普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

貧困率ワースト2の日本

2008-10-31 17:03:37 | 経済・財政

[進む貧困化]
 昨日の読売新聞の解説記事の広がる貧困問題…家族以外頼れず 低所得者が孤立
を見て驚いた。
 私は何度も日本の貧困化について書いていたが、素人の悲しさで日本が17の調査国の中で米国に次いで日本が第2位の貧困率を持っているとは知らなかったからだ。

  働いているのに十分な収入が得られない「ワーキングプア」など、貧困の問題が注目を集めています。
 各国の貧困の実態を裏付ける数字として参考になるのが、経済協力開発機構(OECD)のデータです。
 OECDは、国民を所得順に並べた時、真ん中の順位の人の半分以下しか所得がない人の割合を「相対的貧困率」と定義。日本の貧困率
(2000年)は、2006年7月に発表した「対日経済審査報告書」で、13・5%としています。 (*注記)
 調査対象となった17か国中、アメリカに次いで2番目に高い割合です。
 報告書では、主な背景として、非正社員が増えていることを指摘しています。
 厚生労働省の「労働経済白書」(07年版)によると、非正社員が雇用者全体に占める割合は、84年には15%程度でした。
しかし、政府の後押しもあり06年は33%と過去最高水準に達しています。
 貧困の問題が深刻なのは、「お金」の問題だけで片づけられない点です。
 国立社会保障・人口問題研究所の「社会生活に関する実態調査」(06年)によると、所得が低い人ほど、トラブル時に家族以外に頼れる人がいない割合や地域活動に参加していない割合、さらに、医療や年金制度に加入していない割合が高いことが分かりました。
 低所得者は、企業だけでなく、地域、社会保険制度などからも“孤立”しがちです。欧州では、こうした状況を「社会的排除」と表現し、就業支援、税制などによる経済支援、地域活動支援、健康対策など包括的な対策を講じています。

 昨夜のテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」のコメンテーターは今回の麻生さんが30日に発表した追加景気対策は将来の消費税増税も含めて評価する一方、問題点として日本の抱えてる貧困化の対策がないと指摘していた。
 ある評論家が、日本の貧困化や社会格差の発生と米国のそれを同列に置いてはいけない。
 何故なら、米国はそれを補完するキリスト教団体の活躍や、富豪達からの多額の献金で貧困者を支えているからだと言っていた。

[日本の国情や日本人の心情に合わない教育の導入]
 このこの話を聴いて私は直ぐに教育の問題を思い出した。
 戦後の占領軍は民主主義の思想、個人の権利重視、個性の尊重などの新しい考えを日本に導入した。然し米国にはその根底に強いキリスト教の影響があり、開拓者精神、権利重視に対しては、他人の権利を冒さないように訴訟社会があった。
 然し占領軍はその一方で神道や武士道の教えを禁じ、思いやりや助け合いなどの日本古来の美風を無視した。
 その後神道も武士道も解禁になったが、日本人にとって一番不幸なことは日本人の精神的な支えとなっていた仏教の衰えと、将来の国民を育てる学校に日教組のマルクス主義的な考えの浸透だった。
 勿論日本が独立国になった以後日本が独自に占領軍の施策の不備なところを直すべきだった。
 しかし、半世紀たった今でも、道徳の教科化さえ進まない現状だ。

[日本の国情や日本人の心情に合わない経済方式の導入]
 経済の問題でもそうだ。
 日本は米国の自由主義経済、市場中心主義の経済をすすめ一時は「一億総中流意識」を持つと言う良い時代を迎えた。
 その根底には企業の家族主義的経営、終身雇用→企業への忠誠心→自主管理活動による改善運動、経営者も従業員もあまり大きな差のない収入など如何にも日本的な経営があった。、
 然しバブル崩壊以後、小泉・竹中路線はアメリカの年次改革要望書の指示するままに構造改革を押し進めてきた。
 その一方で中国の台頭で、企業の競争力の低下→企業のコストカット→派遣社員の導入→格差の発生と貧困化の進行が始まった。
 米国流の成果主義や不況時には簡単に従業員を整理するレイオフなどのやり方が導入、株主の優遇、経営者の給与の増加、低賃金の派遣社員など、そのいずれも日本流の企業経営のやり方を無視するものだった。
 小泉さんは賢くも構造改革の道を開いたあと引退してしまったが、独り残った竹中さんは孤軍奮闘の形でまだ構造改革を唱え、格差社会は必ずしも悪くないと言っている。
 然し貧困率の観点からみれば、世界から立ち遅れているのは米国と日本だけの形に成り掛けている。
 そして今になって見れば、小泉・竹中さんが言う様に米国流の自由主義経済やグローバル化が、少なくてもこれからは世界のスタンダードではならないような気がする。

[新しい経済政策と貧困化の防止]
 然しそれでも貧困化に関しては、米国は上記のように貧困者を救うセイフティーネットを持っている。
 そして日本は------。
 しかし日本では、明確な貧困の基準もなく、実態把握すらしていないのが実情です。問題を放置すれば、社会の階層化が進み、福祉コストが増えることになりかねません。政府は実態を調査し、欧州にならい、包括的な支援を行うべきです。
 と読売の解説は指摘している。

 私も何度も、米国流の市場中心主義経済、米国一辺倒の経済の見直しを書き、そして欧州流のやり方も見当すべきだと書いてきた。
 今こそ日本は独立国として、世界経済の趨勢の変化にも適応できる、日本の国情にあった経済政策を進め、日本人の心情に則した貧困化対策を進めるべきだと思う。
 
このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ

政治ブログへ

*注:相対的貧困率ワースト・ファイブ
アメリカ 13.7、日本 13.5、アイルランド 11.9 、イタリア 11.5 、カナダ 10.3
以下、ポルトガル 9.6、ニュージーランド 9.5、イギリス 8.7、オーストラリア 8.6、ドイツ 8.0 、フィンランド 6.4、ノルウェー 6.0、フランス 6.0、オランダ 5.9 、スウェーデン 5.1 、デンマーク 5.0、チェコ 3.8

 


高橋尚子さんの引退

2008-10-30 15:23:40 | スポーツ

 高橋尚子さんが遂に28日に引退を発表した。
 彼女の長く日本の陸上界を引っ張ってきた業績を讃え感謝するとともに、今後の新しい面での活躍を祈りたい。

[高橋尚子さんの業績](以下の資料は全てWikipediaより)
 然し彼女の輝かしい業績の歴史はそのまま彼女の故障の歴史でもあった。
00年 シドニー五輪女子マラソン優勝
01年 ベルリンマラソン優勝
02年 ベルリンマラソン優勝
02年 東京国際女子マラソン 欠場 (肋骨の疲労骨折)
03年 東京国際女子マラソン 2位 (上記の怪我のための調整不十分?)(五輪代表選考レース)
05年 東京国際女子マラソン 優勝 (ふくらはぎに軽い肉離れでテーピングしての出場)
06年 東京国際女子マラソン 3位 (ふくらはぎ怪我で調整ミス)
07年 名古屋国際女子マラソン 欠場 (怪我、体調不良)(世界陸上選考レース)
07年8月(右膝関節の半月板を半分切除)
08年3月 名古屋国際女子マラソン 27位(上記の怪我のための調整不十分?)

 これから見ると素人目でみても、世界を制覇するには身体の極限までのトレーニングが必要なことは判るが、故障したらお手上げなのは当然だ。
  選手が故障一歩手前で練習にブレーキを掛けるようなことは出来ないのだろうか。
 現在に日本が持っている医療技術やスポーツ医学では何とかなりそうな気がするのだが。

[野口みずきさんの業績]
その点では野口みずきさんもほぼ同じような経歴を持っている。
02年 名古屋国際女子マラソン 優勝 (彼女の初マラソン)
03年1月 大阪国際女子マラソン 優勝
03年8月 世界選手権パリ大会 2位
04年1月 大阪国際女子マラソン 2位
04年8月 アテネオリンピックの女子マラソン 優勝
05年 ベルリンマラソン優勝
06年 ベルリンマラソンへ 欠場 (左足首の故障)
07年4月 ロンドンマラソン 欠場 (左足首の故障再発)
07年 東京国際女子マラソン 優勝 (五輪選考レース)
08年8月 北京五輪女子マラソン 欠場 (本左足太ももの肉離れ)

 北京の女子マラソンは、一人最初から飛び出した全く無名のルーマニアのトメスク選手が優勝し、アテネで野口さんについで2位に入ったケニアのヌデレバさんが、アテネと同じように追い上げて2位に入った。
 素人目から見ても、今までの野口さんの積極的なレースぶりを考えれば、彼女の五輪初の2連勝の可能性は高かったと思うのだが。(もっともアテネの経験からヌデレバさんは野口さんにくっついて行っただろうが。)
 なお期待された土佐礼子さんは途中棄権に終わってしまったが、レース後判った所では故障を押しての出場だそうだ。

[私の意見]
練習と休息のバランス

 世界一流を目指す日本の選手は皆真面目で目標に向かって突進する人達が多いようだ。
 特に女性選手は高橋さんや野口さんのように特にその傾向が強い様な気がする。
 これからの選手はその目標が高いほど、故障防止の技術の向上が必要だと思う。
 特に「休む技術?」の研究が必要ではないか。
 適度の休息が却って記録を向上したり、思わぬ力を発揮する可能性もあると思うのだが。
 高橋さんの例で言えば、03年の五輪選考レースの東京国際女子マラソンで破れたエチオピアのエルフェネッシュ・アレムさんを2年後の05年の同じ東京国際女子マラソンで置き去りのぶっ千切りの優勝をしているし、野口さんも05年にベルリンマラソン優勝後の故障で2回のレースを見送り、2年後の07年の東京国際女子マラソンでも同じく圧倒的な強さで優勝したのを見ても、休息が時には如何に大きな成果を表すこともあることを示している。
 少なくとも全日本クラスの選手たちには、選手やコーチ任せにせず、身体の管理面では、スポーツ医学の専門家の指導のもとに置く必要があると思う。

息の長い選手の育成
 高橋尚子さんを育てた、小出義雄監督は彼女は今でも2時間20分台を出せるのにと惜しがっていたが、彼女がもし先ず身体を直し、練習と休息のバランスを取りながら競技生活を続ければ、まだまだ全日本級の力は発揮できると思うのだが。
 高橋さんがアテネでデッドヒートを演じ、日本の大会で何度もの優勝経験を持つたルーマニアのリディア・シモンさんは1児のママさんランナーとして、息の長い活躍を続けているし、野口さんに惜しくも負け、また北京でも出遅れてどちらも2位に終わった、キャサリン・ヌデレバさんは出産後のダイエットのためにマラソンを始めたそうだが、現在の女子マラソン界をリードする「世界四強」の一人と言われているそうだ。
 日本の陸上界は高橋さんのような何年に1度しか現れない大型有望選手を潰さないように、そして同じ大型選手の野口みずきさんを同じ目に遇わせないような配慮をすべきだ。 そして勿論他の傘下の選手、特に有望な選手が結婚後もその気があれば活動が出来る様に、長期的な視野で傘下の選手の育成を考えて貰いたいものだ。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ

政治ブログへ


麻生さんの秋葉原演説と共産党と経団連

2008-10-29 09:21:04 | 政策、社会情勢

 26日の秋葉原駅前で行われた麻生さんの演説の様子は前回とはかなり雰囲気が違っていたようだ。
 インタビューの様子から見れば依然として麻生さん支持が多かったようだが、自民党や民主党のサクラ?と思われる人達の「解散反対」、「とっとと解散しろ」のフラカードから、ネット上でお馴染みの「マスゴミの偏向に負けないで!」プラカードが画面に写り、 報道によれば「アキバはいつまでもてめーの味方じゃねーぞ」の紙を掲げた人もいたそうだし「アキバを利用している」など、批判的な声もあったそうで、前回のように必ずしもアキバ全体が麻生さん応援一辺倒の傾向ではなかっようだ。

[若者の意識の変化]
 これには今までの小泉さん以来の自民党政権下での改革と、中国の台頭→日本の競争力の低下→派遣労働者の増加→給与格差、社会格差の増大など、とくに秋葉原に集う若者たちに大きな影を落としていたのに、米国発の金融不況の悪影響がもろに彼らに大きな影響がでると言う不安感が、麻生さんの秋葉原の演説の報道から浮かび上がっていたようだ。
 マスコミは秋葉原に集まる若者を良く「オタク」と一纏めにしたがるが、彼らのかなりの人達が、日本経済の成長の影となりがちな低賃金と不安定な雇用に喘ぐ派遣労働者でもあるのだ。

[共産党入党者の増加]
 それを反映したものが「蟹工船ブーム」であり、そして多分そう言ったワーキングプアと呼ばれる人達の共産党入党者の増加だ。
 8月ころの報道によれば100万部売り上げるのに半世紀かかった蟹工船とと言う文学作品が、わずか半年で50万部も増刷され、共産党には1万人新規入党者が出たそうだ。
 しかも今回の円の急騰と株の暴落で、共産党の勢いが増すことは容易に想像できる。
 いずれ近い内に行われる衆議院選の特徴は、政権交代のほかには、ことによれば共産党の活躍と言うことになるかも知れない。
 共産党から政権党の自民・公明の票が食われるかもしれないし、民主党に飽き足らない人の票が共産党に流れるかも知れない。

[経団連へ]
甘すぎる経団連
 一方共産党を天敵としている経団連の動きも可笑しい。
 彼らは企業競争力の強化のために、派遣労働者の働ける範囲の拡大を求めて、ワーキングプアや格差社会を生み出した上、最近では外国人労働者の規制緩和と量的な拡大を政府に提言したそうだ。
 外国人労働者の受け入れ増加については多くの問題点があるが、若者の立場から言えば、EUや韓国で問題になっているように、自国の労働者の就職困難、給与の低下など深刻な問題が起こっている。
 これで喜ぶのは入党者が増える共産党だけだ。

 経団連が傘下の企業の生き残りのためには派遣労働者を増やすことや、外国人労働者の受け入れの拡大は一つの方法かもしれない。
 然し経団連は産業界のトップである共に、事実上の日本の一方のリーダーだ
 派遣労働者の増大に伴う社会格差の増大による社会不安についての経団連の見解を示すべきだ。
 また外国人労働者の増大が必要ならそれに伴う問題についてその対策まで示した上で、政府に提案すべきだ。
 自分達に都合の良いことばかり政府に注文して、それに付随して発生する問題の処理は政府の責任だと言うのは余りにも無責任過ぎはしないだろうか。
 今の経団連の態度を見ると直ぐに日本の銀行のことを連想する。
 マネーゲームで金儲けに走り、失敗すると企業への貸出資金の名目で、日本銀行から超低金利の金を借りる→貸し渋りや貸し剥がしをつづける一方その低金利を海外の投資・投機資金に廻す→日本国民に迷惑をかけた原油や食糧価格の高騰→資金提供してきた米国の住宅バブルが崩壊→世界的な金融危機→また政府からの資金導入。

日本人労働者の確保
 外国人労働者導入を政府に要求する前にやることがありそうな気がする。
 労働力不足なら日本の少子化対策→日本人の労働力増加を考えてはどうだろうか。
 政府の指導する生活と仕事のワークバランスをとる事、女性が育児片手でも働きやすいように社内に託児所の設置、育児休暇の活用など、取れそうな対策はいくらもある。

授業員のモラルの向上とその能力の活用
  企業経営の面から言っても、マニュアル通りに黙々と働かせ、不要のときはさっさと切り捨てるなどロボット扱いにする派遣労働者、成果主義の名で正規社員の生活を無視した酷使などで、従業員達のモラルが向上し、彼らが100%の能力(潜在能力を含めて)が発揮するだろうか。
  麻生さんの秋葉原の演説への反応の変化はその企業の労働力である若者の意識の変化だ。
  それで先進国の技術を吸収し続けている、低賃金の中国やインドなどの企業に勝てると思っているのだろうか。
 
労働力不足を言う前にその能力を100%発揮させる方策を最初に考えるべきだと思う。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ


とっても良い話と日教組の話

2008-10-27 14:48:06 | 教育問題

 昨夜久しぶりに余裕が出来なので余所様のブログを覗いていたとき、とても良い話を見つけたので紹介する。

うるうる・・・・
あんまり嬉しかったので,これだけは書かないと寝れません・・・・
大量の布と格闘していたと思ってください。
もー,計画ではそろそろ最終段階に入るはずでした。
さほど器用でなくても,ミシンでまっすぐ縫うぐらい,生徒でもできると思っていました。
できなかったんです。
10cm縫うだけでミシン壊しそうになる子
なんで?ってぐらい糸をもつれさす子
ほんの1m直線縫いするだけなのに,30分ほどかかる子
(縫った方が速いやん!)
見くびっていました
これほどできないとは
予想していませんでした。
当然11時までミシンがけしたりして,すずめも縫子になりました。
昨日の晩,メールがはいりました。
「先生,お手伝いがいりそうですね」
今日は朝から親子連れ含めて,入れ替わり立ち替わり20人ほどの母たちが学校を訪れ,被服室に乗り込んで,ミシンがけ作業。
なんと,半分あきらめていた,明日までの作業を全部終わらせてくれました。
感動でした。
ありがたくて,涙が出ました。
ピンチだといえば,母たちがこうやってお手伝いに来てくれて
楽しそうにおしゃべりしながら作業に精を出してくれるなんて,
学校としては,こんな果報はないと思いました。
こんなに母たちが協力してくれ,心配してくれているって知っているのか?娘や息子たち。
し・か・し・・・・
母たちも,生徒のミシンがけの腕にはびっくりしていました。
「こんなに酷いとは・・・・」
なんと答えればいいのでしょう。
う~~~ん,複雑です。すずめには答えられませんでした。
先週1週間,授業の後で私が「あんたに任すから」と私の片腕にしていたのは,お勉強大の苦手の娘です。
彼女は「先生,私,憶えるのダメやけど,それくらいならなんとかなるわ」と自分でも縫い(まだ下手くそでまっすぐ縫えないのですが),
他の子に教え,一生懸命頑張ってくれています。
「この子が頼り」というと,その子の担任は,なんかの間違いじゃないかって自分の耳を疑っていましたが,
たぶん,この作業が全部終わる頃には,ミシンもまっすぐかかるようになるでしょう。
そりゃ,ミシンなんかさわらなくても生きていけますが,
できることに越したことはないと思うんですけど,どうなんでしょう。
私に,コメントも書く元気が残っていないのがわかっているのに
来てくださる方がたくさんあるのが,またありがたい限りです。
そのうち文化祭のご報告ができると思います。

 この文章から浮かんで来るのは、生徒を信頼し、一生懸命に子供たちの為に頑張っている先生、そんな先生が困っていることを子供たちから話を聞いて、ボランティアで応援するお母さんたち
 それこそ学校教育の理想像だ。
 しかも泣かせると言うか考えさせるのは、これが現役おばちゃん教師 日教組の何が悪いのよ!! 
と言う勇ましいタイトルの著者のすずめさんの書かれたものだからだ。

 私が悪文を省みずブログを立ち上げた一番の大きな理由は、素人ながらも今の教育の実情に大きな問題があると思ったからで、当然それに大きく関わっている日教組に対しては批判的な立場だ。
 然し私は自分のブログのタイトルの無党派で示すように、立場はどうあれ良いものは良い、悪いものは悪いとして書いてきた。
 その中の何度も書いている表現を当てはめると、日教組に属するすずめ先生が「一番のお客さんである生徒のほうを真正面に向いて頑張っている姿勢」を大いに評価するし、それがお母さんたちの共感を得、応援しようと言う気持ちにさせたのだと思う。

 最近中山さんの日教祖批判の発言で、またブログが賑わっているが、日教組もネット上の世論の反撃の資料として、その所属する多くの教師もすずめ先生のように子供たちのために頑張っていることを紹介し(私も狭い交流の範囲だが何人かの元日教組だった立派な人を知っている)、また学力テストでも日教組の組織率の高い静岡、福井、秋田県がベストテンに入っている例を上げて、それらの県がどうして好成績を得たか、分析してPRをしたらどうだろうか。
 教育の専門家の立場で静岡、福井、秋田県の例だけでも(北海道など悪い例も含めれ
ば尚良いが)発表すれば全国の生徒の学力向上に役立つと思う。

 産経新聞の組合と学力に関連性はあるか?の解説のように、上記の3県とも日教組の指導の闘争運動は低調、その運動の方針を忠実に実行せず、学力向上に向けて頑張っている指摘や、私の持論の行政、教育委員会、校長の方ばかり向いている日教組の幹部達と違って、すずめさんが書かれた様な教師が生徒の方を向いている学校が好成績を上げていると言う想像が正しいか否か、それとも日教組の指導の効果が上がったのか、それとも学力の向上と日教組の存在が無関係かどうか知りたいものだ。
 然し日教組は基本的に学力テストそのものを反対している大義名分を上げて、折角の学力向上のための貴重なデータのデータを無視しつづけるだろう。
 もし私の想像が当たるとすれば、日教組と無関係な普通の日本人としての私から見れば、自然資源が乏しくて、人的資源の質の向上とその活用しか生きて行ける道のない日本にとって残念なことだ。

参照: 学力テスト結果と日教組 

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ

政治ブログへ


日本の再生は農業の再生から

2008-10-26 16:17:08 | 農村問題

 世界的金融不況が日本の実体経済にも及ぼすことについて、マスコミでもその打開策として色々の提言がなされているが、その中の主なものは輸出中心から内需の拡大へのシフト、環境、エネルギー技術の振興と、農山村の開発のようだ。
 このうち内需の拡大については、少子高齢化の進行、派遣労働者の増加による国民所得の減少、今後予想されるリストラによる失業率の増加、不況に伴う消費マインドの低下などの解決困難な問題がある。
 環境、エネルギー技術利用については何度も書くが、その製品または技術の輸出量は、自動車の輸出量て比べれば遥かに小さいもので日本経済の発展に大きく寄与することは出来ないようだ。
 その点から言えば農村の開発、農業の振興は工業製品の輸出量の減少を補うまでには行かないかも知れないが、環境、エネルギー技術の応用よりまだ有望なような気がする。

「米農家が抱えている問題点]
 あるテレビで、農家の人が生産した米の処理について放送していた。
 その農家の人は生産した米のごく一部を、儲けの多い直接消費者に提供する「計画外流通米」(*注1)として取り扱い業者に売り、他の大部分を農協に納めた。
 然し農協は政府の方針に従って、農家への減反割り当て分だけを「計画流通米」として受け入れ、そのほかの米は同じ銘柄でも前者の半値以下の「計画外」の工業用米としてしか受け入れない。(*注2)
 詰まり農家は高値で売れる米をみすみす工業米の安い値段でしか売れないのだ。
 その理由は高い農業機械を農協から買うために、その農協から大きな借金をしているから、農協の方針に従うしかないからだそうだ。
 これでは昔の因業な地主と貧乏な小作人の関係の現代版だ。
 農家は一年の内に数日しか働かない農業機械を多額の借金をして買い、そのために心ならずも貸主の言う通りにして安い米を売っているのだ。
 もし農協が普通の企業だったら、そのような高価な機械はリースにして農家に順繰りに貸すことで、農家のコストの低下を図るだろう。
 全農のような全国規模の大企業だったら、農業機械を沖縄から順番に北海道まで使い回しをして、さらに農家のコスト削減に協力するだろう。

[酪農家が抱えている問題点]
 牛乳の場合は米に比べると下記のように簡単な流通ルートを流れ、そしてある程度市場原理で価格が決まっているようだ。
 酪農家→酪農組合→牛乳工場→(卸売業者?)→小売業者→消費者
 ここで農家側にとって問題なのは最近の飼料価格の高騰でのコストアップをカバーする程小売価格に反映出来ないために、経営が苦しくなり廃業する農家が増えているそうだ。
 その一つには牛乳の小売価格の決定は牛乳製造会社と大手の小売業者の間で決定され、それが酪農家の収入に反映してくる仕組みだ。
 農家がいくら値上げを要求しても、牛乳製造会社が小売業者との話し合いの結果、それが売れ行き減少に繋がるといえば引っ込むしかない。
 詰まり大手の小売業者が他の同業者との競争を勝ち抜くために、牛乳会社の間で競争させて値段の叩き合いをさせているのが廻り廻って零細な酪農家の廃業に繋がっているのだ。

[山村の抱えている問題]
 私は趣味の登山で近郊の山に良く登るが、荒れ果てた杉や檜の人工林、間伐で切り倒された後放置された木や竹など良く見かけるたび思うのだが、ごく一部の地域でもやって居る様に、山林の手入れや間伐材の処理に山登りの好きな人や、都会生活から一時的にでも自然に戻りたい人たちに呼びかければ、多くの人達が応募してくると思うのだが。
 黙々と唯登るだけの山登りも良いが、たまの山での作業が少々辛くてもどんなに楽しいか都会人の憧れだ。
 私など手足纏になるような老人は別として、訪れた若い人達へお礼の山村の料理を振る舞ったり、出来れば気持ちばかりの日当を払えばみな大喜びで参加する筈だと思う。
 それと同じで棚田での田植えや稲刈りなど声を掛ければ、大勢の人達が集まると思う。

[農山村の産業の発展策]
 上記の三つの例で書き漏らしたことも多いが、次のような農山村の発展策が考えられると思う。
製造業や流通業のノウハウの導入と実行
農業や林業の経営や運営の合理化による生産性の向上
 大規模農業、新規参入者を含む農山村上げての改善活動、産直など流通システムの改善し消費者となるべく直結する
 大分県の一村一品運動や、田中義剛さんの成功例になどのノウハウの共有
 酪農に関して言えば糞尿の処理→田畑の生産力の向上→飼料の増産のリサイクルシステム
 農山村の生産資源の有効活用
  休耕田の利用、生産力が落ちない限度での米・麦の連作など長期間の田畑の利用、農業機械を遊ばせないように全国レベルでの使い廻し
・公共機関だけに頼らぬ農産物や農業技術の改善や開発
・品質、味とうで競争力のある農産物の輸出
・消費者を農山村に来て貰い、その活動に参加や交流、消費者の意見を生産や販売に反映する
・農山村の活性化による収入増加分を高齢者や僻地の人達の支援に当てる

 自民党、民主党とも衆院選へ向けての公約作りでいずれも農家の支援を考えているようだが、日本が迎える経済不況の打開策として、農山村への活性化と言う前向きの投資を考えて貰いたいものだ。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ

*注1:米の分類
・「計画流通米」は政府の減反政策によって決められた量の米のことで、政府の米価維持政策である程度の米価が保証されている
・「計画外流通米」は農家が直接消費者に売れる米と工業用米
*注2:米の流通ルート
・「計画外流通米」
 生産者→消費者
・「計画流通米」と工業用米
   生産者→農協→県経済連→(政府→)卸売業者→小売業者→消費者


普通の小母さん達の政治批評

2008-10-25 16:53:39 | 麻生内閣

 私の住んでいる北九州市とその周辺地域は公民館活動が盛んで、私も三つのグループに参加している。
 その一つの英語新聞輪読会は時事問題のテーマを扱うことと、問題意識の有り過ぎる人達(そう言う私もその傾向があるが)の集まりのため良く政治、社会情勢についての雑談があり何回か私のブログで紹介したことがあった。
 ところが、先日私の属している音楽関係のグループで、男性のリーダーが休んでいた関係もあって、休憩の時間に珍しく政治や社会情勢のことが話題になった。
 なおメンバーは何処の公民館グループとも同じような50代後半から60代のまでの数人の小母さんとその日は黒一点の私だけだった。

[普通の小母さん達の政治談義]
 Aさん:今頃、家庭内の殺人事件や「誰でもいい」殺人事件ばかり起こるし、今の子供の言うことやすることを見ていればこの先日本はどうなるの?
 Bさん:それに最近は家庭内殺人でも年寄りの犯人が増えてきているし、モンスター・ペアレントは出るし、世の中は可笑しくなって居るんじゃない?
 Cさん:小泉さんが出てきて何もかも引っかきまわしてしまったからねえ。
 Aさん:私は昔は小泉さんのフアンで、小泉さんが来たときは見にいったのよ。
 Dさん:安倍さんや福田さんが出てきて直そうとしただけど、直ぐに辞めてしまって。
 Bさん:それにしても麻生さんは頼り無いねえ。口は軽いし、失言はするし、人を小馬鹿にしたような物言いだし。あれでは人気は落ちるばかりよ。
 Fさん:そう言えば総理大臣になった人たちは、何故人相が悪くなるのかしら。
 Dさん:そうかしら。
 Fさん:今の橋本さんや小泉さんの顔をみてごらん。あの人達の若かったころの人相は良かったのに。
 その点、安倍さんは早く辞めたので人相は前と変わってないようよ。
 僅か15分そこそこの雑談だったので、話題は上のようなことをさらりと撫でただけで終わった。
 私は素人の癖にブログで色々判ったような顔をして大きなことを書いているが、口出しをしてことを場を深刻にするような集まりではないので、黙って小母さんたちの話を聞いていただけだった。

[小母さんたちの話題と私の意見]
社会の劣化
 私は何度も書いて来たし、多くのブログでも議論されているように、問題の根源は米国の占領政策の負の部分と国民の敗戦のショック、それと核家族化などの社会環境の変化な対応出来ないまま、半世紀過ぎた今でも何も軌道修正されぬまま今に引きずってきたのが最大の原因だと思う。
詳細は長くなりすぎるので、もしご興味がおありの方は下記の資料をご参照下さい。

家庭内犯罪の高齢化
 女性たちが言う様に60代前後の人達の犯罪が増えているが、私たちの年代の人達はまだ敗戦のショックで自信を無くしていたが、戦前の価値観や日本古来の考え方がまだ残っていたこと、15~20年前の60代に差しかかったて時は「一億総中流意識」をもっていた良い時代だったので高齢者の犯罪は殆どなかった。
 今の60代の人達の犯罪は、個々には同情すべき難しい事情があったと思うが、全体的に言えば、その10代に敗戦のショックを受けた親たちから日本古来の美風の伝達を受けなかった「一部の人達のうち」、戦争直後の個人本位、権利重視、義務・責任の軽視の教育を受けた「そのまた一部人達のうち」、中国の台頭→日本経済の低迷時代と言う厳しい社会環境の影響をもろに受けた「そのまたごく一部の人達」の犯罪のような気がする。
 しかも前に書いた様に日本は精神的に敗戦の呪縛からまだ抜けられないまま、道徳教育など導入出来ないまま、その一方で社会環境の悪化、劣化も止まらないようだ。
 この先どうなるか小母さんたちの心配も良く判る。

小泉さん、安倍さんについて
 小泉さんは全体的に言って日本としてやらなければならないことをやった功績は大きいと思う。
 但し余りにも急ぎ過ぎたと思う。
 小泉さんとしては、自分がやらねば後やる人がいないと思ったかも知れないが、日本の国情や国民性に合わせて、ゆっくりとかつ確実に進める方法もあったかも知れない。
 安倍さんは「美しい国」と言うビジョンを出し、教育改革、憲法の見直し、主張する外交など言うことは良かったが、政治手法など数々の問題で早々と辞めたのは残念だった。
 私は突然の辞任と言う教訓を活かして何時の日かの彼の再起を願っている。

麻生さん批判
 麻生さんの選挙区の区民としては、麻生さんにもっと頑張って貰いたい気持ちもあるが、小母さんたちの批判は当たっていると思う。
 麻生さんの側近は麻生さんの発言にもっとブレーキを掛けねば、失言の機会を待ち構えているマスコミの餌食になりかねない。
 麻生さんの政策が頼り無いのは、今の経済情勢ではこれと言った特効薬がないからで、小沢さんでもその他の政治家の誰がなっても同じだ。
 昨夜の中国の国際会議での水を得たような麻生さんの顔をみると、日本が一番金融が安定している強みもあったろうが、何だが頼もしいような気もするのだが。

首相の人相
 Fさんの話でネットで調べたところ、彼女のあげた橋本さん、小泉さんとも、首相在任期間はそれぞれ、通算で932日、1,980日と最近の歴代総理の中で特に長いのが特徴だった。
 感性の鋭いFさんの観察が正しいとすれば、これから権力闘争の長さと人相が影響するのか?
 ちなみにFさんの言った安倍さんの在任期間は366日だそうだ。
 珍しい話が出たので紹介をしただけで、それ以外の意味は何も無い。
 第一、鈍感な私には二人の人相が悪いのか否かも判らない。

普通の小母さんの批評から
 普段政治の話など殆どしない国民も、それなり的確に今の政治情勢を見ているようだ。 そしてその人達が所謂浮動票として政治を動かすことを考えると政党や政治家たちも、政治闘争ばかりに明け暮れず、普通のおっさん、小母さん達の動向に何時も心配りをする必要があると思う。 

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ

*参照資料
  
社会の劣化が止まらない 
   社会劣化と教育予算最低の日本 
   教育環境の劣化と企業と官庁の責任


脳出血を起こした妊婦のたらい回し

2008-10-24 10:04:00 | 政策、社会情勢

 また救急医療を要する患者たらい回し事件が起こり患者が死亡する事件が発生した。

 脳出血を起こして緊急搬送先を探していた東京都内の妊婦のかかりつけ医だった「五の橋産婦人科」が今月4日夜、七つの病院に電話で受け入れを要請したが、「治療室が満床」「産婦人科医が出産の対応に追われている」などの理由で相次いで断られていた。
 妊婦は結局、最初に受け入れを断った墨東病院に搬送され、同日午後9時30分ごろから帝王切開と脳出血の手術を受けた。赤ちゃんは無事生まれたが、妊婦は3日後に死亡した。
 墨東病院は、出産や新生児の集中治療に対応できる「総合周産期母子医療センター」に指定されている。原則として常時2人以上の産科医がいるはずだった。(以上読売新聞から抜粋)
 事実は墨東病院の産科医不足のため当直は1人しか居なかったことと、かかりつけ医と墨東病院の間のコミュニケーションの不足のために、後者の方が事実の重大さを認識して居なかったことが、今回の問題が起こった一つの理由のようだ。

[私の意見]
 
最初にお断りしておきますが、内容からもお判りになる通り、一般論として書いているので、今回事故に逢われた方とは全く関係ないので、ご了承下さい。

産科医不足の原因
 今回の医療事故は「病院のたらい回し」を如何に防ぐかが最大の問題だが、今まで良く言われてきた産科医の不足が今回の問題の原因の一つになつている。

産科医不足の原因
・大学の学生数の削減→医師全体の不足
・研修医制度変更→研修医の中央の有名病院に集中→大学病院の研修医を含む医師が不足→各地に派遣していた医師を大学病院へ引き上げ→地方の医師全体の不足
・小児科医・麻酔科医ともに産婦人科医の労働条件が悪いこと
・特に産婦人科医は医療事故などのトラブルに巻き込まれるリスクが高い
が定説になっている。

患者側として考えておくこと
 私は設備の保全を長年やって来た経験から、医療事故の対策について患者の立場から見た次のような考えを持っている。
 設備の保全と身体の健康を保つことには大きな類似点がある。(*注記)
・日常から設備、身体の手入れを行う
・そのために定期的に診断し、または診断を受け悪い所は直ぐ直す
・異常がでたら、どの様に処置すれば良いか信頼のおける技術者または医師に診て貰う
実際の修理(医療)は優れた熟練工(医師に依頼する
それだけ慎重にやってもミスや失敗は稀に起こる
 私の場合は自分の技術はとにかくとして、実際の仕事を依頼するときは、口当たりのよい下請けの工員より、職人気質丸出しの口の煩い本工に依頼してきた。
 何故なら、私が如何に立ち会っていても、細かい所や仕事の精度については工員の伎倆に頼るしかないからだ。
 身体の場合は医師は診断、対処法の決定と言う技術者の役目をし、実際の医療行為、特に手術は診断と言う医師の技術と職人としての伎倆が必要になること、人の生命に関わることから如何に医師の選定が大切かが判る。

医療事故を防ぐための患者側の対応
 私は医師と少しばかり似た立場から医者側の立場に立って言えば、
・医師に診て貰うときは、最善の医師を選ぶこと。
 詰まり患者に出来ることはこれしかないのだ。
 私は3回の大きな手術を地域ではベストと言われる医師にして貰ってきた。
 然し事実は私の周辺でも、心臓、脳の疾患など重大な病気を一般の病院にかかったまま死んだ人を多く見てきた。
・医師が余程の大きな医療過誤などしない限り、仮に問題が起こっても医師を選んだのは自分の責任もあるかもしれないことも考えて処理すること
 何かやるときには幾ら慎重にやっても、診立て違い、手術のミスなど人間である以上避けられないことだ。
 そんな時、医療過誤を取り上げて何でもかんでも裁判沙汰などすれば、独裁国家なら不足の医師を教育し、強制的に産科医にできるが、民主主義国家の日本では問題の産科医師の希望者は減るばかり、現在の責任回避をしたがる日本全体の風潮から、今回のようなこと起こり続けまた患者側に跳ね返ってくることになりかねない。
 報道によれば一部の地域では、小児科や産婦人科の問題で病院と協力しようとするNPOも出てきているようだが、この運動が拡がって貰いたいものだ。
 
産婦人科に関連した医療事故を防ぐための日常生活
  昔の職業柄から、かねてから身体の健康や医療事故に強い関心を持ち、3回もの大きな手術を経験した私、そして何時、循環器、脳関係の病気が発生するか判らない年寄りの私は、素人ながら産婦人科に関連した医療事故について次のような考えをもっている。(*注記)
お産に耐え得る身体を作っておくこと
定期的に健康診断を受け問題があれば直ぐ治療すること。
お産や育児身体のことで相談できる人、たとえば助産婦、年寄り、若い人達のグループなどを作って置くこと
・いざと言うときに備えて、地方の産婦人科、突発的に致命的な問題が起こりやすい、脳外科や心臓などの循環器関係の名医を調べて置くこと
・特に健康診断で血圧など循環器関係の問題(脳出血や脳梗塞も血管の問題から起こる)があれば、上記の医師にかかり治療を受けるのは勿論、いざと言うときのコネを付けて置くこと

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ 

*注記:下記資料参照
  
妊婦受け入れ拒否と医療事故 
   中高年の方へ(設備と人体の健康)


橋下さんと朝日新聞

2008-10-22 15:53:23 | 情報、マスコミ

 橋下さんと朝日新聞の批判合戦がネット上の話題となっている。
 ネット上では橋下さん支持が圧倒的のようだが、私は少し別の視点からこの問題を考えてみたい。

[庶民の代表の橋下さん]
 橋下さんは東国原さんもそうだが、今までのような政治家や都道府県で要職にあった人達、マスコミに属していた人達など、権力とは全く無縁のような普通の人だと言うことだ。
 だから彼らの言うことは、庶民の心に訴えるのだ。
 タレント弁護士としての橋下さんの、山口県光市の母子殺害事件弁護団への批判の呼び掛けも、同弁護団のあくどいやり方に憤慨していた一般の人達気持ちを代弁したものだ。

 ただ懲戒請求が法的に問題があるとして敗訴になった。
 橋下さんは彼の懲戒請求発言に対してあっさり記者団の前で謝罪した。
 普通のおっさんの私がみても、彼は少し軽率な発言をするようだが、弁護士の経歴に不利になる謝罪をしたのは男らしいと思う。

 橋下さんの公開での府の職員組合との団体交渉や、全国学力テストの市町村別データ公表、府会議員定数の削減の責任は府会にあるとの発言など、未経験の危うさはあるが、いずれも庶民の気持ちを実現したもので、彼の支持が未だに衰えない理由の一つだ。

[権力に驕る朝日新聞]
 一方、朝日社説の彼の批判は良いとして、「弁護士資格を返上しろ」と言うのは、橋下さんの懲戒請求発言以上に軽率過ぎ、マスコミという強大な権力機構による個人の言論の弾圧だと言われても仕方がないと思う。
 朝日新聞は広報部を通じて、橋下さんの陸上自衛隊中部方面隊の記念行事の祝辞の中で「口ばっかりで、人の悪口ばっかり言っているような朝日新聞のような大人が増えれば、日本はだめになる」発言は「理解いたしかねます」と述べただけだ。
 橋下さんは自分の軽率の発言を謝罪したのに対して、朝日新聞の社説の軽率さに対する反省は全くないままだ。

