教育が「自ら学び、自ら考える」子どもをはぐくみ、自ら課題を解決する子どもを育てる方向に変わっていくとは思えない。
・なぜならば、大学の入学試験が依然として知識の量や、計算能力を計る方式から変わろうとしていないからである。
・知識偏重の入試制度を改めるための方法として大学の入試にAO方式
が取り入れられるようになった。
・然し、AO方式では、受験生に専門分野のプレゼンテーションをさせたり、面接に時間を掛けたりしている反面、高校での学業成績はほとんど選考の資料にされていないのが実情だ。
・そのために入学させたあと、学生の学力不足を補うために、高校教育の補習授業をしている大学が凡そ60%にも上っている。
・また、推薦入学で学生を入学させる大学が急速に増えており、これによっても学力不足の学生が多数入学し、補習授業が必要になるという状況だ。
入学試験の安易な多様化は、中高校生の学ぼうとする意欲を低下させ、自ら学び自ら考える力を失わせている。
・本来、入試と言うのは、それぞれの大学が、自らの教育方針に合う学生を選ぶためのものであり、大学はどんな学生に来てもらいたいのかのメッセージを発信する絶好のチャンスでもある。
・然し事実は入試から教育の理念が抜け落ちて、大学経営のための手段になってしまったり、受験生集めの手段になってしまっているのではないか。
大学入試の現状は教育そのものを誤った方向に向かわせているのではないか。これではいくら教育再生を叫んでみても、こうした状況が続くかぎり「日本の教育に明日はない」と云うほかない。

[現在の教育制度の問題点]
 私は現役時代に約4年にわたり海外での設備保全技術協力のため3カ国に派遣され、退職後はボランティアで約20年近くにわたり、海外の技術研修員の世話を直接、間接に当たった。
 その経験から、開発途上国の若い技術者に欠けているものは、技術は勿論だが、問題意識の薄さ、設備のトラブルを基本的に解決しようとする意識や経験の不足、その根底にある解決に伴う自己責任の回避であることを痛感してきた。

 これは全く実際の社会経験のない日本の児童、生徒や学生にもそのまま当て嵌まるものだ。
 その点から、中央教育審議会の目指す、基礎的・基本的な知識・技能の定着を図り、 「自ら学び、自ら考え」自ら課題を解決する子どもを育てる方向は正しくそして世の中の要望に応えるものだと思う。

 そして野原さんが指摘したようにこの問題の障害になるのは大学入試にあると思う。
 何故なら、児童、生徒の教育の当面の最終目標は大学にあるからだ。
 大学が知識偏重の試験をすれば、生徒はそれに対応し、例えば工学部でAO方式に重点をおけば基礎的に国語、英語、数学などの基礎学科の勉強がおろそかになる。
 増して入試希望者がを増やそうとして、入試問題を易くしたり、推薦入学を増やせば、生徒は勉強しないのは当然だ。

 今の教育制度は野原さんがはっきり指摘していないが、今の「ゆとり教育」や「自ら学び、自ら考え自ら課題を解決する教育」が小学校から進学するにつれて、次第に詰め込み教育に重点が移って行く制度が問題だと思う。

 私は今の教育の現状も考え合わせ、理想論だが次のような教育制度が良いと思う。
 (以下、「自ら学び、自ら考え自ら課題を解決する教育」を「考える力]と略称する。そして教育の割合は大雑把な考え方を示す。)

私の提案]
教育制度
小学校
 躾け(30)、詰め込み(50)、考える力(20)
中学校
 躾け(10)、詰め込み(60)、考える力(30)
高校(通常の進学校)
 詰め込み(60)、考える力(40)
注記:
 躾け教育を入れたのは、団体のルールを学ばせ、家庭の躾け教育の不足を補うため
 詰め込み教育については希望者には補習授業等で一定の学力達成を保証する。

大学入試(次のいずれか)
・詰め込み(60)、AO方式 or 考える力(40)+共通一次試験
・詰め込み(40)、AO方式 or 考える力(60)+共通一次試験
・AO方式、考える力(100)+共通一次試験
 どの大学も共通一次試験は必須とする。
 大学は今までのような詰め込み中心の試験は一番公平で簡単だったと思うが、これから少子化による大学の競争が激しくなるにつれて、その卒業生の進路や社会での活躍状況が大学の選択の基準の中心となるかもしれない。
 そのことを考えると、余程の有名大学でない限り詰め込み試験の限度を知るべきだと思う。

私立大学の補助金の出し方
 大学の学部の性格と共通一次試験で一定の学力(例えば100点満点で50~60点)を持った学生の数を考慮して決める。
 これは少し暴論だが、大学全入時代になり当然予想される大学のレベルが低下するのに、補助金を今まで通りに出して良いか考えるべきだ。
 筋論としては大学卒業生の社会での活躍状態を見て補助金を出すのが一番だろうが。

参照:
教育改革への道(1)
教育改革への道(2)
教育改革への道(3

教育改革への道(4)
教育改革への道(5)
小中学生の全国学力調査
 

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従業員をロボットにしないため(出鱈目なサブプライ・ムローン)

2008-02-22 12:36:17 | 企業経営

[日本の抱える現状]
 米国経済を支えていた住宅建設のハブルは崩壊した、後残るのは消費だけだ。
 しかしそれも日本やEUに加えて中国やインドの台頭に、米国の企業、特に製造業は沈滞を免れないだろう。

 従来から経済面でも米国に頼ってきた、日本経済はどうなるのか
 資源の枯渇化傾向に基づき固定化しかかつている石油の高騰、新興国の発展に伴う食料品の消費の増加に伴う価格上昇、自給率39%にもなる日本が抱える食糧問題など世界的な問題。
 それに少子高齢化に伴う福祉厚生費用の増加、年金の問題や労働力確保の問題、当面殆ど解決の見込みのない膨大な借金など数限りない大きな経済問題を抱えている。

 唯一つ日本にとっての救いは、中国やインドなどアジア地域への輸出の増加だ。

 然し逆に中国やインドなどの膨大な人口を抱え然も日本より遥かに低い賃金を持つ国との競争力確保の難しい問題が改めて日本にのしかかっている。
 日本の企業には競争力の確保→生産コストの削減→労務費の削減→何時でも解雇でき低賃金の契約社員やパート採用→日本全体としての国民の収入の減少→社会格差や貧困化の傾向の発生と言う難しい問題が発生してきた。

参照:カテゴリー → 企業経営

 私はここでは企業のそれも身近なサービス産業での授業員の取り扱いについて書いて見たい。
[授業員はロボットか、それとも]
 この問題で最近に報道されたのは、マクドナルドの店長が実質的には管理職ではないので、残業代支払いを提訴した事件だ。
 私は日本マクドナルド社の経営方針は知らないので以下一般論として述べる。
 米国式の考え方は、会社は株主、例えば工場などの施設、従業員の三要素から成り立っている。
 そして会社は株主の物、施設と従業員はまったく同じ立場だ。
 だから、従業員は会社の規定された以上のことをしてはいけないし、施設も勝手に扱ってはいけないと言う考え方だ。

