今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

猫社会の子育てに学ぶ

2022年09月04日 | 猫と暮らし猫を知る
かつてNHK「ダーウィンが来た」の猫特集で、はぐれ♂猫から子供を守るコムギやシャームの話があった。♀猫に受け入れてもらえない♂猫が、子育て中の♀猫を発情させるためにその子供を殺すことがあるのだと言う。またネットなどには、♂猫は自分の子孫を残すために他猫の子を殺すという記事も。

本当にそうなのだろうか。確かに野生動物の世界では、自分の遺伝子だけを残そうと他の子を殺すことがある、そんな報文を読んだことがる。果たしてノラや家猫の世界でもそうなのか。実は、自分がこれまで見てきた限りではまったく逆なのです。ネット上の記事を調べても、実際にそんな子殺しを確認したという話は殆どない。たまにそんな記事に遭遇しても、これは違うケースではないかと思えるようなものだった。どうもこの話は、いわゆるネット上の"安易なコピペ記事"によって拡散された可能性が高いのです。他人を中傷するようなコメントのコピペ拡散は問題になっても、猫の話なんてどうでもいいから放任されているのではないか。

ヒールキャラだったのに、子猫のちび太にはやさしかったダイフク(左)

当ブログに登場する♂猫たちはどうかというと、とにかくみな子猫にはやさしい。幼くしてわが家に迎え入れたチキンやキリンはもちろん、少し大きかったイエチビやテリー、もう少し大きかった(生後6ヶ月くらい)ちび太にキーにクウそれにポニー、もっと大きかったケンだってなんなく迎え入れられている。大人猫には厳しかったニャーでさへ子猫たちには寛容だ。番長の異名を持つテンちゃんはちび太の育ての親だし、テリーやレオにも懐かれた。あのヒールキャラだったダイフクも、コンやミセミケやちび太にはやさしかった。

"孤高の猫"ニャーにくっつく幼猫キリン

自分が見た限り、子猫にも厳しかったのは若い頃のモドキとレオだ。しかしそのレオも後にココを受け入れたし、モドキも最近はサビを見逃したりしている。思うに1才くらいまでの子猫は守ろうというルールみたいなものが、猫社会にはあるのではないだろうか。最近多くなった、子供を巻き込んだ事件事故のニュースを見聞きするたびに、そんなことを思うこの頃です。

ただ、それ以外の理由で他猫に襲われたり、また他の動物に襲われたり、病気や事故や子育て放棄など子猫にとって危険がいっぱいなのも事実。かつて当ブログで導き出した1才生存率が20%以下(人間のサポートがない限り)という現実も理解できるのです。

シロキ(奥)は子猫には好かれるけど、外時代にはサクラに嫌われた

ついでに言うと、女性(♀猫)に対するエスコートではやはり得手不得手があるようだ。公平を期すために去勢後の行動は別にして、ミセミケやミケチビを追い払っちゃったレオやモドキは下手な方。でもその後、モドキはハルと結ばれた?(Mさん情報) 家では結局サクラに嫌われたシロキとルイ。逆に意識の薄いキジロは、最近になってサクラと近くなりつつある。でも何と言っても最高のナイトはソトチビだ。みうとリンのエスコートぶりは見事だったし、リンの息子キーとクウの子育てを陰ながら支えるなどイクメンぶりも発揮した。

過去記事「白馬の騎士、シャームとソトチビを偲ぶ」でも書きましたが、♂猫の鑑でもあるソトチビには是非もう一度会いたいものです。

リンの手術の間、キー(奥)とクウ(手前)の面倒を見たソトチビ(中央)

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「まる ありがとう」 ~猫に学ぶ哲学~

2022年04月06日 | 猫と暮らし猫を知る
自分がまだ現役の頃、海外出張が多く家の猫たち(旧3匹組)との付き合いは浅かった。それでも猫散歩だの何だのと楽しい思い出は尽きない。早期退職後は進んで世話係を、ハナとクモを亡くしてからはテツの介護に務めた。その頃に出会ったのが家裏のソトチビとみう、そしてニャー、シャッポ、チビのお店3匹組だった。外資系の役員まで昇りつめた一方で荒んでいた自分の心が、彼らと接するうちに自覚できるほどはっきりと和んでいく。当ブログを始めたのはそんな時だったが、同時にチビとテツを失った。人の心を癒す猫の神秘的な力。ブログ最初の記事以来、この猫の神秘を追求することがテーマとなっているのです。