自社に都合が悪いときの朝日の対応
 これから橋下さんと、朝日の間の戦争がどのよう展開して行くか判らないが、今までの朝日が不利な立場の時のやり方を見れば大凡察しはつくようだ。
 例えば、NHKの慰安婦模擬裁判報道に対する自民党の安倍晋三さんと中川昭一さんの介入の有無に対する、NHKと自民党対朝日新聞の争いだ。
 その3者の戦いの中で、朝日の本多記者の強引な取材と一方的な報道、無断録音の問題、中川さんがNHKと逢ったのは放送後などが明らかになり、他のマスコミの攻撃もあり朝日は記事の真実性を立証できず、「取材不足」を認めるなど、次第に守勢に廻ることになった。
 一方、自民党とNHKは何度も朝日に対し抗議と疑問点についての説明の要請をしたが、同社はこの件に関して訴訟を検討していると理由で説明を拒否しいた。
 私は朝日新聞の今までのやり方から考えて、同社がこの言い訳でなんとか凌ぎ抜き、そのまま頬被りをしてしまうと思っていたが、案の定今になっても、訴訟を起こしたと言うニュースは聞かないままだ。
 私の想像では今回も朝日はこの路線を踏襲する可能性が大きいと思う。

予想される朝日の反撃
 然し問題はこれからだ。
 安倍さんたちの真相解明の要求で不利な立場に立たされた朝日新聞は従来からあった反安倍の立場を一層強めて行った。
 その表立った現象は前回の参議院選の報道だ。
 安倍さんが「政治と金」の問題で閣僚を庇った政治的ミスを取り上げて、(多くのブログでさえ選挙に関するエントリーを遠慮した)選挙の真っ最中にテレビ朝日は「政治の金」の問題を繰り返し繰り返し放送した。
 それが極端なまで行ったのがあの呆れた「赤城さんの絆創膏報道」だ。(赤城さんが絆創膏を貼ったのをわざわざテレビで取り上げる価値はどこにある??)
 そして見識のない他のテレビもテレビ朝日に追随した。
 その結果、閣僚の杜撰な事務経費の取り扱いミスと言う、ごく単純な、そして大した問題でないことが選挙中に執拗に報道されたことが、安倍さんにボディブローのように効き始め、最終的には自民党大敗の一因となった。

[橋下さんへ]
 私は橋下さんに一本取られた感じの、(執念深い?)朝日が橋下さんにどう出てくるかを心配している。
 それが大阪府政の批判ならまだ良いが、橋下さんの言動の問題点を突いて来る可能性が大きいような気がする。
 柳沢さんの「産む機械」発言のように、彼の言いたいことは報道せずに、その発言のごく一部を切り取って攻撃するのはマスコミの常套手段だ。
 lancer1 さんも「アジアの真実」の「橋下知事の正論とマスコミの恐ろしさ」
の中で、三宅久之さんの「公人として言動には細心の注意を払うこと。仮に意図と違ったとしても、文中の単語のみを切り抜くなどの汚い手法を使って鬼の首を取ったようにマスコミは攻撃してくる。十分に気をつけるべきだ」という警告を紹介されていた。

[頑張れ橋下さん]
 そして私もlancer1 さんの言う様に、橋下さんのように有望な人材が悪辣なマスコミの手に引っ掛かって埋もれることのないように、余り感情的にならないように、その発言の揚げ足を取られない様に注意して貰いたいと思っている。
 そして庶民の感覚を持つ普通の人達が、今後とも政治の場で活躍するように東国原さんたちと共に頑張って欲しいと思う。

 
参照:
慰安婦番組訴訟とNHKと朝日  

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ


12道府県の不正経理

2008-10-21 17:21:31 | 地方分権と再生

[不正経理12道府県で10億円超、国に返還5億6339万]
 
全国12道府県で不正経理が発覚した問題で、会計検査院に指摘された不正経理の総額が、10億円以上に達することがわかった。

 国へ返還する補助金分は5億6339万円となる見通しで、架空発注で業者の口座に資金をプールする「預け」と呼ばれる裏金も、総額8678万円に達した。膨れ上がった不正額は公金を扱う職員のモラルの乏しさを映しており、批判の声がますます強まりそうだ。  (読売新聞より)

[地方分権の問題点]
 昨夜テレビ朝日の「たけしのTVタックル」で地方分権に対する政府の省庁の強い抵抗があり実質的な殆ど進行していないことと、自民、民主両党のそれに対する態度を放送していた。

 地方分権に反対する省庁の言い分は次のようなものだろう。
表向きの理由
・全国レベルでバランスの取れた政策が難しくなる
・地方組織の規模が小さ過ぎて情勢の変化があった場合にその運営に支障を来すことがある。
・技術的には国からの都道府県ごとの交付金の決定が難しいので、今までのように案件ごとの交付金配布の方がより適切になる。

表向きには言えない理由
地方の問題

・国に比べて特定の思想を持つ人が長になる可能性が大きく、国全体の方向と違う方向に進む可能性があるのでその権限はなるべく小さくしたほうが良い。
・地域が小さくなる程土地のボスや特定の圧力団体の影響力が大きくなりやすく、公平な政策実施が難しくなる。
・地方自治体に問題が起こっても、全国的に報道されず地方に埋もれてしまう可能性がある。
・地方自治体の不正など中央省庁としての監督する必要がある。

省庁内の問題
・人員、予算とも大幅に減らされれば、その権限が大幅に削除される。
・ある程度合理化が進んでいる地方自治体に出向した職員はリストラされないとしても、その負担が大きくなる。

[地方自治体へ]
 今回の会計検査院が検査した全ての道府県の不正経理の発見は自民党、近い将来政権をとるかも知れない民主党による地方分権や公務員制度改革に直面している省庁にとってまたとない反対の理由を与えるものだ。
 社保庁職員のようなとてつもなく大きな怠業や国土交通省の無駄遣い、前防衛事務次官の収賄など、自分のことは棚に上げて、政府の官僚は地方自治体の監督の必要性を訴えるだろう。
 地方自治体は今までの分権要求の方向から、地方への交付金増額要求のほうに傾いているそうだが、今回の問題発生が地方分権のみならず予算増額要求にさえ不利な情勢をもたらしている。
 都道府県庁など地方自治体は政府の省庁に比べれば圧倒的に規模は小さく、首長や幹部がその気になれば、細部に亙って眼が届きやすい立場にいる。
 今度のことで政府省庁に地方分権反対や配布予算の増額反対の余計な口実を与えない ためにも、会計検査院に代わる第三者の定期的な会計監査を自主的に導入するなどして、このような問題の起こらない様に努力する必要があると思う。

[麻生さん小沢さんのどちらが上手く官僚を制御できるか]
 麻生さんは「官僚は敵ではない、如何に上手く使いこなすかが問題」と言い、官僚には「省益より国益を優先する」よう指示した。
 私は麻生さんが企業の自主管理活動の考え方をを官庁に導入して合理化を進める一方、かっての渡辺喜美さんの提案に対してゼロ回答するようなことをすれば、事務次官を更迭する位の思い切ったやり方をして貰いたいと思うが、それも自民党が勝って、しかもその場面にならねば判らないのが残念だ。

 一方、小沢さんは民主党が勝った場合は、党員約100人を省庁に貼り付けること、天下り全廃と言う官僚を全く信頼してないかに様に見える政策を訴えている。
 これは一つの考え方で、私も多くの問題を抱えている舛添さんには必要とするだけの要員を配置するよう提言したことがあるが、100人もの人を貼り付けることは、官僚の「やる気」の点から考えると問題があるような気もするが、その良し悪しもまたやって見なければ判らない。

 いずれにしても二人のどちらが勝っても上手く官僚を使いこなし、両党とも賛成している地方分権の成果を上げてもらいたいものだ。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ

政治ブログへ


これからの日本の役割

2008-10-20 15:03:15 | 経済・財政

最近のテレビを見て気になったこと
・八代英輝さんのコメント

  テレビ朝日の「徹子の部屋」に出演した国際派弁護士といわれテレビでも活躍している八代英輝さんが言った。
 「企業や弁護士などで第一線で活躍している人には皆、専属同様な精神科医がついており、それが一種のステータスとなっている。」
 私は米国の弁護士数が日本に比べて圧倒てきに多い(米国の約106万人にたいし日本弁護士数は約2.1万人)ことは知っていたが、これは初耳だった。
 トップダウンの国で、しかも早くて正確な決断を迫られ間違えば直ぐ馘になる米国企業のトップの人達が神経をすり減らしているのを考えると、そうかなとも思うが改善提案制度に象徴されるボトムアップの考え方がまだ残っている日本では考えられないことだ。

・NHKの「海外ネットワーク」のアイスランドの破産
 9月の米国発の世界金融危機により、アイスランド経済は危機に陥っている。政府が非常事態を宣言し、議会はアイスランド国内の全銀行を政府管理下に置くという法案を可決、アイスランド中央銀行は8日にロシアから40億ユーロの緊急融資を受ける事態になった。
 その原因は低金利で借り入れた資金を使っての高金利が得る投資の政策が、金融恐慌で完全に裏目に出て、政府の財務体質は良好で、98年以降は黒字、低失業率(05年は年は2.6%)から一転して一挙に政府は破産状態になり街は失業者で溢れるようになった。(
一部 Wikipedia
の記事引用)

 過去では国民一人当たりでは世界でもトップレベル(06年時点で世界5位)、国際競争力も高も世界4位小国ながら特筆すべき経済力を持っているとして、バブル崩壊以後の経済の停滞に悩む日本の行く道を示すものとして、見習うべき国の一つとしてアイスランドを挙げ、日本も物作り一辺倒から金融にも力を入れろという評論家もいた。
 この人たちは今の同国の状況をみてなんと言うだろう。

