若い頃、よく喧嘩した。良い喧嘩もあったし、悪い喧嘩もあった。
なんでそんなの喧嘩するかというと、自分のほうが強い(もしくは正しい)と思ってるからだ。
ほんと軍鶏みたいに喧嘩っ早かった。
でも、今はぜんぜんしませんよ。もう弱くなったし、自分が正しいか確信をもてないから。
ところで、軍鶏の目は、かわった構造をしているそうだ。
相手が五分の一くらいの大きさに見える。トラが、猫くらいに見えるらしい。
だから、こんなチビに負けるはずがないと思って戦うのである。
僕も若い頃は、相手を見くびって、喧嘩していたんだなと思う。
逆に、牛の目は、軍鶏と違って、相手が五倍に見えるそうだ。だから猫がトラに見える。
牛は、必要以上に、相手を怖がり、ビビっている。こんな感じで、戦わないのも問題だろう。
僕は、やっぱり、客観的に分析する科学者の目がほしい。
相手を見くびらず、かつ必要以上にビビらない、適切な判断のできる目だ。
でも、そんな目を持っていても、必ずどこかで見誤ってしまう。
だから、どんな人でも敬意をもって付き合うのがいいんだな、というのをこの歳になって分かってきた。
まあ、遅いかもしれないが、何でも遅すぎることはないですよね。