Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

ナルシスト

2020年06月27日 05時33分46秒 | エッセイ
         スタイリッシュな多々羅大橋


     本州と四国を結ぶ本州四国連絡橋は、「瀬戸大橋」「明石海峡大橋」、
     そして西瀬戸自動車道「しまなみ海道」がある。
     この多々羅大橋は「しまなみ海道」を構成する橋の1つ。
     広島県尾道市の生口島と愛媛県今治市の大三島をつなぐ。
     本州側から4番目がこの橋で全長1480㍍の斜張橋だ。
     スタイリッシュなフォルムで人気が高い。
                          (2017年11月撮影)

      ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂

カーオーディオで聞くのは、たいてい自分の歌だ。えっ、と思われるかもしれない。
プロでもない爺さんに自分のアルバムがあるはずはない。そう思われるだろう。
だが、自分のCDを作るのは大して難しくない。
カラオケボックスに行けば、CDを作れる機能がちゃんとある。
普通に自分の歌いたい曲をいつも通り歌えばよい。
それをちゃんと録音しておき、さらに録音したものを
指定のCDに落とし込むだけ。
CD1枚に3曲入るから、それを3枚、4枚作り、
今度はPCを使って1枚に編集すれば9曲、12曲入りの
アルバムらしきものになるわけだ。

    もっとも、所詮はそのへんの歌好き爺さんの戯れ、
    アルバムなぞと胸を張れるものではない。
    妻はもちろん娘や孫、まして他人様が乗り込んできた時には絶対に流さない。
    自分1人、秘かに楽しむだけのものだ。
    そのような意味では、少しばかりナルシストの気があるのではないか、
    自分ながらそう思ってしまう。
             
このナルシストの語源はギリシャ神話に由来する。
登場するのが絶世の美少年・ナルキッソス。そのナルキッソスが水面をのぞくと、
そこに映っていたのは当然のことながら絶世の美少年だ。
ナルキッソスはたちまちその美少年、つまり自分自身に恋をしてしまうのである。
こんなギリシャ神話を由来とし、自己愛の強い人を
ナルシストと言うようになった、こういう話である。

    自分の歌を1人秘かに聞き、ニンマリするなんて
    我ながら気色悪い気もするが、「自分をほめて何が悪い」
    なぞと開き直り、すまし顔をしている。

実は、このナルシストには共通する特徴があるそうだ。
「根拠のない自信を持っている」「自分の話にしか興味がない」
「何にでもチャレンジする」「目立つことが好き」などだ。
うーん、当たっていそうな、そうではなさそうな。
「根拠のない自信」これはずばり言い当てられている。
先ほどの歌の話。ほとんどが聞きかじりで覚えたものだ。
それをミュージックスクールの先生に聞いてもらうと──
「こりゃ、困りましたね。あちこち音符も休符も間違っている。
これを直すには時間がかかりますよ」そういうことになる。
それなのに、「うん、これはうまく歌えている」なんて思い、
CDを作るのだから、これはまさに「根拠のない自信」以外何物でもない。

    「何にでもチャレンジする」これはそうかもしれない。
    70歳になってからヴォーカルのレッスンに通い始めたなんてことは、
    やはり一つのチャレンジに違いない。
           
そして、出勤する時は必ず玄関脇の姿見で全身を改める。
「うん、なかなか決まっている」と確認してから車に向かう。
これは「目立ちたがり」と表裏一体なのだと思う。
やはり、少しばかりナルシストなのだろうか。