 サービス産業の場合で言えば、仕事のやり方、接客の仕方、客に対する物の言い方まで、きっちり教えられ、実行させられる。
 これには個人的な考え方の入り込む余地はない。
 まるで1時間当たりいくらで使えるロボットだ。
 だから契約社員でもパートでもマニュアルを教え込めば支障なく使える
 然もベテランには店長の名を与えていれば、指定勤務時間以上はただで使える。
 他社との勝負の決め手は商品開発と経営の手腕だ。
 だからそれらの担当者にのは他社から引き抜かれないように給与を与えれば良いと言う考え方だ。
 それで生じるのは給与格差だ。

 このマクドナルド社の動きと違った方向に動き始めた企業もある。
セブンイレブン
は管理者にも残業代支払うことを決定した。
 その理由は残業代支払い→そのための時間管理を通じて管理者の健康面を含めた管理だ。
 これは管理やスタッフ部門にも時間管理の重要性を主張する私の意見の線に沿った動きだ。

参照:マクドナルドへの地裁判決について 

 その他にも、従業員の取り扱いの見直しについて種々の報道がされている。
・春闘を控えて賃上げにより消費の拡大→日本経済の活性化につなげたい経団連
・昨日のNHKで放送された女子従業員確保のため某ソフトウエア会社の「さっさと早く帰る運動」
・昨日エントリーした産地の為に奮闘する片山商店社長の片山さん 
・スタッフに本業以外の研究をやらせる林原グループ 

参照:冷遇されている技術者?

・鹿児島市の山形屋デパートで定年を過ぎた人達が多年培ってきた顧客との人脈を活かして、売り上げ増に貢献していること

参照:
企業のこれから

 これらの考え方は、日本の従来からの考え方の、株主は資金を出してくれるだけの人、従業員は皆家族の一員だから、設備は家族のもの、だから従業員は設備のことについては、命令のあるなしに関わらずどんな形でも設備について関与出来る。
 詰まり家族の誰でもがクーラーをいじくったり、手入れするような考え方に基づいている。
 明らかに米国流の考え方の方が正しい。
 然し、その日本的な家族主義的な考えが、日本企業をここまで育ててきたし、会社に対する忠誠心が自主管理活動や改善運動の基本となっている。

 政府でも派遣労働者法の見直しなど給与格差是正の方向にも動いているようだ。

   私はスーパーのレジの所に行くときは、誰でもするように列の短い方を選ぶ、然し条件が同じときは、感じの良い人のいる方を選ぶ。
   もし彼女が年寄りの籠が重いのに気づいて、荷物整理のテーブルまで運んでくれるのを見たら、その後、列が少々長くても彼女のレジを選ぶだろう。
 彼女はレジを打つと言う単純作業の中で、そのスーパーの評判を良くし売り上げ増に貢献しているのだ。
 然し彼女が余程親切な人でない限り、ロボット扱いにされていて不満を持っているスーパーの売り上げを考えてこのようなことをするだろうか。
 
まして昔のような自主管理活動や改善提案をするなど考えられないことだ。

 中国との競争激化に悩む経団連は依然として、契約労働者の採用の自由化やホワイトカラーエグゼンプションなどに未練たらたらのようだ。
 私は今のような厳しい時代だからこそ、従業員をの潜在能力を活かす方向か、安月給のロボット化のどちらが日本企業の競争力強化に繋がるか経営陣に考えて貰いたいと思っている。

 サブプライム・ローンが如何に酷いものかについての資料を見つけましたので、もしご関心のある方がおられましたからご覧になって下さい。

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[底の浅い米国の住宅バブルの崩壊]
 私どもの英字新聞輪読会の資料でサブプライ・ムローンの資料に逢った。
 その内容が余りにも酷いので紹介する。
出所:Cleveland his hard by loan crisis (Web上のデータなし、黒字を筆者の注記)

 米国の住宅建設ブームの終わりに多くのローン会社が信用の低い人々に住宅ローンを提供した。これがサブプライ・ムローンだ。彼らの意図は住宅価格の上昇をうまく利用しようとしたのだ。
 時が経過するに連れて、金利が上昇したために多くの人々はローンを払えなくなってきた。
 (これは日本の住宅ローンの金利がほぼ一定しているの違っている。)
 家は差し押さえられ、人々は追い出された。突然に売れない市場は家に溢れてきた。この危機は今や米国の経済の景気後退の後押しをしている。
 さらに悪い事にはローンは証券化され、世界中の投資家に売られている。この危機はグローバル経済を危険に晒している。
 米国の中で、この危機にひどく打ちのめされている地域はクレブランドだ。(中略)
ごみは通りに溢れ、庭は雑草で覆われている。水道設備、ドア、窓の金具は泥棒に盗まれた。警察は無断住居者や麻薬の売人をチェックのため定期的に巡回している。彼女は30間そこに住んでいた。サラ・エバンスは60才で家を失おうとしているが、月々のローンを払う余裕がない。彼女は 2003年に借り換えをした。
(文章にははっきり書かれてないが、文の流れから見ると、今まで借りていた普通のローンをサブプライム・ローンに借り換えをしたのだろう)
 然し彼女は金利の大幅な上昇があるかも知れないと書いてある契約の文書に気がつかなかった。彼女は 2006年に支払いを止め、24,000ドルを支払わないままだ。
 (ローン会社はそのことについて説明しなかったのだろう。)
 ローラ・ジンストンは言った。二年前までは通りは活気があった。今では通りの言えの半分は空き家だ。人々は2倍になったローンを払えないでいる。仕事を無くした人も何人かいる。ローン会社は強欲だ。彼らは住人を追い出した。親しい友人の一人は一夜の内に姿を消した。
 郡の出納官は言った。この人災は銀行に責任がある。彼らは家の購入希望者に必要なのは、それを買いたいと言う気持ちがあるだけでよいと言った。ローンの中には金額について何も書いてないし、購入者の収入の証明もいらないものもあった。彼らは購入者が言っていることをチェックさえしなかった。
(こんなことは本当かと思うが文のまま訳した。)
 サラ・エバンスは言った。人々は家を購入するときは、そこで死にたいと思っている筈だ。私はアメリカン・ドリームを持っていた。然しそれは悪夢に変わってしまった。

 この文章には幾分の誇張があるかも知れないが、住宅の購入者もブームに浮かれてローン会社や銀行の口車に乗ったし、貸す方もブームに乗り遅れまいと実績向上ばかり向いて危機管理を忘れていたのかも知れない。
 いずれにしても崩壊に終わった日本のバブルとその比べれば、如何に米国の住宅ブームが浮ついた底の浅いバブルであったかが判るような気がする。

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あきらめるな農村問題

2008-02-21 17:01:57 | 農村問題

 2月5日NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀「あきらめなければ、失敗ではない~片山象三~」」の放送があった。
(2月25日(月)翌日午前1:05~翌日午前1:50、2月26日(火)午後4:05~午後4:50に再放送の予定

 NHKの紹介文では次のように述べている。
 
全国の地場産業が衰退する中、常識を塗り替える技術革新を果たし、海外からも注目される男がいる。織物の町、兵庫県西脇市。生産量が最盛期の4分の1にまで落ち込む中、中小企業の経営者・片山象三(47歳)は、2003年に織物のコストを最大5分の1にできる画期的な糸作りの機械を開発した。今、片山は新たな開発に取り組む。地場産業復興の一つのモデルケースとして、そのカギを等身大のプロフェッショナルの姿から探る。
出演:片山商店社長…片山 象三,  【キャスター】茂木健一郎,  住吉 美紀

 その中で印象に残った片山さんの言葉を書いてみる。
 これは私の一つの関心事のシャッター通りの再生にも当てはまるが、ここでは農村問題に併せわて考えて見たい。

・開発は産地のために行う
・産地を護るために開発した機械は競争相手の中国に売らない
 これを日本に言い換えれば、開発は日本のため行う、開発した機械や技術、新品種の農産物の種子どを中国その他の国に売らない。
 日本はコシヒカリなどの種を諸外国に売って、逆にその米を輸入するように圧力をかけられてきた。
 最近はこれに懲りて、福岡県の例で言えば、苺の新品種の「あまおう」の技術を他国に盗まれない様に対策を講じているそうだ。
 然しこれには開発した人や会社の愛国心の問題があり、また国家レベルの新技術の輸出禁止など外交問題になりやすいので政府の別の面からの的確な判断が望ましい。

・素人には壁がない
・ヒントは外にある
・異業種を結びつける
・産学官の協力とそれを纏めるリーダーシップ
 今までの農業問題は政府、所謂農水族、農業従事者の代表の農協、農業技術は政府と県の農業研究所中心で行われてきた。
 言わば農村を中心とする閉鎖社会の中で、戦後50年間過ごしたきた。
 その中では農産物の消費者の立場が殆ど無視されたきた。
 その一番のよい例が、国民の米離れパン食の増加の傾向を無視した、つまり需要と供給の経済原則を無視し米作り一辺倒の農業政策だ。
 その結果が、食料自給率が先進国で最低レベルの39%の一方、休耕田の増加、稲作専用で刈り入れから田植えなで遊んでいる田んぼ、若者の離脱、過疎化などの問題を生んでいる。
 政府はこれに対して農業の株式会社化を認める新政策を出したが、農地購入禁止など数々の制限がありなかなか進んでいないようだ。
 片山さんの言を借りれば、農業には素人の工業製品や食料加工品会社の人達が農村に入れば、生産性向上に血眼になっている彼らが見れば、約半年も遊んでいる田んぼや、今までの年に数日しか使っていない一戸に一台の高額な農業機械の有効利用を考えるだろうし、貴重な従業員をもっと有効に使うことを考えるだろう。
 今までは公立の機関に頼っていた新品種の農産物や、農業技術の開発も独自で始めるに違いない。
 農村に新規参入の企業にとっては、小麦価格が一気に30%の上昇に代表される食料品の価格上昇、国民の安全な食生活を望む傾向などを最高のビジネス・チャンスと捉えるだろう。
 そして彼らの動きを見ている農村の人達にも刺激となりヒントを得る事も多いと思う。

・あきらめなければ、失敗ではない
・希望が困難に絶えて持続する力を与える
 私は毒入りぎょうざと農業の活性化
日本の食料自給率の問題を解決するために、需要と供給の観点から見た農業政策を考えるべきだ。
 そして農業の生産性を上げることで農村を活性化してはどうかと書いた。
それについて「はかたのさとう」さんから、
 市場経済の農業は、価格変動のリスクに晒されている。農業の場合は、気候変動のリスクもある。公務員、農協職員、あるいは家作収入など、安定した別収入がないと、リスクに耐えるのが困難。
 大規模な専業農家は、上記の兼業農家よりリスクが大きいので、破産する可能性が高い。
 生産性を高めるだとか、大規模農業にするとかは、何も知らず机上の空論を述べているに過ぎない。

と言う厳しいコメントを頂いた。
 
(コメントは農村の現状を良く突いていると思いますので、是非コメント欄全文も見て下さい。)

 コメントを読んで、また私の悪文の例に洩れず書き漏らしたことが多いのに気がついたのでまた上記の文章の補足させて頂く。

 勿論、「はかたのさとう」さんも良くお判りで厳しいご指摘をされたと思うのだが、このままの農村保護政策による農業の弱体化、農村の疲弊、若者の離脱、過疎化のままで良いことを放ってよいことにはならない。
 片山さんの意見を借りれば、私たちはこれで「諦めてはいけない」。
 諦めたら終わりだ。
 現に大分県の平松元県知事の主導で展開した「一村一品」運動はそれなりの成果を上げているそうだし、東国原さんが宣伝されている完熟マンゴーや「金柑たまたま」良い値で売れている様だ。
 言い換えれば農村の生産性の向上、または労働分配率
の改善だ。
 (労働分配率=人件費÷付加価値(粗利益)×100)

 また棚田の不便を逆手に取って、都会の人達にオーナーになって貰いその米の生産資源である田んぼや畑を守ろうとしている農村が増えているそうだ。
 これも農村の生産性維持や村おこしに繋がるものだ。

 参照:棚田オーナー制度 

 私はそれらの従来の活動に加えて、前に書いたように工業や商業などの農業に素人の企業が農村に入って来る意味は大きいと思う。
「はかたのさとう」さんは大規模農業について言われたが、一般企業の人達が農村に入ってきて、土地の実情を無視して、米国やオースリラリア式の大規模農業をやるなど多分考えないと思う。
 そうすれば負けるのは必至だ。
 (なお私の上記のブログでは大規模農業についても触れることを忘れていた。)

 彼らが今までの常識通り、まず始めそうなのは、既にやっているるらしいが、消費者の需要予測に基づく中または小規模のスケールでのトマトなどの野菜の、それも天候に左右されないハウス栽培だ。
 出来過ぎの時は彼らは事前に生産調整をするか、余剰分を加工食品に廻すか、或いは輸出に振り向けて損害を最小限に抑えるだろう。

 米や麦作を考えれば、地域で見れば中規模の農業の全国展開により、高価な農業機械の使い廻し、遊んでいる田んぼの有効利用、どうしても出る農閑期に余る人員をを利用するために農村に建設する食料品加工工場を作るだろう。
 勿論彼らはこれ以外の多くのアイディアを農村に持ち込むだろう。
 そして失敗すれば次の手を打ってくるに違いない。

 要は、開かれた農村に異業種の人達が入り込んで、お互いに切磋琢磨して、良い所は学び、問題なところは改善しあえば、少なくとも何からの道が開けてくる一助にはなると思う。

