ランニングハイカーのぺーじ(2010.10.09~)

ランニングハイキングの記録

はまっている本260

2024-11-08 17:01:25 | 図書

 また、大塚ひかりさんの作品を読んだ、作品名は「ひとりみの日本史」です。「ひとりみ」とは独身者のことで、独身者を日本史から分析したものです。これを読んで皆結婚できるようになったのは最近であると分かった。それまでは結婚できるのは一部の身分の高いレベルの人々だった。また、結婚できる条件がありながらしなかった人々の理由もわかりよかったです。一方で令和の現代は結婚できるにはハードが上がってしまい結果として少子化が進んでいる。

 この作品は特に「ひとりみ」を推奨も否定もしていない中立的に冷静に史実に則って分析しているのでかなりのまともな本で力作であると私は評価できます。是非少子化問題に取り組んでいる役所の人たちや結婚に悩んでいる若者たちにも読んでもらいたい一冊です。

 

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はまっている本259

2024-11-03 03:28:26 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「破戒」です。これは島崎藤村の長編小説で前回読んだ「桜の実の熟する時」、前々回読んだ「春」のような自伝小説ではない創作小説です。ざっくり言うと被差別部落出身の小学校教師の苦悩の物語です。令和の現代もまだ問題の被差別部落の問題が当時の明治時代にはいっそうの差別問題だったかは想像できます。詳細はネタバレになるので述べられないが全体がわかりやすく最後はどうなるかを期待される展開は読んでいてとても興味深かったです。単に陰鬱な社会問題小説だけでなく友情と恋愛も盛り込んだ傑作であると思いました。

 

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はまっている本258

2024-10-26 15:16:07 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「桜の実の熟する時」です。これは前回読んだ「春」の前編とされる作品で、これを読んだことで「春」を読んだ時の意味不明の書き出しが理解できた。登場人物は「春」と共通です。

 「桜の実の熟する時」は藤村の大学時代から卒業して社会人になり旅立ちまでが書かれている。彼の青春時代の恋と友人と養父家族のみずみずしい交流をが描かれていてとても興味深く読むことができた。もし、これから読むなら「桜の実の熟する時」、「春」の順に読むのがお勧めですが、それぞれ単独でも完成度が高い自伝小説です。

 

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はまっている本257

2024-10-19 19:49:50 | 図書

 また、大塚ひかりさんの作品を読んだ、作品名は「本当はエロかった昔の日本」です。これは彼女のお得意の古典を紐解いていきながらエロの歴史を紹介するもので「古事記」、「源氏物語」などのメジャーなものからその他のマイナーなものまで対象として分析しています。これによってかなりの勉強になりましたが、特に気になったことは日本人は外国人に比べて昔からエロに対して寛容な国民であることが分かった。これで彼女は益々エロエッセイストだともわかりました。相当に私生活でも性的欲求不満がたまっているようにおもえてなりません!

 

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はまっている本256

2024-10-16 08:58:53 | 図書

 島崎藤村の作品を読んだ、作品名は「春」です。は彼の作品は私が高校時代に「夜明け前」を読んだかもしれないが全くもう覚えていない。今回は全作品を読もうと思っています。

 今回読んだ「春」は彼の自伝小説で21歳から25歳までもので登場人物は仮名であり多少の虚構もあるが、ほぼ事実のことである。登場人物が多くてその関係が複雑なため読むのに苦労したが彼のみずみずしい青春時代の苦悩がわかってよかったです。まずは島崎藤村への入口に立てたと思いこれからの作品に期待です!

 

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はまっている本255

2024-10-05 16:38:44 | 図書

 古典エッセイストの大塚ひかりさんの作品を読んだ、作品名は「いつから私は「対象外の女」」です。これは作者が41歳になった当時の性的欲求不満をぶちまけ、その対策をお得意の古典文学から見出そうとする男性からみたら滑稽な、女性からみたら切実な作品です。今まで彼女の作品の興味深く読めせていただき彼女を罵倒するつもりはないが、男性の私からみれば失礼ですが嫌な女だと思ってしまいました。自分の器量のよくないのを棚に上げてそんな都合のいい男性なんていない、ホストクラブに行ってお金で欲求を満足させなさいと読み切ってから思いました。

