脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

古武道演武大会見学。

2010年02月07日 18時31分43秒 | 武術・身体系
立春寒波というのか、今日も東京の朝は零下の冷え込みであった。
だが空は、雲一つなく冬晴れの好天、何処かへ出掛けたくなった。

午後から七年ぶりに古武道演武大会を見学しに日本武道館へ行った。
この大会は例年二月上旬の日曜日に開催されているが、入場料は500円
で、日本中の名だたる武道流派の演武が見られるが、娯楽性はほとんど
ない。日頃の鍛錬の成果である武道の表演であり、興行ではないので、
当然といえば当然ではあるが。

久々にこの大会を観に行ったが、以前は大会ポスターを無料でくれたが
今はくれないようである。その替わりなのか、「武道の理念」とかいう
ポスターサイズの印刷物(文字のみ)を配布していた。チケットの裏には
参加流派の名前が出場順に印刷されていて、以前はこれがパンフを500
円で買わないと分からなかったのであるが、改善されたようである。

この大会の出場流派は毎年異なるのに、事前の公表をしない、古武道協
会のHPにも出さないのはどうしてなのか、理由不明である。どうもP
Rする気が大会当事者にあまり無いかのようにみえる。


今日は午後の一時半頃に武道館に入ったが、
丁度、新撰組で有名な天然理心流が出ていた。
演武者は10名以上、それも若い男女が半々で、この流派は若い人に人気
があるのかも知れない。剣術流派は組討ちと抜刀の形(かた)をやるのが
ほとんどである。派手を求める向き方面の人々には退屈であろう。

今日は出場35流派のうち15流派しか見ていないが、その半数が演武者が
2~4人という状態だった。古流は一部を除き廃れつつあるということ
なのか、何なのか? 坂本竜馬でも有名な、北辰一刀流(開祖:千葉周
作)も出ていたが、70歳位の渋いおじいさんが二人で、小手取りの地
味な組太刀を粛々として終わりとは、お客さんもガッカリしたろう。

私の興味は古流空手と一部の剣術と合気柔術だが、沖縄剛柔流、金硬流
、和道流の空手系も、柳生新陰流、鹿島新當流、二天一流の剣術系も午
前の部だったようで、見損なってしまい残念。(合気柔術系は今年
は不参加) 古流・琉球空手は、ヌンチャクやトンファー等武器を用
いた演武をすることがあり、見ごたえがあって楽しめるものである。

大会は最後に、砲術の流派が火縄銃というか火縄筒を5発打ち鳴らし、
一応、的を目掛けて打ってはいるが、空砲だろうと思われるが、そんな
趣向で爆音と硝煙が薄っすらした処で、本日の大会終了のアナウンスが
入り閉幕。時刻は午後三時四十分だった。


午前の部を見ていないし、午後の部も途中から入場したもので、総括し
得ないが、入場者数はそこそこあったようだが、古武道は継承者難にあ
るのではなかろうか? 一部の有名流派だけが栄えて、その他大多数の
古流は衰滅傾向にあるのでは? と何となく私は憶測している。

つまり、ここでも勝ち組/負け組というか、人気格差が生じていて二極
化しているのではなかろうか。マスコミで武蔵が話題になれば、二天一
流が持て囃され、竜馬になれば北辰一刀流に人心は流れとかいう調子で
あるのかもしれない。

そんな世間の愚かな風向きに、まるで冷や水を浴びせてみせていたよう
なのが、今日の北辰一刀流の地味に過ぎる表演にも思える。
あの二人のおじいさんは、きっと流派の幹部クラスだろうが、
武道は見世物ではない、世間に格好好く見せて媚びることなどは、御免
こうむるとでもいったメタ・メッセージが、穿ち過ぎかも知れないが、
私には感じられた。

これは古流の武道を心身の糧として励まれている方々に共通の想念であ
ろう。私も古流武術、特に古流剣術に憧れがあるが、武術と自分の人生
が重なる程精進する覚悟がなければ、古流武道は見学するだけが丁度良
いと思っている。古流を守る人々の息吹に、たまに触れに行くのが私の
身の丈には合っていそうである。 






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