破壊神といえば有名なシヴァやモーリアン、はたまたビルス? あるいはシドー?? (後2者を知っている人は相当な通) いえいえ、当家に来た破壊神はとっても甘えん坊、その名をハリーと言います。正確に言うとハリーの肺と声帯辺りに取り憑いているらしい。そのせいでハリーの鳴き声は人や猫の心、生活、その社会まで、すべてを破壊するらしいのです。
保護して3週間、ハリーの鳴き声は静まるどころかますます凄みを増して、今や岩をも突き通す勢いだ。声が強いだけでなく見事な連続鳴き。息継ぎなしの1分鳴きなんて朝飯前。しかも声楽家並みの息継ぎの素早さで、とにかく切れ目なく鳴き喚く。それが朝暗いうちから夜中まで、昼と夜の寝る時間と食べる間を除いて続くのです。
その鳴き方もニャオニャオと単調なものではない。じれたときの出だしに力を入れた鳴き方もあれば、極めつきは一段と強く大きな声で断末魔の雄叫びのような鳴き方。それをやられると、こっちの神経は完全にマヒしてしまいます。
周囲がどのように破壊されていくのかと言うと、まず当然ながら窓を開けられない。夜明け前から鳴き止むように寄り添ってあやさなければならない。ハリーは超甘えん坊で、人がそばにいればゴロゴロで大満足です。ただし添い寝程度ではダメ。かまってやらないと鳴き出します。夜は夕食の後、テレビも中断してまた付き添い。これでまず保護者の生活が破壊されました。
廊下に出てちび太(右)と過ごすハリー
保護部屋外では当面リード付
保護部屋は隣家に近いので、同じ側にばかり迷惑をかけられないと朝夕の静かな時間帯はハリーをリビングに移し、保護部屋の空気の入れ替えとテリーにも休息を与えます。ただ、この時間帯は保護者が掃除だ何だと忙しくてハリーに付き合えない。当然ハリーは鳴き放し。すると他の猫たちの様子が一変します。警戒するのは仕方ないとしても、その鳴き声にだんだん気が立ってくるのがわかる。それが続くと、猫たちが荒んでしまうのです。
チビたち3匹が本気モードで暴れまくったり、ニャーがリンやみうを追い掛け回したり、平和が崩れて諍いが増え、結果としてみうはまたベット下の住人に逆戻りした。クウはハリーに釣られて野生の雄叫びを上げるようになり、ちび太はニャーも含めて誰彼なく追い回す。この有様は、まさにわが家の猫社会の崩壊だ。
懐かしの勝手口を内側からチェック
こんなことを続けてられないと先週はハリーのウィルスチェックを行いました。ちょっと早いけど、保護部屋から出せれば少しは変わるかと。病院では開口一番「何とまあご立派なボスキャラだこと。」 傷ひとつない端正な顔立ちに先生もびっくり。でも臆病で甘えん坊と聞いて「この子はすぐに(里親が)決まるね」と。しかし検査の結果は、FIV陽性でした。
一昨日は去勢手術を決行。昼ごろ出かけて夕方には戻ってきたけど10日間の安静です。当日の晩はハリーも神妙にして一声も出さず。久々に静かな晩を迎えました。するとどうでしょう。先住の猫たち6匹がリビングに集まって思い思いに過ごしたのです。ハリーが来る前の平穏な生活は、まだまだ取り戻せるんだなと安心したものでした。でもハリーの鳴きは、翌朝から少しづつ復活しています。
初対面でも気にしないで仲良くできるのがちび太の特技
バカ鳴きを別にすればハリーはとっても穏やかな猫。他の子がいるリビングに出しても、自分から喧嘩を売ることはありません。ちび太あたりがよく絡んでくるけど相手にもしない。でもあまりにしつこく絡まれると「何だよー」とイラついた感じで逆襲する。そのときの迫力には凄まじいものがあって、「ボスキャラ」と言われたのもわかります。今のところ、ハリーがリビングに出るのはニャーが外にいるときだけです。
長く一緒にいると情が移って予定通りにいかなくなったりするので、ハリーとテリーは早い時期に保護者さん募集を開始します。FIV陽性のハンデはあっても、もともとハリーは1頭飼いで思い切り甘えられる保護者さんが希望なので、諦めずに病気に理解のある方を探していこうと思います。
ちょっと臆病な"ボスキャラ"のハリーです
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます