今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

テツとの対話 その19・ 「オジンズ」 ~みう応援団の結成~

2019年07月31日 | (故)テツ 
やあテツ、本当に久し振りだね
珍しいな、お前の方から信号が来るなんて
こっちもそろそろ呼ぼうと思ってたところだ
久々に思い出話に花を咲かせたくなってね
・・・ああ、わかってるよ
みうのことだろ?

テツの最後の1年を、ともに過ごしたのがみうだった

お前は「おかあさん」と言った方が馴染むんだろうな
お前がこの世で過ごした最後の1年間
外に出ればいつも近くに寄ってきた

覚えてるかい?
殆ど動かなくなったお前が突如として散歩をせがみだした
あの神様がくれた1ヶ月間
復活した往年の日々を楽しむわれわれに
後になり先になりついて来たのがみうだった

家裏のみうを見守るテツ

テツよ
今のみうはよくない
容態はむしろ悪くなった
頭が大きく左右に揺れて、立つことすらままならない
今はまだ食べているけど、もうすっかり動かなくなって
みうの気力がどこまで持つか心配だ

このまま治らなかったら
大金かけて検査するかどうか迷うことになるだろう
でも脳幹を患ったのだとしたら
わかったところで手の施しようがない
えっ? そうだな
今はとにかく、祈るだけだ

みうはお前の忘れ形見
わが家でお前を知ってる唯一の猫
お前には本当に済まない
やっとお前との約束を果たしてわが家に迎えたのに
こんなことになるなんて

最近のみうは殆ど動くことがなくなりました

でもなあテツよ
みうを最初に病院に連れて行ったのは1年半も前なんだ
その後は定期的に通ったし、別の病院で聴力テストも行った
あの時は耳の状態も目の状態もそれほどひどくはなかった
耳先に出来た瘤を診てもらったのも今年の1月だ
今になって耳ダニだの癌だの前庭障害だの脳障害かもなんて言われても
いくら病院がそれぞれ違うと言ったって
一体どうすりゃいいって言うんだ

えっ? そうじゃない?
みんながみうを治そうと一生懸命なんだって?
そうだな
確かにその通りだ
それに過ぎたことをぐだぐだ言っても始まらないしね

寝てばかりのテツが、急に外に出たがるようになった

ただ、それにしてもみうが不憫
昨日あたりから瞬膜が大きく出ちゃって視界もままならないし
耳も聞こえないし
ご飯も水もトイレにも保護者の介助が必要だし
移動の労力を思えばやりたいことも諦めちゃう
それに・・・、えっ?
だから何だって?
どうなろうとみうは決して投げやりになったりしない?
そうか、そうだね
自分でも書いたばかりだったな(7/27みうの記事)

窓辺でまどろむテツ(実はこのとき外にはみうが・・)

もうわかったよ、テツ
みうが幸せに感じるかどうかは保護者次第なんだ
「テンちゃんFOREVER」で書いたように
周囲の愛情をどのくらい感じているか
それが幸せの指数だからね

そうか、お前も手伝うか
それじゃあテツ
みうを幸せにする会
「オジンズ」の結成だ

窓の外からテツを見守るみう
(こんなみうの姿が早く戻ってきますように)


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テツとの対話 その18・「捨て猫天国」 ~どうかしてるぜ、この国は~ 

2019年02月28日 | (故)テツ 
やあテツ、またまた久しぶりだね
こっちは今年になってからひっちゃかめっちゃかだよ
ニャーにテンにシロキにみう
病院通いが日課になっちゃって
自分の時間なんてあったもんじゃない

えっ? まあな、確かに自分で選んだ道だけど
それよりどうした?
お前にしちゃ珍しく浮かない顔してるね
そっちにも嫌なことってあるのかい?

そうか、お前には見えちゃうんだ
あまりにも簡単に、お前の仲間が殺されていく場面が
しかも殺されるノラたちの多くはまだ子猫
そうだよな、人間不信になるのももっともだ
殺してるのは人間なんだから


テツ (9ヶ月)
知り合いの家裏で生まれたノラの子、親離れ前にわが家に来たのでノラ生活を知らない


殺処分という非道はたびたび問われるけど
ペット業界の闇の部分(売れ残り処分)もたびたび問われるけど
もっと普通の人間、いや、やさしいと言われる人たちが
猫を殺す
捨てるという方法で

増えちゃったから
飼えないから
困ったから
そんな単純な理由で猫を捨てる
捨てられた猫がどんな思いをして、どんな最後を遂げるのか
考えもしない
だから罪の意識なんてないんだよな


右:テツ(2才半)、中:くも(5ヶ月)、左のおしりはハナ(7才)

テツよ、そもそもこの国では法律で禁止されているのに
つかまれば有罪になって前科一犯なのに
警察も役所も善良な市民も
みんなで見て見ない振りをする
何故なんだろう?
捨て猫はこの国の文化だと言わんばかりだ

