なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

出口のトケイで「あ、もう閉園!」~京都府立植物園2021/7中旬(5)

2021-07-26 05:30:28 | 植物

久しぶりの京都府立植物園でしたが、行った時間が午後2時くらいからだったので、あっという間に時が過ぎ・・・
最後は駆け足になってしまいました。
それでも、まだご紹介できていない花が沢山。
とりあえず、7月中旬に咲いていた花ということでまとめてご覧くださいませ。

まずは生態園でみたその他のお花たち。
白、オレンジ、紫ときたら、残りは黄色・・・
レンゲショウマは蕾でしたが、キレンゲショウマ(アジサイ科キレンゲショウマ属)が一輪だけ咲いてくれていました!
この花を見ると、六甲高山植物園にとても行きたくなります。
やはりワクチン接種終わるまでは、他府県越境はためらってしまいますね~
それだけに、府内の植物園が開いているのはありがたい・・・



こちら、キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)です。
あちこちで咲いていましたね~
後ろに通行止めの柵が見えています・・・


こちらはマメ科の黄色い花。
他の写真がことごとくピンボケだったのですが、葉の形からみてトキリマメ(マメ科タンキリマメ属)のようでした。
黒い艶のある実と赤い鞘の取り合わせは印象的ですが、花は意外と知らないかも。


もう一つ黄色い花。こちら木本、ヤマブキ(バラ科ヤマブキ属)です。
どう考えても、迷い咲きですね。
この暑さで血迷ってしまったのかもしれません。


続いてピンクの花~
満開だったイヌゴマ(シソ科イヌゴマ属)です。


果実が胡麻ににているが食用にならないことから、「犬」胡麻と付いたという。
例によって、犬に失礼な名前の付け方ですね。


もう一つ、ピンクの花。
ご存知、カワラナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)。
毎年、カワラナデシコとエゾカワラナデシコの違いを説明する看板が立つのですが、
「苞が3,4対」と言われても目が悪いので全然見えません・・・


こちらは多分エゾカワラナデシコだと思います。(去年同じ場所に咲いていたので)
こちらは苞が2対だそうですが、やっぱり見分けられず。
それより、別のネットの説明にあった、生育地の違い(エゾカワラは中部以北、カワラは本州~九州)、
花弁の先の切れ込みがエゾの方が細くて多い・・・の方がピンときます。ご覧くださいませ。


こちらはほんの少しだけ咲いていたキハギ(マメ科ハギ属)
生態園にはハギの仲間も結構あるのですが、沢山咲いているのは見たことがありません。


白い花も咲いていました。
こちら、ヤマゼリ(セリ科セリ属)です。
見た目はセリで、同じように葉を食べることができますが、山野に生えます。


こちらは先日宇治市植物公園でも見たマンリョウ(サクラソウ科ヤブコウジ属)の花。


ヨウラクタマアジサイ(アジサイ科アジサイ属)
どう見ても典型的な形にはまだなっていません。咲き始めです。
小さくて丸い蕾から大きな花が咲いてくるのが面白いです。


もう一つ、こちらは花ではなくハナゴノスガタですが、生態園にあったオオバアサガラ(エゴノキ科アサガラ属)
残念ながらいつもタイミングが悪く、こちらでは花を見たことがありません。


5月末、京都の渓流沿いの道を車で走っているときに見つけた花の写真。
その時は名前が出てこなかったのですが、オオバアサガラを調べていて気づきました!


ここから四季彩の丘へ移動。でもあまり見る時間がなかったのでほんの少しだけ。
どちらも白い花です。
あ、タニワタリノキ!と思いましたが、名札には「タマガサノキ」。
似ているのも当然で、どちらもアカネ科タニワタリノキ属。
タマガサノキは風情のある和風の名前ですが、北米原産です。


咲き始めは純白できれいなのですが、タイミングが遅く、茶色い玉になっていました・・・


こちらは正真正銘、白いユリの花・・・ってちょっと違う?
リリーと付いてもユリ科ではなく、ヒガンバナ科ヒメノカリス属のスパイダーリリー。
放射状に広がる細長い花弁をクモの足に見立てたのでしょうか。



結構印象的な花です。


続いて、ワイルドガーデンに移動します。
もうタイワンホトトギス(ユリ科ホトトギス属)が咲き始めていました。


そして、最後に閉園時間をお知らせするようにトケイソウが現れます。
「もうすぐ5時ですよ~」
結構いつも咲いている印象なのですが、今回は特に綺麗でした!





