深夜の障害者施設が刃物男に襲撃され、入所者19人が刺殺、他
20人以上が負傷する前代未聞の凶悪事件があった。犯人は元・同
施設職員の植松某(26)。犯行後直ちに自家用車で警察に出頭。
私は最初に事件を知ったとき、戦前の岡山で起きた「津山事件」を
想起していた。「津山30人殺し」と呼ばれ日本の犯罪史上、対面
での大量殺人としては最大規模で、今後もこの記録が破られること
はないだろうと言われてきた。が、今回の事件からは、津山事件の
記録さえ凌駕しかねない、大量殺戮に可能な現実感を覚えた。
銃器規制の厳しい日本でも、就寝中の障害者施設や老人施設を刃物
で襲えば、大量殺人は可能なのである。私はこのことを余り考えて
もみなかった。だいたい一体誰がそんなバカげたことをやるのかと
いう常識的思いが先立ち、思考の外に排除していたのだ。
やまゆり事件では、覚醒剤使用者による犯行ではなかろうかと当初
予想したが、どうもハズレのようである。犯行後警察に出頭する態
度等、犯人は冷静に過ぎるのである。逮捕後の植松某の様子もTV
で見かける限り、血まみれの凶行を働いたという風情もなく、やや
得意げに軽い笑顔を浮かべ、どこ吹く風である。この雰囲気は一体
何だろうか? まともな常人と思えないばかりか、通常の精神障害
者とも思えない。やはり、何らかの薬物が絡んでいるのだろうか?
植松は、「生きててもしょうがない」障害者を大勢抹殺することが、
自らの使命かつ正義かのような考えの持ち主らしいが、本人自身も
今年、精神障害者として緊急措置入院を強いられている。3月初旬
に退院し、退院後5か月目にしてこの凶悪殺戮である。
このような危険極まりない人物が、今日では人手不足のせいなのか
障害者施設なりで介護の職等で働いているのである。この事実も恐
ろしい気がする。植松某という人物の異常性は、極めて例外の、異
例中の異例ではあろうが、このような人間性、ここまでの大胆な凶
暴性を秘めていたことについては、事件を起こすまで、職場その他
でのスクリーニングやチェックは、余り働いてこなかったようにも
見える。
私自身も、精神科に10数年通院している身の上であるが、直接・
間接に見聞きしてきた精神障害者で、植松某のような悪魔的実行力
を持つ人物は聞いたこともない。凶悪な殺害想念を過大に抱く精神
障害者がいたとしても、実際に加害のアクト・アウト(実行するこ
と)となると、頭で描いたような実行への着手は実際容易ではない
と思う。
加害懸念のある精神障害者であっても、投薬の影響もあって体力や
気力・精神力が持続しないのが通常であり、計画を練って深夜の施
設に押し入り、職員を拘束した後、50人もの人間に対面で刃物沙
汰が出来る精神障害者となると、現実的にはほとんどあり得ないと
思うのだが、しかし、そんな事態が現に起こってしまった!
