普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

日本の外交の足を引っ張る日本人達

2009-04-06 15:38:57 | 国際社会

 昨日のエントリーで江川紹子さんさんの日本政府より北朝鮮政府のやり方を信用していると思われる発言を取り上げましたが、同夜のフジテレビの「サキヨミLIVE」で元のNHKのアナウンサーだった池上彰さん もほば彼女と同じようなことを言っていました。
 彼女の「今回の北朝鮮のミサイル発射への日本政府の対応は騒ぎすぎだ、日本はそれより6カ国協議に力を入れるべきだ」の発言と違うのは、池上さんは「フジテレビの行った街のアンケートの60%近くが国防費増額賛成の数字は、今回の政府の大袈裟な動きに乗せられたので、日本としてはは北朝鮮に強い影響力のある、中国、ロシヤと今までのように米国に訴えるべきだ」と具体的に言ったことです。
 池上さんの指摘したように、日本が独立後半世紀過ぎているのに、独自外交どころか日本国民の生命を護ると言う、拉致問題の解決さえまだ他国に頼らねばならないと言うなんて何と情けないことでしょう。

[日本の外交の抱える問題]
・中国の現状と将来
 「国防費増額は政府の大袈裟な動きに乗せられた」の話は後に譲るとして、最初に日本の外交が抱えている問題を取り上げて見たいと思います。
 池上さんの言う様に日本が働きかける相手として、北朝鮮に一番影響力があるは中国です。
 最近の報道ではG20の会議の中で中国の影響力が大きくなったこと、そして将来の世界の経済は米国と中国を中心として2極化するのではないかと言われているそうです。
 マスコミの一部やネット上でも、中国は経済の拡大に伴って共産党一党支配の構造が瓦解するのではないかと言われています。
 然し、私は中国の共産党の支配の瓦解の可能性より、少なくとも数十年間は永続し、中国が発展し続ける可能性の方が高いと思っています。
 それは、私は社会主義政権の一党支配のシンガポールで一年半滞在した経験から、中国人が超をつけても良い程の実利主義的な人達であることを知ったからです。
 そして中国も何時かは共産主義の呪縛から離れたら、どんなに怖い存在になるかと思っていました。
 予測は当たりました。1978年に小平さんが復帰して、市場開放を決め、それが今の中国の経済発展に繋がりました。
 そして、今回の金融・経済危機→輸出の激減でも、早速、内需の拡大に方針を切り換えて、依然として世界最高の経済の伸び率を維持しています。
 それが日本と違って直ぐ出来たのは中国人の実利主義と、一党独裁のお蔭です。
 そして今後も共産党一党支配の元で市場中心主義経済と、情勢の変化に対しての即応態勢は続いて行くでしょう。

・日本の立場
 同じ敗戦国であるドイツと比べると、外交面から見た日本が如何に苦しい立場にあるかははっきりしています。
 ドイツはフランスと共にEUのリーダー的存在です。
 そして今回のG20でも米国・日本の政策にEUとして真っ向から反対するなど、世界に大きな影響力を与えることが出来ます。
 然し日本の周辺は反日教育を行っている中国、韓国、自国の勢力拡大を図っているロシヤ、それと北朝鮮しかいません。
 組むとすれば東南アジアの諸国か今までのように米国しかありません。
 もし万が一米国がポシャッたら、日本はアジアの孤児になる可能性もあります。

・日本と中国の関係
 それで好き嫌いは別として、日本の将来の発展のためにも、そして当面の北朝鮮問題解決のためにも中国と何らかの友好関係を築かねばなりません。
 そのための外交のカード
 ・日本の経済力:中国経済の拡大で日本の影響力は相対的に減ってくる
 ・日本の技術力:技術立国の日本は余程のことや、日本のを及ぼす環境などの分野で無い限り、中国の企業に競争力を付けさせることを考えると提供には限りがある、まして違法な模倣が盛んな中国では尚更だ
くらいしか素人では考えつきません。
  後、残る方法は、米国に対すると同様に、北朝鮮問題解決のために中国にもひたすらお願いするしかないのでしょうか。
 それが独立国のする外交でしょうか。

[日本の外交力の強化のために]
  結局、日本して考えなければいけないのは、日本独自の外交力の強化しか残らないと思います。
  その為には
・武力の強化:使わないでも米国のように隠然たる影響を与える効果があるが、憲法の制約があります。
・情報力の強化:安倍さんが情報機関の設置を言って居ましたがそのそままの様です。
 古くは米国からのガセネタに基づいて、憲法解釈変更までしてイラクへ自衛隊を派遣しましたし、今回の北朝鮮のミサイル発射に関する国防上の情報も殆ど全て米国から貰ったものばかりです。
 日本は独立国として、武力を使えない国として、しっかりとした情報機関の整備は欠かせないと思うのですが。
・日本外交に対する国民の支援
 私は日本の外交力の強化には日本国民の世論の後押しが不可欠だと思っています。
 然し、最初に書いた池上さんの「国防費増額は政府の大袈裟な動きに乗せられた」発言や、ミサイル発射の誤報に大喜びして政府を批判するする政治家、一部マスコミの報道を聞いて、喜ぶのは誰でしょうか。日本の反体制派、北朝鮮は間違いないとして、中国や韓国?、ひょっとしたら米国でさえも?
 
 日本政府の方針に反対する人達が「日本は武力より外交に頼るべきだ」と主張しているのに、その日本の外交の足を引っ張っているのです。
 彼からが今度のことで「喜ぶ」としたら、今回のことで「情報システムのの不具合が発見され修正できた」、「北朝鮮で脅威が現実に成り始めていると判った」ことだと思うのですが。
 一部日本人の平和ボケ、外交と言えば全て米国におんぶに抱っことすることが当たり前だと思っている「外交ボケ」には日本として本当に困ったものだと思います。

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カルデロン・のり子さんの支持者へ

2009-03-08 12:07:35 | 国際社会

[カルデロン一家の意外な動き]
 昨日午前中のテレビで
 9日に帰国日の回答期限を迎えるカルデロンのり子さん一家の問題で、森英介法相は6日、強制退去となれば原則5年間再入国できなくなるのり子さんの両親について、「一時的に上陸特別許可を出すこともやぶさかではない」と配慮することを明らかにした。
 森法相は、のり子さんだけの在留を許可した判断について、「基本的には家族そろっての国外退去だが、(のり子さんが)日本で学業を続けたいという事情を考え、判断した。近くに身寄りが3人おり、多くの支援者もいる」と、これまでの判断に変更がないことを強調した。
 そのうえで、「お子さんは在留資格が得られれば、いつでも両親に会いにフィリピンに帰れる」と述べた。(
産経新聞
より)
と言う趣旨のニュースを見ました。

 7日の読売の国外退去処分確定の比一家、長女は国内残留へ
で、
 カルデロンさん一家が、法務省に在留特別許可を求めている問題で、一家は拘束を猶予される仮放免期限の9日を前に、長女ののり子さん(13)は国内に残すことを決めた。
 一家の代理人の弁護士が6日、明らかにした。3人で残れるよう求めてきたが、受け入れられない場合は「日本で勉強を続けたい」というのり子さんの希望を優先することにしたという。

と報じていました。
 私はこれでややこしい問題の決着がついたと思って居ましたから、昨夜のテレビでのり子さんを含むカルデロンさん一家と支持者の会見の放送があり、「一家が纏まって住むためには、9日の一家全員の拘束も辞さない」と言う趣旨の発言をしているのには驚きました。

[カルデロンさん一家を支持する理由]
 支持者たちのカルデロンさん一家を支持する理由は家族がばらばらになるのは気の毒だと言うことは良く判りますが、ネットで調べてみますと次のような理論的根拠として、
・国連の自由権規約委員会がオーストラリアで政府が、不法滞在のインドネシア人家族に対し、13歳の息子だけが残るか、両親と3人で国外退去するかを迫ったことに対して、「長期にわたって定着してきた家族生活を破壊するには、出入国管理法違反だけでなくそれ以上の理由が必要だ」として、家族生活の保護を定めた規約に違反すると判断したこと。
・日本国憲法に日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守する事を必要とする。と記されている。
ことを上げているようです。

 然し、素人考えで見ても、条約でも、国際法規にこのような細かい事が明文化されていないと思われること、そして仮にその明文化されたものを国で実施するにはその条約や国際法規に基づいた国内法規を必要とします。
 私は日本は法治国家だから、法の整備が不十分な現状では、何がなんでものり子さんの気持ちを大切にして、超法規で全員の滞在を認めるべきだと言う支持者の言い分より、法務省の決定の(不法入国者のやり得と言う批判には目をつぶっても)法の許す範囲で妥協した政府の方が筋が通り、しかも、のり子さんの親戚が日本に3人もいることを考えれば冷酷無常のやり方ではないと思います。
   のり子さんの親戚が金銭的な問題で引き受けてが無ければ、支持者の一人が彼女の里親代わりになってはどうでしょうか。
   親元を離れて通学または寮で暮らしている日本人の中学生はそんなに珍しいことではないと思いますが。

[日本人支持者の心情の変化]

 日本人の大多数は(ごく一部の政治家、官僚、企業経営者、犯罪者などを除くと)法律を守る善良な国民であり、親切な優しい国民です。
 良く言われるたとえ話に、「砂漠のど真ん中で赤信号が出たら、日本の車は必ず青になるまで停車するだろう」と言う話があるそうです。
 今回のカルデロンさん一家の法務省の譲歩につけ込んだと思われるような行動は、善良で親切、そして優しい国民の反発を買うばかりです。
 然しカルデロンさんは日本人ではないから、この様な心情の変化の可能性について気付かないかも知れません。
 日本人の一家の支持の中心にいる人達は、一家に日本人の心情の変化について充分に説得して置くべきだと思います。
 支持者はカルデロンさん一家にこのことを伝え無ければ、折角の一般支持者の支援もなくなり、一家への反感に変わる可能性があることを説明しなければならないと思います。
 一家にとって幸か不幸かわかりませんが、一家が全て国外に出れば問題は起こらないでしょうが、一番可能性のあるのり子さんが残ったとき直ぐ考えられるのは、「自分たちの悪い事を棚に上げて、好き勝手なことを主張する」一家に対する反感が、学校内での心ない生徒達によるのり子さんの「いじめ」となってくるでしょう。
 そうでなくても、日本に残るのり子さんはいずれ、日本の社会に出るとき、わがままを通し、規則など無視すればどうなくかも教えて置く必要があると思います。
 もしそうでなくて、一家の言う通りにしていたから、支持者の支援が結果的には「カルデロンさん一家の不幸を口実ににして、自分たちの主張を通すだけの動き」になってしまうことになるかも知れないことを充分に知って置くべきだと思います。