 

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はまっている本254

2024-09-28 17:44:45 | 図書

 さだまさしの本を読んだ作品名は「はかぼんさん」です。さだまさしと言えば言わずと知れたシンガーソングライターで私はグレープ時代からのファンで50年以上も彼の曲を聴いています。若い頃には彼の作品を読んでいますがブログで紹介するのは初めてです。

 前置きが長くなってしまいましたが「はかぼんさん」は書名の「はかぼんさん」を含む6話の奇譚集です。推理小説的な要素も含んでいるのであらすじを述べるとネタバレなるのでここでは述べません。一つ言えるとしたら単なる怪談でもミステリー小説でもないこころに染み込んでいく優しい小説です。ノンフィクションか虚構かどうでもいい暖かさがあり読後に心地よい気持ちになりました。

 

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はまっている本253

2024-09-21 16:49:44 | 図書

 「紫式部日記」を久しぶりに読んだ(1回目:2020.4.10、2回目:2021.3.29、3回目:2022.1.5)。

 前回までは講談社学術文庫の「紫式部日記 上・下」であるが同社が1冊にまとめた「紫式部日記」です。両者を実際に現物で比較した訳ではないのが同一かどうかは定かではないが内容は同じと思われます。藤原彰子中宮の懐妊と出産の前後の様子の記録と宮仕えのその他の感想が内容です。

 今、NHKの大河ドラマ「光る君へ」が放送されていますが、これは必ずしも史実に忠実でなくて虚構をかなり含んでいるが「紫式部日記」と一致している所もあるので今回はそれも考慮して読んでみました。ドラマでは紫式部は「源氏物語」を書く目的として宮仕えさせられたことになっていますが「紫式部日記」はそうだと断定はされていないが彼女の文才を見込まれ宮仕えしたとわかりました。しかし、何度読んでも自分から望んだ宮仕えでないだけにその悲哀感が伝わってきます。また、改めて読むと彼女の考えかたがよくわかり「源氏物語」に反映しているとよくわかりました。

 

 

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はまっている本252

2024-09-16 06:55:52 | 図書

 また、芥川龍之介の作品を読んだ「戯作三昧・一塊の土」(新潮文庫版)です。これは十三篇の短編小説集です。

 

 或日の大石内蔵之助:忠臣蔵の大石内蔵之助とその仲間の赤穂浪士の討ち入り後の心情を書いたもの

 戯作三昧:八犬伝の作者の滝沢馬琴の日常を書いたもの

 開化の殺人:明治時代初期のある人の殺人と自殺の遺書

 枯野抄:松尾芭蕉の臨終での様子を書いたもの

 開化の良人:明治時代初期のある子爵の友人の結婚生活の失敗した話

 舞踏会:明治時代の舞踏会でのある女性とフランスの海軍将校の花

 秋:ある姉妹と従兄の恋愛の三角関係の物語

 庭:ある旧家の一族の生き死にの邸宅の庭を被せた物語

 お富の貞操:明治元年に乞食に貞操を奪われかけた女性が後日、出世した乞食に再会する話

 雛:ある老女の告白話で子供の頃に執着していた雛人形を売るのに駄々をこねた話

 あばばばば:海軍学校の若い教員が行きつけの雑貨店の女店員に恋したが、彼女はある日赤子を抱いた母になっていた話

 一塊の土:嫁と姑の話で息子は病死して姑の勧める再婚話を聞かずに農仕事に励む嫁を疎む物語

 年末の一日:作者と友人の年末の一日で夏目漱石の墓参りに行った話

 あらすじは以上ですが時代は江戸時代から大正時代にかけたもので、「或日の大石内蔵之助」、「戯作三昧」、「枯野抄」などは虚構とは思えない詳細内容です。それ以外は龍之介のリアルな時代の物語で、当時のありそうな話を見聞きして物語にしたものだと思えてくる。まさに龍之介の短編小説家の本領発揮と言った短編小説集です。

 

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はまっている本251

2024-09-07 06:00:42 | 図書

 また、芥川龍之介の作品を読んだ、「侏儒の言葉・西方の人」(新潮文庫版)です。「侏儒(しゅじゅ)」とは、この作品の場合は見識ない人の蔑称として用いている。「西方の人」とは、イエス・キリストのことです。この文庫版では「侏儒の言葉」、「侏儒の言葉(遺稿)」、「西方の人」、「続西方の人」の4編収められている。