わが家ののんびり派、シロキ

人間の持つ邪心や功名心や損得勘定や猜疑心に欲望・・ありとあらゆる雑念を取り除くと、きっと猫のようになるに違いない。そのピュアな心というものがとてもやさしくて寛大で、何より接するだけで癒されるものだとわかってきた。そのことを、これまで事あるごとに書いてきたつもりだけど(脚注・主な関連記事)、いつも自分の表現力のなさでうまく伝えられないもどかしさが伴った。ところが最近になって、そういった内容の記事に触れる機会があるのです。

本記事と同じ「猫と暮らし猫を知る」カテゴリーの前記事「猫に学ぶ」で紹介した猫心理学者、高木佐保さんの記事(PHP研究所監修)や、最近フランスでベストセラーとなった本「猫はためらわずにノンと言う」など、ネットで検索すればその要約も散見できます。でも、自分としてはやはり何と言っても養老孟司先生だ。東大医学部卒、医学博士、解剖学者、鎌倉での愛猫まるとの生活は知る人ぞ知る。まるを通して先生が語る人間のあるべき姿。とにかく力が抜けている。ときとして哲学の域に達し、意味不明だったりもする。そんな先生の言葉に心酔し、これまでの記事でも何度か紹介しました。

「何の役にも立たないが、そこにいるだけで癒される存在」だという猫。先生のまるに対する究極の評価だ。そのまるを亡くしたとき、あの先生でさへ重い"まるロス"になったという。それから1年、ようやく先生が書き上げた新書が「まる ありがとう」。解説するまでもありません。内容紹介付のサイトを下にリンクしておきました。

もうひとつ、直木賞作家の朝井まかてさんとの対談もリンクしておきます。朝井さんも24才の老猫マイケルと「ネコメンタリー」に出演しましたが、実はまると3日違いでマイケルを亡くしています。この対談記事はちょっと長いですが、なるほどと感心できる。できたら時間に余裕のある時に読まれることをお勧めします。


シロキ「何故かシロちゃんとまるの話の時はオレが出るな」
(ブサイクだけどのんびり感と模様が似てるから)

脚注)当ブログ内の主な関連記事
「猫に学ぶ」(2021.8月)
「人の心を癒す力 ~猫の魅力を考える~」(2021.8月)
「PURE HEART<汚れなき心>」(2021.6月)
「猫の倫理、そして愛情」(2020.11月)
「はじめまして」(2016.9月)

追申)48時間大雨のおかげでダメかと思っていた満開の桜がまだ健在でした。(本日の様子)

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猫に学ぶ

2021年08月12日 | 猫と暮らし猫を知る
当ブログでは最初の記事「はじめまして」以来、ことあるごとに猫の賛歌を書いてきました。その真っ直ぐで純な心根だけでなく、悔まない恨まない、飾らない諦めない、それに悲観しないといった人から見ればまるで聖人君子のような彼らの行動規範にすっかり惚れ込んでしまったのです。

実際、余生を猫の社会で暮らしたいなんて書いたこともありますが、猫たちの過酷な暮らしにはとても耐えられないに違いない。まあ読んだ人からみれば「この人すっかりかぶれちゃってるね」となる。正直自分でも「虜になっちゃった」と自覚するときがあるくらいです。

ところが、最近強い味方に出会いました。高木佐保さんという猫心理学者が書いた記事で、あの天下のPHP研究所の監修です。これはかなり信頼できそう。記事のタイトルは「猫の生き方を真似すると何故ラクになれるのか?」 まずはそのサブタイトルを列記してみます。これだけ猫に学べることがある。記事に興味のある方は下に貼ったリンクから見ることが可能です。

"相思相愛"のニャーはいろいろなことを教えてくれます

猫の生き様から学べること;
思考編1:自立心を旺盛に(過度に甘えたり頼らない)
思考編2:未来を悲観しない(後悔もしない)
行動編1:限界までがんばらない
行動編2:他猫(人)の顔色はうかがわない(自分がしたいことを優先)
行動編3:柔軟な発想で物事を楽しむ(身近なもので楽しめる)
人間関係編1:他者と適度な距離感を保つ
人間関係編2:新しいものに好奇心旺盛(新しい価値観に興味)
人間関係編3:マイペースを貫く(他者からの期待に過度なプレッシャーを感じない)

いやあ驚いた。こりゃあ自分のニャンコ賛歌とまったく同じ、いやそれ以上だ。高木さんという方は京大の心理学博士で、猫の心の動きを研究するチーム「京大CAMP」のメンバーとのこと。なかなか楽しそうなグループで参加も自由らしいけど、ちょっと恐れ多いかな。