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もし民主党が政権を取ったら

2008-02-20 14:19:27 | 民主党

[世論調査が示すもの]
 19日に読売新聞が世論調査の結果
を発表した。

福田内閣の支持率
  1.支持する 38.7(前月より6.9減)  2.支持しない 50.8 (同9.2増)
・支持しない理由をリストから、2つ
   1.政治姿勢が評価できない     47.9
   2.経済政策が期待できない     37.0
   2.安定感がない          27.6
   3.首相が信頼できない       27.8
・どの政党を支持
  1.自民党 32.6(前月より2.9減)  2.民主党 20.0 (同3.1増)   
・衆議院選挙の比例代表選挙では、どの政党に投票するか
  1.自民党 30.1    2.民主党 25.5   
・福田首相について印象に近い方を順に4つ
   1.政策について国民への説明が足りない  80.0
   2.信念や持論がはっきりしていない      69.5
      (福田さんのまあまあ主義が国民に理解されていない)
   3.内閣や与党に対して指導力を発揮していない 68.6 
      (最近の例では国会の閉塞状態に関わらず、国土交通省とそれに引きずられているように見える冬柴さんをリード出来ず、党内の道路族の抵抗を抑え得られない福田さんを国民は見ている。)
     4.内閣や与党に対して指導力を発揮している  24.9
・福田内閣は、最近の経済状況の変化に、適切に対応していると思うか
  1.そう思う 19.3   2.そうは思わない 74.9  
・道路整備のために、ガソリン税の税率を暫定的に上乗せすることを、法律の期限が切れる3月末以降も続ける方がよいと思か、それとも、やめる方がよいと思うか。
  1.続ける方がよい 29.4   2.やめる方がよい 62.1   
・ガソリン税の上乗せを続ける法案について、与野党は、法案の修正に向けて歩み寄り、合意すべきだと思うか、そうは思わないか。
   1.そう思う 60.4   2.そうは思わない 30.
・国会での民主党の対応を、全体として、評価するか、評価しないか。
  1.大いにまたは多少は評価する  40.1  2.全くまたはあまり評価しない  53.1

 この結果を綜合的に見ると形勢は明らかに民主党に有利な情勢で、国民は民主党に一度政権を取らせても良いかも知れないと思い始めているようだ。

[菅さんと東国原さんの対決]
 昨日、民主党の菅直人さん、同じく前北海道ニセコ町長の逢坂誠二直人さん、全国知事会長の麻生渡福岡県知事と東国原英夫知事らが19日、都内で道路特定財源の是非をめぐり公開討論に臨み直接対決した。

 民主党の主張はどの道路を作るのか、そしてその優先順位を決めるシステムを作るべきだと言い、知事側は道路建設の財源を確保して貰いたい、そして民主党はそのための具体的な対案を作るべきだと主張した。
 民主党側は知事側の道路建設の財源を確保の主張に付いてテレビで聞いた範囲では無視したまま、知事達が暫定税率を維持を言うのはこれに反対すれば国土交通省から睨まれるのが怖いからだ、この点からも民主党の主張する道路建設に関するシステムが必要だと力説した。

 この勝敗については、私の持論の「民主党は政権を狙う責任政党として暫定税率延長に反対する以上は対案を出すべきだ」と言う立場から言えば、知事側が明らかに有利だと思うが、これについては何度も書いているのでこれ以上は省略する。

[もし民主党が政権をとったら]
 皆さん、民主党が政権を取ったら誰が一番喜び、誰が一番がっかりすると思いますか?
 喜ぶのは日教組と自治労と思いませんか?
 そしてがっくり来るのは国土交通省と思いませんか?

 おまけにもし輿石東さんが文部科学大臣になり、自治労出身の相原久美子さんが総務大臣にでもなれば、日教組も自治労も我が世の春がきたと有頂天になるだろう。
 私など考えるだけで寒気がしてくるのだが。

 勿論、天下の民主党だから多分そう言うことはしないだろう。
 現に、同党のネクスト大臣には文科大臣に小宮山洋子さん、総務大臣に原口一博さんを当てている。

 これは評判の悪い左派系の議員は引っ込めて、国民受けの良い原口さんのほか、岡田克也さん、前原誠司さん、浅尾慶一郎さん、長妻昭さんなど国会審議の表舞台や、マスコミの場に立てるの同じ手法だ。
 彼らは細かな相違はあるが、基本的には自民党の人達と余り変わらない価値観を持っている。
 だからテレビなどの討論でも、意見を戦わす間に視聴者になんとなく折り合いがつけられそうな気持ちにならせるが、それが党の意見となると180°近く変わるのが不思議だ。

参照:可哀相な民主党員 

 それを考えると、いくら小宮山さんや原口さんクラスの人達がやる気があっても、今のように党利党略が全てに優先する同党で、戦後から引きずってきた問題の教育改革や、半世紀の間築いてきた官僚天国を打破出来るだろうか。

政権交代のメリット
 唯一の希望は、野党時代の民主党のように文句は言っても対案を出さない事、出してもその対案が実現不能なことなど政権党としては許されないため、現実的な政策を考えざるを得ないことを政権担当政党として経験すること
 そして、あれだけ菅さんが言い、国会でも追求しているのだから、国土交通省の中に踏み込んでその主張するようにどの道路を作るか、どれを優先するかなどシステムを作ること、自民党の道路族との永い腐れ縁を切ることだ
 これこそ良く言われる政権交代のメリットの一つだ。
 どうか民主党が政権を取ったときに腰砕けにならないように希望する。

政権交代のデメリット
 逆に政権交代のデメリットは、交代する政権がそれを担うような能力と責任感がない時だ、東国原さんが言うように信用できない党が政権を取れば、その代償は大きい。
 特に、世界ではグローバル経済の行き詰まりの傾向、中国などの新大国の誕生、米国の対外政策の変更の気配、国内では少子高齢化の進行に基づく福祉政策の見直し、社会の劣化、社会・地方・収入の格差の増大、いつまでも減らない膨大な借金などの諸問題に解決のためには、今こそ現実的な先を見据えたしっかりした党が政権を取る必要がある。

 それは現在の自民党にも言えることだが、民主党は政権が何となく手に届きそうな感じになった今こそ政権奪還一本槍だけでなく、政権を取ったときに備えて、その姿勢や政策の見直しをするべきだと思う。

参照:カテゴリー → 福田内閣
                民主党

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民主党と「たかじんのそこまで言って委員会」

2008-02-18 16:04:57 | 情報、マスコミ

[民主党など政党の問題点]
 昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」で民主党の原口一博さんが出席して「民主党に欠けているもの」のテーマで意見が戦わされた。
・小沢さんの「海上給油は民主党にとっても国にとっても問題ではない」の問題発言の批判、
・自民、民主のどちらもばらばらだが、自民はいざとなれば政権と言う特権を守るために一致団結するが、民主は依然としてばらばら、
・岡田さん、前原さんが直ぐに代表を辞任したように、一番頼りになる若手が伸びない、
・政策を纏める中心人物がいない、その中心となるべき小沢さんが何故表にでないのか、
などなと言いたい放題の意見に原口さんはじっと聞いていた。
 恐らく他の人達の言う事が殆ど全て的を射たのだろう。

 その中で、私に次のような発言が印象に残った。
・勝谷誠彦さんは民主党が宣伝が下手な例として小沢さんなどの幹部が風で吹き飛ばされる、選挙用のポスターのことを上げていた。
 そしてそれを作った会社は利権のように何時も民主党から宣伝の仕事を取っている。
 そんなことで民主党が政権党の利権の追求ができるかと言っていた。

