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なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

頂上のお花畑は回復中・・・~伊吹夏の花めぐり(4)

2018-07-26 05:44:41 | 植物
思えば初めて伊吹山に行ったのはまだ20歳台のころ。
その時はまだリフトが動いていて、4合目まではリフトで登り、そのあと歩いて登りました。
お盆頃の、当時は一番暑い時期で、バテバテでたどり着いた頂上に見事なお花畑が広がっていたのを鮮明に覚えています。
夏の花は終わって、一面ブラシ状の白いサラシナショウマが風に揺れていました。
その名を冠したイブキジャコウソウを生で見たのも初めてでした。
当時修行中だった完全マニュアルの一眼レフで一生懸命撮った写真が今でも残っています。

あれから30年・・・
ちゃんと今回もイブキジャコウソウ(シソ科)が私たちを迎えてくれました!!



学名 Thymus quinquecostatusで分かるように、ハーブのタイムに近い種類です。
シソ科なのに葉がツヤツヤ分厚く茎もしっかりしている・・・と思ったら草ではなくて常緑の低木でした。



高山植物っぽいのに、低地の暑い土地でもよく繁殖し、庭のグラウンドカバーとして使われるほどです。
いい香りがするのは精油成分で、全草を乾かしたものは発汗作用を期待して風邪のときに使われます。
少し葉を触っただけでも、爽やかな香りがします。

嬉しくて沢山写真を撮ってしまいました。



                   

                                

イブキジャコウソウに取り囲まれて、日本武尊の像。




イブキジャコウソウは咲いていましたが、その他のお花は・・・
人が踏んだり、鹿の食害等で、すっかり草地のようになっていました。
その中で目立ったのが、シシウド(セリ科)とアザミです(アザミは明日ご紹介します)。
シシウドは登山道脇にも点在し、山頂にはもっと沢山みることができました。
株が大きく、レースのような花が見栄えします。

登山道の花・・・



見上げた写真。



花茎をつけるまで4~5年かかり、咲いて実がなったあとは枯れてしまうそうです。
この花たちは、みんなこの長い期間を葉の状態で過ごし、ようやく花咲かせた貴重な株なんですね。

山頂に似合います。



花火のような花序、複散形花序というらしいです。



例によって薬効があり、根を干したものは「独活(どっかつ)」という生薬になります。
鎮痛、鎮静、血管拡張作用があり、頭痛や、腰・膝・背中のだるい痛みや足のしびれなどに適しているそうです。
独活って、あのウドじゃないのって思いましたが、いわゆるウドはウコギ科、こちらはセリ科なので全くの別物。
シシウドの属名はAngelica(アンジェリカ)で世界中で薬草として使われているそうです。

受け売りの薀蓄はこのくらいにして・・・

花火の先にまた花火・・・(なので複散形)



蕾はこんな感じ



花火が噴き出てきたところ。



頂上には沢山のシシウドの葉が・・・
これから咲くのかと思っていましたが、何年後かに咲く株も多いのでしょうね~



写真は上手く撮れませんでしたが、小さい虫が沢山蜜を吸いに来ていました。


山小屋の前の小さいお花畑にはキバナノレンリソウ(マメ科)
登山道にも少しだけ咲いていました。



調べてみたら、なんと伊吹山に自生する帰化植物なんだそうです@@
織田信長がヨーロッパの薬草を持ち込んで伊吹山で育てさせたときに紛れ込んだとか・・・



                          


山頂から少しだけ手前の展望スポットでは、琵琶湖を見ることができました。
右上に雲と合体したように見えるのが琵琶湖です。
夕暮れになると、水に夕日が反射して、オレンジ色に浮かんだようになります。



ベンチがあったので一緒に撮ってみましたが・・・う~んあまり風情がありません。
風が気持ちよかったので、このあとベンチに座って少し涼みました。




別のところから見た光景。こちらも気持ちいいです。



おや、黄色い花が咲いている。



目一杯、ズームで・・



キオン(キク科)でした! 
他の場所では蕾ばかりなのに、ここだけ咲いていました。


山頂の回復中のお花畑です。
かなり戻ってきているそうなので、近いうちに一面のお花が見られることでしょう!