尚、ここに書かれていないことで自分が感服している猫の特性に「現実をありのままに受け入れる(自分を誤魔化さない)」や「他者のせいにしない」などがあると思います。これは自分に降りかかった問題の根本解決や次策への転換のために必要なことで、本来なら真っ先に見習うべきことでしょう。ただこれ、見習っても人にとっては「ラクになる」どころか苦痛が増すことの方が多いので、きっと敢えて割愛されたのではないかと推察しています。

いじられキャラでも卑屈にならないシロキから学ぶことも多い

※参考過去記事
「猫の倫理、そして愛情」(2020.11月)
「PURE HEART<汚れなき心>」(2021.6月)
「人の心を癒す力」(2021.8月)など

※PHPの記事


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人の心を癒す力 ~猫の魅力を考える~

2021年08月03日 | 猫と暮らし猫を知る
「懐かない猫を飼う意味があるのか。」
昨日紹介したある記事のコメント欄で大勢を占めた意見です。実際、「猫を飼ってよかったこと」ランキングでは「懐いてくれたこと」が第2位を占めた。(AllAbout、情報元pepy) さて、懐いてくれない猫は一緒に暮らす意味がないのでしょうか。

ちび太とリン

今からちょうど4年前、「ニャン好き恋愛論」という記事を書きました。猫好きさんを(人間の)恋愛感情に合わせて2つのタイプに分類したのです。Aタイプは相手を自分の傍に置きたがる自分本位タイプ(独占欲)。Bタイプは相手が幸せそうなら安心する他者肯定タイプ(敬意)。いかにもAタイプが悪者っぽいけど、聖人君子でもない限り人はもともとAタイプなんです。子供時代の昆虫採取から始まって、とにかく好きなものを自分のものにしたがる。でも、何かのきっかけで命の尊さを認識することで、人はBタイプに代わるのです。

Aタイプの猫好きさんは愛情がとても強く、あれこれと直接面倒みたり注意したりでお金に糸目をつけない人も多い。ただ過干渉になりやすいのが欠点。血統書志向だったりきれいなおべべ着せたり小さなケージに入れたり、美容を気にして食事制限する人はAタイプに多い。一方Bタイプの猫好きさんはトイレ掃除など間接的な面倒はよく見るけど、基本は放任主義。猫の自由を尊重し、愛情は強いけど表現は控えめ。リスク承知で中外飼いする人はこのタイプに多い。実際にはAかBということではなく、中間的な人も多いでしょう。

キーとクウ

問題は猫にとってどうかということだ。日本は欧米と違ってアニマルウェルフェアの意識が低く、"動物福祉後進国"と言われています。(お隣にもっとひどい国があるので目立たないけど。) 猫と暮らしている人にはBタイプも増えつつあるけど、全体としてはまだまだ圧倒的にAタイプが多いのです。Aタイプの傾向が強い人ほど猫にストレスを与えていることは、最早言うまでもないこと。

チキン

さてここで、養老先生の再登場。(過去記事「キジロの異変と養老先生のまる」)
先生曰く。猫なんて何の役にも立たない、手間ひまと迷惑かけるだけの存在なんです。でもそんな猫らしく生きるちっぽけな存在に、人はどれだけ心を癒されていることか。それは結局、役に立つか儲かるかといった存在ばかりが重視される社会で、実際の人間関係の辛さの裏返しなのではないか 。

そうなんです。人が猫に癒されるのは、猫が人に何かをしてくれるからではない。猫が猫らしく生きている姿にこそ人は癒されるのです。まさに、それが猫の天性なのでしょう。

シロキとポニー

しかしその猫が過度に自由を奪われ、ストレスを溜めた状態であるなら、猫の天性を発揮するどころか鳴き続けたり困ったちゃんになってしまう可能性だってある。そんなことになったら当の猫ちゃんはもちろん、癒しを味わえないでいる保護者さんにとっても不幸なことだと思うのです。

懐かなくたって、猫と暮らす意味は大いにあります。猫らしくいるだけで人の心を癒してくれるのだから。ちなみに、冒頭で紹介したランキングアンケート、圧倒的な第1位は「癒される」でした。

ニャー

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キャットウィスパラー

2021年04月24日 | 猫と暮らし猫を知る
一昨年にカナダの大学研究チームが発表した論文です。
 ※ 学術誌「Animal Welfare」2019年11月号 

キャットウィスパラーとは、猫の表情を見てその気持ちがわかる人のことらしい。
何でも1割くらいの人がそんな能力を持っているのだとか。
猫好きかどうかは関係なく、男性より女性、また高齢者より若い人の方が可能性が高いそうです。

おいおい、それじゃあこっちの出る幕ないじゃないか。
なあ、ニャーよ。

「知るか」

※ネットで検索するといろいろ出てきます。
 簡単な自己診断テストもありますよ。

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