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クリントンさん来日と拉致家族と平和主義者

2009-02-16 10:32:48 | 国際社会

 昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」はレギュラーの三宅久之、田嶋陽子、筆坂秀世、田母神俊雄、桂ざこば、勝谷誠彦、宮崎哲弥の各氏とジャーナリストの惠隆之介さん対、レギュラーの田嶋陽子さん、ゲストの琉球大学名誉教授の高嶋伸欣さん、大江・岩波沖縄戦裁判支援連絡会事務局長の小牧薫さん、中立の立場の山口もえさんによる沖縄戦の住民の自決問題に対する久しぶりに伯仲した議論が有りました。

[沖縄自決問題]
 そこでの意見を総括すれば、
前者の意見:沖縄戦と言う破滅状態の戦いでは色々な事があったと思うが一慨に日本軍が住民の自決を促したとは言えない
後者の意見:軍隊は国を護っても住民を護ってくれない。正確に書いた資料はないが聞き取りの調査では軍が自決を促したのは間違いない
 詰まり前者は一部の軍人がそう言うことをすることもあったかも知れないが、それを全体の事として言うのは間違いだと言うのに、後者は一部の軍人の指示を全体のものとして拡大解釈しようとしているように聞こえました。
 一つ引っ掛かったの田嶋さんが、「軍官民共生」と言う形で戦闘に住民参加させたと批判しましたが、戦争を経験した戦前派から言えば、国や軍隊の命令の有無に関わらず、国を護るために住民が自発的に軍に協力したいと言う気持ちになるのは当たり前だと思いました。

[平和主義者の主張と実情]
 番組の中でも一部発言がありましたが平和主義者の主張は、
・平和憲法のお蔭で日本は一度も戦争をしていない。
 イラク紛争での自衛隊の派遣はテロリストから見れば、日本の自衛隊は敵であり戦争行為に参加していると思っています。
   特に米軍の
資材を運んだのは明らかに戦争行為だと思います。
 平和主義者は自衛隊派遣に対して戦争行為に繋がるとして反対しましたが、一方では「平和憲法のお蔭で一度戦争に参加していない」と言っています。
 イラク派遣の理由は北朝鮮の脅威に対して自国だけでは護れないために、いざとなったときに米国から日本を護って貰うために、憲法解釈の変更までして派兵しました。
 逆に同じ敗戦国である、ドイツは自国とNATOの軍隊で自国を護れるためにイラク派兵を拒否しました。
 日本も自国を自分の力で護れるのなら憲法解釈の変更までして自衛隊を派遣しなかったでしょう
・平和憲法のお蔭で、日本は戦後一度も戦闘で外国人を殺したことはない
 海上保安庁が北朝鮮の不審船を撃沈し乗組員が死んでいます
 イラクでテロリストと戦い、殺し合うことにならなかったのは単なる幸運であり偶然です。
・軍隊は国は護るけれど住民は護ってくれない。
 自衛隊は各種の災害で被害者の救助に参加しています。
 イランのホメイニ革命で日本人が日本に引き揚げるのにJALは飛行機の派遣を拒否しました、日本人達はやむなく、他国の飛行機を乗り継ぎして引き揚げるという、日本人としてとても恥ずかしい思いをしました。(*注1)
 政府も同じ考えだったのでしょう、直ぐに政府特別機を購入しました。
 これは自衛隊の飛行機で緊急のための日本人の救出に使われるのは間違いありません。 
  他にも平和主義者の現実を意識的に無視した主張がありますが省略します。(*注2)

[拉致家族とクリントンさんの来日]
 日本人を護ると言う意味で大きな問題は北朝鮮により拉致家族の問題があります。
 平和主義者の人達はこれは外交で解決すべきだと言いますし正論です。
 然し事態は全く進展しません。
 拉致された人達の家族の人達は、日本政府では埒が明かぬと見てブッシュさんにお願いのに行き今度は、クリントンさん来日のときもお願いに行くそうです。
 これも考えて見ると日本としては大変恥ずかしい話です。
 クリントンさん始め米国政府の関係者も、内心では日本政府が自国の国民の救助も何もできなくて、米国まで泣きついてくるなんてと呆れているに違いないと思います。
 その現れが(軍事力の無言の圧力が使えない)日本が唯一の頼みにしていた経済制裁の効果を反古にする、米国の北朝鮮へ制裁解除の動きです。
 これに対して独立国である日本政府の人達もそれでも米国にお願いせねばならぬことは恥ずかしいし悔しいと思っているでしょう。
 米国が北朝鮮への影響力があるのは、米国がいざとなれば、イラクやアフガンのように攻撃する可能性があり、さら進めば日本に対してやったように原爆さえ落としかねない国だ北朝鮮がと知っているからです。
 米国が北朝鮮に対して慎重な動きをするのは、誰でも知っているように、北朝鮮が核兵器や長距離のミサイルの開発をしているかも知れないからです。
 詰まり外交と言っても米国と北朝鮮に関する限りは軍事力の背景があるから進められているのです。
 そんなことなど目をつぶって平和主義者は無法者相手の拉致問題は外交で解決しろと言います。
 彼らがどかで言っていと思いますが、彼らの外交とは日本が北朝鮮に対して行ったことを謝罪し(国際法的には何も悪いことはしていないのに)、賠償金を払って国交を回復すれば、拉致家族も取り戻すという、犯罪者に身代金を払って取り返すようなことを考えているのでしょう。

[平和主義者の考え方の弊害]
 平和主義者の考え方は、
・軍隊が悪の根源だ、そう言う昔の軍隊を持っていた日本が全て悪い。
・その悪を抉りだすことが日本を平和日本にすることに繋がる。
と思います。
 平和主義者的な考えがなお根強い日本では、日本は悪い国だと教え込まれたかなりの数の人達が、日本人としての「プライド」をなくし、腰の引けた海賊船対策に象徴されるように何かあれば直ぐ他国に頼ることが恥ずかしいことを忘れてしまった結果、日本古来からもっていた「」の観念をまで無くしました。
 「プライド」のない人、「」の観念の無い人達が何をしてきたかまたはきているかは、マスコミの報道に溢れています。

 番組の出席者の山口もえさんが、沖縄問題を学校でどう教えるべきかと言う質問に「良いところは良い、悪い所は悪いとして教える」と答えていました。
 彼女は他のレギュラーの人達から小馬鹿にされている田嶋陽子さんと違って、若いながらも皆から一目置かれている存在ですが、彼女の言うとうりだと思います。
  山口もえさんの良い所は田嶋さん達のように自分の主張の都合の良い所ばかり見て、都合に悪い所には目をつぶらずに、物事を真っ直ぐみるからだと思います
 極端な国粋主義も困りますが、行き過ぎた平和主義も世の中に弊害を与えることもあることをよく考える必要があると思います。
 

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*注1:参照
   中東紛争から学んだもの(2)日本人として恥ずかしかったこと(1)
  
中東紛争から学んだもの(3)日本人として恥ずかしかったこと(2)

*注2:参照
  
改憲論議の前に明確にすべきこと 
   平和主義者たちに聞いて見たいこと


頑張るブラジルと日本

2009-02-02 15:52:19 | 国際社会

 昨夜のNHKスペシャルの「沸騰都市 サンパウロ 富豪は空を飛ぶ」を見ました。
 ブラジルは私の最初の海外出張の国だったので、見ながら色々当時のことを思いだしました。(青字は番組の内容、黒字は私の感想です)

[報道の概要]
 ブラジル経済の中心地であるサンパウロには、ヘリコプターを車代わりに使う「空飛ぶ富豪」が出現している。誘拐や強盗の危険、交通渋滞を避けるためである。「空飛ぶ富豪」たちの中でも増えているのが、バイオ燃料エタノールで財を成した人たちである。広大な農地から収穫されるサトウキビを原料としたエタノールは、ブラジルの自動車の増加とともに、売り上げを伸ばしている。空飛ぶエタノール富豪のビジネスを追う。(NHKの番組案内より)
・交通渋滞が起こった理由はブラジルの急激な発展で、今や中流階級が全国民の3分の1に達し自動車の数が激増したのに、経済の中心都市のサンパウロのインフラの整備が間に合わなかったためだ。
 新聞によればブラジルでは中間層の増加にに伴う消費拡大で自動車の販売台数が急増し、世界5位の市場になっているそうです。

[世情不安と経済の活況]
・誘拐や強盗の危険を避けるために、今自動車を防弾化するのが流行っている。
 私が訪れた約40年位前はブラジルのは貧富の差が激しく、街の中心部は高層マンションと黒と白の石で舗装され道路、その直ぐ隣の貧民街ではは雨水の流れに出来た溝が走る赤土丸出し道で、人々は工事用で残った水道から水を盗んでいました。
 それでも当時は世情は落ち着いて居ましたので、赴任直後でまだ日焼けしていなかったころはバス代をちょろまかされりしていましたが夜間の外出も安全でした。
 その後超インフレで紙幣が紙屑同然になったりして世情が不安になり、約15年前に出張していたときのサンパウロでは、信号で停車したとき子供たちが車の掃除を理由に寄ってくるがトラブルになるので絶対に窓を開けないことと注意されていました。
 今でも急激な成長で社会格差や番組で言うように世情不安の要素は当然残っていると思います。

[エタノール開発と金融・経済危機]
・ブラジルは経済は数々の困難を乗り越えた来たが、石油の枯渇による価格上昇で、エタノール産業が伸びてリコプターで飛び回るような富豪が現れた。
 そして投機マネーによる石油価格暴騰で、一気に世界の注目を浴びるようになった。
・ブラジル全体としても農業や資源などを武器にBricsの一員となった。
・今回の米国発の金融・経済危機でブラジルも大きな影響を受けている。
 然し大統領は依然として強気で、エタノール産業育成のためと、内需拡大のために、自動車の販売のテコ入れを図っている。