ノラたちを幸せにしようと活動する人がいる
獲物のいない人間社会に生きるノラたちに食べ物を
せめてもの人間のやさしさだ
でも捨て猫を暗に肯定する人たちは、エサやりは猛然と非難する
人間性を語るなかれだ

なあテツよ、お前の怒りはよくわかる
どんなにノラを保護したって
片や無尽蔵に捨て猫が横行して焼け石に水だ
エンドレスの保護活動
非難されるばかりで報われない
これじゃあボラさんたちも病弊するばかり
お前は怒りというより、途方もなく悲しいんだよな


爆睡中の18才になった激やせテツ
この後ハナとくもをたて続けに失った


どういうわけか、頭脳の発達とともに利己主義が増長する
だから地球上の生物の中で、人間の利己主義は突出している
でも、人間は知性で利己の心を克服してきた
ネコを捨てる人に共通すること
それは知性が低いこと
だから利己の心を克服できずに、蛮行に走るんだ

でもな、テツよ
知性というのは後天的なものだから、教わることで発育する
だから結局、教育の問題なんだよな
仲間同士が無駄に殺し合う唯一の生物と言われる人類
教育が追いつかないまま頭脳だけが発達してしまった人類
いつか、自然という神のもとに帰る日が来ることを信じよう

それまでは、不条理の中で生きて行かざるを得ないようだ
お前のいる世界に行くまではね


亡くなる4ヶ月前のテツ

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テツとの対話 その17・ニャーへの伝言

2018年11月09日 | (故)テツ 
やあテツ、本当に久しぶりだね
えっ? 呼び出す間が長くなるのは
お前を忘れてきた証拠?
人間がペットロスから立ち直る唯一の方法は
時間が経つのを待つことだから?

なるほどね、それは確かに認めるよ
人間にとって
実像が思い出になるには、多少の時間が必要なようだ
でもな、だからと言ってお前を忘れたわけじゃない
オバンだって口癖のように
「キーがテツに似てきた」って言ってるし
正直なところ、書くことが多すぎてなかなか時間がとれないだけ
だったりして


痩せ始めた頃のテツ

テツよ、お前も見てるだろ
最近のわが家のドタバタぶりを
中でも一番困っているのがニャーだ
ハリーとリン、それに時々みうやクウにも
何が癇に障るのか
睨みつけたり威嚇鳴きしたり、そして追い回す
飛び掛ることは少なくなったけど、一触即発の緊張感だ

知ってのとおり
ニャーはお前に次ぐくらい話のわかる
自分にとっては大事な相棒だ
お前と比較するわけじゃないが
ニャーを見ているだけでお前を思い出すんだよ
いつもこっちの一挙手一投足を見ている
本当にお前にそっくりだ


テツがいればくもとハナも仲良くなった

お前は偉かったんだな
お前が中心だった3匹の暮らしは
毎日が平和そのものだった
リーダーの度量で組織が変わる
畏怖はまとまりを、しかし恐怖は破壊をもたらす
ニャーは、怖れられて避けられるようになってしまった

困ったもんだよ
なあテツ、いったいどうしたらいいのかな
えっ? お前にはわかるのか
ニャーはあることがわからなくなって不安になってる
だからニャーに伝えてほしいって?
何を・・・

1.オジンがニャーを大好きなこと
2.オジンがニャーをとっても信頼していること

   
   
上:脳溢血から復活途上のハナに寄り添う
下:くもにとてもやさしかったハナ亡き後 


そうか、お前もそれがわからなくなると、不安になったのか
でも、どうやってニャーに伝えるんだ?
えっ? 言葉ではなく自分の行動として伝えてほしい?
そうか・・・、わかったよテツ
自分の行動で、自分の意志として伝えろってことなんだね

テツよ
今も昔も、お前は最高の相棒だ


元気だった頃のテツ
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テツとの対話 その16・「命」 ~生きること~

2018年07月15日 | (故)テツ 
やあテツ、いつも呼び立ててすまないね
お前も何かと忙しいだろう
えっ? そうでもないって?
自分を思い出すのはオジンとオバンくらいのもん?
お前と一緒に育った子供たちはもうすっかり忘れてる?
何とまあ薄情な
思い出に生きる身分としてはつらいところだな
みうやソトチビも、お前を思い出せたらいいのにね

それにしても近年の異常気象はすごいな
気温も降雨も局在化して、生きとし生けるものに牙を剥いてくる
西日本では何人もの命が犠牲になった
自分の目に留まった記事は
ノラ犬保護ボランティアのお母さんが
濁流に飲み込まれそうな犬たちを助けようと向かって
自身が流されて犠牲になった
犬小屋は屋根まで埋まって、3匹のワンちゃんも助からなかった
いたたまれない話だけど、自分もきっと同じことをするんだろうな

乳飲み子を抱えたノラのお母さんも同じだ
報道こそされないが
あの濁流から逃れる術はない
いったいどれだけの命が奪われたことだろう

なあテツ、命って何なんだ
どうして我々は生まれてきて、そして死ぬのだろう


テツ1才の頃(左上奥にハナ)

