監督は王兵。中国のドキュメンタリー映画の監督ですが、彼にとっては初の長編劇映画だそう。舞台は、文化大革命直前、反右派闘争によって捕まった人たちの収容所です。
ゴビ砂漠にある収容所は、穴倉。草も木も生えていない土地で労働に従事する人たちは、さまざまな理由によって投獄されている。ついこの間まで反右派闘争の先陣を切っていた人もいる。若い人だけではない。老人も病人も穴倉に置かれたベッドだけが自分の場所。わずかな食べ物だけで生き延びるために熾烈な争いも起きる。人肉嗜食の疑いをかけられた受刑者もいる。見渡す限り薄茶色の砂漠の風景の中で、黙々と働く人たち。党の方針は突然変わることもあり、看守たちも翻弄される。
「1960年、中華人民共和国の反右派闘争によって、多数の人間が甘粛省の砂漠にある政治犯収容所に送られ、強制労働についていた。董建義(ヤン・ハオユー)は、自分の死体を妻が持ち帰ることのできるように手配してほしい、と李民漢(ルウ・イエ)に言い残して命を落とす。その後、董顧(シュー・ツェンツー)が夫を探して上海からやって来る。彼女は夫の死を知らされ、泣き崩れる。数えきれない人間が葬られている砂漠で夫の死体を見つけることは不可能だと周囲の誰もが考えたが、彼女だけは決して諦めることなく、夫の死体を探し続ける。」(無言歌 (映画) - Wikipedia)
セリフは少なく、音楽はない。文字通り「無言」歌。「歌」は彼らの心の中だけにあるということなのだろうか。暗く、単調なのに、つい見続けてしまいました。遣る瀬無い。
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