 製品の輸入や出荷に課す「工業製品税」の内1000CC迄の車は7%から0%まで引き下げたそうです。
 40年前、私どもが住んでいた高層マンションの周辺を、ブラジルでは私が赴任した当時からエタノールを自動車用燃料とした現地産のフォルクスワーゲンのがオートバイのような轟音で走り廻っていました。
 つまり今のブラジルのエタノール開発による経済の活況は40年以上前からの努力の成果が実ったものです。
 ブラジルの内需拡大政策は日本と違って国民は自動車など購買意欲がまだまだ盛んだからですが、日本では極端に言えばもう買うものがないのです。
 
[頑張るブラジルと日本]
・大統領はこの危機を乗り越えるために国民に「働け」、「働け」そして得た金を消費に回すように国民に呼びかけている。
 月給が7万円の妻と子供二人を持つ男性は、念願の車を月賦で購入して、そのためにも働かなくてはと張り切ったいた。
 日本では今回の派遣切りにあった人達も、政府や地方自治体の援助を受けながらも、介護の仕事を避けるなど、より良い条件の仕事を探しているそうです。
 その理由も良く判りますが、ブラジル人達との考え方の違いは、「一億総中流意識」を持った経験の記憶がまだ抜けない日本人、数々の苦しい経験をしたブラジルの人達の「ハングリー精神」の有無にあるような気がします。

[ブラジル政府のビジョンと日本]
・ブラジルでは官民協力してエタノール燃料により世界のリーダーシップを取ろうとしている。
 その中心は貧困の喘ぐアフリカ諸国だ。

 日本の場合は立場がまったく逆ですが、エネルギー問題は絶対に避けられない日本の将来を脅かす大問題なのに、これと言ったビジョンが示されないのは何故でしょう。

[ヘリコプターの中での富豪のコメント]
 他の国は金融資本を当てにして成長してきたが、我々は国の資源と生産力で富を積んできたのだ。
 この問題も資源のない日本はブラジルと真反対ですが、グローバル化の名の元で、余りにも外国の資本を当てにし、その要求で企業は株主のもの、長期的視野の経営より、短期の利益の追求など、日本の国情や日本人の心情に合わない方に、余りにも傾き過ぎていたのではないでしょうか。

[羨ましい航空機の製造]
・ブラジルを支えるもう一つの大きな産業は手仕事による航空機の製造だ。
 これは番組の最後につけ加えた感じでしたが、これも日本人の私としては大きなショックでした。
 最近の報道ではJALはブラジルから中型のジェット機を購入し、今後もさらに数十機の購入の計画をしているそうです。
 私がブラジル出張中に日本で初めて作られたYS11機がブラジルで山腹に激突のとう言う大事故がありました。
 何故かYS11以後の日本の飛行機の開発は止まってしまっています。
 国民の多くは自動車の開発で、米国に追いついたころ、自動車開発・製造のノウハウを活かして次に進むのは航空機だと思っていました。
 私は航空機の開発・製造の中止が日本企業の自動車の開発・製造能力の大きさを恐れた米国からの圧力か、もしくは日本政府または企業の米国への遠慮としか思えないのですが。

 実は私のブラジル出張の目的はブラジル政府の「バイ・ブラジル」政策で購入した送風機の故障を現地の納入したメーカーが直せず、折角の新設の工場がスタート出来ないので、その修復と後の工場のメンテナンスス指導だったのです。
 現地ではそれ以外の数々の現地産の機器や部品の不良に悩まされましたので、帰国前に工場の幹部に「バイ・ブラジル」も良いが後のメンテナンスが出来るか否かも考えておくようにと助言して帰った記憶があります。
 私はJALがブラジルからジェット機を買ったとの報道で、一瞬また昔のようなボロ飛行機を買ったのではないかと思いました。

[ブラジル指導者のリーダーシップと日本]
 それにしても私の40年前とは格段の技術の進歩です。
 半世紀前からのエタノールの生産と言い、「バイ・ブラジル」政策による格段の工業技術の進歩と言い、歴代の大統領が変わり、そして数々の経済危機を乗り越えてきたブラジルが、まだまだ多くの問題を抱えているとは言え、そのリーダー達のの強い意志を感ぜずには居られません。
 「隣のばらは赤い」を承知で書くのですが、それにしてしては、日本の指導者リーダーシップ、長期的な視野に立つ政治のあり方を考えぜすには居られません。

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親日家ビル・トッテンさんの米国批判

2009-01-25 12:01:21 | 国際社会

 天木直人さんのブログ「いまこそ日本の経営者はビル・トッテン氏の声に耳を傾けるべきだの記事にに触発されてネットを探していたところ、トッテンさんのブログを見つけました。(*注記)
 ネット上では余り彼の記事の紹介や引用がないようなので紹介いたします。

最近の記事の概要:
・リーダーが作った不況
 
日本経済はアメリカの要求を聞き入れ、民営化や、派遣労働を含むさまざまな規制緩和を押し進めてきた。企業が自社の従業員をリストラしておいて、他社の従業員は自社の製品を買う余裕があると、どうして期待できるのだろう。

・雇用提供が企業の役割
 
日本に格差社会をもたらしたアメリカ式の自由競争をやめること。弱肉強食から共存共栄へ転換することだ。

・金権主義からチェンジ
 オバマさんは
・国家経済会議の委員長のサマーズ金融規制をとりはらう画策をした一人で、デリバティブで大儲けをしていたヘッジファンドを辞めた人
・財務長官になるガイスナーも、規制緩和、民営化推進派で名をはせた人
・国務長官に好戦的なヒラリー・クリントン

を選び、
・イラク戦争を推進したゲーツ国防長官の留任
させた。
 オバマさんの
評価は、行動でしなければならない。
 たしかにいずれ景気刺激策を行うだろうが、それは誰のお金でやるのか。富裕層への増税を公約したが、それも首席補佐官に任命されたエマニュエル氏はすぐに否定している。 もしほんとうにチェンジがもたらされるとしたら、それは国民が希望を捨てずにオバマ氏や議会に圧力をかけ、それを大きな動きに変えていけばアメリカは金権主義から民主主義に変わることができるだろう。これは日本も同じことだ
とオバマさんへの評価は厳しいようです。

米発金融危機もうじき2年
 かつてアメリカは世界の国々から羨望される国であった。国家を支配するエリート層があまりにも自分だけの金銭的利益を貪欲に追い求めたために、国内産業は空洞化し、もはやアジアから借金をしなければ回らない国となってしまった。
 10年も前から、富裕層や大企業を減税しながら巨額の財政赤字を出しつつ世界のあちこちで戦争をしているアメリカを支えているのは、米国債を大量に買っている日本政府、つまり日本人のお金であると私は主張してきた。いまの金融危機も、日本がばくち中毒になっている借金国アメリカに貸し出したために起きたのである。

どんなチェンジが起きるか
 ブッシュ大統領が後任に引き渡すアメリカは史上最悪だ。末期症状の経済には、ものすごい高額の延命装置がつけられているが生き返る見込みはほとんどない。たとえばすでに破綻している自動車業界は、財務省が底なしの救済をしてくれるのを列を作って待っている。
 ドル基軸体制のもと、ドルと交換にアジアの工場で作った製品を大量消費する時代も終わった。中国では失業から暴動も起こるかもしれない。このため中国政府は、保有している価値の減り続ける米国債を売却するかもしれない。
 ウォルマートが政府に財務支援を求める日も遠くない。年金基金や地方財政の破綻、救済を求める大企業・・・オバマ候補が掲げた「チェンジ」は、思いもかけないほどアメリカの構造を根本から変えることになるだろう。日本も、与党自民党政府が価値のなくなるドルの買い支えを止めなければアメリカとともに沈むことになる。日本にも「チェンジ」が必要である。
とオバマさんの実行力に疑問を抱いているようです。

 以上の様に最近の記事を並べただけでも、徹底的な米国批判と日本政府は米国と距離を置けというトッテンさんの主張のようです。
 日本のマスコミではオバマさん礼賛の声ばかりです。
 風潮に流れ安い私たち日本人としては、日本の将来の為に少し頭を冷やしてこれからのオバマさんや米国の動き方に注意して行く必要があると思います。
 小泉さんはひたすらブッシュさんの後を追って行きました。
 麻生さんや次の首相になる人は今度はオバマさんの後を追うのでしょうか。

 いずれにしてもトッテンさんの主張は極端なところもある様ですが、非常に参考になるような気がします。

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*注記:
ビル・トッテンさんの略歴 
 
ビル・トッテン(Bill Totten)は株式会社アシスト社長・評論家。2006年9月、日本国籍を取得。カリフォルニア州に生まれる。学歴は南カリフォルニア大学大学院。学位は経済学博士(南カリフォルニア大学)。
カリフォルニア州立大学卒業後、ロックウェル社、システム・デベロップメントに勤務する。在職中に南カリフォルニア大学の経済学博士号を取得し、1969年に来日した。1972年、パッケージソフトウェア販売会社「アシスト」を日本で設立。
1990年、日米の経済摩擦の激しいさなかアメリカの姿勢を厳しく批判した処女作『日本は悪くない』を上梓。以後も日米問題についての著書を精力的に執筆。

 


ガザ紛争とオバマさんと日本

2009-01-24 16:25:09 | 国際社会

 オバマさんの大統領就任に併せて、イスラエルがガザ地区から撤退し、一方的に停戦宣言、ハマスも独自に停戦宣言し、それぞれとも勝利を宣言したそうです。

[ハマスの人達]
 ガザ地区を支配するハマスがイスラエルの死者に比して圧倒的な数の一般人民の1,300人もの犠牲者を出しながら、勝利を宣言したと言う思考回路はどなっているのでしょう。
 しかもその犠牲者の中には多くのハマス支持者でない人達も含んでいるそうです。
 ハマスはこれらの人達に何と言うのでしょうか。
 多くの犠牲者を出しても、ガザ地区が瓦礫と化しても、イスラエル側は殆ど被害を受けず、しかもそのハマスの攻撃意欲が喪失の徴候もなくても、世界の国の人達の関心や同情を引くことが勝利と言うのでしょうか。

[宗教の問題]
 ハマス側の徹底的な抗戦の根底にはイスラム原理主義があるそうです。
 日本でもそうですが、世界も宗教に余りにも寛容すぎるような気がします。
 それにも大きな理由もあると思いますが、報道の自由には関係者の自省が基本となっているように、宗教の自由には宗教関係者の自省と相互啓発が必要な気がしますがそのような動きは殆どみられないようです。