自分には小さい頃から抱えている大きな疑問がある
宇宙の果て
時間の起源
宇宙膨張説や球体表面説、ビックバンがすべての始まり説
どんなに本を読み漁っても、いつも同じ疑問が残った
「その先はどうだったの?」
結局「無」とか「無限」という概念は、自分の理解を超えているのだ

「命」だって同じ
人間はもともと水や蛋白質などの物質でできている
その物質が見たり聞いたり、考えたり想像だってする
生きているから?
同じ物質で同じように構成されていても
何もしないのは命がないから?
命が物質とは違うのなら、いったい何処から来て何処に行くのだろう

ロボットは人を超えられないと言う
でもAIが進化して、わからなくなった
自己成長し得るAIは、いつかは想像だってするようになるだろう
ロボットも人間と同じ、物質でできている
ロボットは、生きている?

46億年の地球の歴史の中で
最初の生物(細菌)が現れたのは40億年近く前
それから長い歴史をかけて進化して
いま我々がここにいる
AIは、数十年で同じ進化を遂げるというのか

子宮から生まれるはずだった哺乳類の命は
いまやクローン技術で造られる
命の在り方が変われば
命の意味も変わるのだろうか


ガリガリに痩せた晩年のテツ(亡くなる1年前)

テツよ、ひとつ言えること
我々が実際に5感を使って話し合うことはもうない
何故ならお前は、もうこの世にはいないからだ
そして我々が一緒に過ごした時代は、2度と戻ることはない

でもなあテツよ
やっぱりお前は生きている
このオジンの心の中で
しっかりと、命を持って生きている

その証拠にこのオジンは
お前のアルバムのどの写真にもないお前の姿を
お前がこの世に存命中見たこともないお前の姿を
見ることができるんだ


テツとハナ(奥)、一番楽しかった頃


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テツとの対話 その15・強制給餌と尊厳死

2018年04月18日 | (故)テツ 
やあテツ、またお前のいない春が来たよ
もう知ってると思うけど
とうとうわが家も6ニャンになっちゃって
毎日があっという間に過ぎていく
えっ? そうか
お前にはわからないよな
時間なんてあり余るほどあるんだから

だけど、新しいニャンコを何匹迎えても
お前を懐かしむ気持ちは強くなるばかりだ
そうなんだよ
彼らがお前との日々を思い出させてくれるからね
でもな、この感覚は悪くない


在りし日のくも、テツ、ハナ(左から)

なあテツよ、お前に聞いてみたいことがあったんだ
そう、お前との暮らしで一番強く覚えているのは
最後の1年半
お前の進行性拒食症との闘いだ
特にくもを亡くしてお前とマンツーマンになってからは
食べないお前と、食べさせたい保護者との闘いだった

お前の病気(推定IBD)は治らない病気
だから、処置をすると言ってもその目的は延命
少し食べては吐き
食べようにも食べれないお前にとって
長く生きることの意味は何なのかと
嫌というほど考えた

猫には死という概念がないから
死を恐れるということもない
死別による喪失感はあっても
自分が死ぬなんて考えることすらできないんだよな
だから食べない一方で、懸命に生きようとする

でもテツよ、それはお前を失いたくない一心での
勝手な解釈だったのかもしれないな
とにかく生きろ生きろと
ありとあらゆるものを買っては与え
食べなければまた次を試す
そして最後に選んだ手段が、強制給餌だった

覚えているかい?
「さあ、のみのみの時間ですよ」
1日何回言っただろうか
ミオレトルトの『飲んで味わえる』だったな
その半パック分(20g)を5ccのシリンジで
お前の喉から少しづつ注入した
目標は1日3~4パック
とてもそれは無理だったけど
少しでも多くと頑張った

お前は本当に苦しそうだったけど耐えてくれた
いや、抵抗する力がなかったんだよな
悲しそうな顔でこっちを見上げて
シリンジを見ただけで逃げ回るようになって
そのうち時間や雰囲気でわかるのか
一足先にベット下に逃げ込んだ

そんな生活を、我々は1年も続けたんだ
それはお前が、天命に背いて生き続けた1年だった
このオジンのために
でも、それが苦痛だけの1年じゃなかったことを
お前だって知っているよな

何故ならその1年は
それまでの18年分に勝るくらい濃密な1年だったから
しかし・・・
やがてお前は強制給餌も受け付けなくなった
やってもやっても殆ど吐いて
いよいよ万策尽きた感じになった

お前が逝った前の日の朝
お前は"その時"を悟ったのか涙を流した
危篤状態になったお前を介抱しながら
わかったんだよ
お前は生きたいというより、このオジンとオバンと
もっと一緒にいたかったんだよな

テツよ
本当に本当にご苦労さん
そしてかけがいのない沢山の思い出をありがとう
尊厳死とは、自然死のことではない
お前が家猫としての尊厳を立派に守り抜いたことを
決して忘れることはないだろう


病院からくも死すの報を受けた日のテツ
ガリガリに痩せながらも何かを言いたそうだった
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