5月3日の憲法記念日は、各地で護憲派と改憲派がそれぞれに集会や講演会を開催し、かまびすしい1日となった。
4月に実施された直近の朝日新聞の世論調査では、集団的自衛権の行使容認について「戦争に巻き込まれる不安」が88%を占め、憲法9条についても昨年は男性40代以上で「変える」が「変えない」を上回り、中でも男性50代は「変える」が55%に上った。
ところが今回の調査では、男性50代でも「変えないが」50%で多数になるなど、すべての性・年代で「変えない」が「変える」を上回っている。
1945年の敗戦から今日までの68年間、日本は「戦争のない平和な国」と世界中の国々から羨望の眼で見られてきた。それを支えてきたのは戦争放棄をうたう憲法第9条。それを保持し続けてきた「日本国民」が先月、今年のノーベル平和賞候補にエントリーされた。
安倍総理が執念を持って進める憲法改正。世論調査の結果をどのように捉えておられるのでしょうか。
以下は新聞記事から抜粋、引用させていただいた。
きっかけは、平和賞を選考する「ノルウェー・ノーベル委員会」に神奈川県の主婦座間市の鷹巣直美さん(37歳)が昨年送ったメールだった。1人で始めた運動が約2万5000人の署名を集めるまでに広がり、ついには選考委員を動かした。
鷹巣(たかす)直美さんは、憲法を改正しようという世の中の空気に、7歳と1歳の子供の母親として素朴な疑問を抱いていた。「戦争になれば、子供が悲惨な目に遭う。9条を守るためにできることは……」。思いついたのが「9条に平和賞を」とノーベル委員会に訴えることだった。「9条に平和賞を授与してください」。むちゃを承知で昨年1月、初めてメールを送った。返信はなかったが、あきらめなかった。
冷戦終結後の欧州をまとめようと尽力する欧州連合(EU)が、前年に平和賞を受賞した。
「平和賞は結果だけでなく、平和実現のための努力も評価されるはず」と信じ、メールをその後4カ月間で7通送った。やはり返信はなかった。
昨年5月転機があった。インターネット上の署名サイトで「9条に平和賞を」と呼びかけると5日間で約1500人の署名が集まった。委員会に知らせると、翌日返信があった。「2月1日の推薦の締め切りを過ぎている」という内容だったが「エントリーには有識者の推薦が必要」などとヒントも記されていた。何より、受賞者は個人や団体に限られ、「憲法9条」のような抽象的なものはそもそも候補になれない、と知った。
そこで鷹巣さんは、憲法が主権者と定めている「日本国民」を受賞候補にしようと決めた。憲法にはいろんな意見がある。でも『戦争したくない』という気持ちは同じはず。戦争の悲惨さを語り継いだ人々の思いにも光を当てたい」。そんな願いも込めた。
昨年8月には、知人らと「『憲法9条にノーベル平和賞を』実行委員会」を結成し、推薦人と署名を募った。今年2月1日の応募締め切り時点で、大学教授など43人の推薦人と2万4887人分の署名を集め、委員会に提出した。4月9日。
ノーベル委員会から「今年の278件の受賞候補の一つにエントリーされた」とメールがあった。
憲法9条は世界に誇れる日本の宝です。感激しました。日本人としての誇りを感じました。誰が何と言おうと守りぬかねばならない大切な宝だと思います。
そしてもしノーベル平和賞に決まれば、それは「日本国民」全員が受賞するのです。わたしもその対象、ノーベル平和賞を受賞するのです。