ということで、今回の駆け足京都府立植物園はここまで。
年パスの期間も延長してもらったことですから、また行ってみたいと思います。

【撮影:2021/7/17  京都府立植物園】

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

涼し気な紫の花たちクイズ♪~京都府立植物園2021/7中旬(4)

2021-07-25 06:08:59 | 植物

植物生態園の続きです。
写真の整理をしてみたら、意外と紫系の花が多いことに気づきました。
ただ載せても面白くないので、花の一部クイズにしたいと思います。
(トリミングしてるので、ボケボケ写真ご容赦を!)

では第一問です。


多分見たことがあったら簡単かも・・・
全体はこちらです~


そう、ユキミバナ(キツネノマゴ科イセハナビ属)です。
そういえば、イセハナビも咲いていましたね~
この手の花の形は、キツネノマゴ科に比較的多いです。
スズムシバナも似ていますね。

では第二問です。


花の名前が分からなくても、科は分かるのでは・・・
では全体を見てみましょうか。
・・・まだ花はほんの一部しか咲いていません。


でもこの咲き方をみれば一目瞭然、アキノタムラソウ(シソ科アキギリ属)です。
もう少ししたら、あちこちで沢山咲き始めると思います。

第三問です。


こちらもどう見てもシソ科。
ちょこっと「噛んだるぞ~」系の花ですね。
では、全体をどうぞ。


はい、こちらはナツノタムラソウ(シソ科アキギリ属)でした。
アキギリ属といえば、アキギリがありますが、アップで見た花は少しアキギリに似ていますね。
そもそも、アキギリ属の英名はサルビア属。
噛んだるぞ~に似ているのは当然でした。

第四問はこちら。
この模様、少し面白いですよね。見覚えがあるでしょうか。


こちらは、野生では個体数が少なく、林道建設や園芸用採取などで絶滅の危機に瀕しているそう。
なので、京都府でも準絶滅危惧種に指定されています。
でもしいちゃんのお庭では「増えて、増えて・・」と贅沢な悩みが。
植物園での生息場所も年々増えています。
はい、答えはこちら。



まだ咲き始めですが、カリガネソウ(シソ科カリガネソウ属)でした~
蕊がくるんと巻いているのが可愛いですね。


ピンクのカリガネソウも咲いていました。こちらは園芸品種なんでしょうね~


最後の問題です。こちらは何でしょう。


これもしいちゃんには楽勝ですね。
濃い紫、蕊蕊しいその姿。
全体はこちら。



はい、スズカケソウ(オオバコ科クガイソウ属)です。
こちら、絶滅危惧IA類(近い将来絶滅の可能性が極めて高いもの)に指定されています。
野生の花はほぼありませんが、栽培はあちこちでされており、ここ京都府立植物園でも毎年藪のように広がって咲いています。

ところでスズカケソウの名前の由来は、山伏の装束の鈴懸に由来する・・・
とありますが、調べてみたら「鈴懸」は上着のことのようです。
で、こんなふうにポンポンが付いた首からかけるものは、結袈裟というそうです。
「鈴」のイメージで間違われたのでしょうか。どう見ても、鈴懸はこの花と似ても似つきません。

いかがでしたでしょうか?
最後に、クイズにしなかった紫の花を2種類ご覧くださいませ~

キキョウ(キキョウ科キキョウ属)があちこちで咲いていました。
白い花がみたかったのですが、もう終わりかけになっていました。


こちらはワイルドガーデンで満開になっていたルリトラノオ(オオバコ科ルリトラノオ属)。
この花をみたら伊吹山にすごく行きたくなりました・・・


4回にわたって植物生態園の花を中心にご覧いただきましたが、明日は最終回。
残りの花をどどっと載せる予定です。
咲いている花のご参考にどうぞ。

【撮影:2021/7/17  京都府立植物園】

コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

憧れのフウラン、悪霊払いのヒオウギ~京都府立植物園2021/7中旬(3)

2021-07-24 05:27:58 | 植物

今回出会えて一番うれしかった花・・・
それは、フウラン(ラン科フウラン属)です。
数年前に初めて出会い、妖精さんのような姿に感激しました。
今回は時期が少し遅かったので諦めていたのですが、いつもの場所にちゃんと説明板が・・・
まだ咲いてる!