明日は伊吹山で一番沢山見られた(多分)アザミです。
つづく・・・




























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まだまだ色々咲いていました~伊吹夏の花めぐり(3)

2018-07-25 05:33:11 | 植物
沢山咲いていた花を2日にわたってご紹介しましたが、数は少ないものの魅力的な花も色々見つけました。

イワアカバナ(アカバナ科)

たった一輪だけですが、見つけました!
アカバナより少し花が大きく可愛いです。




ウツボグサ(シソ科)

昔はどこにでも咲いていたような気が・・・
最近めっきり見かけなくなりました。
山頂近くの登山道沿いに咲いていました。



花穂を乾燥させたものは夏枯草(かごそう)といいい、生薬として利尿剤として腎炎や膀胱炎などに用いられるそうです。


カノコソウ(オミナエシ科)

6月頃に咲く花になっていたので、本当にカノコソウかどうか自信はないのですが・・・



見た感じはカノコソウ。
こちらも根茎や根を乾燥させたものが、吉草根(きっそうこん)という生薬として用いられるそう。
独特の臭いで、ストレスをノックダウン!・・・違うか。

よく見ると花が可愛いです。



                          


こちらもたった一輪咲いていた(咲き残っていた?)、グンナイフウロ(フウロソウ科)です。



昔信州の山で見た記憶では、もう少しブルーが濃い印象でしたが、白に近い赤紫。




山頂近くで見つけたシュロソウ(ユリ科)。



六甲高山植物園でしか見たことがなかったので、見つけたときはキャー>▽<でした。
後ろにイブキトラノオを従えて・・・




たまに咲いていたダイコンソウ(バラ科)。




タカトウダイ(トウダイグサ科)です。



トウダイグサ科独特の、杯状花序。
花がすごく可愛い。イヤリングにできそう♪



                            


山の上にシモツケが! 正確には、ヒロハシモツケ(バラ科)です。



シモツケそっくりですが、葉の幅が広いことから「ヒロハシモツケ」というそうで・・・
でも何を基準に広いというのでしょうね。




ヨツバヒヨドリ(キク科)でしょうか。



写真の撮り方が悪く、四葉にもみえるし、対生にも見えないことはありません。
期待を込めて、ヨツバということで・・・


帰りは階段中心、一気下山の中央登山道から下りました。
左に見えるレールは山頂の山小屋に物資を運ぶレールでしょうか。
でも山小屋の方が空のペットボトルを担いで下山していましたよ。





ここは滋賀県。駐車場が見えてきました。




ふ~、スティックを持っていても、下りは膝にきついです。

ふと見上げた岩になんと沢山のこの花が・・・



オオバギボウシ(キジカクシ科)です。
庭園や植物園によく植えられている、豪華なギボウシの仲間。
こんな風に自然界では咲いているのですね・・・



                         

ちょっと感動しました。






さっさと下りてしまいましたが、明日は山頂付近の花をご紹介します。
つづく・・・






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こちらも沢山咲いていました~伊吹夏の花めぐり(2)

2018-07-24 05:55:18 | 植物
主に登山道に沢山咲いていた花たちの続きです。
比較的歩きやすい道と、石灰岩のごつごつした道が入り混じる登山道ですが、写真を撮りながらなので全然疲れません。

紫系の花代表、クガイソウ(オオバコ科)。
オオバコ科に違和感持たれる方も多いのでは。
例のAPG分類になって、ゴマノハグサ科からオオバコ科に変わりました。



漢字では九蓋草/九階草。
車状になった葉が九層くらいになっているので、この名前が付いたそうです。
そんな由来しらないので、葉の写真撮ってなかった・・・

こちらも根茎を乾燥させると「草本威霊仙(そうほんいれいせん)」という生薬になるそうです。
効能はリューマチ、関節炎、利尿など。
これも勿体無くて使えませんね。

ツンと尖った花序が魅力的♪



                         

伊吹固有種のルリトラノオ(オオバコ科)も紫色の総状花序ですが、葉は対生で、花序が1本だけではなく複数立ち上がることが多いです。
咲く時期も、8月以降。
去年9月初めに撮った参考写真です。




