四国カルスト
山口県の秋吉台、福岡県の平尾台と並ぶ日本三大カルストのひとつ。
愛媛県と高知県の山頂にまたがり、大野ヶ原、姫鶴平、五段高原、
天狗高原と約25㌔にわたってカルスト高原が連なっている。
(2017年11月撮影)
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このところ少々睡眠不足。時に音楽が催眠剤になることがある。
枕元にタブレットを置き、さだまさしの「防人の詩」をかすかに流してみた。
さだの繊細な声が次第に朗々と響いていく。
この「防人の詩」は1980年というから、40年も前に公開された
映画「二百三高地」の主題歌だった。
日露戦争での二百三高地を巡る激しい攻防戦を描いたものだったが、
単なる戦争モノではなく、前線でバタバタと倒れていく兵卒の惨状など
戦争の悲惨さに、映画館で妻と並び、それこそボロボロ涙したことを覚えている。
ついでながら夏目雅子の美しかったこと。
ただ、映画公開前から物議をかもしたのは確かだ。
一部の教育者や評論家、あるいは日本共産党、それに朝日新聞などは
「戦争賛美映画」「軍国主義賛美映画」「右翼映画」などと批判した。
主題歌「防人の詩」を作詞・作曲し、歌ったさだもまた
道連れにされ、同じように批判されたものだ。
こんな逸話が残っている。
この映画の音楽監督だった山本直純が主題歌を依頼した。
その時、さだは「二百三高地の何を描くのですか。
要するに“勝った、万歳”を描くんですか」と問うた。
これに対し、山本氏「そうじゃない。戦争の勝った負けた以外の
人間の小さな営みを、ちゃんと浮き彫りにしていきたい。
そういう映画なのだ」と答えたという。
それで、さだはこの依頼を引き受けたという。
歌詞を見れば、それがよく分かる。
おしえてください
この世に生きとし生ける者の
すべての命に限りがあるのならば
海は死にますか 山は死にますか
風はどうですか 空もそうですか
おしえてください
私は時折 苦しみについて考えます
誰もが等しく 抱いた悲しみについて
生きる苦しみと 老いてゆく悲しみと
病の苦しみと 死にゆく悲しみと
現在の自分と
まさに人間の小さな営みの一断面を切り取っている。
そのメッセージをさだの繊細な声が伝えようとするのだ。
映画のシーンが浮かび上がってきて、また胸を締める。
これじゃ 眠れない!
「無縁坂」に変え、幼き日の母を思い出しながら眠るとするか。