銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

シンディが教えてくれた

2011年03月23日 | のほほん同志Aの日常
甘く、パワフルな七色の歌声。
赤ん坊のようにギュッと握りしめたこぶし。
「イーダ」をするように、鼻にクシャッと皺を寄せる表情。

その歌と動きのひとつひとつに魅せられて
ミュージックビデオを何度見たか分かりません。

シンディ・ローパー。

私にとってはその名前を口にするたけで、
ある時代にタイムスリップしてしまう、
そんな存在です。

そのシンディ・ローパーが
同じひとつの空間で歌い、はじけていました。
観客席に飛び込んで、ファンにもみくちゃにされながら、
それでも圧倒的な存在感で歌い続けていました。

思わず…ずっと立ちあがっていました。
(ほとんどの観客が総立ちでした)

恥ずかしながら…ずっと泣いていました。
(隣のオジサンもすすりあげています)

コンサートであんなに心揺さぶられたのは
初めてかもしれません。

来日を取りやめるアーティストが続出し、
先々の公演まで中止が相次ぐなか、
地震発生から4日後の名古屋公演を皮切りに、
東京、大阪すべてのコンサートを全力でやってくれたのです。

思いだしたのは、指揮者・佐渡裕さんの言葉です。

「この未曽有の事態に何ができるのでしょうか…。
 私には音楽を奏でることしかできません。
 音楽は直接的に人の命を救うことはないかもしれませんが、
 美しい音楽は人の心に希望の光を灯してくれるはずです」

客席に何度もマイクを向け、
歌い、語りつづけるシンディもまた、
自分のありったけのエネルギーを
観客ひとりひとりに分け与えようとするかのようでした。

そして、とうとうラストの曲。
バックのバンドマンが引き揚げたのち、
舞台にひとりで帰ってきたシンディは
頭と胸を指さして、こう言いました。

「忘れないで。
 大切なものは全部ここにある。
 ハートで感じること。そして考えること。
 それが私たちをつなげてくれるから」

うっうっ、
…もう号泣です。
(隣のオジサンも、袖口で目をゴシゴシやってます)

――終演後。

立ち去り難く、しばらくぼんやりとコーヒーで熱気を冷まし、
さて帰ろうと会場の外に出たときです。
ものものしい警備員、その向こうにブロンドの女性。
シンディです!

スタッフとともに乗りこんだ車が目の前を通り過ぎるとき、
バックシートにひかれた黒いカーテンの向こうにいるシンディに
思いのたけを込めて手を振りました。

来てくれてありがとう!
歌ってくれてありがとう!
CDぜんぶ買うし!

思いは届いたかどうか…。

でも大切なものの在り処を教えてくれたシンディのこと、
きっとハートで感じとってくれたはずです。


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