遠目にはまだまだ綺麗です。
ズームで見てみると・・・
少し茶色くなりかけの花も混じっていますが、可愛い姿は健在!


フウランは気根を伸ばして木や岩に着生する「着生ラン」です。
よく間違われるのですが、木に寄生しているのではありません。
くっつく場所が栄養豊かな場所でなくても大丈夫ですし、くっついた木に悪影響を及ぼすことはないそうです。
しいちゃんのお庭のフウランが有名ですね。
(そういえば、前に風で吹っ飛んできた黄色いラン、カヤランも杉の木にくっついている着生ランでした)

以下、沢山撮った写真の中から・・・


前に撮ったのとほぼ同じ構図ですが、ちょっと黄ばんでいますね。


突き出してくるんとなった距がとっても可愛いです。


もうこれだけで大満足なのですが、他にも色々な花たちが・・
今日はその中から、オレンジ色の花をご紹介~
まずは、祇園祭には欠かせない花、ヒオウギ(アヤメ科アヤメ属)です。


行った日は7月17日。本来だったら祇園祭の山鉾巡行が行われる日ですが、今年もコロナのため中止。
でも今年は一部の山鉾で、山鉾建てが行われたそうで、ほんの少しほっとしました。
そもそも祇園祭は疫病退散のお祭りであり、悪霊除けの花と言われるこのヒオウギは祭りに欠かせないそうです。
元気に咲いて、悪霊(疫病)退散させてちょうだいね~


続いてもう咲いているとは思わなかったフシグロセンノウ(ナデシコ科センノウ属)
少しだけですが、遠目にパッと目立ちます。
かなり前に京都の山で自生の花を見ましたが、今でも咲いているのでしょうか。



こちらはオオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科ヒガンバナ属)
キツネノカミソリより大型で、蕊が花冠より突き出るのが特徴なんだそうです。
こちらや、ナツズイセンは自生の株を山などで見かけることもありますが、今年初見でした。


オレンジ色の最後は、ヤブカンゾウ(ススキノキ科ワスレグサ属)。
昔はユリ科だったのですが、APG分類で、ススキノキ科に分かれました。
京都府立植物園のヤブカンゾウは咲く時期が少し遅い上、美しすぎるので別の品種なのではと疑ってしまいます。




フウランにオレンジの花たち、いかがでしたでしょうか。
明日は紫系を集めてみたいと思います。
(・・・ワンパターンだ・・・)

【撮影:2021/7/17  京都府立植物園】





コメント (15)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日はユリの花で優雅に!~京都府立植物園2021/7中旬(2)

2021-07-23 05:40:11 | 植物

噂のショクダイオオコンニャクの見学を諦め、青もみじを見ながらなつみかんが向かった先は・・・
そう、植物生態園です!
お目当ては、レンゲショウマだったのですが、あいにくまだ蕾で花は見られず。
でも、代わりにこんな素敵なユリ科たちがみられましたよ~

園内のあちこちで目立っていたオレンジ色。そう、オニユリです。


一株に沢山の花が咲いて、とても見ごたえがあります。
オニユリとコオニユリは似ていますが、どの株にも葉腋にむかごが付いていたので、オニユリ認定。
「オニユリ」の由来は、赤い花弁が反り返る姿を赤鬼に例えたそうです。
ちょっと無理がありますよね。


上の写真の上の方、ユリの茎になにかくっついてる?
気になったのでトリミングしてみました。


とても小さいガのような虫。こちら、ベッコウハゴロモの成虫のようです。
幼虫が有名で、お尻から細い糸を沢山だして体を覆うそうです。
その姿を天女の羽衣に例えて、「ベッコウハゴロモ」の名が・・・

黄色いオニユリ、オウゴンオニユリも咲いていました。


オニユリと同じくそばかすの目立つ花です。外側に大きく反り返っています。


そういえばオウゴンオニユリが咲いていた近くにこんな看板が。
木道が破れて危ないので立ち入り禁止でした。
う~ん、そろそろサクラタデも咲く頃なのに、緊急事態宣言休園中に治しておいてもらいたかった!


