俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

犯罪者

2016-06-19 11:40:15 | Weblog
 犯罪率についてこんなデータがある。犯罪認知率が最も高いのは大阪府の2.1%で、最少は秋田県の0.5%。沖縄県は1.0%でほぼ平均値だ。その一方で犯罪検挙率では沖縄県民0.4%、、在日米軍人0.2%、在日朝鮮人1.9%、在日中国人1.6%、在日ブラジル人0.5%となっている。全く皮肉な話だが犯罪率が低い米軍人が増えたほうが日本の犯罪率は下がるだろう。
 意外な数値に驚くだろう。もしトランプ氏のような民族差別的な発言が許されるなら、米兵ではなく朝鮮人や中国人の国外追放のほうが日本の治安維持のためには有効だろう。勿論そんなことを主張したい訳ではない。私が言いたいのは在日米兵に対する差別が不当だということだ。在日米軍人に犯罪ゼロを要求することは理不尽であり、相手の弱みに付け込んでそんな要求を突き付ける前に沖縄県民による犯罪をゼロにして模範を示すべきだろう。自分達にできないことを他者に要求すべきではなかろう。
 確かに敗戦直後の進駐軍は酷かった。戦勝国という特権意識も働いたから、本土と沖縄を合わせた性的暴力被害者数は数万人に達したと言われている。この凶悪な米兵の性欲から国民を守るために政府は「性の防波堤」として米軍基地の近隣に「特殊慰安施設」を設けることにした。
 占領軍としての米兵と現在の在日米軍人は全く質的に異なっているのに今尚、日本人は敗戦直後のイメージを引き摺っている。このイメージを利用して現在の在日米軍人を鬼畜のように見なすことは余りにも公正さを欠いている。
 私は決してアメリカによる占拠を是認しようとは思わない。日米地位協定という不平等条約が存在する限り日本はアメリカの属国であり続ける。日本が真の独立国になるためには不平等条約を改正すべきだ。そのためには日米同盟の功罪や地位協定の問題点を国民が正しく理解する必要がある。
 意外な事実に気付いた。兵士の性欲処理を現地調達に任せる野蛮な軍隊と、被占領地の住民の人権を守ろうとする人道的な軍隊があるということだ。
 現実問題として男の性欲をルールによって抑え込むことは難しい。組織として何らかの手を打たなければ兵士は勝手に現地調達に励む。つまり占領地の住民に対する無差別の暴行だ。これを抑止するためであれば組織として性欲処理施設を用意することは許容されて然るべきだろう。
 売春施設を準備することは女性の人権を踏み躙る蛮行として非難され勝ちだ。しかしそれを怠ることによって引き起こされるのが現地の住民に対する凌辱だ。どちらが人道的かと考えれば、プロの女性を活用することによって現地の住民の安全を図ることが優先されるべきではないだろうか。
 慰安婦を帯同する軍隊はいかにも人権を軽視しているように思われ勝ちだが、占領地の住民の安全を守るための必要悪だったのではないだろうか。トイレを作らなければあちこちがトイレ代わりに使われるものだ。現地調達に任せて自らは手を汚そうとしない無責任な国こそ人道に対する犯罪者として咎められるべきだろう。