[イスラエルの人達]
 一方のイスラエル側も今回の紛争処理で大きな損失をしました。
 米流時評
さんの記事によれば
 1. 空爆によるインフラの徹底破壊(空港・道路・橋脚・電気水道網など)>封鎖
 2. 対抗勢力拠点とモスク・学校など公共施設の破壊、一般市民への爆撃 >虐殺
 3. 赤十字・国連施設・メディアなど、国際的救援組織・報道陣への攻撃 >隠蔽
 4. 戦争犯罪と見られるガザ住民密集地区への白燐弾使用

でイスラエルは大きく世界からの信用を失ってしまいました。
 唯一の戦果はハマスの攻撃への徹底的な反撃の意志を見せただけです。
 然し今回の大量破壊でハマス側の戦意は益々強くなっています。
 これでイスラエル側の勝利と言えるでしょうか。
 第3者からみれば「勝者なき戦い」です。

 それでイスラエルの唯一の頼りは大国の米国だけです。
 オバマさんの次期大統領に就任を考慮して今回の停戦となったと言われています。
 然し米国も変わりつつあります。
 安全保障理事会で、パレスチナ自治区ガザ紛争で「即時かつ永続的な停戦」を求め、イスラエル軍のガザ全面撤退にも言及した決議案に対して米国が今までは拒否権を行使するところを棄権に廻ったように、米国の世界的地位は低下し始めています。
 それでもイスラエルは米国を頼りに世界の非難を浴びながら、今までのやり方を続けて行くつもりでしょうか。

[オバマさんの姿勢]
 米国は今までイスラエル対アラブ問題でいつもイスラエル側に立って来ました。
 その最大の理由は米国民のの約3%しかないユダヤ人が、その財力にもの言わせて政界を左右するほどの大きな影響力を持っていることだと言われています。
 報道によれば、オバマさんは従来のようにイスラエル支持を明言したそうです。
 外交担当の国務長官のクリントンさんの出身地のニューヨークは米国で一番ユダヤ人の影響力が強い所だそうです。
  またオバマさんの就任に当たってネット上で調べて見ましたが、オバマさんにもユダヤ人の支持団体があるそうです。

 これから先は私の希望的な観測ですが、オバマさんは1,300万人の登録したサポーターがおり、選挙の際はネットを通じて膨大な選挙資金を得たそうですので、オバマさんがユダヤ勢力の意向を無視しても中立的な立場をとれば、アラブやイスラム圏の人達の米国に対する反応も変わって来るかも知れません。
 然し事実はオバマさんは国務省の演説でイスラエル支持を述べるとともに、中東特使にジョージ・ミッチェル元民主党上院院内総務の任命を発表したそうです。
 読売の解説によるとレバノン出身の母を持つミッチェルさんはどちらかと言えば、イスラエルに対して厳しい意見を持つ人のようです。
 
[日本の立場]
 然し問題はこれからです。
 オバマさんがイスラエル・パレスティナ問題で公平・中立な立場を取るか、大きくは白人とアラブ・イスラム圏の人達とも話し合い路線を進めるかは、実際の成り行きを見なければならないのでしょう。
 問題は日本がどうするかです
 今まではブッシュさんの強硬路線に乗って、憲法の解釈を変更してまで、イラクに派兵しました。
(私は自衛隊機による米国の軍需物資の輸送は明らかに戦争行為だと思っています。)
 私はオバマさんが(テロリストを除く)アラブ・イスラムの人達と仲良くやって貰えれば日本にとってこんなやりやすいことはないと思うのですが、そうでないときも、やはり今までのようにオバマさんについて行くのでしょうか
 自民・民主のいずれが政権を取っても、日本は自国の利益を優先して、独自外交、安倍さんの言う「主張する外交」を貫いて貰いたいと思うのですが。
 それにしても未曽有の金融危機だけでなく、世界全体の変革の可能性があるときに、今の日本の政界は「コップの中の争い」とか超低次元の争いをしているように見えて仕方がないのですが。

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オバマさんになっても米国追随一本槍?

2009-01-11 15:50:55 | 国際社会

 100年に1度の金融・経済不況、相次ぐ企業の減産とそれに伴う非正規社員の契約打ち切り、その対策への膨大な国債の足かせ、頼みの麻生政権も崩壊寸前、それに変わるかも知れない民主党政権も、これといった有効かつ具体的な政策も示せないままです。
 後はじっと景気の回復を待つしかないと言うのが専門家の全体的な意見のようです。
 そして誰もはっきり口に出しませんが、唯一の希望は変革を訴えて当選したオバマさんの次期大統領の手腕に何となく期待しているような感じです。
 いくらグローバル化と言ってもここまで来ても、日本の相変わらずの米国頼りは独立国として恥ずかしいような気がします。

 然しオバマさん自身にも当面の難問が控えています。
[ビッグ・スリーの救済と保護主義の復活?]
 オバマさんはビッグ・スリーの支援を公約にしています。
 然し、これに対しては国民からの強い反発があるそうです。
その理由は
・自由主義経済の原則に反すること
・経営者の給与や待遇が余りにも大き過ぎること
・それと余り報道されていない様ですが、一部の報道によると従業員が強大な労働組合の力で、他の業種の従業員や一般国民より、給与の他にも退職後の年金や健康保険を総合するとかなり高い待遇を受けていること
などの反発があるそうです。
 議会は支援の条件として、経営者や従業員の給与や厚生福利費の費用の削減を求めているそうですが、全米の自動車労組はそれに断固として反対しているそうです。
 その理由として、労組側でいくら合理化に反対してもビッグ・スリーは余りにも大きな企業なので、国がその破綻を放って置くはずがないと読んでいるからだそうです。

 しかも彼らに取って都合のよいことはオバマさん地盤は自動車産業の中心地のデトロイトであり、全米自動車労組を最大支持基盤であることだそうです。
 名前を忘れましたが、日本の専門家の一人は、オバマさんが労組の主張を呑んだまま支援を続ければ、ビッグ・スリーの競争力の低下(何でも彼らの一人当たりの総合的な給与は日本の自動車産業の従業員の平均給与より1,800円も高いそうです)→自動車産業保護のために外国からの自動車輸入規制(保護主義の導入)になるかもしれないと話していました。
 それは日本の自動車会社にそのまま跳ね返って来る大きな問題です。

[イスラエル問題の解決]
 最近のイスラエルとハマスの紛争に対して、
 国連安全保障理事会は8日、パレスチナ自治区ガザ紛争で「即時かつ永続的な停戦」を求め、イスラエル軍のガザ全面撤退にも言及した決議案を賛成14、棄権1(米国)で採択しました。 (読売新聞
より)
 今まではイスラエルの紛争では米国は徹底的に同国側に立ち、場合によっては拒否権まで行使してきました。

 私はこれが、アラブ諸国民に絶望感を与え遂には9/11のテロの→その成功によるテロ拡散の一因となっていると思っています。
 米国がそれまでにしてイスラエルに肩入れするのは、米国民の総人口の約3%しかいないユダヤ人がその財力に物言わせての政界に協力の影響力を持っているからです。
 今回の米国の棄権は素人目で見ても、明らかに米国の世界的な地位の低下と時勢の変化を感じさせるものでしたが、世界各国との対話を重視するオバマさんの政治力が問われることになりそうです。

[民主主義の限界?]
 上の二つを並べるといずれもが民主主義の基本の選挙に関連しています。
 国連の安保理での決議に対する米国の拒否権行使は民主主義の基本的なルールの多数決に従うことに関連しています。
 私は前にも米国が民主主義の総本山を自認し、それを押し進めるためイラク侵攻までするのなら世界的に民主主義のルールを守るべきだと書いたことがあります。
 (参照:中東紛争から学んだもの(1)米国の民主主義とは) 
 
オバマさんは、選挙で選んで貰うために、筋の通らないことにも目を瞑るか、多数決と自国の利益を如何にバランスさせるかはこれからも多くの問題を残すことだと思います。

[日本のこれから]
 今の日本の政治の混迷も、その最大の原因は次の選挙を自党を如何に優位に持って行くかの争いのようです。
 もしこの問題がないとすれは、日本の取るべき政策は誰でも直ぐに作れるし、また直ぐにども決定出来ると思います。
 各国間の問題点の処理も、実際的には各国間の合意より自国の利益を優先するのは残念ながら今のところでは致し方ないことです。
 日本として考え無ければならないのは、
・今まで通りに米国への輸出中心で良いのか
・外国への自衛隊派遣などで、日米同盟尊重は良いが、何でもかでも米国の言いなりで良いのかいなか

など日本の利益のたるどうすれば良いのかもう一度考え直す必要があるのではないかと思います。

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中国の金融・経済の危機と日本

2008-12-29 15:51:09 | 国際社会

 私のブログを訪問された方でお気づきになった方もおられると思いますが、米国を除いては、他のブログのように殆ど外国の批判をしたことがありません。
 今日は中国のことを書いて見たいと思いますが、色々と無知な点が多いと思いますが皆様のアドバイスをお願いいたします。

[中国の脅威]
 もう20年前になりますが、現役時代にシンガポールに単身赴任したことがあります。
 そこはご存知のように同国は社会主義政党の一党支配の国です。
 だから日本人から見ると、いくらも首を捻る運営もありましたが、中国系人中心の政府の実利的な市場中心主義的な経済運営、商売上手な中国人、英語が子供の出世に有利と判ると家庭でも中国語を捨てて、英語を使う中国人などを見てきました。
 そしてもし中国がシンガポールの真似をして、共産主義と市場中心主義を上手く組み合わせて行けば、日本に取っても脅威的存在になると、余計な心配をしていました。
 その後、私が心配したように小平さんが市場主義経済を導入し、その結果日本の最大の競争相手になりました。
 今、日本を悩ましている非正規社員の問題も、中国の台頭に伴う日本の競争力の低下に悩んだ企業が労働者派遣法の制定を政府に請求したことから始まりました。

[中国の政策の失敗?]
 その中国も今回の金融・経済危機→輸出の減少で混乱しているようです。
 然し中国は出来る対策があります、いや有りました。
 日本でも輸出減少の対策として内需の拡大が叫ばれていますが、既に品物が溢れていること、少子化に加えて非正規社員の離職者の激増で上手く行きそうにはありません。
 然し中国では膨大な人口の国民を持ち、金がありさえすれば購買意欲をそそるものが一杯あります。
 輸出から内需拡大などやろうと思えば出来ないのは、今までの政策に間違いとは言えないかも知れないが、問題があったからと思います。
 中国が忘れていた対策の手本は日本に有りました。
 日本は輸出で儲けた金を経済力の弱い層に廻し、ひと頃「国民層中流意識」を持つという諸外国から「理想的共産主義」と言う社会を持てた時期がありましか。
 もう一つの手本は経済発展の成果を国民全体に回してきたシンガポールでした。
 詰まり市場主義経済で潤ってきた財政を、国民全体を潤すように配分すべきだったのです。
 そして正に理想的な共産主義社会を作るべきだったのです。
 そして輸出ばかりに頼らずに内需の拡大もやって置くべきたったのです。

[日本の立場から中国]
 日本の立場も考えて言えば、反日教育で国民を纏めるより、国民を潤すことで政府に対する求心力をます効果が大きいと思います。
 国内に大きなマーケットを作る事は、日本だけでなくて韓国や東南アジアの諸国にもためにもなることであり、中国に取っても(日本とともに)にアジアの中心勢力になることが出来ると思います。
 この転換は今では遅過ぎるかも知れませんが、日本などより早くできると思います。
 何しろ一党独裁の国ですから、やろうと思えば直ぐ出来る国ですから、そして国内の潜在的な需要は無限に近い程ある国ですから。
 日本政府としては、今度の金融・経済危機に日本のためにもアジアのためにも中国とこの点についても話し合あべき時期だと思うのですが。

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田母神論文とサンデープロゼクト

2008-11-17 16:07:04 | 国際社会

 昨日のテレビ朝日の「サンデープロゼクト」で田母神論文のことを取り上げていた。
 出演者は司会の田原総一郎さんの他
志方俊之さん(帝京大学教授 元陸上自衛隊北部方面総監) 
潮匡人さん(帝京大学准教授 元航空自衛隊三等空佐)
田岡俊次さん(軍事ジャーナリスト)
の4人。

[番組での発言と私の意見]青字:番組中の発言、黒字:私の考え)
・前回の田母神さんの参考人招致では手続き論に終始し彼の論文の内容には意識的に避けていることについて出席者は皆同意見。
 それは彼の論文中には正しい事もあり、それを言われたら日本のやった事の一部は侵略かもしれないが、全てが侵略ではないと思っているが、対外的にはそれを公の場で言われたら自民党の大部分、民主党の一部の人達にとって困るからだ。
・潮さんは「侵略」と言う言葉に対しては、一概に決めつけられないという政府の公式見解の資料を示した。

・田母神さんは自分の論文に間違いないと言うが、コミンテルンの謀略説など多くの間違いがある。
  私も前のブログでも書いたが彼の意見に首を捻るところもあったし、海外で見聞したように、親日家も多いが、中には日本軍のやり方に批判的な人達もいた。
  彼の言う様にアジア諸国の人達全てが日本の行動を称賛している訳ではない。

 田母神さんが委員会で「私の書いたものはいささかも間違っているとは思わない」と言ったが、その発言は正確には間違いだと思う。
 然し、彼の論文の中には正しいことも多くある。
 田母神さんも、それを批判する政治家やマスコミも自分の都合の良い所ばかり取り上げているが、そんなことでは議論は空回りするだけだし、日本は良くならない。

・志方さんは田母神さんの言いたいのは、自衛隊の人達に生命を賭けて日本を護って貰うには日本を愛して貰うことだと指摘した。
 私がかねてから書いているように如何に戦争が近代化しても、勝敗を決するのは双方の軍事力の差もあるが、太平洋戦争の日本軍の善戦、ベトナムでの米軍の敗戦、イラク・アフガンでの戦いが長引いているのをが示すように、戦争に従事する兵隊の士気によることも大きい

・田岡さんは自衛隊が村山発言を否定するような偏向教育をしているのは問題だと言った。
 もし田岡さんが、村山発言に基づく自虐史観に基づく歴史認識教育が正しい教育で、そうでない教育が、偏向と言うのは明らかに間違いだ。
 私は田岡さんの発言は単なる失言で、私がその言葉尻を捉えての意見と思うが、「村山発言に基づく自虐史観に基づく歴史認識教育」こそ偏向教育だ。
 私は日本がしてきた事、その時期の世界情勢と諸国のしたことについて、それぞれの良い事、悪い事を公平に取り上げてた編纂された歴史を元に教育するべきだ。
 ただ問題はその教育するための定番となる歴史資料がないことだ。

・田原さんが、今の日本を取り巻く情勢と、昭和一桁の時代の5.15事件と2.26事件の軍人かクーデターを起こした時期と良く似ているとの指摘に志方さんも認めたが、田原さんの田母神論文はクーデターの危険性を孕んでいるのではないかとの指摘に対して、志方さんは自衛隊内ではそうしない為の教育は徹底的にしているので、そう言う事は起こり得ないと断言した。
 私も志方さんの言う様に、そんななことはあり得ないと思っているが、07年の7月に第二の二二六事件?
で書いた様に、政治家はこのような事が絶対に起こらないようにいつも緊張感を持ってことに当たるべきだ
 世界的不況、貧困や社会格差の増大、先進国でもかけ離れた膨大な国債、今までないようなモンスター・**の発生、異常な犯罪の増加、福祉・医療制度の不安、不祥事続きの政官財などなど問題山積の中で、政権奪回と防御のせめぎ合いなどする時だろうか。

[政治家の責任]
・歴史認識の問題

 自衛隊員が自分で日本の歴史を創り出すのは論外だが、政治家自身が作るのも問題だ。
 然し日本にこれと言った定番の歴史がなくて、今回の様な問題のある田母神論文が自衛隊から出ないようにするためにも、出来るだけ正しい歴史を作る様に第三者の学者達に依頼して作るように働きかけるべきだ。
 勿論私が何度も言う様に、日本のやった良い事、悪い事もすべて記すべきだ。
 私はそれでもその歴史を読めば日本が愛し得るにたる良い国だと皆が思うし、自衛隊員の士気の向上に役立つと思う。

・自衛隊員の士気の維持向上
 政治家が自衛隊が文民統制下にあるべきと言うし、私も当然と思うが、文民が自衛隊を統制するためには、今自衛隊員がいかに屈折した感情を持っているかに配慮し、その士気を如何に向上させるかを考えるかを考えるべきだ。
 田岡さんが番組中に、自衛隊員は村山談話に基づく歴史史観で教育されいいることを知って自衛隊に入ったのだからそれ従うべきだと言ったが、私が前にも書いた「国を護るために自衛隊員に金を出して雇ってきたのだから、いざとなったら戦うのは当然だ」と言う考えと同じで、人間の感情など全く無視した発言だ。
 政治家が自衛隊員の感情に対して配慮するのは当然だ。

・自衛隊によるクーデターの危険性
 志方さんの言う様に先ず自衛隊員の教育が必要だが、その前に政治家により前記の様な問題の解決と、政治に対する国民の信用の回復で昭和初期のような不安定な状態に日本を冒せない事が先決だ。
 今の様な時代だから、自衛隊だからと言って幾ら教育しても、その心情まで押さえ付けることは出来ない。
 クーデターなど起こさない様に政治をすることの第一の責任は政治家が負わねばならないのは当然だ。

[マスコミの責任]
 定番の歴史編纂、自衛他員の士気の維持・向上、最悪の場合(起こらないとは思うが)の自衛隊員の決起の全てについて、文民の代表である政治家、国の政治を司ったいる政治家の責任だ。
 その政治家を選ぶのは国民だが、短い選挙戦の間の長い時間の政治家の言動をフォローし、監視し批評するのはマスコミの責任だ。
 特に歴史認識などは対外的な問題で、政治家は表向きには動き難い事情があるので、その活発な議論はネットを除けばマスコミしかない。
 その意味どマスコミはその役割は大きさを自覚すべきだ。

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米国ビッグ・スリー支援と日本

2008-11-14 17:38:10 | 国際社会

[米政府のビッグ・スリー支援]
 米上下両院の民主党指導部は11日、米3大自動車メーカー支援法案を、来週再開する議会に提出する意向を表明した。
 ペロシ下院議長(民主党)は声明で、「米経済に大きな影響を与える自動車産業の破綻(はたん)を防ぐため、議会とブッシュ政権は迅速に行動しなければならない」と述べ、7000億ドルの公的資金枠がある金融安定化法を活用し、支援法案をまとめる考えを示した。(読売新聞より)
 米国米政府は既にエネルギー省を通じた250億ドルの低利融資枠を設けている。
 これは工場設備の刷新と環境対応車の開発支援に使途が限定されるひも付き融資だ。
 上記の米上下両院の民主党指導部の意向はオバマ新大統領の考え方を入れたもので、3社の紐付きの制約がない融資の希望に沿ったものだそうだ。
 然し、主力となる低燃費車開発を怠ってきた米自動車業界に対する政府救済には、米国内でも異論が強いそうだ。

[米国の一国主義]
・環境対策に消極的な米国

 日本と米国の自動車会社の07年度の税引き後利益は、トヨタ 1兆7000億円、ホンダ 6000億円、日産 5000億円に比べて、GM 3兆8000億円、フォード 2600億円、(クライスラー 非公表)と全く対照的な数字を示している。(1ドル=98円で計算)

 この原因の一つはブッシュ政権のミス・リードだ。
 その一つは「環境関係の強化は経済の停滞に繋がる」として消極姿勢を続けて来たことだ。
 米国の自動車業界はそのために、燃費の良い環境に優しい車の開発を怠ってきたのが、日本の自動車から大きく遅れをとった原因だ。
 ブッシュさんは多くの国が賛成している京都議定書始め数々の会議毎に、環境関係の規制に反対し続けてきた。
 洞爺湖サミットになってやや積極的な姿勢を見せたが、その前回のインドネシアのバリ島会議まで各国の賛成の中で米国だけが消極的だった。
 この米国政府の姿勢が同国の自動車業界の今日の結果を招いてしまったのだ。

・米国のイスラエル支援
 国連ではイスラエルの非人道的な行為に何度も非難決議をしたが、その都度米国の拒否権にあった。
 それがアラブの人達に無力感をもたらした。
 それに加えて、米国は勢力拡大政策によりアラブ各国の米軍基地を配備してきた。
 そしてこれらに反対するイスラム過激派の9/11を始めとするテロ攻撃を活発化させた。
 その結果テロ攻撃は、米軍のイラクの侵攻の対抗手段として、有効なことが明らかになり、世界に拡散してしまった。

