我が家では毎年、自家製の梅干し、ラッキョ、それに味噌が作られる。
もちろん妻の手によるもので、こちらはもっぱら賞味係。
さて、今は梅干し漬けのシーズン。
これには、何といっても南高梅だろう。
梅生産量日本一の和歌山県を代表するブランド梅だ。
果実は大きく、その割に種は小さめ。
果皮にほんのり赤みがさし、果肉が柔らかい。
この南高梅を使用した梅干しはまさに最高級品とされ、
中国産など足元にも及ばない。
全国各地で生産されているから、福岡県内はもちろん、あるいはちょっと
足を延ばして隣県なんかでも手に入る。
昨年は大分県日田市大山町で栽培された南高梅を使った。
この大山町は、米作が奨励されていた1960年代、作業負担が小さく、
収益性の高い梅や栗の栽培にいち早く切り替え成功したところだ。
「梅栗植えてハワイに行こう」というユニークなキャッチフレーズを掲げ、
これが、後の「一村一品運動」の原点になったとされている。
今や大山町の基幹産物である。
妻は早速、大山町の生産・販売者に電話を入れていたが、ちょっと時期を逸したようだ。
ちょうどその時、テレビの地域番組で「道の駅たちばな」(福岡県八女市立花町)で
梅が大変な人気だと報じていた。
早速調べてみると、この立花地区には九州の梅の3名園の一つ・谷川梅林があり、
梅3万本を栽培するなど梅の生産に力を入れているそうだ。
この地区は小梅と南高梅を生産しており、
特に小梅を使った梅干しは全国コンクールで最優秀賞を獲得しているという話だ。
ただ、妻は南高梅にこだわっているようで、電話を入れて確認すると、
今日(6月20日)も農産物直売所に並ぶことが分かった。
九州の梅の3名園の一つ・谷川梅林
国道3号線をひたすら南下する。ここはバイパスかと思えるほど
スムーズに流れる所がある一方で、片側1車線の所も多く渋滞が続いた。
高速道路を利用したら、おそらく半分の時間で行き着けたはずだが、
結局2時間もかかってしまった。
道の駅たちばな
12時ちょっと過ぎにたどり着いたが、何と満車状態。
道の駅で満車というのはそうそうあるものではない。
やはり梅を求めてのことか。店内に入ると、梅は完売していた。
念のため店員さんに尋ねると、「もうすぐ午後の入荷があります。
しばらくお待ちください」とのことだ。
それほど待つことなく、あの南高梅が店頭に並んだ。人がわっと寄ってくる。
その中に妻もいる。幸い、5㌔買えたようだ。
梅が再び売り切れると、駐車場も着いた時の満車状態はすっかり解消していた。
「さあさあ、梅が痛まぬよう早く帰ろう」と思いつつ、
また2時間かけて国道3号線を引き返した。
きっと、うまい梅干しが出来ることだろう。