シリアル・キラーだの性格異常な殺人者は、実感としては映画か小
説の中の存在でしかないと感じてきたが、精神障害者というより、
アメリカ映画に出てくるような桁外れな「精神の極異常者」は、眼
に見えにくいが、確実にこの世に存在するのだろう。
今までの日本社会では、その存在はあまり表立ってこなかった。
このやまゆりの事件において本邦初?、アメリカのサイコ映画風な
精神異常犯罪者の、おぞましい犯行と素顔を見せつけられた思いだ。
※ 季節はもうじき八月。美しい夏空が白い雲を浮かべて晴れ渡る
というのに、こんな無差別テロまがいの痛々しい惨劇である。
真夏の夜の悪夢としか言いようがない。
末尾ながら、このたびの事件で亡くなられた入所者の方々、負
傷された方々、関係ご家族等の方々に、衷心よりお見舞い申し
上げます。
20人以上が負傷する前代未聞の凶悪事件があった。犯人は元・同
施設職員の植松某(26)。犯行後直ちに自家用車で警察に出頭。
私は最初に事件を知ったとき、戦前の岡山で起きた「津山事件」を
想起していた。「津山30人殺し」と呼ばれ日本の犯罪史上、対面
での大量殺人としては最大規模で、今後もこの記録が破られること
はないだろうと言われてきた。が、今回の事件からは、津山事件の
記録さえ凌駕しかねない、大量殺戮に可能な現実感を覚えた。
銃器規制の厳しい日本でも、就寝中の障害者施設や老人施設を刃物
で襲えば、大量殺人は可能なのである。私はこのことを余り考えて
もみなかった。だいたい一体誰がそんなバカげたことをやるのかと
いう常識的思いが先立ち、思考の外に排除していたのだ。
やまゆり事件では、覚醒剤使用者による犯行ではなかろうかと当初
予想したが、どうもハズレのようである。犯行後警察に出頭する態
度等、犯人は冷静に過ぎるのである。逮捕後の植松某の様子もTV
で見かける限り、血まみれの凶行を働いたという風情もなく、やや
得意げに軽い笑顔を浮かべ、どこ吹く風である。この雰囲気は一体
何だろうか? まともな常人と思えないばかりか、通常の精神障害
者とも思えない。やはり、何らかの薬物が絡んでいるのだろうか?
植松は、「生きててもしょうがない」障害者を大勢抹殺することが、
自らの使命かつ正義かのような考えの持ち主らしいが、本人自身も
今年、精神障害者として緊急措置入院を強いられている。3月初旬
に退院し、退院後5か月目にしてこの凶悪殺戮である。
このような危険極まりない人物が、今日では人手不足のせいなのか
障害者施設なりで介護の職等で働いているのである。この事実も恐
ろしい気がする。植松某という人物の異常性は、極めて例外の、異
例中の異例ではあろうが、このような人間性、ここまでの大胆な凶
暴性を秘めていたことについては、事件を起こすまで、職場その他
でのスクリーニングやチェックは、余り働いてこなかったようにも
見える。
私自身も、精神科に10数年通院している身の上であるが、直接・
間接に見聞きしてきた精神障害者で、植松某のような悪魔的実行力
を持つ人物は聞いたこともない。凶悪な殺害想念を過大に抱く精神
障害者がいたとしても、実際に加害のアクト・アウト(実行するこ
と)となると、頭で描いたような実行への着手は実際容易ではない
と思う。
加害懸念のある精神障害者であっても、投薬の影響もあって体力や
気力・精神力が持続しないのが通常であり、計画を練って深夜の施
設に押し入り、職員を拘束した後、50人もの人間に対面で刃物沙
汰が出来る精神障害者となると、現実的にはほとんどあり得ないと
思うのだが、しかし、そんな事態が現に起こってしまった!
シリアル・キラーだの性格異常な殺人者は、実感としては映画か小
説の中の存在でしかないと感じてきたが、精神障害者というより、
アメリカ映画に出てくるような桁外れな「精神の極異常者」は、眼
に見えにくいが、確実にこの世に存在するのだろう。
今までの日本社会では、その存在はあまり表立ってこなかった。
このやまゆりの事件において本邦初?、アメリカのサイコ映画風な
精神異常犯罪者の、おぞましい犯行と素顔を見せつけられた思いだ。
※ 季節はもうじき八月。美しい夏空が白い雲を浮かべて晴れ渡る
というのに、こんな無差別テロまがいの痛々しい惨劇である。
真夏の夜の悪夢としか言いようがない。
末尾ながら、このたびの事件で亡くなられた入所者の方々、負
傷された方々、関係ご家族等の方々に、衷心よりお見舞い申し
上げます。
こんにちは。この事件で精神病者への偏見や排斥が高まるかというと、私は今の日本社会はそれほど理解力や民度の低い状態ではないと思っています。
植松という犯人も精神病患者であり、「精神病者は怖い」という偏見の持ちようもあり得ますが、彼は例外中の例外的な異常人格者・サイコパスであり、薬物使用も絡んでいるかのようです。精神病者一般とは、かなりかけ離れた特異な人物だと思います。
健常者だって、殺人者から人格者まで人それぞれ様々に存在しています。精神障害者も同じです。そのあたり、注意深く考えてみて欲しいですよね。