・フジテレビの「サキヨミ」の
リーマン・ブラザーズと山一証券の破綻
 経営破綻したリーマン・ブラザーズのリチャード・ファルドCEOの昨年の報酬は約36億円、公的資金を投入して金融機関を救済する一方で、経営陣が膨大な報酬をもらい続けるのはおかしいという世論の怒りが噴出を受けての米国議会での証言でも「自分のやったことは適切だったと」と謝罪を拒否。
 破綻と同時に馘になった社員たちがダンボール箱に持ち物を持ち出す光景。
 一方日本のバブル崩壊時の山一証券の社長の涙の謝罪会見の後の辞任、社員の殆どが再就職と言う如何にも日本的な結末

冷凍インゲン豆毒物事件
・冷凍インゲン豆毒物事件に関連して放送された、製造元の中国山東省の煙台北海食品の厳重な検査体制と配下の農場の毒物の厳しい管理体制。
 これに関して冷凍ギョーザによる中毒事件で放送された中国の天洋食品の製造過程中の厳しい管理体制などを見ると、日本企業の指導がかなり中国の企業にも浸透しているようだ。

[日本と米国の文化、価値観の違い]
 以上はほんの一例だが、下記のようなキーワードで考えても日本と米国との文化や価値観は全くの別物だ。(括弧外は日本、括弧内は米国)
 物作りと輸出が経済の基本(金融技術と国内消費)、格差社会の否認(格差社会を是認)、環境に強い関心(環境より経済発展)、家族的経営、企業は株主、経営者と従業員のもの(合理的経営、企業は株主のもの)、ボトムアップ(トップダウン)、金や物より心(金が全て)、自分の責任を認める(他人の責任を追求しても自分の責任は認めない)
 勿論米国でも自動車産業に象徴されるように、物作りで経済を支えてきたときもあったし、日本でも戦後以来、米国型グローバリズムの名の元で、括弧内に記したような傾向が強くなって、戦後直後まで見られなかった数々の社会問題を発生している。
 米国型の文化や価値観が日本のそれより優れているとは思えないし、それを日本古来の文化や価値観にそのまま受け入れるのは抵抗があるし、それが現在の日本の経済発展を阻害しているかも知れない。
 米国型の金融政策中心で繁栄し、破産状態になったアイスランドは日本にとっても良い教訓になると思う。

[私の提案]
 日本型市場経済中心主義の確立とアジアへの浸透
 一方では先に書いた中国の企業の例のように、明らかに日本企業の考え方、大きく言えば(漫画、映画、食べ物などのように)日本の文化が少しづつではあるが、中国などアジア諸国でも受け入れられ始めている。
 それで今問題になっている経済問題に絞って言えば、日本型の経営手法の確立や、日本型市場経済中心主義を確立して、それを同じ仏教、儒教などの基盤を持つ中国、韓国、シンガポール、マレーシアなどに浸透してはどうだろうか。
 詰まり中国の政治体制や中韓の反日政策など大きな障害があるが、少しづつでも東アジアの経済圏を文化面で纏めることだ。
 勿論そのときは、過去の歴史から誤解されないように、日本がリーダーとしてしゃしゃりでるのでなくて、日本式管理システムを導入した中国の企業の例のように実績として少しづつ浸透させることだ。

アジアに第三の経済圏を
 日本は前に何度か書いた様に、第二次世界大戦で侵略国として汚名を着せられながらも、世界的な植民地開放の少なくも引き金をひいた。
 そして何時果てるとも知れない米国とソ連の冷戦の終結にも、日本が一役かったと思う。 
 私の憶測だが、共産主義経済の疲弊に喘いでいたソ連は、武力によらずも経済発展を遂げそれなりの世界への発言権を持つ日本と、それに引きずられた韓国、台湾、シンガポールの発展を見て、武力対立の愚を覚ったに違いないと思う。

 このように日本は第二次大戦から今まで世界に大きな貢献をしてきた。
 米国経済が低迷のため経済の米国一極集中から多極化し無極化のするかも知れないと言う今こそ日本が米国、EUに加えてアジアの第三の極を作ることで世界にまた貢献できると思う。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ


国民の80%が自民、民主に対し不満足

2008-10-19 14:14:06 | 政策、社会情勢

 19日の読売新聞に早稲田大学と協力して実施した自民党、民主党の期待度についての世論調査の結果が発表された。

 その主な内容は
 「これまでの自民党に満足している」という人は20%に過ぎず、「満足していない」は78%だった。民主党に対しても「満足している」は17%、「満足していない」は79%となった。
 これまでの自民党、民主党に失望しているかどうかを聞くと、「失望している」は自民69%、民主50%だった。
 これからの自民、民主に対する不安感では、自民には「感じる82%―感じない16%」、民主には「感じる75%―感じない22%」となり、自民により厳しい見方が示された。

[私の意見]
自民党に対する不安感の理由

・麻生さんに対する不安(*注記)
 私が何度も書いたように、旧態依然とした閣僚のメンバーと取って付けた様な小淵優子さんの起用、麻生さんの民主党に対する戦う姿勢は当初の所信表明演説と、自民幹事長の代表質問で異例の民主党攻撃で示されたが、後の国会審議は今まで通り野党の政府攻撃、政府側の言い訳のような回答の繰り返しで、折角の麻生さんに対する期待も今までと変わらない首相と変わらないと思われたこと。
・変わらない党内の体質
 麻生内閣の閣僚メンバーでもそうだが、自民党内閣陥落の危機に対して、挙党一致の体制がまったく見えないことと、党内の有力者の危機感の全く見えない、内閣批判とも取れる様な第三者的な発言だ。
 
国民はそれを聞いて、選挙前にして族議員たちは黙っているが、衆院選で自民党が勝ったら、例えば道路族などが出てきて、福田さんの時折角「一般財源化した特定道路財源は俺達の物だと言い出す」に違いないことを連想させるなど党内の体質が昔と変わらないと感じさせているのだと思う。

民主党に対する不安感の理由
 詳細な理由はネット上で多くの述べられているので項目を並べるだけにする。
・小沢さんに対する信頼感
 今までの世論調査で見るように、総理になるかも知れない小沢さんに対する信頼感の薄いのは明白だ。
・党に対する不安感
 党利党略の為の強引な参議院の運営。
 批判ばかりで次期政権を狙う党として、政府案が反対が対案と言って対案を出さず、出しも実行不可能な対案を出して自ら審議しないなど、政権を取った後まともな政策が実行できるのか否かの不安。
 民主党は将来の政権奪回に備えて、党の支持が上がっているのは、自民党政府の言わば敵失によるもので、民主党が点数を稼いだのではないことを知るべきだ。

自民、民主の両党の経済状態打開に対する不安感
現在の日本の経済情勢
 米国経済の低迷がここ数年は続くと言われているが、それに伴うドル安・円高傾向は続く→輸出不振→内需拡大しようにも少子高齢化の進行、非正規労働者の増加にともなう国民の平均所得の減少等の障害。
 そうかと言って非正規労働者の賃金を上げれば→企業のコスト増大→企業競争力の弱体化→経済の縮小に繋がる。
 中小企業を中心とする資金提供のための0金利の資金の提供→銀行の貸し渋り→中小企業の経営圧迫→乏しい財政事情の中からそれに対する資金の手当ての限度も知れている。
 などなど余りにも大きな問題があるがそれに対する処方箋がない? 

 テレビ東京の経済中心の「ワールドビジネスサテライト」で現在の経済問題を如何に打開するかについて、5~6人の経済の専門家に何度かの意見を聞いているが、そのいずれも人を納得させる具体的な処方箋を持っていないようだ。
 唯一の例外は竹中平蔵さんで、もっと構造改革を進めること、その一例として法人税の減税など、歯切れの良い意見を述べているが、それでとても上手く行かない様な気がするし、社会格差は当然とする竹中さんの意見が日本の社会に受け入れられるとは思えない。
 それを考えると現在の経済打開のための、下記のような両党の政策は如何にも頼り無いもので国民の不安感を持たせる原因となっている。、
自民党の政策
 麻生さんはここ3年を限度として景気回復を中心とする政策を出しているが僅か数兆円で景気回復出来るのか否か判らない。
民主党の政策
 国民生活中心だけ謳っているが、それで現在の経済不況を脱出できると言う処方箋がない。

日本に適応した経済政策を
 素人眼で見ると、今回の米国の金融危機は、基本的な問題は米国型の自由主義経済、市場中心主義経済、経済のグローバル化の破綻の兆候を示していること。
 そして米国流の考えと米国中心の経済の体制が崩れかかっているのが、現在の経済の混迷の原因となっているような気がする。
 私はいつも言うことだが、上記の様な経済の考え方に適応するような日本型の金融・経済システムを考える時期に来ていると思うのだが。

 このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ

*注記
 麻生さんの立場に立って言えば、不幸なことに現在は国会の対応に負われ、麻生さんの本当の力が発揮されない儘、選挙に突入してことによると負けるかもしれないことだ。
 選挙が勝利に終わって、与謝野さんや中川さんなど要所に配した人達が存分に力を振るい、彼の言う様に官僚を手足のように使う一方、例えば怠業を続けてきた社保庁の職員ような人達を厳しく処分をしたり、渡辺義美さんの構造改革の提案に対してゼロ回答するような、事務次官を更迭するなど、思い切ったことをやれば彼に対する支持率は一度に上がると思うのだが。

 もっとも彼や配下の閣僚が実際にそれだけことを出来ると言う前提だが。


民主党の海上給油の対案?