お次、一番華やかで目立っていたのがヤマユリです。
普通のヤマユリと違い、花弁の中央部分が刷毛ではいたように赤くなっています。
紅筋という品種だそうです。





生態園にはヤマユリが咲く場所が3か所あり、こちらは球根ガーデン側から入ったときにすぐに見られる場所です。
大きな株に沢山の花がありましたが(左)、もう枯れかけている花が多く、こんな感じでした(右)。
 

2つ目のエリアに咲いていたヤマユリ。同じ品種(紅筋)です。
やはり綺麗な花は少なめ。


咲いているところの様子。


最後はやたらと日当たりが良かった場所にて。
いかにも元気一杯ですね~


逆光の横顔。


全体像。


中国産植物等のエリアには、タキユリが咲いていました!
でも、今回は倒れていた上、周辺の草木がかぶさって写真どころではありませんでした・・・


あとは枯れかけつつある個体のみ。


カノコユリはまだ生態園では蕾のようでしたが、北門入ってすぐのワイルドガーデンには園芸種が満開でしたよ~
紅色に・・


まるでオニユリのようなオレンジ色の花も。


色々な品種が作られているのですね~
でも野生の花を引っこ抜いて持っていくよりなんぼかいいですね。


そうそう、忘れるところでした。
生態園には、ウバユリも沢山咲いていました。
これまでご紹介した花はどれも「ユリ科ユリ属」ですが、こちらは「ユリ科ウバユリ属」になります。


花が満開になるころ、葉が枯れて、葉(歯)がないことから「姥百合」と名付けられた・・・
とどの解説を見ても書いてありますが、私が見る限り、たいてい多少傷んでいても葉が付いています。
それより面白いのは花ですね。
横から覗くと、隙間から雄蕊と雌蕊がくっきり見えます。
(写真がイマイチですが・・・)


この花、実は地元でも自生しています。
また見に行かなくては・・・

【撮影:2021/7/17  京都府立植物園】

コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コンニャク行列あきらめ青もみじ~京都府立植物園2021/7中旬(1)

2021-07-22 06:10:47 | 植物

7月17日はもともと4か月ぶりに京都府立植物園に行くつもりでした。
そんなとき、前夜にラインやコメントで入ったメッセージ。
「京都府立植物園でショクダイオオコンニャクという珍しい花が咲いたらしい」
送られてきたURLをたたくと、うわ~すごい!
これはド迫力じゃないですか、しかも見られるのは16日と17日の2日間のみとのこと。
人数制限はあるみたいですが、運がよかったら見られるかも・・・

さて、17日当日、午前中は家の用事で出かけられず、13時前に出発。
休日は道が混むので電車で行きました。
温室に近い正門から入ろうと、いつもと違い地下鉄北大路駅で下車。
賀茂川に架かる橋からは如意が嶽(通称大文字山)の大の字がよく見えます。


上流方向。結構暑い日でしたが、そぞろ歩く人たちの姿も・・


さて、北大路通から川沿いを北に入り、いよいよ植物園に向かう道。
ケヤキの並木が綺麗な通りなのですが・・・


なにこれ?!駐車場は満車で、駐車待ちの車がズラリ。
歩道もひっきりなしに人が歩いています。
まさか・・と思いましたが、この人たちはみんなコンニャクの大王様を見に来たのか!?
(あ、ショク大王蒟蒻じゃなくて、燭台大蒟蒻が本当の名前ですからね~)

当たりやった・・・
正面花壇にも人が沢山、そして温室からサクラ園、四季彩の丘に向かう道までずーーーーっと行列。
 

 

私?当然速攻であきらめましたよ~
すぐに道を離れて、マイ聖地、植物生態園に向かいました。
途中の蓮池にて。


時間が午後だったのであまり開いている花はありませんでしたが、綺麗でした。


ここは白い花がほとんどです。
なお、この池のほとりの東屋にも人がびっしりと・・・


ここからもみじ園を抜けました。
池のほとりのイロハモミジと杉苔がとてもきれいだったので、沢山撮りすぎました。
とりあえず今の季節の青もみじ、ご覧くださいませ!











残念ながら、カモちゃんも、アオサギくんも姿が見えず、やたらとコイが飛び跳ねていました。
さて、明日からはまじめに植物生態園の花を中心にご紹介します。

<追記>
どこかで見たことがあるような・・・と思ってマイアルバムを探したら・・・
2017年(左)と2019年(右)に宇治市植物公園で見たショクダイオオコンニャクの写真がありました。
どちらも見上げるほど大きいことがよく分かります。
でもニュースになっていなかったことを思うと、花は咲かなかったんでしょうね・・・

 

(左:2017/12/23、右:2019/7/28  いずれも宇治市植物公園)


【撮影:2021/7/17  京都府立植物園】

コメント (22)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする