はまってる本208

　また、谷崎潤一郎の作品を読んだ、作品名「卍」です。
　ひとことで言えば変態小説、但し、昨今の「ジェンダー平等」が注目されている令和の時代においては不自然さを感じないところはあります。
　ネタバレを承知であらすじを述べると、時代は昭和初期の大阪に２０代の若奥様と独身女性の同性愛の物語で、そこに独身女性の性的不能の恋人、若奥様のセックレスの夫が絡み、愛憎劇を演じ最後は奥様の夫と独身女性が関係を持ってしまう。性的にカオス状態の物語で、時代を考えるとありえないと叫んでしまいます。谷崎潤一郎は自身の経験か何か事件を参考にしないで創造で書いたとしたら天才だと思います。
　令和の時代にふさわしい面白い性小説なのでお勧めできます、但し、具体的な性描写は書かれていませんので期待しないように。