もう一つ紫の花を・・・
こちらは下界でも時々見かけるクサフジ(マメ科ソラマメ属)。
白い石灰岩の登山道によく映えます。



下界で見かけるといいましたが、最近見かけるのは帰化植物のナヨクサフジが多く、クサフジは少なくなっています。
登山道脇には結構沢山咲いてていました。



                         


ピンクの可愛い花が咲いていました。
クルマバナ(シソ科トウバナ属)です。



近くで写真を撮っておられた方の話では、「最近少なくなっている」とのこと。
青森旅行に行った時は平地にも沢山咲いていましたが、西日本では山の草のようです。
名前の由来は、花が車輪のように輪生することから。

唇形の花はシソ科の特徴。



                        


もう一つピンクの可愛こちゃん。
カワラナデシコ(ナデシコ科)です。



河原に咲く撫子という名前ですが、草原等の開けた環境が好きな種なので、伊吹山にも結構咲いていました。
むしろ、昔は河原でよく見かけたのに、最近はめっきり減った気がします。
ご存知、秋の七草のひとつ。

                        




今日のラストは、ヤマホタルブクロ(キキョウ科)。

最初は白い花が多かったのですが、標高が上がるにつれて色目が変わってきました。
面白いので、全部まとめてご紹介!

白に紫のそばかす。



ピンクがかったぽっちゃりさん。



紫がかった花も・・・



濃い目のピンク。



中央登山道を下りた辺りには真っ白な子。
やっぱり下に行くほど白いのでしょうか。



いかがでしょう。
ホタルブクロは登山道の脇に点在しており、しかも色がどれも少しずつ違うのでつい夢中で撮ってしまいました。

ところで、ヤマホタルブクロとホタルブクロ、どこが違うのでしょう?
調べてみたら、ホタルブクロには萼片の間に反り返る付属片があるが、ヤマホタルブクロにはない、ということでした。
百聞は一見にしかず・・・

去年、大阪市大理学部附属植物園で撮ったホタルブクロ。



その萼部分のアップ(左)、確かに萼片の間に反り返る部分があります。
一方、今回撮ったヤマホタルブクロの萼片の間には、それがないようです(右)。

 

分かりにくい写真と説明ですみません。
で、気付いたのですが、最後に載せた真っ白なコ、よく見たら萼片の間に反り返った付属片が!?
全部ヤマホタルブクロと思っていたら、これは普通のホタルブクロなのかもしれません。
個人的には大発見^o^/


西登山道。






明日は、登山道で少しだけ見かけた花をご紹介予定です。
つづく・・・






















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すごく沢山咲いていました~伊吹夏の花めぐり(1)

2018-07-23 05:47:52 | 植物
地上では連日の猛暑日。
前に書いたとおり、宇治市植物公園の早朝観蓮会に行くつもりでしたが、星夫の伊吹山の誘いにほいほい乗ってしまいました。

伊吹山は、滋賀県米原市、岐阜県揖斐郡揖斐川町、不破郡関ケ原町にまたがる伊吹山地の主峰、標高1377 mの山です。
山頂部は滋賀県米原市に属し、滋賀県の最高峰でもあります。
(Wikipediaより)

伊吹山には、伊吹山ドライブウェイで9合目(標高1260m)まで楽々登れます。
雪の時期を除き、4月下旬~11月下旬まで開通しており、これまで5月、9月、10月に行ったことがありますが、7月は初めてです。

駐車場からの100mは登山道が整備されており、お天気に問題なければスニーカーでも登ることが出来ます。
なので、私のように膝が悪くても、高齢の方でも比較的楽に山頂まで行くことができます。
この日は涼を求めてか、沢山の人が歩いていました。



伊吹山は石灰岩層の山であり、標高はそれほど高くないのに非常に多くの種類の植物がみられます。
9種類の固有種のほか、高山に見られるような植物も群生しています。
このような場所が滋賀県にあって、日帰りで行けるのはラッキー!
特に今の時期は夏の植物が沢山咲いており、最初の直線の登りで1時間ちかくかかってしまいました^^;
(標準では山頂までで40分といわれています)

前置きが非常に長くなりました。
7,8回に分けて投稿する予定ですが、最初はどど~んと「沢山咲いていた花」を一気に出してしまいましょう!

入り口入ってすぐびっしり生えている植物、アカソ(イラクサ科ヤブマオ属)です。



昔はこんなに沢山咲いていなかったそうです。
それがいつしか、至るところにびっしりと繁殖し、まるで緑の絨毯のようでした。
これから投稿する色々な花の写真の下には、アカソが当たり前のように写っていますので、併せてみてくださいね。
花はよく見ると可愛いです(下の写真)。



                          


少し進むと、イブキトラノオ(タデ科タデ属)があちこちに現れます。





イブキという名前が付いていますが、固有種ではなく、日本全国に分布します。
そういえば、去年の7月に行った戦場ヶ原にも沢山咲いていました。

伊吹山は全山が薬草の宝庫というだけあって、このイブキトラノオにも薬効があるそうです。
根茎を乾かしたものを拳参(けんじん)といい、煎じて飲むと下痢止めになるとか。
でももったいなくて、とてもそんな風には使えませんね。



今の時期、アカソに次いで一番多かった花かも・・・



                          


数はそれほど多くありませんでしたが、存在感ではピカイチ!
キンバイソウ(キンポウゲ科キンバイソウ属)



遠くからでも目立つこと、目立つこと。



調べてみたら、伊吹山が西限だそうです。
蕊がすごく豪華です。



                          


同じ黄色でもダイナミックな黄色。
塔のようにそびえる黄色は、メタカラコウ(キク科)。



よく似た花にオタカラコウというのがあるそうですが、こちらの方が花が大きく花序が短いそうです。
葉の先が尖っているのがメタカラ、オタカラは先が丸いとのこと。

見上げてみました。



蕊のくるんくるんはキク科っぽい。
お花畑のそこここに咲いています。

                          




私も黄色だよ~!と騒いでいる花がいました。



キバナカワラマツバ(アカネ科ヤエムグラ属)です。
前に宇治川のカワラマツバを紹介しましたが、同じように松葉のような葉にもくもく雲のような花。
日本全国に咲く花で、一昨年青森旅行に行ったときにも沢山見ました。



                          


同じくアカネ科ヤエムグラ属のキヌタソウです。



ヨツバムグラのように4枚の葉が輪生しています。
花はレースのように繊細ですが、小さすぎて、この日のように太陽が燦燦と照る日には撮りにくいのなんのって。




まだまだあります^^;
つづく・・・















                         


















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さよなら!花と水のタペストリー~宇治市植物公園(8)

2018-07-22 07:34:41 | 植物
ついにこの時がやってきてしまいました・・・



国内最大級の植物壁画、「花と水のタペストリー」。
1996年開園当初から親しまれてきたこのタペストリーが、第92回の今回の絵柄で最終回となりました。



最後の絵柄は「七夕」です。



左に織姫、右に彦星。

 

すごく健康的に笑っています。

このタペストリーは、
「宇治市に因んだテーマやキャラクターの絵柄を、幅62m、高さ18mの壮大な雛壇(46段)に、3,675基のプランターを並べて描きます」
(宇治市植物公園ホームページより)。
最後の作品は、ヒメコリウス、コリウス、ベゴニアで構成。





 
 

約3ヶ月の展示期間の間には、植物が伸びすぎたり、枯れたり、色々と変化してきます。
水遣りをはじめ、お世話が大変で、コストもかかるのでしょう。
宇治市は財政難なので、今年から予算が付かなかったと聞きました。
宇治市植物公園の目玉なのに、本当にいいの?(泣)

でもこの場所にはこれから木本を中心とした新たな絵柄が描かれるそうです。
これまでのように色々な絵はみられませんが、それなりに四季折々の変化が見られるものと期待しています。
宇治市植物公園の職員さんはどなたも熱意を持った親切な方ばかりなので、末永く楽しめる植物園であってほしいです。


さようなら! そしてありがとう!




せっかくなので、マイアルバムに保存されていたアーカイブをご紹介します。
正式なタイトルは分かりませんが・・・

2002年9月 平等院鳳凰堂の鳳凰




2016年6月 カワウのウッティー




2017年1月 酉年




2017年3月 スイカと花火




2017年11月 月と兎




2017年12月 戌年




2018年4月 ゴリラ




もっと行ってるはずなのに、最近のものしか揃っていません。
宇治市植物公園にはパネルや写真で昔の絵柄を紹介しているので、機会があったらご覧になってくださいね。












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