 どれもエッセー形式で前者2編は彼の「或る阿呆の一生」の続編的に、後者2編はイエス・キリストについて彼の考えが書かれている。正直言って読破こそしたが専門用語の連発で注解を参照しながら読まなければならず読むのにとてもストレスを感じた。「侏儒の言葉」、「侏儒の言葉(遺稿)」は彼の生き方、考え方を端的述べられてこれを読むと他の作品の意味がおぼろげながらわかってきました。「西方の人」、「続西方の人」は聖書を愛読している人でなければわからないキリスト教の専門用語ばかりで全く理解できなかった。よほどの芥川龍之介の愛好家か研究者でないかぎりお勧めできない難解作品だと思います。

 

 

 

 

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はまっている本250

2024-08-27 17:32:16 | 図書

  また、芥川龍之介の作品を読んだ、「奉教人の死」(新潮文庫版)です。これは、芥川龍之介のキリシタン文学の短編小説集で書名を含む11編が収められている。正直言って、難解な当時のキリスト教の専門用語が多く用いられているので、注解を参照しながら読まなければならず読むのにとてもストレスを感じた。「奉教人の死」こそ結末のどんでん返しに感動したが、それ以外は理解できないものが多くて特に感想を述べるに値しない作品ばかりだった。したがって敢えて個別にあらすじや感想はブログでは報告しません。

 もし読むならある程度のキリシタンについての勉強をしたうえで読まないと作品の難解さに折れてしまうでしょう。

 

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はまっている本249

2024-08-20 06:47:08 | 図書

 また、芥川龍之介の作品を読んだ、「河童・或阿呆の一生」(新潮文庫版)です。これは芥川龍之介の最晩年の作品集で6編から成っている。

 大道寺信輔の半生:大導寺信輔という少年の物語で芥川龍之介の自伝小説だと思ったが完全にそうではない。単なる少年の生まれてから学生時代までの半生を綴ったもので龍之介の未完の作品です。

 玄鶴山房:離れで肺結核により寝込んでいる主人玄鶴とその家族の物語で最期に玄鶴は病死してしまう。彼の婿、娘、妻、妾と子、看護婦らの家族の当時の時代にありそうな悲劇です。

 蜃気楼:主人公の「僕」は友人たちとともに蜃気楼を眺めに鵠沼の海岸に出かけた時の物語。結局は蜃気楼は見えなかったが、その時の遭遇した出来事が書かれている。何てことのない話だが私のウオーキングコースとかぶっているので神妙な気持ちになった。

 河童:精神病患者の第二十三号の主人公が登山中に河童の世界に迷い込み、そこで繰り広げられる物語。ネタバレなるので詳細は述べられないが、河童の世界を面白く描いているが当時の日本社会、あるいは人間社会を痛烈に風刺、批判した小説でされている。ヨーロッパの著名人や主義などが多く引用され読みこなそうとして苦労した。

 或る阿呆の一生:芥川龍之介の一種の自伝で51のごく短い断章から成っている。日記でもないエッセーでもない全体に脈絡がありそうでそうでもない不思議な断章でこれが当時の龍之介なのだと思えてしまった。

 歯車:芥川龍之介が歯車の幻覚に悩まされた当時の状況を日記形式で綴られている。彼の苦悩の精神状態が赤裸々に見える、彼がどうして自殺したかを考えさせられる作品です。

 読破してすべての作品について言えることは芥川龍之介の死に向かっている軌跡が見えてくる感じがして恐ろしくも残念な気持ちです。

 

 

 

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はまっている本248

2024-08-08 08:42:47 | 図書

 久しぶりに源氏物語の分析本を読んだ、作品名は「嫉妬と階級の『源氏物語』」で著者は大塚ひかりさんです。内容は後述するとして借りた図書館では大河ドラマで源氏物語に関するものを放送しているためか、人気のある本で貸出希望を出してから借りれるまでに5カ月かかった。読んでみればさらっと一気読みで2日で完読した。

