Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

「龍踊り」が見られない!

2020年06月24日 05時40分34秒 | 思い出の記
   悲報だ。「長崎くんち」が今年はコロナウィルスによって中止になった。
   生まれ故郷・長崎の二大祭りと言えば、僕の心の中では、
   この「長崎くんち」と「精霊流し」だと思っている。
   それぞれが持つ賑わいの情景が、それこそ幼い日から肌に染み付いて離れない。

「長崎くんち」。これは市民の氏神・鎮西大社諏訪神社の祭礼行事で、
毎年10月7~9日の3日間行われる。踊りを奉納する踊り場が諏訪神社のほか、
市内3カ所に設けられ、決められた踊町が勇壮華麗な演し物を披露する。
その際、アンコールを意味する「モッテコーイ」の掛け声が、
場を最高潮に盛り上げるのだ。

   この380年の伝統行事が、今年は中止だと言うのだから、残念!と言うしかない。
   演し物の一番人気は、やはり「龍踊り」だろう。
   You Tubeから拾い、せめて雰囲気だけでも味合うことにした。
                (17分超あるので、お忙しい方はスルーしてください)
おっ、龍踊りをやっているこの場所は新地中華街そばの「みなと公園」だ。
僕はこの真ん前の所で生まれ、小学3年生まで住んでいた。
だから、この公園は僕ら子供たちの遊び場になっていた。懐かしい。
それから、画面にちょいちょい映る釣鐘、
これは「つりがね堂」という薬局のトレードマークみたいなもの。
実は、この家のお嬢さんが小学1、2年生の時の担任の先生だった。
それで、先生が登校される時は必ず「行くよー」と声をかけてくださり、
先生と手をつないで学校へ行ったものだ。
そんな、あれこれを思い出してしまった。
             
   もう一つの「精霊流し」、これは言うまでもなく、お盆の行事である。
   初盆を迎えた遺族が、故人の霊を弔うため、主に竹や板、ワラで手作りの船を造る。
   船はそれぞれの家により大小さまざまだが、8月15日の夕暮れ時になると、
   市中いたるところから、これら船が繰り出し、街中を練り歩く。        
   グレープ時代のさだまさしさんが、同名の曲を歌っているが、
   あのようなしんみりしたものではない。
   練り歩く時には、「チャンチャン、チャンチャン」と鉦を打ち鳴らし、
   「ド―イドイ」と掛け声をかける。爆竹の音は耳をつんざかんばかりだ。
   いちばんの見せ場となるのは、広場同然になる旧県庁前交差点。
   ここでは、大型船が次々と競うように曳き回されるのだ。
   その威勢のよさに、見ているこちらも心が囃される。
   そして、港や川などに設けられた流し場へ向かい、
   ここから故人を船と共に極楽浄土へ送り出す。

この精霊船は個人の家から出されるのが普通だが、町内会で出すところもある。
小学4、5年生頃だったと思うが、あの「チャンチャン、チャンチャン」の
鉦を打つ役を任されたことがある。子供心には大役であり、素直に嬉しかった。
             
   どうやら、この精霊流しは予定通り行われるらしい。
   ああ、久しく墓参りもしていないな。福岡の地で無事を祈る。