 私は昨年の民主党の支持率の分析
でぷぶりすてら"のワースト 5位の小沢さん、同6位の菅さん、鳩山さんが風に吹っ飛ばされる、例のコマーシャルで、票が伸ばせると民主党の人達は本当に思っているのだろうか。
と書いたが、勝谷さんの話しを聞いて、民主党の硬直的な体質があのような誰が見ても拙いCMを出すことになった理由が判った。

参照:民主党のCMと小沢さん

・続出する小沢さんへの批判の中で原口さんが、彼の良い所は、地方の票を伸ばすために、個人的に面接をして、国民の意見を吸い上げてきたことだと言った。
 たしかにそうだ。
 然し、私は一歩進めて、政治とインターネット 
政治家のホームページとブログ拝見で書いたように、党内に組織的にインターネット上の情報を集め、分析活用するシステムを作って党の活動が世論からかけ離れないように、さらには出来るだけ投稿してきた意見には返事を出す事で支持者を拡大すべきだと思う。

 私は何度もこのことをブログに書き、自民党や民主党にも投書したが当然のように無視され、結果的には、安倍さんは地域の疲弊の不満の声に気づかぬ裸の王様状態になった所を、小沢さんに突かれて大敗の一因を作ってしまった。

・パネラーの誰かから原口さんを攻撃しても仕方がないので、いっそ小沢さんを呼んだらと言うと、他の人が彼が来る訳がないと言っていた。
 私も同じ意見だ。
 何故なら小沢さんに限らず、鳩山さん、自民党の有力者は(多分、公明、社民党でさえ)皆本当のことや日本や政府が本当にしなければならないことを知っていて、政治的判断で(悪く言えば党利党略で)本音と違うことを言っていると思うからだ。
 例えば民主党の幹部の人達は、海上給油の問題が参議院で否決されても、どうせ与党が衆議院で3分の2条項を利用して可決するから「そうなっては困ると思っている」日米関係にひびが入らないことを始めから予想して居たからだと思う。
 詰まり、民主党も日米同盟を重視しているのに、その党首が米国に敢えて給油反対を宣言したり、(いくら民主党でも考えられない)実施不可能な給油の対案をちらつけせるわけないからだ。
 つまり極端に言えば民主党の幹部の大部分の人達は与党の姿勢に甘えてごねているだけだ

政党の幹部が同番組に出ない理由
 そして「たかじんのそこまで言って委員会」に民主党の幹部が出ないのは、もし出ると大勢のパネラーから言いたい放題言われて、(一部言い過ぎの所もあるが)その殆どが的を射ているから、つい上記のような本音がポロリと出てしまうのを恐れているからだ。
 特に小沢さんなどが出て、攻撃の的になれば党代表として本音は出せずに、ついうっかり「海上給油など問題がない」のように党にとって取り返しの付かない失言が出るのを恐れているからだ。
 だから少々本音が出てもそれは彼らの個人的な発言だとの言い訳できる民主党で言えば原口さん、自民党では平沢さんなど、党の運営に支障をきたさない人達の出席を黙認か或いは意図的に認めているからだ。

参照:可哀相な民主党員

[「たかじんのそこまで言って委員会」と週刊誌]
 「たかじんのそこまで言って委員会」はテレビ界の中では週刊誌的な役割を持っているように思われる。
 週刊誌とは言っても、勿論芸能関係の週刊誌でもなく、読売、朝日、毎日系の週刊誌でもない、週間文春や週間新潮のような雑誌系の週刊誌だ。
 そう言えばレギュラーの勝谷誠彦さん、準レギュラーの花田紀凱さんは週間文春の出身だ。

 マスコミの報道の傾向として良く言われるのは、彼らは弱い人達の為に政府や与党や大企業追求の使命感に駆られる余り、前者を善、後者を悪のレッテルを貼りがちなこと
   従って弱い立場の人にも非があっても眼を瞑って報道しないこと。
   それと宗教、左翼や関係の団体、労働組合、所謂弱い人達の問題点を殆ど報道しないことだ。

 今、教育問題がマスコミを賑わす時でも、それに大きく関わっている日教組の話しは全くと言って良い程出てこない。
 例の教科書問題で沖縄で11万の集会の報道の時に、沖縄の特殊事情やその裏の各種団体の動きなど殆ど報道をされない。

自己責任の問題
 古い話だが私の記憶にまだ新しいのは、イラクで高遠さん達3人が拉致された時のNHK始め各社のテレビから繰り返し、繰り返し報道した、拉致された家族の人達が、拉致されたの三人が政府のイラク入国禁止の勧告を無視して入国した責任を棚に上げた余りにも身勝手な発言に、多くの普通の人達を憤慨させた。
 それで政府、与党の人達が自己責任だと言いだすと、それまたマスコミの攻撃の種になった。
 何故こんな変な方向に話が拡がって行くのか、首を捻っていたところ、週刊誌で彼ら家族の後ろに左翼の政党や団体が付いていることを知って、ようやく全ての事情が判った。
  
詰まりマスコミはその事実を知っていても報道しなかったこと。
   私の言う拉致された弱い人達の側の問題点は流石に少しばかり報道したが、それより政府側追求の方に力点を置かれた事。
   そして、政府、与党の人達が自己責任だと言いだすと、ここぞとばかりに、マスコミの攻撃の方向が政府、与党の方に向いたことだ。

 テレビでは「たかじんのそこまで言って委員会」がその週刊誌と似た役割を担っていると思う。 

本当のことを知るために
  私たちは膨大なマスコミの情報に晒されている。
   その情報は新聞業界が言う様に必ずしも正確でなく、自社の主張に沿った報道に偏りやすい。
 そしてうっかりすると、彼らの主張に流されてしまう。
 そう言う一般の人達にとって同番組のパネラー達の大所高所からの批判は勿論だが、高藤さんの例にような報道の裏話など、小さなことの話しからも物事の本質が見えてくる意味で重要な情報源となっている。
 昨日の同番組でも韓国二世の崔洋一さんの、外国人にも参政権を与えるべきだとの意見に対し、台湾国籍の金美齢さんが反対から外国人でも色々な考えがあることが判るし、勝谷さんが一部の民団の人が特別の優遇処置をして貰っているが、この状況が無くならない限り参政権は反対だとの意見に対し、崔さんはその様な特例は即刻廃止すべきだと言っていた。
   これからも在日二世、三世の人達でもしっかりした意見を持っている人もいることを知れる。

 勿論、同番組も読売系のテレビの番組だし、公共性をもっているので、弱者の問題点などの発言などについてはある程度のブレーキがかかっているのは致し方ないことだ。
 ただこのようにユニークな番組には種々の方向から圧力もかかってくると思うが、これからも頑張って永続して貰いたいし、三宅久之さん、桂ざこばさん、宮崎哲弥さん達の歯に衣を着せない議論を続けていもらいたいものだ。

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韓国観衆にも金メダル

2008-02-17 15:41:36 | 国際社会

 昨夜、家内のお相伴で韓国で行われたフィギュアスケートの四大陸選手権最終日の試合の模様を見た。

[韓国観衆にも金メダル]
 そのテレビで特に印象に残ったのは韓国の観衆のフェアな応援と選手のプレイに対する反応だった。
 彼らはどの国の選手達に対しても惜しみない応援をし選手と優れた演技にたいして、拍手と歓声を上げて称賛した。
 日本選手としては最初の村主(すぐり)章枝さんは調子は今一つだったが、ジャンプの時転倒しながら最後までの頑張りに大きな拍手が起こった。

 勿論、韓国の選手が出たときの歓声や応援は凄かったが、浅田真央さんや安藤美姫さんの演技前や演技後の歓声は韓国選手のそれに劣らないどころか贔屓にみて浅田さん、安藤さんへの歓声の方が大きいような気がした。

 韓国の観衆としては、グランプリファイナル女子2連覇のキム・ヨナさんの欠場の悔しさはあっただろうし、盧武鉉大統領までの反日教育を受けて育ち、日本の朝鮮併合時代の協力者に対する財産没収など反日政策を目の当たりにした筈の彼らの日本選手の演技に対する公平な反応は私にとって意外だった。

 試合結果は浅田さんが、トリプルアクセルを決めて1位、安藤さんは4回転ジャンプに挑戦の失敗で3位となった。
 そして表彰式。
 浅田さん、安藤さんが壇上で見上げるなかで君が代の演奏と共に2つの日の丸が揚がった。
 私はそれを見ている観衆の反応が、気になって場面が切り替わるのを待ち構えていた。
 数秒間の観衆の場面が切り替わった。

 観衆全員が立ち上がっていた。(多分二つの日の丸を揚がるのを見ながら。)

 私はひねた年寄りの癖で、
・観衆達は試合開始前に試合観戦のマナーを告げられていたかも知れない、
・韓国の人達は日本人のようにその感情を抑制しがちなのは反対で、その感情をそのまま表現する激情型の性格を持っていること、
 (私の姉は長年看護婦として出産に立ち会ったとき、韓国の人は大袈裟に泣いたり喚いたりして叱ったり宥めたりするのが大変だったと話しをしていた。)
・観衆の中の一部の人達は、反日運動に参加するときは日の丸を踏みつけるかも知れない
など捻った考え方も少し浮かんだ。

 然し、伝えられる中国の人達の日本選手の試合の観戦態度にくらべば、同様に反日教育で育ち、盧武鉉さんの反日政策を見聞きしている会場の彼らの態度は明らかに称賛に値するものだ
 そして、この放映を見ながら、日本人の中に公式の場で、一部とは言え日の丸、君が代反対を態度に示す公立学校の教職員を持つのが恥ずかしくなった。
 そしてそんな彼ら育てられた若者が、国際的な試合で、自国は勿論、他国の国旗や国歌に対する尊敬の姿勢をとるのを忘れるのではないかと心配になった。

[私の提案]
 私たちが外国人と公式の会議などを持つときは、その建物の入り口に日の丸と共に同国の国旗を掲げ、中には会議の席上に双方の国旗を飾ることが多いようだ。
 式などでは双方の国旗を掲揚され、国歌が演奏される。

 日本の学校でもこのやり方とり入れてはどうだろうか。
 例えば校内の教師や生徒に外国籍の人達がいるときは、式場には日の丸や同国の国旗を掲げる
 校内に二つ以上の外国籍の人達がいるときは君が代だけ、一つの外国籍の人だけの時は君が代と同国の国歌を演奏する。
 その間は日本と外国の国旗と国歌にたいして敬意を表す事を教え実行させる。
 そしてその時いくら日教組の教師でも外国の国旗が掲揚されるとき、着席のままでいるようにと生徒には教えないと思う。
 そして児童、生徒の日の丸、君が代だけでなく外国の国旗、国歌に対して敬意を表する習慣を身につかせておけば、この問題で日本や日本人が恥をかかずに済むと思うのだが。

 おまけにその様な自国の国旗、国歌に敬意を受けた教師や生徒が日本についての好感度が増すのは間違いないと思う。

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道徳教育の強化について

2008-02-16 12:22:16 | 教育

 学習指導要領の改訂案が公表された。
 その概要は次の通りだ。(黒字は筆者が追記)
・学校教育の目標として、基礎的な知識をきちんと定着させたうえで、それを活用してみずから考える力を育てていくことを目指し、(新たに加える5,6年生対象の英語に1時間を当てるほか、理科、算数を中心に)これまでより1割程度増やす。
・戦後初めて改正された教育基本法を受けて、学校教育の中で、これまで以上に規範意識や公共の精神を育てていくことを目指す。
・その柱となる道徳には、小学校から中学校まで現在、週1時間が充てられているが、指導が形がい化し実効性があがっていないとも指摘を受けて、改訂案では、授業時間は増やさないものの、すべての学校に道徳教育の中心となる教師を置き、計画的に指導する体制づくりを明確にする。
・現場から抽象的で理解しにくいという指摘を受け、指導内容を発達段階に応じて具体的に示し、それにあわせた教材も作る。
 (具体的には、1、2年生では挨拶をすることなど、3,4年生からグループの決まりを守ることなどを教材に盛り込むことを決めている。)
・道徳をめぐっては、政府の教育再生会議が教科として位置づけるよう求めてきまたが、学習指導要領では、内心を育てる道徳に評価や検定を伴う教科書はなじまないなどとして、教科としては位置づけずに内容を充実させる方針をとった形になった。

(実施は23~24年度からだが理科、算数と数学は翌年度から前倒しでで実施する。)

 私は今回の発表については、読書力とその理解力の向上にも力を入れる事、道徳教育の内容をもう少し明らかにする、英語など入れる時間があれば、国語、算数など基礎学科にもっと時間を増やすべきなどいくらかの不満はあるが、理科、算数の強化や道徳教育に改めて眼を向けたのは評価すべきだと思う。
 なお、今日の読売新聞の社説
でも、小学校への英語の導入には批判的だ。

[道徳教育の導入についてのインタビュー]
 道徳教育の導入についてのテレビのインタビューで印象に残ったのは、NHKか民放か忘れたが、有名な旧中学校の教師で、プロ教師の会の河上亮一
さんが、「世の中に自己中心的な人が多くて問題にを起こしているのに、学校で今更道徳教育の強化をしても」と今回の道徳教育の強化に批判的に取れるような発言をしていた(ように見えた)こと。
 (私は河上さんともあろう人がこんなことを言う筈がないと思う。多分インタビューの発言の放送はそれこそ私が書いただけの部分、時間は僅か1分そこそこだったので、河上さんの意志とま反対の方向に放送局が自分の主張に沿うように編集したのだろう。)
 それと街のインタビューで道徳教育賛成の大人の意見に混じって、高校生や中学生の「今までの道徳教育の時間は眠かった」という良く判る発言の中で、一人の高校生らして女の子が「道徳の時間に私が意見を言っても、そうではないでしょと意見を押しつけられるだけ」と言っていたのには驚いた。