・米国のイラク侵攻
 ブッシュさんは、9/11は米国への挑戦とし、イラクに出兵した。
 その表向きの理由?は、
 イラクは大量破壊兵器の保有を過去公言し、かつ現在もその保有の可能性が世界の安保環境を脅かしている
 度重なる国連査察の妨害により、湾岸戦争の停戦決議である国連安保理決議687が破られている
 国連安保理決議1154で「今後のいかなる安保理決議違反も、イラクにとって最も厳しい結果を招く。」という、湾岸戦争停戦協定(上記687)破棄条件の決議、つまり最終警告決議がされていた
。(Wikipedia
 より)
と言うことになっている。
 事実は後になって判った事だが大量破壊兵器などはなかった。
 詰まり国連決議は実行されていたが、イラクのフセイン大統領はこの報告を怠っていただけ言うとになる。
 もし米国が欧州連合、中国、ロシアや国連のアナン事務総長などの反対にもう少し配慮していたら、今のような泥沼状態に落ち込むことは無かったと思う。

[これらの米国の姿勢に対する日本の態度]
・環境問題に関しては、京都会議から洞爺湖サミット迄、環境問題のリーダー的な地位にあった日本が、日本政府は米国の消極姿勢について一定の理解を示し、そのために世界に対する影響力が減少または無くしてしまった。
・イスラエルのパレスティナに対する非人道的な態度に国連の非難決議の時も日本はこれと言って発言したことは聞いた事が無い。
・米国のイラク侵攻までの米国の動きに対して、歴代の日本の首相は理解を示して来た。
 私は米国の態度に理解を示すさいに日本の平和主義の立場から、もう少し話し合いをすべきだの前置きが欲しかったと思う。
 小泉さんは野党の反対を押し切ってイラクへ自衛隊の派遣までした。
 その内マスコミが非難した給水活動は軍事行為とは言えないが、マスコミが余り非難しなかった自衛隊機による米国の軍事物資の輸送は明らかに戦争行為だ。

 日本は米国と同盟関係を持っている。
 本来プライドがある日本なら、環境問題、イスラエル問題、イラク侵攻の問題が起こった都度、例え相手に受け入れられなくても米国に注文すべきだった。

 米国もオバマさんが大統領になれば、対話路線を進めるそうだし、今の米国の世界的地位と、信頼性の低下を考えれば、そうせざるを得ないだろう。
 然しそれが永久に続くと言う保証はない。
 日本は今までの米国追随一本槍から脱却して、多くの世界の国が米国の方針に反対しており、その反対論が正しいと思う時は、積極的に米国にアドバイスをすべきだと思う。
 小沢さんの国連中心主義で国連が決定すれば派兵も辞さない考え論外だが、国連や世界的な環境会議の決めたことについて、憲法の制約など日本側に余程の問題が無い限りそれを護るのが世界民主主義の基本だと思う。
(*注記)
 その意味では日本自身は多分その方針で行くと思うが、日本の同盟国であり、落ちかかっているとは言え世界になお大きな影響力を持つ米国が道を誤らないように、そしてそれが日本に対して不利になるような影響が考えられるときは、積極的に米国にアドバイスするのも日本政府の責任だと思う。

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*注記:グローバル的な民主主義
 私は06年の6月にエントリーした中東の紛争や戦争から学んだもの(1)[米国の民主主義とは]

 世界のグローバル化、民主主義化を進めている米国が改めて、民主主義のクローバル化推進のリーダーとして、今後たとえ気にいらない議案でも、民主主義の原則に基づいて最終的には国連での多数意見に従うようにすれば、今までの経験してきた世界情勢よりもっと良い方向(米国にとっても、国連にとっても、世界にとっても、日本にとっても)に進んでいくのではないでしょうか。
と書いた。
 然しそう言う日本も「満州の権益は認めるが軍隊の撤退すべし」というリットン報告書が採択されて国際連盟を脱退した苦い過去がある。
 あの時、報告書の言う通り、満州の権益を確保しておれば、そして関東軍の横暴を止めておれば、あるいは第二次世界大戦の敗戦に繋がらなかったかもしれない。


田母神論文と自衛隊員の士気

2008-11-10 07:31:58 | 国際社会

 私が田母神さんが定年退職に で、テレビ朝日の「スーパーモーニング」で、朝日系の出演者にしては割と筋の通った発言をするキャスターの赤江玉緒さんも、「田母神さんの論文の検証くらいした方が良いのではないか」と言っていたが、彼の発言の個々の部分の正否さえ公の場(「たかじんのそこまで言って委員会」はどうするのだろうか?)での討論もされずにそのままに成りそうな気がする。と書いたが、9日の同番組でこの問題を取り上げていたので、印象に残った発言と私の意見を纏めてみた。

[自衛隊員の持つ危機感]
・元海上自衛隊士官の惠隆之介さん:阪神・淡路大震災関西大震災の時の自衛隊の出動の遅れの例を挙げて、いざとなったときは自衛隊の司令官の自主的な判断で出動すべきだった。
 これに対して元右翼の鈴木邦男さんを含むパネルの人達から、あの時の責任は兵庫県知事の責任で、それを無視して出動するなど文民統制の枠を外れていると、恵さんがボロクソに叱られていた。
 恵さんの危機感は彼が海上自衛隊勤務中、文民からの批判を恐れる上司の命令で、多くの不審船を見逃した経験や、日本で蔓延している自虐史観などから来ているようだが、パネルの人達の言う様にこのような間違った考えを持つようなったのは文民統制の負の側面を示している。
・恵さん:多くの自衛隊の幹部は文民の意向ばかり考えて完全に公務員化している。
 今まで貰っていた給料の対価として戦え」と言う社民党や共産党が言うような、お役人根性を持つ自衛隊員がいざ戦争となったときに戦える訳はない。
 彼らが日本を愛し日本が護るに足りる国であるか知らずにその生命を賭けて戦えるだろうか

[植民地保有と侵略]
・三宅久之さん:日本の侵略について中国以外は侵略ではない。満州では関東軍が袁世凱に多くの難題を押しつけて、我が物にしてきた。
 私は前にも書いたように中国以外は侵略ではないと思っているので、三宅さんの意見には賛成だ。
 但し満州については、朝鮮半島を護るための日清・日露戦争で得た権益として満州での利権を得ただけで、後三宅さんの言うように非道なこともしたが、清国とロシヤとの半島を巡る覇権争いではあったが、少なくとも侵略戦争で得たものではない。
 一方、中国内地への勢力拡大は侵略戦争と言われても仕方がない。

 昨日の放送を見て居て気がついたのだが、国会、マスコミ、ネット上の議論の中で植民地化と侵略をごっちゃに混ぜているようだ。
 植民地は前にも書いた様に、樺太、朝鮮半島、台湾と問題はあるが満州などは植民地であるが侵略(侵入して土地や物を奪い取る)して得たものではない
  当時まで諸外国でもやっていた植民地保有と侵略それぞれに対する謝罪の重みは全く違うものだ。
 第二次大戦中の東南アジアの侵攻は戦争に勝つための敵国の植民地への侵攻で侵略ではない。
 その点では田母神さんの日本は侵略国家ではないと言うのは正確に言えば間違いだが、そう言いたい気持ちも判らぬではない。
 これからの議論は当時の諸外国はどうであっかどこが侵略したのかは何処がそうでないか個々に議論する必要があると思う。
  
詰まり前にも書いたように、村山談話が全く間違っているとは言えないが、何もかもひっくるめたように聞こえる発言は余りにも軽率で、それが今でも国内外に大きな影を残しているのだ。

[自衛隊員の教育と政治家の責任]
三宅さん:村山談話に基づく所謂自虐史観には問題があるが、その修正の責任は政治家にある
 賛成。
 田母神論文についてはその内容や彼の立場の問題など、パネルから多くの問題点を指摘されたが、このような不備のある論文が公開される前に、少なくても自衛隊内部では最善の資料に基づく歴史認識について教育し、このような不完全に考え方を持たないようにすべきだ。
 そのために政治家達が歴史専門家を集めて、明治維新いらの考え得る最善の近代歴史を纏めるべきだ
 勿論これは今の対中国や韓国への配慮もあり、政府が纏めのではなく政治家達の自発的意志で行い、しかもそれを公開するか否かの政治的配慮もいるかも知れない。
 然し少なくとも生命を賭けて戦う自衛隊の人達には、正しい歴史認識を元に、今までの日本の良かった所、悪かった所を知り、(これから先は私の考え)やはり日本と言う国は生命を賭けて護るに値する国だと言う事を知って貰う必要がある。

 11日の田母神さんの参考人招致のさい、政治家は自衛隊の教育はどうなっているのだと、批判する前に自分たちの責任である問題の教育資料の整備や、如何に自衛隊員にいざとなったとき生命を賭けて戦った貰えるように、如何に彼らの士気を保つべきかを考えるべきだ。
 田母神論文が出た機会に政治家たちは文民統制の点からも如何に自虐史観を如何に処理するべきかを考え直す必要があると思う。

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参考:たかじんのそこまで言って委員会の他の出演者
やしきたかじん、辛坊治郎
パネラー:屋山太郎、田嶋陽子、崔 洋一、桂ざこば、宮崎哲弥、羽野晶紀 
参照:
  
田母神さんが定年退職に 
  
田母神さんの参考人招致
 
  
航空幕僚長の更迭


オバマさん大勝と日本

2008-11-09 07:19:44 | 国際社会

 米大統領選で、民主党のオバマさんが共和党マケインを大差で破って当選した。
 白人優位社会の米国で、黒人候補を選んだことはさすが民主主義の総本山を自認する米国だけのことはあると評価したい。
 オバマさんについては色々の方面からの評価があるが、米国内のことを言っても仕方がないので、彼の考え方とその日本に与える影響について考えて見たい。

オバマさんの考え方]読売新聞より)
・外交方針
  ブッシュさんの一国主義を批判、対話と国連重視
 日本は米国と対等に対話し得る識見と気構え持っているだろうか?
 麻生さんは?小沢さんは?

