「ダイアモンド Online」で今まで民主党寄りの発言が目立った財部誠一さんの
「菅政権の「会議乱立」が招く震災復興への致命傷」の記事を見ました。
流石の経済ジャーナリストだけあって的を射た文章であること、そして私もこの問題に就いては何度も書いて来ましたので、その後半部分の概要を紹介し、最後に一口コメント書く事にしました。
震災直後から生産再開に向けて怒涛のように動き出した現場の熱情、製造業の圧倒的な復原力、大企業の現場からは日本復興の手応えを感じることができる。
[“政治主導ごっこ”はもうやめよ、会議乱立が示す政権のリアリティのなさ]
逆にお粗末を極めたのが政治だ。菅は小沢封じ込めに躍起になり、小沢は菅政権打倒の揺さぶりをかける。国難に際してなお党内政局にエネルギーを費やす民主党政権はもはや常軌を逸している。東日本大震災の本当の悲劇は、こんな連中が政権を担っている時に震災が発生してしまったことである。
正直言って企業社会のモラルの高さと比較すると、政治家という生き物の愚劣さには言葉を失う。
なかでも菅直人とその取り巻きたちの愚劣さは異常だ。
国難に際して、菅政権が機能しない理由は明白だ。アンチ官僚、アンチ大企業、アンチ小沢への執着だ。個人であれ、企業であれ、国家であれ、存亡の危機に際しては小異を捨て一致団結、あらゆる知恵と力を結集して事にあたるにきまっている。
だが菅政権はそれを断固拒否して、素人大臣による“政治主導ごっこ”で震災がもたらした危機をさらに危機的にしている。
緊急災害対策本部、被害者生活支援特別対策本部、被害者生活支援各府省連絡会議、被災地の復旧検討会議、災害廃棄物処理の法的問題検討会議、原子力災害対策本部、原子力被災者生活支援チーム、福島原発事故対策統合本部、原子力発電による経済被害対応本部、電力需給緊急対策本部、復興構想会議、復興実施本部(仮称)等々、数十にも及ぶ会議の乱立は、この政権のリアリティのなさを象徴している。
この期に及んで官僚をパージし、自分たちの都合いい時だけ、役人を使うことで役所全体の力が著しく棄損してしまっている。一部の役人が忙殺される一方、何もやることがなくイライラしている中堅、若手がごまんといることにも気づいていない
民主党最大の支持団体で連合のある幹部から菅直人にはレッドカードが出されている。
「野党もすべて巻き込んだオールジャパンでやるしかない。総理のポストを自民に渡して政治の力を結集すべきだと菅総理に伝えてもまったく聞く耳を持たない。あの人はどうしたら自分が総理であり続けられるか。それがすべてに優先している」
だがこの連合幹部によれば、腐りぶりは自民党も似たり寄ったりだとも言う。
「総理のポストを自民に譲ってはどうかと言ったとたんに、今度は自民党内でもめ事が始まる。谷垣総裁をそのまま総理にするわけにはいかぬということだ」
[一刻も早い菅政権の退陣と官僚を最大限に生かす政権誕生を望む]
震災復興への筋道がまったく見えてこない最大の理由は官邸の機能不全だ。会議乱立が役所にどれほどのダメージを与えているか。ベテラン官僚が率直に語っている。
「たくさんの組織等が設けられましたが、どこがイニシアティブを取るのかわからず、それぞれに官僚も張り付いてお世話をしなければならないため役所の力をそがれてしまっている。復興会議も事務局は前日までメンバーもわからないままシナリオ書きをしている状況で、委員それぞれのご意見を咀嚼して調整し政策として一つにまとめるようなイメージとはほど遠い。このままでは6月に報告書をまとめても、言いっぱなしで政府の政策に必ずしも反映されないおそれすらある。結局のところリーダーに、信念を持って引っ張り責任も取るという姿勢が欠如しているため、官僚は誰の言うことを聞いて良いかわからなくなっているというのが現実だ」
この国難を乗り越えるために、官僚を使いこなさず、企業に不信の目を向け続ける菅政権は一刻も早く退陣させなければいけない。私は震災前まで、出来の悪さに目をつむり、それでも民主党政権を支持していくことが日本の民主主義を育てるためのプロセスとして大切ではないかと考えてきた。だがそんな悠長さはもう終わりだ。
一刻も早く菅直人を総理の座から引きずり降ろし、オールジャパンの政治体制を作りあげることが急務だ。その際、政治主導はご法度だ。腐った政治家連中は、またスタンドプレーに走るだろう。とにかく今は役所の能力を最大限まで引き出す。それこそが、日本復興への一番の近道である。 (中略)
クライシスの只中での政権交代など、本来ならあってはならない。しかし政権担当能力をここまで欠いた政権の存続は、日本をさらなる危機へ巻き込んでいく。幸いにして民間企業は逞しい復原力を発揮している。霞が関をフル稼働させられる「普通の政権」への一日も早い移行を望むばかりだ。
[私の一口コメント]
・そう言えば昔「政治家は何もせぬほうが経済活動が上手く行く」と言う話がありましたね。
・官僚は悪といわんばかりのレッテルを貼ってきた今までのマスコミ報道。そのレッテルで物事の本質が見えてこなくなったのが総理以下の民主党政務三役です。
・麻生さんは流石、元経営者らしく、「官僚は上手く使うものだと」と当たり前のことを言っていました。私流に翻訳すれば官僚を活かして使うべきだと思うのですが。
・「政治主導の行政改革」で売った民主党が「政治主導で自ら手を出して」官僚の士気を落としてしまいました。
・そんな民主党にたいしてバラ色のイメージを国民に与えてきたマスコミの責任は?
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