 私は二人の話しで共通することがあるのに気づいた。
 家庭の教育の問題だ。
 河上さんが指摘した世の中の自己中心的な人の多くはは家では父親であり母親だ。
 「教師が自分の意見を押しつける」と言った女子高校生は家で殆ど躾けや教育をされて居ないか、個性尊重の名のもとの放任をされている間に、自分なりの考え方が出来たに違いない。
 その中で河上さんの言うように、自己中心的な考え方をし始める可能性もある。
 そこで学校で改めて普通の道徳や躾けに関する教育で彼女の意見を批判されて違和感を感じたのかも知れない。

 もし少なくとも道徳に関して、学校の教師と父兄で同じ価値観を持ち、そしてもし家庭で学校に入る前にきちんと躾けを受けた子は、家で教えられたことを学校の道徳でその必要性を再確認をされるだけで、教師の言う事に何の違和感も感じない筈だ。

[家庭への教育]
 河上さんの発言をそのまま取ると、世の中が変わらない限り道徳の教育をしても意味ないと言うことになる。
 詰まり家庭教育の必要性を言ったのだと思う。
 だからと言って文科省が家庭教育をすると言っても非常に難しい問題だ。
 私は常々教育委員会に家庭教育の担当者を置いたらと提言してきた。
 そして家庭と所謂モンスター・ペアレントとの間のトラブルには教育委員会の選任担当者を当てることで、トラブルの解決と同時にその父兄の再教育すべきと書いてきた。
これは言うは易くて実行の難しい問題だ。
 文科省は上記のトラブル解消に専任のカウンセラーを置く様にしているようだが、その職務の実際は明らかにされていないようだ。

[長い眼で見た道徳教育の必要性]
 然し、それはそれとして学校での道徳教育は必要だと思う。
 そして、彼らが世の中に出て、家庭を作り子供を産み、教育するなど長いスパンで社会環境の改善を図ることも必要だと思う。
 何故なら何度も書く様に、家庭内殺傷時件、家庭内暴力、動機が不明な残忍事件の続発など戦前、戦争直後には考えられなかった事件の続発は、市場経済主義などの浸透と共に戦後50年の日本の価値観や道徳観の良い所を無視した教育が今の環境作り上げて来たからだ。

 勿論当面のイジメや学級荒廃などの対策などに対する道徳教育の当面の効果も考えるとともに長いスパンで考えた効果も考えて置く必要があると思う。

[道徳教育の教科化]
 更なる道徳教育の教科化
については、(1)児童・生徒を5段階など数値で評価する(2)検定教科書を使用する(3)中学校以上は各教科専門の教員免許を設けるの3条件が必要だが道徳の教育に馴染まないとして文科省の抵抗もあるようだ。

 その裏には日教組主張の「ゆとり教育」を受け入れることでやっと関係改善できた今、道徳の教科化などでまたトラブルを起こしたくない文科省や、日教組の役員を入れた、中央教育審議会の煮え切らない態度が問題の進展を遅らせているようだ。

 私は道徳教育の成果が上がりさえすれば、その教科化については特に意見はない。
 ただその道徳教育については、文科省、日教組、学校関係者、政治家、教育専門家などが戦前、戦争直後には考えられないような社会環境劣化の問題の根底に何があるかを考えて適正な方策を建てて貰いたいと思うだけだ。


参照:カテゴリー → 教育問題

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混迷する政局と世論調査

2008-02-15 12:37:21 | 民主党

11日、NHKが最近の混迷する政局についての世論調査の結果を発表した。

[ガソリン税など暫定税率の取り扱い]
 維持すべき     25%
 維持すべきでない  38%
 どちらとも言えない 31%
 NHKの説明:「維持すべきでない」が、依然として多数を占めているが、「維持すべき」との差が前月のそれより落ちている。
 これは暫定税率をやめれば歳入不足になるという、政府・与党の説明が徐々に浸透する一方で、暫定税率をやめればガソリンが安くなるという民主党の主張が壁にぶつかっている。

以下参照:スタジオパーク 「税制関連法案と世論」
 
 民主党はガソリン代を下げようと言うキャンペーンが思った程うまく行かないこと、地方自治体の首長や党内の一部の反対、ガソリン代減税分の納得出来る説明が出来ないなので、戦術を特定財源を一般財源化にと戦術を変えているようだ。

[道路特定財源の一般財源化]
 賛成        42%
 反対        20%
 どちらとも言えない 31%
 NHKの説明:野党の支持者ばかりでなく、与党支持者でも無党派層でも、4割以上が一般財源化に賛成している。
 この点では、民主党の主張が徐々に浸透している。

 この点については、小泉、安倍両政権が公約に掲げてきたことであり、それを通すのが正論だと思う。
 問題は小泉さんからこの問題について抑えられ、燻り続けていた道路族がまあまあ主義の福田さんに変わって元気を取り戻し、道路特定財源の一般財源化反対の動きが一気に噴出していることだ。

[税制関連法案の取り扱い]
                全体  与党支持者
年度内に裁決すべき   27%   37%
年度内にこだわらない  42%    35%
どちらとも言えない    22%    25%
NHKの説明:与党は、先の衆参両院議長の斡旋で「年度内に一定の結論を得るものとする」と合意したではないかと言っているが、民主党は「採決を確約したわけではない」と反論している。
 特に特徴的なのは、与党支持者で「年度内採決」と「それにはこだわらない」が並んでいる点で、政府・与党の思惑優先は、結果として対立を増すだけで得策でないという見方が伺える。

 私は衆参両院議長の斡旋で「年度内に一定の結論を得るものとする」と合意しした筋論と、予算執行不能に陥り国民生活に不便を掛ける時間を短くするために、一刻も早く裁決をした方が良いと思うが、国民がそれでも良いと言うのなら、年度を越しまた次年度まで何時までかかるか判らないが民主党の党略に乗ってみるのも一つの考え方かも知れない。
 結局は民主党が年度を越して世論の反応を見ながら審議を引き延ばす作戦なのは明らかだ。
 その作戦がガソリン代がどうなるかで、民主党に有利は働くのか否かだが、引き延ばし過ぎると民意は民主党にとって不利な方向に行きそうな気がする。

[修正協議への対応]
 与党が働きかけるべき   32%
 民主党が対案をだすべき 45%
 必要ない               7%
 判らない、無回答         16%
 NHKの説明:与党支持者では5割が「与党が積極的に働きかけるべきだ」と答え、野党支持者では6割強が「民主党が対案を提出すべきだ」と答えている。
 つまり与党支持者、野党支持者の双方に、ねじれ国会のもとで政治を動かすためには、率先して妥協の話し合いを進める姿勢が大事だという考えがあるということだ。
 事実は報道によると道路族の影響が強くなった自民党では、修正案を出さないようだし、民主党は海上給油の対案と同じ戦略で、対案らしきものをちらつかせながら、最後の最後まで出さないだろうと言う事は、鳩山さん以下の民主党の幹部の発言で明らかだ。
 この点では、自民、民主両党とも明らかに民意に反する作戦を取っているようだ。
 そしてその作戦は世論に見る様に、どちらかと言えば民主党の方が不利の立場にいるのは間違いない。

[福田内閣支持率]
 支持する  41%
 支持しない 49%
NHKの説明:福田内閣を支持する人は、先月より2ポイント下がって41%。これに対し、福田内閣を支持しない人は、先月より5ポイント上がって49%に上った。
 混迷する政局に首相のリーダーシップが一番要請されるときに、福田さんのまあまあ主義に対する国民の不満が支持しないの方向に向いているのだと思う。
 そして今の状態はそれに加えて党内の道路族を制御しきれないどころか、それに従っているように見えるのが不支持率を5ポイント上がらせたのだと思う。

[政党の支持率]
 自民党  33・8%
 民主党  19・8%
NHKの説明:前月の余り大きな変化はない。散権を持つ福田総理にとって、自民党と民主党の支持率の差が大きく開くことが総選挙のタイミングを考える前提になる。
 民主党が攻撃するように、年金問題に加えて、小泉、安倍両内閣が打ち出した道路特定財源の一般財源化の方針の後退、道路公団の設立の際小泉さんが、1万4000キロ整備計画を9342キロにするとの説明がいつのまにか消えたなど、とう絶好の攻撃材料がありながら、何故、民主党は自民党の支持率を落とせないか考えるべきだ。
 つまり少なくとも自民、民主の支持率は相関関係にあることを知るべきだ。
 自民党の信頼性が落ちていると同じ位、民主党の信頼性がないことがいつもと余り変わらない支持率の差となっているのだ。
 その一つが衆議院で継続審議になっている新テロ特別措置法に対する民主党の対案に関して、自民党から審議入りし対案中の恒久法について議論したいと言う提案を拒否した。
   しかもその理由が「海上給油再開のために衆議院で再議決」と言う手荒い手法をとったことに対しての総括がないと言う理由にならない理由だ。
 このような少数野党でも余りない、いい加減な態度が国民の不信を買っているのだ。
 実行不可能な海上給油の対案を提出してその審議を拒否、ガソリン代を下げる代わりの財源をちらつかせるだけで、正式な提案は政局の成り行きを待つ、と言うやり方が政権与党としての不信感を国民から買っているのが上記の支持率の大差となっているのだ。

 民主党は今、国会解散、選挙へ持ち込むことに躍起となってるい。
 然しその前にいかにして選挙に勝つか、そのために如何に国民に民主党を信頼して貰えるか、詰まり自民党と変わらない、出来ればか自民の
それを上回る支持率を得るかも考えて置く必要があると思う。
 信頼できる民主党、それが自民党にとって一番怖いことを忘れてはいけないと思う。
参照:カテゴリー → 福田内閣
              民主党

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経営者としての橋下さん

2008-02-14 15:21:24 | 地方分権と再生

 今度大阪府知事になった橋下さんがマスコミを賑わせている。
 昨日の読売テレビの「情報ライブ ミヤネ屋」でも放映時間の可なりの部分を割いて橋下さんの記者会見の模様を逐一放映していた。

 私は自分が関心持っている一つの企業の経営や管理の面から、表題のように経営者としての橋下さんを考えて見た。

[橋下さんの研究]
 橋下さんの研究と大袈裟に書いたが、彼を見たのは日本テレビの「行列の出来る法律相談所」、テレビ朝日の「スーパーモーニング」、読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」くらいで、彼のことをとやかく言える筋合いだないが、素人のブログの名に甘えて、テレビを見た範囲と彼の事を書いた Wikipediaその他ウエブ上で得た情報から彼の特徴を纏めてみた。
・正義感が強い→光市母子殺人事件の弁護団批判
・正直だが、口が軽い→昨日のテレビでも彼の記者会見で、彼の公約の、府債ゼロ、35人学級見直し検討、人件費削減、学力別クラス編成導入プラン、私学助成削減などについて、自分の認識不足から出た政策の誤りをあっさり認めていた。
参照: 「橋下節」修正連発 府庁批判影潜める 初の定例会見
 

・行動力がある→開業から1年足らずで大手保険会社と顧問弁護士契約を結ぶなどなど
・庶民から見た眼を持っている→空気が読める(「たかじんのそこまで言って委員会」の吉川プロデューサー)
・感情的になりやすい→NHKへの絶縁宣言
・頭の回転が少なくとも島田神助さんより早くない。
・テレビ関係者からの支持者が多い→島田神助さん、たかじんさん、辛坊治郎さんなど「たかじんのそこまで言って委員会」の出演者や東国原知事、堺屋太一さんなど。

[関係者が橋下さんを見る眼]
 朝日新聞の橋下・大阪府知事、テレビは味方か敵か メディア戦略は
によると関係者は次の様な眼で橋下さんを見ているようだ。
・テレビ局側は「素材として面白い」「手法がテレビ的で、取り上げやすい」と彼を報道陣が追い回す。
・府職員や府議会側からは「メディアを利用した『抵抗勢力』づくりでは」と警戒の声が上がる。
 「183万票の府民に選ばれた」とくれば、反対するものは抵抗勢力という図式が作られる」議会が悪者になりかねない」と心配している。

・一般の人達の彼への絶大な人気

[橋下さんへの提言]
・堺屋太一さんなどのブレイン手足となる府庁幹部を持つ事→自分独りではなにも出来ないし、必要な情報が上がってこない。
  特に助役の選任は以後の政策実現の正否の決め手となる。
 下手をすると安倍さんのように裸の大将になってしまう。
・マスコミを徹底的に利用する→そして大阪府の持つ問題点を市民に訴える→市民を取り込むことで183万票の威力を議会、職員にちらつかせる。
言葉を慎む、一方若さとその行動力を活かして体を動かす→タレント出身の東国原知事を見習う
現場に出る→現場を良く知るとともに、職員や市民を自分の味方に取り込む。
 現場とは府の仕事をしているところ、市民と直接触れ合うところの双方。
 今回の学校視察は教育委員会に言われて出たそうだが、自分から積極的に出て行く。
庁内の情報を取り込むシステムを作る。
 北九州市でやったように、府民からの投書は全て、府知事経由にする。
 若手職員からの意見が知事まで届くようにする。
 然しそのために幹部連中が背中を向けない配慮が必要。
・上意下達だけでなく下部からの意見を積極的に取り入れる→企業などによる自主管理、改善活動を取り入れる
慌て過ぎない
 合理化により沈滞ムードが起きないように、前記のように下部からの改善活動から前向きの合理化の必要性の空気が生れて来てから行う。
庶民の眼を忘れないこと
 前に書いた「情報ライブ ミヤネ屋」で橋下さんの記者会見で彼が自分の考え違えについて話していたのを見た小沢遼子さんと大宅映子さんが、府の職員達に丸めこまれたのではないかとか泣き言を言うなと話していたが、橋下さんの基本的な武器は庶民の眼を持っていることだ。
 彼が府の職員と同じ観方をし始めたら私を含むそこらの素人と変わらなくなってしまう

 最後にそして取り組まねばならぬ最重要な項目の一つは如何に府の収入を増やすかであるが、大阪の状況が非常に難しいことは何となく想像出来るだけで何も言えない。

 私は、今まで書いて来た様に、橋下さんの知事としての能力に付いては、どちらかと言えば疑問符を持っているが、彼の若さと頑張り次第で東国原さんと同じように、地方自治に新風を吹き込んでくれること、そしてそれが大阪のためだけでなく、日本のためになること祈っている。

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