・イラク・アフガン政策
 就任後16カ月以内にイラク撤兵、アフガンに兵力を集中
 米駐日大使アフガニスタンでの対テロ戦争で、「より大きな貢献を期待する」と述べ、海上自衛隊による給油活動以上の支援を要請
 日本では海上給油は完全に政局の道具にされ、民主党は田母神さんの参考人招致と海上給油の採決を引き換えにしたと思ったら、今度は参考人招致に麻生さんがでなければ、採決しないと言い出している。
 日本の安全保障に関する大きな問題の処理についてこんなことで良いのだろうか?
 日本民主党が政権を取ったら実行不可能な「対案」をどのように処理するのだろうか、それとも頬被りしてしまうのだろうか?

・アジア政策
 日本、韓国の同盟を維持、東アジアの新たな対話の取り組みを構築
 オバマさんは一度も選挙演説で日米同盟のことは一度も触れたことはない由、彼の周辺の人物から見て日本は無視され、中国との対話重視されるのではないかと言われているが、日本はこれにどう対応するのか?

・北朝鮮
 直接外交重視、テロ指定国家解除を評価
 拉致家族問題で日本が続けている経済制裁の効果激減、マスコミなどではこの問題も米国の北朝鮮との直接交渉のさいに拉致問題も議題に上げて貰えと言ってる人もいるが、独立国日本としてはそんなことで良いのか?
 逆に言えば6ケ国協議で米国に遠慮していた日本が、小泉さん訪朝以来の独自外交を進めるチャンスだが日本はどうしようとしているのか?

・貿易
 国内経済を不安定にする自由化反対
 言い換えれば、貿易に政府が口を出すことだ。
 特に膨大な赤字を出しているGMやフォードが政府に巨額の支援要請をしていること、米国民主党の支持母体が労働組合であることを考えれば、日本から自動車輸出に何らかの申し入れが来る可能性が高い。
 米国民主党政権時代の所謂「ジャパン・バッシング」の再現だ。

・内政の基本方針
 自由競争主義に懐疑的、政府規制の強化や富裕層への税負担増、中間層以下の減税
・経済、金融危機対策
 500億ドルのインフラ整備と州財政の支援、低所得者層への減税、金融機関への監視強化
 米国は膨大な貿易赤字を持っているが、国債は日本に比してはるかに少ないので、赤字国債を発行して処理できるが、既に巨額の赤字国債を抱えている日本はそれも出来ない。
 麻生さんが3年後の消費税増税を示唆しただけで非難轟々。
 世界で突出した赤字国債を産んだ政治について反省、検証すべきだ。
 日本は銀行への資金注入や低金利で銀行を保護し、中小企業への貸し渋りなども手が打てないまま、その破産にも指を加えて見るしかなかった。
 日本も金融機関のモラルや使命感だけで頼るだけでなくて何らかの手を打つ必要があるのではないか。

・医療保険
 国民皆保険を目指す。低所得者には保険加入補助金支給
 この面では日本が先行、但し高齢化進行に伴う問題を抱えている。

・環境・エネルギー問題
 2050年までに1990年比80%削減、代替えエネルギー推進
 この面でも日本が先行、ブッシュさん時代の環境問題への消極性がなくなるのは日本に取っては朗報だ。
 但し代替えエネルギー推進で食料自給率39%と言われる日本にとっては大問題だ。

[日本のこれから]
 今まで日本は米国型の市場経済中心、自由主義経済を目標に進んで数々の規制改革をやって来た。
 そして米国と同じように、日本社会には馴染まない社会格差を産んできた。
 米国の方向は実は共和党政権やブッシュさんの考えであり、日本はそのお手本の米国の「年次改革要望書」に従って改革を進めてきた。
 米国ではそれが(一部か完全か判らないが)否定され、経済、金融にブレーキが掛けられそうだ。
 日本の改革の推進者たちは「二階上がって梯子を外された」気持ちかもしれない。
 防衛面でもマスコミではオバマさんになって、日米同盟もアフガン支援要請の処理によっては可笑しくなりそうだとの議論がされている。
 オバマさんは日本より中国に向いて東アジア政策を進めそうだと言われている。
 それでも麻生さんは日米同盟は揺るぎないと言っているが、良く批判される彼の軽薄な発言のようにも聞こえる。
 拉致問題では米国で裏切られたが、オバマさんはその路線を継承して行きそうだし、貿易問題ではまた何らかの米国からの圧力がかかりそうな情勢だ。
 しかし日本は独立国だから米国がどう変わろうと文句を言う訳にはいかない。
 後は日本が全ての問題を独自に考えて処理して行くほかは無い。
 私は何度も米国型の市場経済中心主義の見直しや、経済や防衛面での米国ベッタリの政策を見直すためシンクタンクの設置を書いてきた。(*注記)
 今こそ日本は日本人の頭で世界の変化に適合し、しかも日本の国情や日本人の考え方を考慮した政策を考えるべき時だと思う。
 米国の(軍事を除く)世界への指導的地位の低下、米国初の黒人大統領の出現、そのオバマさんの言う米国一国主義から対話への姿勢の変化、経済情勢の激変など、日本が日本としてどうあるべきを独自に考える時期である事を示唆していると思う。

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*注記:下記参照
      その場凌ぎの政治から抜け出すために 

      石油問題と米国との関係の見直し
      日本経済と社会問題の見直し 

 


田母神さんの参考人招致

2008-11-07 10:40:58 | 国際社会

 参院外交防衛委員会は6日、昭和戦争などに関して政府見解に反する論文を発表して更迭された田母神俊雄・前航空幕僚長を、11日の委員会で参考人招致し、質疑を行うことを全会一致で議決した。
 自民、民主両党は、田母神氏の参考人招致を、同委で審議中の新テロ対策特別措置法改正案の採決の前提とすることで一致しており、13日に委員会、14日に参院本会議の日程で採決することで大筋合意した。
 11日の参考人質疑は、田母神氏のほか、浜田防衛相、河村官房長官、中曽根外相の3閣僚が出席して行われる。野党側は、田母神氏に対し、歴史認識や、問題発覚後に自発的な退職に応じなかった経緯、退職金の自主返納の意思などをただす考えだ。政府に対しても、田母神氏を空幕長に任命した責任や、幹部自衛官の人事・教育システムなどの問題点を改めて追及する。
 与党は当初、田母神氏の参考人招致について、「新テロ法改正案の審議とは関係ない」として反対していた。しかし、6日に民主党側が参考人招致を条件に同改正案の採決に応じる考えを示したため、招致を容認した。
(読売新聞から)

[民主党のいい加減な海上給油反対]
 報道によると民主党は国会解散の促進のために、参議院での新テロ法改正案の採決を早める作戦だったが、麻生さんが解散しそうにも無い事が判ると、徹底的に審議引き延ばし作戦に出て、麻生さんを安倍さん、福田さんの二の舞に追い込もうとした。
 そして今回は田母神さんの参考人招致のバーターに採決に賛成した。
 私は昨日の麻生内閣の支持率低下 
の[民主党へ]でオバマさんからアフガン支援の要請が来る前に、政治的判断で海上給油の審議を早くして、自民党に3分の2条項を適用で通させた方が、仮に政権を取った後も楽で良いと思うのだが。と書いたが、この様な事情で採決を早くするとは民主党が海上給油について、如何に軽く考えているのかと思うと、ことによるとそんな民主党に政権を託さねばならぬのかと情けない気がする。

[田母神さんの参考人招致の問題点]
 ・田母神さん処分の根拠
 田母神さんが定年退職に
でも書いたが、当初は論文などを外部に出すときは、文書により上司への事前報告すべき所を口頭で済ませたのが更迭の理由だったのが、いつのまにか政府見解と違う内容の論文を発表したことが「異例の懲戒」の理由とされていた。
 田母神さんはそれに対して、退職前、防衛省に対して「懲戒処分の審理に応じる意向がある」と伝えていた。
 然し、懲戒処分の審理に入るには本人の同意とともに、明確な規律違反が必要。同省では、政府見解と異なる論文を発表した田母神さんの行動が明確な規律違反にあたるかどうかを検討、仮に審理に入ったとしても長期化する恐れがあると判断し、空幕長を解かれた時点で退職年齢に達しているため定年とした
。(読売新聞
から)
 詰まり防衛省は田母神さんの行動が明確な規律違反にあたるかどうか判らないままに処分したことになる。

・自衛隊員はロボットか、それで戦えるか
 自衛隊員は日本のやっていることは正しいと信じ、日本と日本人を護るために生命を賭して戦うのだ。
 もし彼らがいくら自衛隊員と言っても人間だから、日本のやっていることが間違っていると思って戦うとしたら、士気はがた落ちするし、戦での負けに繋がる可能性もある。
 それをシビリアン・コントロールの名のもとで、日本が間違ったことをしても、前からお前たちをその為に雇っているのだが、黙って戦えと言ってもそれは無理な話だ。
  今回の問題についても、自衛隊員が自分の愛する日本の為に戦って貰うために、彼の意見のように過去を直視し、日本のやって来た事の良い事悪い事を検証し、間違った事もしたが良い事も多くあったことを認め納得させるべきだ。
 そして例えば関東軍のようなの暴走や、戦争にありがちな個々の兵士の不法行為をしないように事前に充分に教育することだ。
 それを何もかも日本が悪かったと言っていては、自衛隊員の士気が上がるはずはない
 シビリアンコントロールと言うのなら、国会で疑問の多い村山談話を検証して、自衛隊員にも納得できる説明をするのが議員の責任だ。
 自衛隊員も人間だから、ロボットのように機械的には戦えない。

村山談話と田母神論文の違い
 問題になっている、政府見解と田母神論文の基本的な違いは、政府見解の基礎となっている村山談話では、「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。」と一括りであたかも全ての植民地が全て侵略で奪ったような表現になっているのと、田母神さんの論文はあたかも日本が全く侵略していないし悪い事もしていないかのような論文であることだ。
 正確に言えば、日清・日露戦争は清国やロシヤの朝鮮を併合の動きに対して朝鮮を護るための戦いであり、朝鮮併合も色々の問題はあったが、少なくとも侵略の結果ではなかった。
 満州については日露戦争の結果の日本が利権を得たので少なくとも、満州への侵略の結果得たものではない
 そして世界第二次大戦の時の東南アジアへの侵攻は欧米各国への宣戦布告後、欧米が侵略、植民地化した地域への軍事目的による占拠で日本の植民地化以前の問題だ。
 例えば独立国だったタイなどには殆ど手を付けていない。
 然し村山談話が具体的にどこでどうしたなど言える訳はなく一括りの表現になっているのは致し方ないとしても、また外交的な配慮があったとしても、全ての植民地が侵略で得たと捉えかねられない表現をしたのは余りにも軽率だったと思う。
 一方田母神さんの日本側には殆ど瑕疵がないとも取れる論文には、関東軍の暴走や心ない兵士や将校の不法行為など、全く問題がないとは言えない。 
   参照:航空幕僚長の更迭
 

・田母神さんの参考人招致で議論して欲しいこと
 私は前記のブログで、参考人招致の場では、政府見解と田母神論文の食い違いと、政府の任命責任が中心で、彼の論文の内容は触れないだろうと予想したが、彼の歴史認識も質問が内容に含まれているのは良い事だ。
 私は職を解かれた田母神さんが村山談話の検証の必要性など、一般国民の立場で自分の意見を思い切って出して貰いたいと思う。
 ただ唯一の私の心配は、彼の発言が質問の範囲を超えているとして発言停止になる可能性が大きいことだ。
 私は国会の場で彼の発言の内容や村山談話の正否について大いに議論を進められることを期待しているのだが。

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*注記:村山談話の該当個所
 
わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。


航空幕僚長の更迭

2008-11-01 11:06:00 | 国際社会

 航空幕僚長がその論文の「日本は侵略国家であったか」で更迭された。
読売新聞
の報道の概要 
・政府は31航空自衛隊トップの田母神(たもがみ)俊雄・航空幕僚長を更迭した。
・理由は過去の植民地支配と侵略への「深い反省」を表明した1995年の村山首相談話に反する内容で、田母神氏が防衛省の内規に反し、論文発表について事前の届け出をしていなかったためだ。
・論文は、田母神氏が、アパグループ懸賞論文に応募したもので、賞金300万円の最優秀賞を受賞。
・麻生首相は31日夜、首相官邸で「(論文を)個人的に出したとしても、立場が立場だから、適切でない」と記者団に述べた。
 私も日本が今まで取ってきた立場や彼の立場からも彼が更迭されたのは致し方ないし、浜田幸一さんの息子さんの浜田防衛大臣の苦渋の決断だったろうと言うのも想像できかる。
 然し彼の書いた論文については少なくとも国民が知って置かなければならないことが多く書かれている。

 それで読売新聞が纏めた田母神さん発言の概要青字)について彼と違って完全なフリーの立場の戦前派の私の意見(黒字)を書いて見たい。( 原文 参照)
【侵略国家】
 日本は朝鮮半島や中国大陸に軍を進めたが、相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない。
 満州や朝鮮半島には日本が一方的に軍を進めたことはないと思うが、満州を除く中国内地の侵入はその理由はどうあれ日本政府の意志を無視した日本軍の行動に引きずられたものだ。然し日本政府としては軍を制御出来なかった責任は認めざるを得ない。

 我が国は蒋介石により、日中戦争に引きずり込まれた被害者だ。 ???

 日本が侵略国家だというなら、当時の列強で侵略国家でなかったのはどこかと問いたい。日本だけが侵略国家といわれる筋合いはない。
 賛成。但し欧米の列強の侵略による植民地化が飽和状態の時に、日本がその勢力範囲を拡大しようとしたのは如何にも時期が拙かった。

【日米戦争】日本を戦争に引きずり込むために、アメリカによって慎重に仕掛けられたワナであったことが判明している。
 日本の中国で勢力拡大に対抗して当時完全な第三者の立場の米国は所謂ABCD包囲網
を作って北朝鮮に対すると同じように日本に対する経済制裁を行った。
 それ以外の米国の謀略については色々言われているが私は知らない。

 大東亜戦争(太平洋戦争)後、多くのアジア・アフリカ諸国が白人国家の支配から解放された。日本が戦わなければ、人種平等の世界が来るのがあと100年、200年遅れていたかもしれない。
 植民地開放が100年、200年遅れたかどうか判らないが、彼の指摘は厳然とした事実だ。

【自衛隊】東京裁判は戦争の責任をすべて日本に押し付けようとしたものだ。そのマインドコントロールは戦後63年を経ても日本人を惑わせている。
 日本は戦争責任は負うべきだが、戦勝国側にも原爆による一般の国民の大量殺傷、ソ連による日本兵のシベリヤ抑留など国際法違反やソ連の千島列島占有など責任を負うべきことも多い。
 少なくとも独立後に日本は日本や戦勝国のやったことの正否を明らかにするべきだったが、今でも依然として日本が一方的に悪いという考えがまだ日本に浸透している。
 それは他国の所為でなくて日本自身の責任だ。
 そしてその一つは良く言われている日本の教育のあり方問題だ。

 自衛隊は領域の警備もできない、集団的自衛権も行使できない。がんじがらめで身動きできない。このマインドコントロールから解放されない限り、国を自らの力で守る体制が完成しない。
 賛成。自衛隊の人達の気持ちは良く判る。
 日米同盟は良いとしても、日本はいざとなれば日本のことは日本で護る気概とそれに必要な最小限の軍備を持つべきだと思う。

【アジア諸国との関係】多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価していることを認識する必要がある。
 中国、韓国は戦争を全く否定的な評価をし反日政策の基本としている。
 私はシンガポールにいたことがあるが、戦争を体験した人の中には日本に対して屈折した考えを持っている人もある。

 日本軍に直接接していた人の多くは高い評価を与え、直接見ていない人が残虐行為を吹聴している場合が多い。侵略国家だったというのは正に濡れ衣だ。
 軍規や軍律の届かない戦地で、多くの日本兵を立派な行動をとったと思うが、また一部の心ない兵士や将校が現地の人達を酷使したり、とんでもないことをやらかしたのは事実だ。
 そしてその一部の人達のやったことが針小棒大に報道され、それを反日政策に利用されている。
 戦後、私は海外で、現地の人達から(多分日本だったらしないような)批判を浴びるような行為をする日本人を時々見かけたことがある。
 私のような古い日本人は自分のしたことが、日本人全体の評価に繋がると何時も思ったのだが、今の一部の人達にこれを期待するのは無理なことのような気がする。

 
 田母神さんはその論文で日本人に多くのことを教えたが、そのために更迭された。
 彼には大変気の毒だが、彼は世界における日本の立場を見直す絶好の機会を与えてくれた、その折角の機会や彼の犠牲を無にしないようにしたいものだ。

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オバマさんのことを知らない米国民

2008-08-25 16:16:43 | 国際社会

  昨日ウォール・ストリート・ジャーナルで「They're Paying Attention Now」と言う気になる社説を見たので紹介する。(括弧内の黒字は私の付記)

[オバマさんのことを良く知らない米国民]
 
今も実際の選挙戦があっているのか知らないが、世論調査によるとジョン・マケインの支持率が上がる一方、バラク・オバマの支持率が下がっている。
 私たち選挙民がオバマさんが米国で有名になったのは08年の冬からに過ぎなかったことを思い出すのは辛いことだ!
 米国民は彼に逢ったのは僅か6カ月前に過ぎない!
 彼が03年から04年にかけて、政界の新星として頭角を表し始めたとき、選挙民は彼に始めてインタビューをし、またはその記事を読んだだけだ。 (実際に逢った人は殆どいない。)
 彼らは今オバマさんを知っている、そして皆彼に依然として夢中だ。
 それが今彼らが見ているオバマさんだ。
 彼は魅力的で知的な人の興味をそそる人だが、どんなカテゴリーに入る人かを知るには難しい人だ。
 彼は将軍か?いやなにも軍に関する経歴はない。
 優れたビジネスマンか?いや彼は実務についた経験は一度もない。
 彼は有名人か?いや彼は新人で、それも普通の有名人だ。
 長い経験のある南部の州の知事か?いやコミュニティーのまとめ役だ(それって何だ)、それから弁護士(ブー)、州議会議員(それなら私の従兄弟もやっている)、そして上院議員だ(4年にもならない)。 (括弧内の記述は原文のまま)
 彼が当てはまる既存の(政治家の)カテゴリーは何もない。
 それに加えてすり切れるほど言いふらされた、 (彼の師の)ジェラマイア・ライト牧師 問題 
、メディアのお気に入りであること、密かに語られるイスラム信者の噂、そして今週は妊娠中絶の話がある。
 それは(彼にとって)大きな打撃になったし、 (今後の選挙の)情勢に変化をもたらすだろう。
 彼のユニークさと一度得た大きなパワーは今では大きな問題となっている。
 その一方では私たちが知っているマケインさんがいる。
 彼は昔の戦争の捕虜、上院議員、言葉にとげのある、いつもいらいらしているジョン・マケインだ。

[私の意見]
 欧米人の特徴で、その主張を通すために大袈裟に書く事が多いので、少し割り引いて読む必要があるが、著者の言う様に米国の人達が、彼の演説だけで彼の本質を知らないまま大統領を選ぶとしたら、日本に取っても大きな問題になるかも知れない。
 何故なら日本は日米同盟で米国から日本を護って貰っていることと、日本経済が大きく米国に依存しているからだ。
 元の内閣安全保障室長だった佐々淳行さんは、そのホームページ
で、
 これまでも日米間の問題にまっすぐ向き合ってきた親日派のマケイン氏のような人物と、中国重視で日本に無関心なヒラリー・オバマ両氏のような人物、誰が日本の国益に合致するか、わが国の米国大統領選報道もこのような視点で行ってほしいものです。
 と書いている。

米国から振り回されてきた日本
 日本はブッシュさんのお蔭で、米国から随分振り回されてきた。
 米軍のイラク侵攻で平和憲法の解釈の変更までして参戦(少なくともテロリスト達から見れば)、拉致問題も折角軌道に乗りかけたのに六カ国協議で腰を折られ、それもまたブッシュさんの変節で、拉致問題が暗礁に乗り上げ、日本が議長をつとめた京都議定書の詰めでは足を引っ張られ、原油価格や食糧価格の高騰の原因となった投機資金の規制では及び腰で、日本の経済が沈滞から低迷に落ち込んだ。

日本のこれから
 私はオバマさんが、中国重視で日本に無関心かどうか一度も報道で見た事はないが、日本としては、少なくとも、米国人さえよく知らないと言うオバマさん、佐々さんの言う知日家のマケインさんのどちらが大統領になっても、米国がどのように変わっても、ぶれない日本独自の外交方針を考えて置く必要があると思う。
  少なくてもブッシュさん相手に色々経験した日本は、米国一辺倒だけからは卒業すべきだ。

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