 内容は数ある源氏物語の分析本と同様に作品名のとおり源氏物語を物語のなかの登場人物の嫉妬と階級に焦点を当てて解説しているだけで特に他の分析本とこれといった目新しい記述はなくてがっかりしました。源氏物語の分析本を何冊も読んでいる人には敢て読む本ではありませんが、全く読んでいない人には良い解説本であると思います。

 

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はまってる本247

2024-08-02 03:40:02 | 図書

 芥川龍之介の作品を読んだ、「蜘蛛の糸・杜子春」(新潮文庫版)です。これは10編からなる短編小説集で少年ものと言われています。

 蜘蛛の糸:芥川龍之介の最も有名な作品で地獄に落ちた罪人が仏の助けで極楽へ這い上がる蜘蛛の糸を降ろしてくれたのに、それを独り占めした結果また地獄に落ちてしまう話

 犬と笛:笛の上手な木樵が3人の大男から3匹の特殊能力の犬を授かって二人のお姫様を助ける話。

 蜜柑:作者が乗車した列車に同乗した娘さんが列車から見送りに来た弟たちに蜜柑を投げる話

 魔術:魔術を習いたい男が欲を持ってしまっているのがばれて魔術を習えなかった話

 杜子春:杜子春という男が仙人に2度もお金持ちしてもらったが、お金にのみ群がる人たちに愛想が尽きて仙人になろうとするが、亡くなった母の愛に目覚め普通の正直な暮らしをしようとする話。

 アグニの神:アグニの神のお告げでよく当たると評判の上海の印度人老婆の占い師に監禁されている娘さんを彼女の父の従者が救出しようとするが、アグニの神にその占い師が殺される話

 トロッコ:トロッコを土工と押した少年が遠いところまで行ってしまってから何とか自宅に戻る話

 仙人:仙人になりたい男が、騙されて医者の家に使われてたが、松に登るという嘘に従ったら雲の中に昇って行ってしまった話

 猿蟹合戦:猿蟹合戦の真実を面白く解説した話

 白:白という犬が、黒という犬が殺されるのを見殺しにした結果。黒犬になって家を追い出されるが善行をして白犬に戻り家に戻る話

 あらすじは以上だが少年童話風の微笑ましい話ばかりだったの楽しく読めた。こんな作品も書ける龍之介の懐の深を感じました。

 

 

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はまってる本246

2024-07-23 07:10:21 | 図書

 芥川龍之介の作品を読んだ、「羅生門・鼻」(新潮文庫版)です。これも前回読んだ「地獄変・偸盗」と同様に芥川龍之介の「王朝物」といわれ平安時代に材料を得た歴史小説です。これは8編からなっていた。

羅生門:羅生門で死人から髪の毛を抜く老婆を目にした男が、その老婆から着物をはぎ取る奇談で当時の生き残る難しさを感じた。

鼻  :長い鼻をもった僧侶が何とか短くしようと悪戦苦闘するが最終的に鼻に満足してしまう喜劇淡。

芋粥 :芋粥を食べたい常に思っていた侍が、いざ食べる機会ができると食欲が失せていきそれまでの感情を見直す物語で「鼻」と主題がにている。

運  :清水寺に行く道の途中の陶器屋の主人が通りがかった侍にする、「清水寺の観音様に願をかけた女の話」です。最終的に女は殺人を冒して幸せになるのだが、そんな運は御免だという話。

袈裟と盛遠:袈裟という女と盛遠という男が不倫して袈裟の夫を殺そうとする物語で結末が書かれずぼかされている奇談。

邪宗門:平安時代に京都に布教に来たキリスト教の僧の不思議な力の物語。

好色 :平中という女好き男の「ある女」へのアプローチの物語でふられてしまい、その後の行動が面白かった。

俊寛 :謀反で島流しにされた「俊寛」をその召使が島を訪ねる物語で史実かどうかはわからないが結末は悲劇的ではないのがよかった。

 「邪宗門」こそ長編だがそれ以外は短くて読みやすかった。「地獄変・偸盗」に比べて結末に悲壮感と面白さがるものが混在して収録されていて読み終えて不快感はなかった。暫くは異世界の芥川龍之介の世界にはまりそうです!

 

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