日曜の朝の毎日放送系のサンデー・モーニングで憲法改正について論議されていた。
改憲論者、護憲論者、はては論憲論者まで、また同じ論者でもそれぞれに違う意見もあり、この問題が如何に難しいことを示している。
<<憲法改正論議と現実>>
勿論同論議の最大の争点は第9条の取り扱いで、改憲論者と護憲論者の憲法そのものの改憲の賛否の最大の理由となっている。
私は先ず日本の直面している現実(青色)を書き、それに基づく憲法改正についての私の考えを書いて見たい。
<憲法の内容の解釈>
前文には
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
とあるが、現実は拉致事件と言う国家犯罪を犯したり、武力による恫喝外交をするするなど、その国民の公正と信義に信頼出来ない国がある。(現実)
敗戦のどさくさに紛れて、日本領土を侵犯したままの国もある。(現実)
これは憲法前文で想定した前提と明らかに違っている。
平和主義には私も賛成だが、憲法で想定していなかった、このような国が出てきた時の日本の対応も憲法で示して置く必要はないだろうか。
自衛権、集団的自衛権
第9条には、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
とあるが、
Wikipedia よれば、
自衛権の存在は現在は政府の憲法解釈により、存在することになっている。
と言うことは、政府が変われば、その解釈も変わる ことを示している。
今問題となっている、集団的自衛権は国連憲章51条の同じく解釈の仕方で、変わる可能性がある。
第一、平和日本を国是とする日本が、戦争をするかしないかを重大な決断をする際に、憲法に記載がないからと言って、イラク派兵の理由に上げられたように国連憲章や国際法を適用するしかないなど明らかに考えられないことだ。
自衛権の様な論議の別れる重大な問題こそ、憲法で明確に示すべきだ。
サンデー・モーニングで誰かが言っていたが、憲法に手を着けずに、政府の解釈でどうでもなることこそ、見過ごすことの出来ない大問題だと思う。
<<憲法と世界の常識>>
いくら米国が、同盟国と言っても、9条があるからと言って日本だけが奇麗事で済ませ、自国を護るのに自国民は血を出さずに、日本を護って貰う為に、米国民に血を流して貰うなど話が通らない。
だからこそ、自衛権の項目を憲法に明確にすべきだ。
米国に日本を護ってもらうためには、日本もある国民に何らかの危険を及ぼすことについても、日頃から協力して行かねばならない(と政府が思った)。 (推測)
それがイラクへの自衛隊の派遣だ。
不幸にして、自衛隊から死傷者がでるかも知れぬことも、万が一にも自衛隊が火器を使用する事態になるかも知れぬことも小泉さんの覚悟の上だったと思う。 (私の推測)
その為の憲法解釈の解釈の変更だ。 (事実)
しかも、アメリカは世界で一番多くの戦争を行っている。
その信じる大義や、国民の安全のため、武力行使も厭わない国だ。 (歴史上の事実)
もしそれが誤ったたまたは不確実な情報で事を起こしても、将来日本を護って貰う為にも、やりすぎだと思っても協力せざるを得ない。 (イラク派兵を決心した小泉さんの本心の推測)
イラク派兵について、同じ敗戦国のドイツは派遣反対した。 (事実)
それはドイツの周辺の国が、憲法前文にあるように、公正と信義面である程度信頼できる国 だったことと、それに相応する軍事力を持っていた からだ。(推測)
日本も、もしドイツと似た環境とそれに相応しい軍事力があれば、憲法解釈を変えたりせずに済むし、米国の機嫌を損ねても、自衛隊の生命の危険を冒させずに済んだはずだ。
<<憲法改正問題に関する発言>>
1.護憲論者は、平和憲法のお蔭で、日本は50年間戦争をせずに済んだと言う。
然し、日本はイラクに派兵した。
これに対して、平和主義者のは戦争行為だと批判した。
私も同じ意見で、日本は参戦したのだ。
つまり平和憲法があっても、戦地に派兵しなければならないこともあるのだ。
日本が自国を護るための十分の戦力がない ことが、いやいやながらでも、戦闘に協力しなければならないのだ。
つまり平和憲法に沿って中途半端な軍事力しか無かったため、自国の意志に反しても参戦 しなければならなかったのだ。(推測)
改憲論者も護憲論者もいかにして、日本が戦争せずに国を護るか現実に則して憲法を変えるか否かを考えて貰いたいものだ。
世界に誇る平和憲法がのお蔭で、日本が滅んだり、独裁国家から支配されて、言論の自由もない世界に閉じ込められるなど考えられないことだ。
ある人はテレビ・タックルで敵が攻めて来たら直ぐ降参すれば良いと言った が、そんなにしてまで平和憲法を護りたいのだろうか 。
2.前記のサンデー・モーニングで、護憲論者の学者は、日本が世界から嘗められているのは、自前で自国を護る軍事力がないからだと言った。
私はそれより、日本が時々馬鹿にされたり軽視されるている一番の理由は、諸外国が日本を米国の属国扱いにしているからだ。
独自の外交戦略ない日本、米国依存一本槍の日本。
日本にして貰いたいことがあれば、日本に言うより米国に言う方が早いと思っているからだ。
だから、日本が尊敬されるためには、仮にそれが米国の外交戦略と違っても自国独自の外交戦略を持つことだ。
その為にも、日本がどの方向に進むのかじっくり考え、必要あれば憲法改正も厭わぬことだと思う。
3.平和主義者は、戦争に頼らずに外交で解決せよ と言う。
正論だ。
然し、日本国民の生命を護ると言う基本的な国家の使命を果たすべき、日本政府の拉致問題への対応の実情を見て貰いたい。
彼らが本当に日本を愛するのなら、米国や、中国へ支援を要請するだけで、これといった手段を持たない政府 (推測)へ、具体的な外交戦略や解決の名案を提案すべきだ。
日本政府の右傾化の批判だけでは何も生まれない。
もし何も対案が無いのなら、少なくとも、拉致問題を解決の障害になりかねない、慰安婦問題が発生した時、デマや、憶測に基づく発言や、戦地で偶発的に起こった事件を誇大に扱わないなど、慎重な発言をして貰いたいものだ。
サンデー・モーニングで某学者の言ったように、武力の裏付けのない国では、国民がそれぞれの立場で、一致してことに当たるしか、難しい外交問題の解決など考えられないからだ。
<<今後の憲法改正の対応について>>
以上の憲法9条の問題点と現状を考えてみると、やはり憲法見直しは避けられないと思う。
然しの進め方は、
最近の安倍さん批判について で
安倍さんは憲法改正を今度の参院選の争点にしたいそうだが、ここは国民投票法案の成立で、一休みして置いた方が良いと思う。
もし、どうしても憲法改正をしたいのなら、問題の9条はしばらく棚上げ にして、その他の問題点の改正にしばらくとどめるべきだ。
そして、世界から総スカンを食っている、米国と未来永劫、同盟関係を続けるのが、果たして日本のためになるのか、もしそうでないとした時の、日本の防衛をどうするのかなど、基本的な考え方をきっちり整備する必要があると思う。
そうすれば、国民の理解が今以上に得られるだろう。
と書いたように、もう少しゆっくりと腰を据えて進めた方が良いと思う。
何故なら憲法は目の前の問題を処理するのでなく、先々まで考えた上で改正すべきだと思うからだ。
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