神楽坂で居酒屋女将!つれづれ日誌

神楽坂・本多横町で50年続く、いざかや「甲州屋」。つたないながらも、お客さんに愛されるお店づくりに奮闘中です。

いまいる地点はどこ

2016-03-11 11:12:34 | Weblog
実は最近、お店は暇な時が多いです
皆さん、呑みたい時が一緒みたいで。別々のグループなのに混む時は一気に満席、帰るのも一緒。
忙しい時と、暇な時の落差が激しいのよね~。ホント不思議です

ちなみに今日も予約キャンセルがあったので、奥の座敷は空きになりました。こりゃ暇コースか?


とはいえ、

暇な時には凹んでも仕方ない!勉強だ 教材はあるのです

先日、明治学院大学の蛯原先生がいらしてサイン入りの論文をプレゼントしてくれました



読みました!注釈に付箋を付けて、ipad miniを片手に単語を調べながら、読みました。


( 例えば、デクレ=ロア って何? 調べると、フランスの法律と同じ効力を持つ政令自体を出す権限、と出てました。)


概要はフランスのワイン法・AOC(原産地統制呼称)がどうやって成り立って行ったのか、という論文です。

AOC(原産地統制呼称)が80年前のフランスで造られていった法律なのは知ってましたが、この冊子には事の発端と、約30年かかって今の形ができたのだとわかりました。
現在のAOC(原産地統制呼称)とはたんに当該産地の葡萄を使えば良い訳でなく、品質も充足しなければ認証されません。

蛯原先生の論文のまとめには、
AOC制度の本質は「 善良な生産者の正当な利益と消費者の保護 」を目的としています。


では、なぜそんな認証が必要だったかといえば、偽物がたくさん出回ったから。


輸入した乾燥ブドウに水を入れて発酵させて、香料や着色料を添加した「レーズンワイン」、
ブドウを圧搾した残りのカスに水と砂糖を添加して発酵させ色付けした「砂糖ワイン」など。
味がなんとなくワインぽい、だからワインで売っちゃおう! ってな訳ですね。

偽物ワインの生産者にも生活の為に作らざるをえない理由があるでしょうが、知らずに買った消費者もいるはずです。そして真面目にブドウを育てて造ったワインは単価が高くて売れなくなる。そして造ることを辞めてしまう。

まあ、ワイン法をここで詳しく説明するのは無理があるので、気になる方は冊子をお貸ししますので、こちらをじっくり読んでください


今までワタシの知ってたAOCって浅かった。。。ゴメンなさい
結構大変な制度だね。今の日本で本気出したら、大混乱だね。きっと。。。
だから、すぐに完成するものではないんですね


だとしたら「今の日本のワインは何年目かな?」と思いました。


甲州市が原産地呼称ワイン制度を始めています。2010年に原料ブドウのトレーサビリティーを徹底し、官能審査も行った上でワインを認証しています。2013年に「山梨」はワイン産地の地理的表示が出来るようになりました。

フランスでAOC制度ができるまで約30年かかってる。
果たして日本ワインは、いまどこの地点にいるんでしょうか?

フランスという先例があるから、もっと早く制度化出来るのか?
それとも日本では難しい制度で時間が余計にかかるのか。

どうなるのでしょうか。


でも、原産地呼称という制度のスタートはしているんですよね。
頑張れ いや、一緒に頑張ろう


自分が生きていく中で

商売の上でも、消費者としても、正統な物を選べる力量を持ちたい。


世の中には

理にかなった物を造る人がいると、必ず理不尽な物で儲けようとする人がいるのです。
多分両者とも頑張ってる。生きる為に頑張ってる。

でも、正しい頑張りを見極める力を持っていたいです。
それが生産者の皆さんを応援するコトになるといいなぁ~と思ってます。


先生!こんな感想文でイイですか 採点しに来て下さい



コメント
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