ランニングハイカーのぺーじ(2010.10.09~)

ランニングハイキングの記録

はまっている本267

2025-02-01 04:22:50 | 図書

 酒井順子の本を読んだ。作品名は「消費される階級」です。これは現代の格差社会をいくつかのテーマを取り上げてエッセイ形式で述べている。具体的には、「有名になる」価値の今昔事情、超高齢化時代のおばあさん格差、稼ぐ女と使う女など、21のテーマです。相変わらずの酒井順子さんの鋭い視点に同感です。個人的には今は格差があったほうが健全で社会がうまくいいと思いますがどうでしょうか? 昭和の一億総中流時代のほうが不健全だったと思います。

 

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はまっている本266

2025-01-27 06:23:28 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「夜明け前」です。第一部上・下、第二部上・下の4冊から成る長編小説です。読み切るのに3週間以上かかってしまったが完読してほっとしている。

 あらすじは島崎藤村の父親の生涯の実録小説です。注解ではかなりの虚構もあるそうですがほぼ実話と思って読みました。主人公の島崎藤村の父親は長野県の木曽の馬籠の今でいう旅館に生まれた。それだけならなんて事のない人だが、生きた時代が幕末から明治時代と凄くて小説の中にその時代の様子が描かれているので歴史小説の側面もある小説です。今のようなインターネットもない時代によくもここまで調べたのか頭が上がらないです。明治維新の余波を受けて最期は狂い死にしてしまった主人公(島崎藤村の父親)だが、懸命に時代の変化に正面から向き合って生きた生涯に感動しました。

 

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はまっている本265

2024-12-28 08:27:43 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「千曲川のスケッチ」です。これは藤村が小諸(長野県)に教員として住んでいた時のことを日記のような文体で東京の友人に宛てたもので、ほとんど実話だと思われる。理屈抜きにみずみずしいその当時の藤村の体験が目に見えるようでとても快かったです。

 今このような作品を出すと他人の個人情報満載なのでバッシングされそうですが当時は有りだったのでしょう。

 

 

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はまっている本264

2024-12-17 16:32:49 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「生ひ立ちの記・出発」です。これは本の題名の2編を含む10編の短編小説集です。10編もあるので1編ごとの感想をこのブログで述べません。印象に残ったものについて感想を述べてみます。

出発:これはお嫁にいく長女の出発の物語で、家族の別れが生々しく描かれている。

生ひ立ちの記:これは自分の生ひ立ちをある婦人に手紙として書いたもの島崎藤村の自伝小説かどうかは検証していないのでわからないがいずれにせよ興味深く読めた。

眼鏡:ある紳士の旅行記を彼のかけている「眼鏡」の目線でみた擬人化小説で一番面白かったです。

 全体的な印象はどの作品も島崎藤村の人生経験が反映されているようにおもえてならない。ただし、この本は新潮文庫の昭和42年の発売のもので   注釈は全くないが、漢字も旧字を用いているのでスマートフォンで調べながら読んだのでそれが大変だった。

 

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はまっている本263

2024-12-05 17:37:48 | 図書

 「休むヒント。」というエッセイ集を読んだ。これは33人の主にエッセイストの文字通りの「休むヒント」のエッセイを収録したものです。読んでみて残念ながらハズレだった。F市の図書館で半年間待ってやっと借りることができたのに、エッセイストは常人ではないので考えが一般の人とずれている。今、愛犬を亡くしてペットロスになっていたのでちょうどよいと思っていたのに全く参考にならなかった以上です。

 

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はまっている本262

2024-11-30 15:55:43 | 図書

 また、大塚ひかりさんの作品を読んだ、作品名は「うん古典  -うんこで読み解く日本の歴史- 」です。これは古典の「うんこ話」が生まれた時代背景や歴史状況、当時の日本人の心性に迫るものです。よくそこまで調べたかと著者の努力には頭が上がらないです。しかしながらあまりにもまとも書きすぎているので内容が教科書的で読んでいて面白みがなくて国語か歴史の勉強をしている感じがした。もっとユーモラスに書かないとお金を払ってまで購入する人はいないでしょう。

 

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はまっている本261

2024-11-27 08:41:51 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「家 上巻・下巻」です。これは明治期の二つの旧家の没落を描いたもので小泉家と橋本家の2つの旧家が登場人物している。前者は藤村の生家である島崎家を、後者は藤村の姉園が嫁いだ高瀬家をモデルとしているのことです。

 自叙伝小説のようであるがあくまでもモデルにしただけで創作小説のようです。読んでみてその時期の明治期の家長制度の大変さがよく分かった。2家共に長男が結果として失敗して没落していく様が哀れに思えた。一方で三男の藤村は気軽な立場なのでマイペースで成功していくのが対照的です。小説としては長編で登場人物が多くて読みごたえがありました。ある程度の一気読みしないと物語の筋がわからくなります。但し、引用は少なくて読みやすいので藤村の長編小説を読もうとする人にはお勧めです。

 

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はまっている本260

2024-11-08 17:01:25 | 図書

 また、大塚ひかりさんの作品を読んだ、作品名は「ひとりみの日本史」です。「ひとりみ」とは独身者のことで、独身者を日本史から分析したものです。これを読んで皆結婚できるようになったのは最近であると分かった。それまでは結婚できるのは一部の身分の高いレベルの人々だった。また、結婚できる条件がありながらしなかった人々の理由もわかりよかったです。一方で令和の現代は結婚できるにはハードが上がってしまい結果として少子化が進んでいる。

