27日、福田首相は09年度から道路特定財源制度は廃止するなど珍しく可なり思い切った新提案を記者会見で発表した。
それに対して、民主党執行部は依然としてこれも拒否する方針だそうだ。
いずれにしても、ガソリン税などの暫定税率が4月1日以降期限切れになるの事実上決定的になってきた。(3月30日12.00現在)
福田さんの提案も閣議も通ってないし、自民党内の了承も受けてないあやふやな者だが、28日にも書いたように、福田さんの提案を記者会見で行った事に大きな意味があると思う。
今回のこれらの一連の動きに関連して印象に残ったことを書いて見たい。
[福田さんと安倍さん]
安倍さん
安倍内閣については私は安倍さんが裸の王様になりかけていると書き、自民党にもそのむね投書した。
安倍さんの場合は衆議院選大勝の波に乗って、党から言わせればお友達内閣で、安倍さん流のリーダーシップを取った。
然し一国民の私からみれば小泉改革の歪みに気がつかぬまま突っ走って、地方の疲弊などに気が廻らず、そこを小沢さんに上手く突かれて、大敗の一因となり気づいてみれば、いつのまにか、党内でも孤立した状態になり、僅か数人に相談下だけで下野をしてしまった。
福田さん
福田さんの場合党内の内心では小泉、安倍内閣の反対のグループに担がれて首相になったが、年金問題に加えて、政府攻撃の的を捕まえるのが上手な小沢さんのため、海上給油問題、日銀総裁問題、道路特定財源などで福田さんは苦戦を強いられている。
特に道路特定財源については、福田さんを担いできた党内の道路族の主張と民主党の攻撃に挟まれて、福田さんは報道のによる限りでは彼を担いだ党内の人達に相談もなく道路特定財源の一般財源化を打ち出した。
そして安倍さんと同じように党内で孤立化した状態となっているようだ。
[自民党の一部(または大部分)特に道路族の戦略]
以下は私の「下司の勘繰り」だ。
民主党は小沢さん路線から考えて、福田さんの譲歩を見て国会解散→総選挙まで一押しだと考えて徹底的に福田提案を拒否するだろう。
当然これに対しては、与党は衆院3分の2条項で再可決する。
これに対して参議院では福田さん問責決議案が出るだろう。
その時自民党としては、福田さんを下野させて、道路族またはそのシンパから総裁を出して衆院選を戦う。
衆院選で勝てば(勝たなければこの計画のオジャンだ)今まで通りに10年先までの、道路特定財源をキープ出来その間に計画道路をほぼ完成できる。
国会の捩れ状態はその後も続くが、これは福田さん続投の場合でも、ここ6年間は続くので、道路特定財源を受け入れる首相の方が好都合だ。
[民主党内の戦略]
これは「下司の勘繰り」でなく報道による。
民主党執行部は徹底的に福田さんを追い詰める作戦だ。(3月30日12.00現在)
然し党内からは民主党の看板政策の道路特定財源を一般化を呑んだ福田さん提案も拒否する「抵抗政党」と言われるようなやり方に批判が出ている。
党内には短期間のガソリン値下げより一般財源化を優先させるべきと言う声も出ている。
前原さんは「政府、与党が本気で一般財源化を提案するなら民主党も譲歩出来る。それは民主党にとって革命的なことだ」と言った。
中には、首相提案を丸呑みにすれば、自民党を切り崩し、民主党の政策も実行出来、一石二鳥だとの期待もある。
然しこのような意見は執行部の大勢となっていない。
[私の意見]
自民党へ
何度も書くから簡単に書くが、自民党はもっと危機意識を持つべきだ。
何故なら今の政敵は、何をしても自民党に票が入る社会党とは違って、国民から受け入れられる価値観を持った民主党で、参院選と同じように下手をすれば負けることもあることを知るべきだ。
民主党へ
民主党が主張する道路特定財源の一般化、暫定税率の廃止の実施を08年を09年まで伸ばす事は地方財政の08年度計画に影響与えないことも考えると、話し合いや譲歩など政治の局面では当たり前のことだ。
もし民主党が福田提案に賛成すれば、
同党へ政権委託するに足りる党として国民から評価されるだろう。
然し当面の目標の国会解散→総選挙の実施が遅れる。
もし民主党が反対すれば、
当面の目標の国会解散→総選挙の実施が早まる。
然し、僅か1年の実施の差だけで自党の主張が陽の目を見るのに、それでも反対するとは、特定財源の一般財源化など、海上給油、日銀総裁問題の反対と同じく、国に取って重要な案件を政争の具に使っているとの批判が国民から起こるだろう。
参照:カテゴリー → 福田内閣
民主党
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