Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

やはり南高梅

2020年06月22日 05時46分24秒 | エッセイ
           
   我が家では毎年、自家製の梅干し、ラッキョ、それに味噌が作られる。
   もちろん妻の手によるもので、こちらはもっぱら賞味係。

さて、今は梅干し漬けのシーズン。
これには、何といっても南高梅だろう。
梅生産量日本一の和歌山県を代表するブランド梅だ。
果実は大きく、その割に種は小さめ。
果皮にほんのり赤みがさし、果肉が柔らかい。
この南高梅を使用した梅干しはまさに最高級品とされ、
中国産など足元にも及ばない。

   全国各地で生産されているから、福岡県内はもちろん、あるいはちょっと
   足を延ばして隣県なんかでも手に入る。
   昨年は大分県日田市大山町で栽培された南高梅を使った。
   この大山町は、米作が奨励されていた1960年代、作業負担が小さく、
   収益性の高い梅や栗の栽培にいち早く切り替え成功したところだ。
   「梅栗植えてハワイに行こう」というユニークなキャッチフレーズを掲げ、
   これが、後の「一村一品運動」の原点になったとされている。
   今や大山町の基幹産物である。

妻は早速、大山町の生産・販売者に電話を入れていたが、ちょっと時期を逸したようだ。
ちょうどその時、テレビの地域番組で「道の駅たちばな」(福岡県八女市立花町)で
梅が大変な人気だと報じていた。
早速調べてみると、この立花地区には九州の梅の3名園の一つ・谷川梅林があり、
梅3万本を栽培するなど梅の生産に力を入れているそうだ。
この地区は小梅と南高梅を生産しており、
特に小梅を使った梅干しは全国コンクールで最優秀賞を獲得しているという話だ。
ただ、妻は南高梅にこだわっているようで、電話を入れて確認すると、
今日(6月20日)も農産物直売所に並ぶことが分かった。

                            九州の梅の3名園の一つ・谷川梅林

   国道3号線をひたすら南下する。ここはバイパスかと思えるほど
   スムーズに流れる所がある一方で、片側1車線の所も多く渋滞が続いた。
   高速道路を利用したら、おそらく半分の時間で行き着けたはずだが、
   結局2時間もかかってしまった。
             
                           道の駅たちばな
12時ちょっと過ぎにたどり着いたが、何と満車状態。
道の駅で満車というのはそうそうあるものではない。
やはり梅を求めてのことか。店内に入ると、梅は完売していた。
念のため店員さんに尋ねると、「もうすぐ午後の入荷があります。
しばらくお待ちください」とのことだ。
それほど待つことなく、あの南高梅が店頭に並んだ。人がわっと寄ってくる。
その中に妻もいる。幸い、5㌔買えたようだ。
梅が再び売り切れると、駐車場も着いた時の満車状態はすっかり解消していた。
「さあさあ、梅が痛まぬよう早く帰ろう」と思いつつ、
また2時間かけて国道3号線を引き返した。
          きっと、うまい梅干しが出来ることだろう。