「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」は、村上春樹の短編小説だ。
結構人気のある短編で、僕も若い頃読んで、感銘をうけた覚えがある。
でもさ、100%の女の子って、本当にいるのかな。そもそも、100%って何よって話だ。
小説の中で言ってるように、容姿の好みではない。「タイプファイ」なんてできない。ただ、そう感じるだけだ。
今までの人生で、そういう女性がいたかと聞かれれば、うーん、どうだっけ。
ああ、「いたね」と答えるだろう。そういうのって感覚でわかる。あの子は100%だったなって。
ただ、しっかり捕まえておかなかったから、うなぎのようにスルスルッと逃してしまった。
小説のようにもう一回再会したら、どんな感じになるのかな。興味深い。
ちなみに、アメリカの調査で、一目惚れから始まったカップルの55%が結婚し、そのうちの90%以上が離婚しないそうだ。一目惚れから始まった恋は冷めにくいようだ。
その理由について、諸説あるが、人は瞬時に、遺伝子レベルで自分に合う相手を見分ける。
そして、その判断はかなり正しい。
でも、世の中に100%の女の子がいるとしても、そう簡単に会うことなんてできない。
だいたい60とかで、良くて80とかだ。
社会心理学者のエーリッヒ・フロムは、著書「愛するということ」で言っている。
人を愛することは、技術だと。
恋に落ちるという体験と愛を持続させることは違う。それを混同すると、愛することを失敗してしまう。
「愛の失敗を克服する方法は、一つしかない。愛の意味を学ぶことである。そのための第一歩は、愛は技術であることを知ることである」
素晴らしい本なので、よかったら読んでみてください。ちょっと哲学書っぽいですが。
このフロムの考え方は、僕たちに希望を与えてくれる。
愛は技術だから、60%の女の子だとしても、98%までもっていけるかもしれない。
うまくやればね。
そうでなきゃ、人生つまらないからね。
「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」の朗読があったので、興味がある人は聴いてみてください。
なかなか素敵な小説です。12分くらいの長さです。