2008-10-18 14:29:56 | 民主党

 民主党は久しぶりに前向き?の提案をした。

 民主党の長島昭久さんがインド洋での給油活動を継続する新テロ対策特別措置法改正案を審議する衆院テロ防止特別委員会で「自衛隊艦艇による(船舶の)エスコートは(海賊対策に)かなり効果がある」と提案したのに対し、首相は「こういう提案はすごくいい。検討させてもらう」と述べた。
 同じ民主党の浅尾慶一郎「次の内閣」防衛相も他国船の護衛を含む新法整備を検討すべきだとの考えを示した。

 これに対して産経新聞は
  この海域では今年、日本のタンカーを含め20隻以上が海賊の被害を受けている。中東に原油の9割を依存する日本にとって、シーレーン(海上交通路)の安全は死活的に重要だ。国際社会は海賊を取り締まる行動を取っており、日本としても国際共同行動に参加できるとすれば、意味は大きい。
と評価している。(以上産経新聞社説
より)

 一方、読売新聞はその社説では上記委員会で民主党が昨年提出した対案も、政府案とともに審議されている。
 民主党案は、アフガンの非合法武装集団の武装解除や、道路建設、医療など人道復興支援活動に自衛隊や文民を派遣する内容だ。復興支援活動には、武力抗争停止の合意などの条件がついている。
 アフガン本土で人的貢献を目指す発想は悪くない。だが武力抗争停止の合意などの条件など、アフガンの現状からかけ離れた非現実的な条件がつくため、実際は「何もしない」案に等しい。これでは国際社会の理解は得られまい。
 民主党も、「テロとの戦い」の重要性は認めている。給油活動に反対するなら、実行可能な対案を示すのが筋である。
と以前からの民主党の海上給油の対案にたいして批判的な主張をしている。

[私の意見]
 私のようなへそ曲がりからみると、民主党の今回の提案の理由は次のようなことだろう。
・民主党の対案は読売が指摘するように、武力抗争停止の合意などの条件付きなど、前々から実行不可能な提案として不人気だったが、タリバンによるテロ攻撃の増大、ペシャワール会の伊藤和也さんが拉致、殺害された事件など、アフガン情勢が益々悪化しているなかで、対案に対して納得の行く説明もつかず、と言って今更引っ込みがつかない。
 それで民主党としては実行可能と思われる自衛隊による船舶護衛の提案をしてなんとか当面の民主党批判の事態を凌ぎたい。
・与党が海上給油の理由の一つとして海賊対策を上げているので、それに絞った提案をして、政府案の海上給油法案延長に揺さぶりを掛け、反対する。

 これから海上給油に対して与野党の駆け引きが始まるのだろうが、少なくとも日本が国際社会から馬鹿にされないような立派な法案を成立させて貰いたいものだ。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ


米国の抱える問題と日本

2008-10-17 17:37:39 | 政策、社会情勢

 15日の毎日放送で関口宏さんの司会、出演者は元国連事務次長の明石康さん、日本総合研究所の寺島実郎さん、「目撃 アメリカ崩壊」を書いた青木 冨貴子さん、「ルポ 貧困大国アメリカ」の堤 未果さんで米国の実情についてのレポートと討論があった。
 出演者の著書のタイトルで見るようにかなり偏った放送だった。
 中には米国の貧困者のための特別な教育システムの中に、イラク派遣の兵士をリクルートするシステムが組み込まれていること、そして心的外傷後ストレス障害(PTSD)に罹ったイラクからの帰還兵士が国家から放置されているなどショッキング例も記されていたが、ここでは日本にも関係ある印象に残ったものを取り上げ日本の実情と比べて見た。

[米国の抱える問題と日本]
・弱肉強食の社会
 400人の富豪の総収入とその他の全国民の総収入が同じ
 激増するホームレス、その中には金融経済の最前線で活躍した人達、中には元富豪と言われた人達もいる
日本:お互いに助け合ってきた農耕民族であり、そしてかっては一億総中流意識を持った経験をした日本人の性情として、このような弱肉強食の社会が受け入れられるのだろうか。

・医療格差
 医療に関する大きな社会格差、高価な医療費が払えず自分で腕の傷跡を手術する人
日本:医療技術は米国にやや劣るが全国民が加入する健康保険で医療は完全ではないが安い受けられる。
 後記高齢者医療制度で、保険料天引きがまた問題になっているが、どのようなシステムでも保険料は払わねばならぬことなど考えると、米国民から見れば羨ましいようなトラブルだろう。

・老後の生活資金
 老後の生活資金として投資していた人が今回の株価暴落で落ち込む人達
日本:社保庁職員の怠慢のお蔭で年金問題がまだ燻り続けているが、昔のように子供たちからの仕送りで老後を過ごしていた人達は、仕送りなどなくても年金で不十分ながら何とかやって行ける。
 構造改革を進めていた人達が、年金の国家の負担額を減らすために、老後に備えて自己責任での投資を勧めていたが、今回の株価暴落についてどう説明をするのだろう。

米国型自由主義、グローバル経済の行き詰まり
 自由主義経済、市場経済中心主義、金融の自由化と金の米国への還流、国内消費に頼ってきた米国経済の行き詰まり
日本:規制改革でタクシーが自由化されたが、タクシー会社の自由競争の結果、タクシーの台数の増加→収入減となったタクシー運転手の悲鳴に繋がっている。
 地方自治体の競争見積が一般化した結果、零細下請け業者の競争激化→コスト削減→保護所帯の収入に劣る作業者の発生
 市場経済中心主義→大企業の競争力強化→コスト削減のための派遣労働者の採用の増加→収入格差の発生と国民の総収入の減少→輸出からの転換を叫ばれている国内消費が進まないどろこか減少傾向
 日本のバブル崩壊→企業立ち直りの資金提供のための貸出金利の引き下げ→銀行は自衛のために肝心の中小企業の貸し渋りをする一方で、投機資金への資金提供→政府は補正予算の中に中小企業への資金提供のため予算組み込み
 官から民へ→不正業者の続発→官による監督の強化
などなどごく一部を取り上げただけだが、無制限の自由化、市場経済中心主義、官から民へにも大きな問題がある。
 私は今までの小泉改革にも良い所があるが、理想論や経済や金融理論に走らず、もっと現実を見据えて日本人らしくきめの細かい配慮をし、もう少し節度のあるブレーキを効かせた構造改革、規制緩和や金融政策を進めねばならないと思う。

[米国の日本のこれから]
寺島実郎さん意見
・米国は武力では依然として世界一だが、経済面ではその弱体化、米国の一極集中から多極化、しばらくは極がなくなり多国間の話し合いで事が進んで行くのではないか
・米国は多くの問題を抱えているが、まだ他国から米国を目指してくる人が多いのも現実だ
・今回の英国を中心としするEUの金融危機の対処の仕方からみると自由主義経済一本槍の米国と違った方向を見せ始めている。これからの経済の中心はEUや日本、中国などの新興国の方に移って行くのではないか。

青木冨貴子さん、堤未果さんの意見
 今の現状はブッシュさんを始めとする共和党の影響だ。今回の大統領選では人民の方を向いた民主党が勝利するのを祈っている。

[私の意見]
 私は寺島さんの言うように、日本人の価値観から言えば、米国よりEUのほうがより近いような気がする。
 日本はもっとEUのやり方を研究すべきだと思う。
 私は6年8月にその場凌ぎの政治から抜け出すために
で、「永久に米国に依存してゆくのか」、「丸呑みのアメリカ型市場経済で日本が世界に勝てるのか」と書いてから、何度も米国主導の市場経済中心主義、経済面でも米国一本槍の日本の政策の再検討の必要性を書いてきた。
 今回は米国の金融危機は米国中心の世界経済の変化の始まりかも知れないし、また何時かは米国が依然として世界の中心に戻るかもしれない。
 然しはっきりしているのは、米国が永久に世界の中心であり続けることはないことだ。
 もし米国が何時かぽしゃったときに、日本の世界での立場(ひょっとすると世界の孤児)はどうなるか考えておく必要があると思う。

 今回の拉致問題での米国の日本に対する不誠実な対応に会っても、独立国としては外交問題は自国で処理するのは当然だから、今更米国を非難する訳にも行かず、そうかと言ってこれと言った具体的に打てる対策はない現状を見てもその必要性は明らかだ。

 日本としては独立国として長い眼で見た長期戦略を研究しておく必要があるのではないか。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ

参照:「その場凌ぎの政治から抜け出すために」シリーズ
        石油問題と米国との関係の見直し
        日本経済と社会問題の見直し 


民主党石井さんの公明党批判

2008-10-16 17:40:34 | 政策、社会情勢

 昨日の昼食時、NHKがの参議院の予算委員会の審議の放送をしていたが、久しぶりに活気のある審議風景を見た。
 民主党の石井一さんが麻生さんの文芸春秋の投稿記事で国会冒頭解散を決断したと言いながら、今まで解散をしないのは首相としての適正をかけるもので首相の問責決議案ものだ。
 発言を撤回するか解散しろと迫っていた。
 その発言に議場が騒然とし審議が中断する場合もあったが、第三者の眼からみると石井とんの意気込みは空回りに終わったようだ。
 然し次の公明党批判になると議場は与野党の彌次で盛り上がり、何度も議事進行が中断した。
 その状況を一番詳しく報道している産経新聞の記事
によると、その内容の主なものは
・公明党とその支持母体の創価学会の関係を追及、「政治と宗教」に関する集中審議の開催を要求
・学会トップの池田大作名誉会長と、公明党・学会に批判的な立場をとっている元公明党委員長の竹入義勝、矢野絢也両氏、福本潤一元参院議員の計4人の国会招致を要求
・(その際)学会は参院選の選挙活動『民主党は仏敵だ』といっている、どうして仏敵なのか、学会の最高幹部に聞かせて貰いたい
・学会の宗教施設は全国に約1000カ所が選挙マシンとなり、宗教と政治と選挙が一体になっている。宗教施設が税法上の優遇措置を受けているのは宗教に使われるためだ。
 石井さんはその証拠として会の状況を録音したCDを見せた。
・自民党は、公明党の票がないと政権を維持できないから言いなりだ。後ろに影の力がある。それに公明党は唯々諾々と従っている。公明党が政権の中核で政策に注文をつけるのは日本の民主主義にとっていかがなものか

 産経の報道のほかに石井さんは次のようなことも言っていた。
・自民党は公明党の集票組織に頼っている、小泉チルドレンの殆どは公明党の支援なしには当選しないだろう
・創価学会の意を受けて(一人の人から支配されている)公明党は自民党に国会の解散時期など国の政治に大きな影響を与えている
・創価学会はマスコミに広告を出したり、(普通の印刷会社でなく)印刷を依頼することで創価学会や公明党批判の口を封じている
・選挙になると青年部や婦人部が集票マシンになっており、彼らの執拗な選挙運動で、会員でない一般国民が大きな迷惑を被っている。
石井さんの質疑がせ終わると議場大きな拍手が沸きおこったが、その大きさから考えると自民党員の拍手も混じっていたのに違いない。

[今回の関係者たちへ]
石井さん

 石井さんの質疑で麻生さんの文春発言の追求は空回りに終わったが、公明党と創価学会との関係批判は、マスコミではタブー視された問題だけにその勇気を讃えたい。

公明党
 公明党は石井さんの批判に対して、批判だけまたは黙殺することは、同党の透明性の問題で批判を浴びるだけだ。
 党として池田名誉会長の説く教義にしたがって党是が建てられているのは、そう言えば良いし、そうでないなら国民から誤解を受けない様に、学会と一線を引いた党の運営や選挙活動をするなど李下で冠を正さないことだ。
 私は公明党があらゆる意味で独立性を保ち、政権から離れ今の捩じれ国会で是々非々を貫いて貰ったら、国も随分良くなると思うが、理想論に過ぎないのだろう。

創価学会
 私か同会が発足時からの悪名高い折伏
(しゃくふく)や、他の宗派に対する排他的なやり方や同会に集中して起こる裁判沙汰など首が捻ることが多いが、実体を知らないので、それ以上のことはネット上で見つけた創価学会脱会者体験記を紹介するに止めておく。

マスコミ
 石井さんは広告や印刷の依頼で金の面で公明党や創価学会の批判の口を縛っているといった。
   石井さんの発言に関しては読売新聞
は次のように報じている。
 15日の参院予算委員会で、民主党の石井一副代表が公明党と支持母体の創価学会の関係を取り上げ、「宗教と政治が一体となっている」などと批判し、一時騒然となる場面があった。
 石井氏は、政治と宗教に関する集中審議の必要性に言及、池田大作・創価学会名誉会長らの参考人招致を求める考えも示唆した。公明党を揺さぶり、早期の衆院解散・総選挙につなげる狙いがあったと見られる。
 これに対し、麻生首相は「政治家でない人を安易に参考人招致するのはいかがか」とけん制。石井氏の後に質問した公明党の山口政調会長は「政府が答弁できないようなことを質問するのは厳に慎むべきだ」と猛反発した。

   なお前述の産経新聞は公明党の反論も記述している。
  毎日新聞
は読売の全般をさらに報道、公明党の反論なし。
  朝日新聞はネット上で調べたが無視?

   私は石井さんの指摘がなくても創価学会と公明党の密接な関係が明らかになっている以上、報道の公正さを保つためには、金銭面から圧力を避けるため、政治団体やそれと
密接な関係のある団体からの広告や印刷の受注など慎重な配慮が欲しいと思う。
   これは公明党が創価学会と一線を画するよりはるかに簡単と思うのだが。
 マスコミは石井さんの指摘に対して自己批判や反論、それでも不満なら裁判に持ち込んで、購入者や視聴者にその立場を明らかにすべきだと思う。

 マスコミはよく真実の報道と言うが、真実であっても偏った報道や報道をしないこと(やむを得ないことは除く)はマスコミの信頼性を無くすものだ

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ


米国の金融危機と日本

2008-10-15 16:17:30 | 経済・財政

  11日のNHKスペシャル「アメリカ発 世界金融危機」で世界中から巨額の資金を集め、リスクの高い金融商品で運用していたアメリカのビジネスモデルの崩壊で、世界は深刻な経済危機に陥った背景と今後の行方について解説していました。
 私は自分の勉強の意味でその内容の概略と私の感想を書いてみました。
 然しそれにしても文章が長くなるので一部の詳細は注記に回しましたので、もしご興味があ有りの方はそちらもご覧下さい。

[今までの流れ]
住宅ブーム

・ブッシュ大統領は経済発展のための一つの手段として「低所得者層へも住宅へ」のスローガンで当時から起こりかた住宅建設ブームを支援した。
・住宅ブームが起こった原因は当時、年に10%近く上昇していたは米国の住宅価格が、そのまま上昇し続けるという前提にたった、いかがわしい低所得者向きのサブプライムローンの採用だった。(*注1)

・債権の証券化
 住宅ローン会社はその保有する、本来借りることの出来ない層からの債権を持つリスク回避のために、優良債権と組み合わせたものを証券して売り出した。
 そのため格付け会社の格付けを利用して、ハイリスク・ハイリターンを目指すものからローリスク・ローリターンの種々様々な組み合わせをした証券化商品が売りだされた。
 しかもその商品を受け入れた会社はさらにそれを種々組み合わせて金融商品を売り出したので、末端の商品のリスクの程度が判らなくなってしまった。

・債権証券化商品のブーム
 世界的な経済の停滞で新たな投資先を探していた、各種の投資機関、年金基金、個人の投資家達やオイルマネーがハイリターンの期待出来る証券化商品に飛びついた。
 投資機関にとって都合が良かったのは各国、特にゼロ%に近い日本の低金利政策だった。
 彼等はそれを利用して自分の資本の何倍もの金を借り(
レバレッジを掛けて)投資した。
 そのために世界での金融資産は2京2000兆円と言う天文学的数字に登った。
 そしてその膨大なマネーが世界各国のコントロールの外で動いているのだ。

・バブルの崩壊
 然し米国の住宅価格は06年から低下に転じた。
 その結果は低所得者層のローン返済の停滞→住宅ローンー会社の不振→銀行の貸し渋り→投資機関の撤退など現在の状態になっている。
 しかも、金融機関や投資機関は自分たちの持つ証券が優良なものか否かも判らない不安を抱えており、それで確実な現金化の動きとなり、株式価格の暴落にも繋がっている。
 それが現在の金融収縮に繋がっていると言われている。
 またその住宅バブルから逃げた金は原油、食糧の先物市場での投機に廻りガソリンや食糧価格急騰を引き起こした。

・米国の経済
 今までの米国の経済は金融と国内消費で支えられていた。
 詰まり金融の自由化、デリバフィブ、金融の手法や商品などの開発→外国からの投資を呼び込む→経済成長の政策だ。
 具体的には、輸出国、新興国→(輸出)→米国→(ドル)→輸出国、新興国→金融商品の購入だが、その図式はほぼ完全に壊れかかっている。
 金融危機は実体経済にも影響を与え金融機関やGMなどのリストラにより、失業率は6%にも達するなど、米国経済のもう一つの柱の国内消費さえ怪しくなっている。

・G7は10日金融危機に対処する行動計画を発表(*注2)
・14日、各国の株式市場の急反発

[日本として出来ることとやらねばならぬこと]
・低金利政策の見直し

 NHKの番組に参加しいてた人が「長期の低金利政策は有害だ」と言っていたが、2京2000兆もの膨大な金融資産が世界や日本に取って必要か否か
 もしそれが不要もしくは害を及ぼすのなら、それを産む手助けをする低金利政策のやり方を見直す必要がないのか。
 日本銀行が低金利政策を行って銀行を援助してその自主性に任せた結果、銀行は低金利政策の基本的な目的を無視して、相変わらずの貸し渋りをし、その低金利の金を外国の金融機関や投機筋に回してサププライムへの投資(円キャリー)や、原油、食糧の投機によりガソリンや食糧価格の高騰など、日本に大きな被害を与える結果になった施策は見直す必要があると思う。
 やはり法律を変えてでも、今回の英国の資金注入の例(*注3)の様にその資金の流れをトレースし、ある程度のコントロールをする必要がいると思うのだが。

・米国型の自由主義、市場中心主義経済一本槍の見直し
 G7の提案で株式市場が反発したが、それでもその提案が現実性に乏しく見えるのも、世界の経済のリーダー自認する米国に遠慮した提案だからだ。
 世界経済も自由主義、市場中心主義でも良いがその負の部分の修正を思い切ってやる必要があると思う。
 詰まり米国流の完全自由でなくて、一定の規制を加えることだ。
 その点日本は「理想的共産主義社会」、「一億総中流意識を持つ社会」形成など現行の経済方式の果実を味わう一方、中国の台頭や資源の枯渇問題で、多分世界で一番先にその方式の被害を被っている国だと思う。
 その日本が今までの世界経済のやり方の見直し、提案する資格と責任があると思う。

・経済でも主張する日本
 前にも書いたが、日本は不動産バブルの崩壊、そして失われた十年を経験した国だ。
 米国が住宅建設を経済の柱にしたとき、それからいかがわしい住宅ローンの実体が知り始めたとき、日本の経験から米国に忠告すべきだった。
 NHKの番組の識者は今までの米国一国集中の経済の体制が崩れるが多極化でなくて極が無くなるのではないかと言っていた。
 今こそ日本は経済面でも米国にぶら下がる体制から、「ものを言う日本」に変わるチャンスだと思う。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ

*注1:住宅ブームの原因
・当初数年間の金利を抑えたり、金利のみの支払いを許すなどの方法で、当初の返済負担を軽減する米国で一般に行われていた住宅ローンの返済方法。
・当初は住宅価格が上がり続けていたので、債務者が自分の返済能力を無視した借入をしても、当初の優遇手段の期限が切れて債務の返済が困難になってとき、債務者は値上がりした住宅を担保にして新たな追加借入をして、金利の支払いなどに当てることができることで、本来なら借りることが出来ない層までが、住宅を建設をし始めた。
 なおそのほか住宅ローン会社が契約の内容などろくに説明しないまま勧誘するなど詐欺紛いのことしていた。

*注2:G7の行動計画
・重要な金融機関の破綻回避のためあらゆる手段を活用
・短期金融市場の機能回復と金融機関の資金調達・流動性の確保へすべての必要な手段を実施
・必要に応じ公的資金、民間資金双方で金融機関の資本を増強
・各国の預金保険・保証制度を強化、証券化商品の流通市場の再開へ向け、資産の正確な評価、透明性の高い開示
・質の高い会計基準を実施

*注3:英国の資金注入
 新聞の報道やNHKの放送を総合して見ると、英国は国内の3つの大手銀行に総額370億ポンド、日本円で6兆3000億円のを注入することが決定されたが、各行は、政府の支援を受ける代わりに経営トップが交代、政府から役員派遣、経営陣のボーナスカットするほか、向こう3年間は住宅ローンや中小企業への貸し出しを、少なくとも去年と同じ水準で行うとしていることが判る。
 特に最後の中小企業への貸し渋りの制限など、日本として見習うべき政策だと思う。