 この作品は特に「ひとりみ」を推奨も否定もしていない中立的に冷静に史実に則って分析しているのでかなりのまともな本で力作であると私は評価できます。是非少子化問題に取り組んでいる役所の人たちや結婚に悩んでいる若者たちにも読んでもらいたい一冊です。

 

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はまっている本259

2024-11-03 03:28:26 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「破戒」です。これは島崎藤村の長編小説で前回読んだ「桜の実の熟する時」、前々回読んだ「春」のような自伝小説ではない創作小説です。ざっくり言うと被差別部落出身の小学校教師の苦悩の物語です。令和の現代もまだ問題の被差別部落の問題が当時の明治時代にはいっそうの差別問題だったかは想像できます。詳細はネタバレになるので述べられないが全体がわかりやすく最後はどうなるかを期待される展開は読んでいてとても興味深かったです。単に陰鬱な社会問題小説だけでなく友情と恋愛も盛り込んだ傑作であると思いました。

 

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はまっている本258

2024-10-26 15:16:07 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「桜の実の熟する時」です。これは前回読んだ「春」の前編とされる作品で、これを読んだことで「春」を読んだ時の意味不明の書き出しが理解できた。登場人物は「春」と共通です。

 「桜の実の熟する時」は藤村の大学時代から卒業して社会人になり旅立ちまでが書かれている。彼の青春時代の恋と友人と養父家族のみずみずしい交流をが描かれていてとても興味深く読むことができた。もし、これから読むなら「桜の実の熟する時」、「春」の順に読むのがお勧めですが、それぞれ単独でも完成度が高い自伝小説です。

 

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はまっている本257

2024-10-19 19:49:50 | 図書

 また、大塚ひかりさんの作品を読んだ、作品名は「本当はエロかった昔の日本」です。これは彼女のお得意の古典を紐解いていきながらエロの歴史を紹介するもので「古事記」、「源氏物語」などのメジャーなものからその他のマイナーなものまで対象として分析しています。これによってかなりの勉強になりましたが、特に気になったことは日本人は外国人に比べて昔からエロに対して寛容な国民であることが分かった。これで彼女は益々エロエッセイストだともわかりました。相当に私生活でも性的欲求不満がたまっているようにおもえてなりません!

 

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はまっている本256

2024-10-16 08:58:53 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「春」です。は彼の作品は私が高校時代に「夜明け前」を読んだかもしれないが全くもう覚えていない。今回は全作品を読もうと思っています。

 今回読んだ「春」は彼の自伝小説で21歳から25歳までもので登場人物は仮名であり多少の虚構もあるが、ほぼ事実のことである。登場人物が多くてその関係が複雑なため読むのに苦労したが彼のみずみずしい青春時代の苦悩がわかってよかったです。まずは島崎藤村への入口に立てたと思いこれからの作品に期待です!

 

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はまっている本255

2024-10-05 16:38:44 | 図書

 古典エッセイストの大塚ひかりさんの作品を読んだ、作品名は「いつから私は「対象外の女」」です。これは作者が41歳になった当時の性的欲求不満をぶちまけ、その対策をお得意の古典文学から見出そうとする男性からみたら滑稽な、女性からみたら切実な作品です。今まで彼女の作品の興味深く読めせていただき彼女を罵倒するつもりはないが、男性の私からみれば失礼ですが嫌な女だと思ってしまいました。自分の器量のよくないのを棚に上げてそんな都合のいい男性なんていない、ホストクラブに行ってお金で欲求を満足させなさいと読み切ってから思いました。

 

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はまっている本254

2024-09-28 17:44:45 | 図書

 さだまさしの本を読んだ作品名は「はかぼんさん」です。さだまさしと言えば言わずと知れたシンガーソングライターで私はグレープ時代からのファンで50年以上も彼の曲を聴いています。若い頃には彼の作品を読んでいますがブログで紹介するのは初めてです。

 前置きが長くなってしまいましたが「はかぼんさん」は書名の「はかぼんさん」を含む6話の奇譚集です。推理小説的な要素も含んでいるのであらすじを述べるとネタバレなるのでここでは述べません。一つ言えるとしたら単なる怪談でもミステリー小説でもないこころに染み込んでいく優しい小説です。ノンフィクションか虚構かどうでもいい暖かさがあり読後に心地よい気持ちになりました。

 

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はまっている本253

2024-09-21 16:49:44 | 図書

 「紫式部日記」を久しぶりに読んだ(1回目:2020.4.10、2回目:2021.3.29、3回目:2022.1.5)。

 前回までは講談社学術文庫の「紫式部日記 上・下」であるが同社が1冊にまとめた「紫式部日記」です。両者を実際に現物で比較した訳ではないのが同一かどうかは定かではないが内容は同じと思われます。藤原彰子中宮の懐妊と出産の前後の様子の記録と宮仕えのその他の感想が内容です。

 今、NHKの大河ドラマ「光る君へ」が放送されていますが、これは必ずしも史実に忠実でなくて虚構をかなり含んでいるが「紫式部日記」と一致している所もあるので今回はそれも考慮して読んでみました。ドラマでは紫式部は「源氏物語」を書く目的として宮仕えさせられたことになっていますが「紫式部日記」はそうだと断定はされていないが彼女の文才を見込まれ宮仕えしたとわかりました。しかし、何度読んでも自分から望んだ宮仕えでないだけにその悲哀感が伝わってきます。また、改めて読むと彼女の考えかたがよくわかり「源氏物語」に反映しているとよくわかりました。

 

 

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